2019/12/25 152view

自宅を相続した場合の評価方法~財産別に節税対策も交えて解説!

この記事で分かること
  1. 自宅を相続した場合、相続税計算のため、自宅の相続評価が必要になる。
  2. 自宅の相続評価は、土地と家屋を別々に行う。
  3. 土地の評価の仕方には、路線価方式と倍率方式がある。
  4. 家屋の評価額は、固定資産税評価額と同じである。
  5. 分譲マンション、庭園設備や駐車場については、独自の評価が必要となる。
  6. 土地については、小規模宅地等の特例を使えば、大きな節税となる。
  7. 自宅の相続評価が必要なときは、弁護士など税の専門家に相談するのが一番である。

自宅を相続する場合、相続税を納める前提として、自宅の相続評価をしなければなりません。評価の仕方には、いろいろなルールがあります。節税も重要なポイントです。税に詳しくない一般の方がひとりで取り組むには、荷が重過ぎます。無理な取り組みには、リスクが伴います。自宅の相続評価については、弁護士など税の専門家に相談することが一番です。

自宅の相続評価は土地と家屋で分けて考える

自宅の相続評価とは、自宅を相続する場合、土地と家屋の価値を金額で表すことです。

表された金額を、評価額といいます。評価額に相続税率を掛けることで、土地と家屋の相続税が計算されます。

親が所有する家に住んでいる子が、親が亡くなって、自分がその土地と家屋を相続することになり、相続税を納めなくてはならなくなった場合などに、自宅の相続評価が必要となります。

土地と家屋とでは評価の仕方が違います。両者は別々に評価することが必要です。

ワンポイントアドバイス
土地と家屋の評価には、専門的な知識と技術が必要です。素人考えで行うことは、間違った評価につながります。土地と家屋の評価は、弁護士など税の専門家に相談することが一番です。

自宅のある土地の相続税評価方法

自宅のある土地の相続評価について解説します。

ちなみに、宅地と隣り合う畑も相続する場合、宅地と畑は別々に評価します。土地利用の仕方の区分である地目が、「宅地」「畑」というように異なるからです。

土地の評価の仕方には、路線価方式と倍率方式の2つがあります。それぞれについて解説します。

路線価方式

路線価方式は、路線価が定められている地域で用いる方式です。路線価が定められていない地域では、この方式は使えません。

路線とは、道路のことです。路線価とは、路線(=道路)に面する土地の1平方メートル当たりの評価額です。国税庁が決め、毎年7月に発表されます。全国の路線価は、国税庁のWEBサイトで見ることができます。(参考リンク 国税庁WEBサイト 「路線価図・評価倍率表」

路線価方式による土地の評価額は、次の式で計算されます。

路線価方式による評価額
   = 路線価(千円単位) × 奥行価格補正率など × 面積(㎡)

奥行価格補正率とは、土地の奥行が長いため利用しにくい土地について、路線価による評価を修正するパーセンテージです。奥行価格補正率の他にも、7つの修正方式があります。国税庁が決めています。奥行価格補正率などの修正方式は、国税庁のWEBサイトで見ることができます。

参考リンク:国税庁WEBサイト 「奥行価格補正率表」

倍率方式

倍率方式は、路線価が定められていない地域で用いられる方式です。

倍率方式による土地の評価額は、次の式で計算されます。

倍率方式による土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率 

固定資産税評価額とは、固定資産税を決める基準となる評価額です。総務省が定める「固定資産評価基準」に基づいて、各市区町村が決めています。

固定資産税評価額は、毎年4月から5月頃に市区町村から送られる固定資産税納税通知書に添付されている「固定資産税課税明細書」に書かれています。市区町村役場で発行してもらえる「固定資産評価証明書」にも書かれています。

評価倍率とは、固定資産税評価額を、相続税の基準となる評価額に修正するパーセンテージです。国税庁が決めています。全国の評価倍率は、国税庁のWEBサイトで見ることができます。

参考リンク:国税庁WEBサイト 「路線価図・評価倍率表

ワンポイントアドバイス
路線価と評価倍率については、国税庁WEBサイトで確認できますが、一般の方が見てパッと理解できる内容ではありません。路線価と評価倍率について分からないことは、弁護士など税の専門家に相談しましょう。

自宅の家屋の評価

自宅の家屋の相続評価について解説します。

固定資産税評価額がそのまま評価額に

家屋の評価額は、次の式で計算されます。

家屋の評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0 

家屋の評価額は、固定資産税評価額と同じ額です。

家屋の固定資産税評価額の意味と調べ方は、土地の固定資産税評価額の場合と同じです。 

ワンポイントアドバイス
固定資産税評価額は、「固定資産税課税明細書」や「固定資産評価証明書」に書かれています。いずれの書類も、多くの項目と数字が並んでいます。慣れない方には、分かりにくい書類かと思われます。そんな時は、弁護士など税の専門家から読み方のアドバイスを受けましょう。

庭や駐車場など自宅の設備の評価は?

住宅の中には、庭園設備や駐車場を備えた住宅もあります。庭園設備や駐車場のような、住宅に付属した財産は、どのように評価したらよいのでしょうか。

庭園設備は調達費用の70%で評価

自宅に、庭木・庭石・庭池などでできた庭園設備がある場合、その評価額は、次の式で計算されます。

庭園設備の評価額
=庭園を現在の状態まで新しく作り直したとしたらかかるであろう費用 × 0.7

自宅を相続する時に、庭園設備を中古で買ったという考え方に基づいています。新しく作り直す費用を基準に、中古としての年月経過による状態悪化分3割を引いた、いわゆる7掛けで計算します。

新しく作り直す費用は、調達費用と呼ばれます。木や石などの代金だけでなく、それらの運送・植林・配置などの費用を含みます。

ただ、実際に庭園設備の評価が必要となるのは、歴史的・文化的に価値のある庭園設備に限られるかと思われます。

駐車場は路線価方式か倍率方式で評価

駐車場は、通常の宅地と同じように、路線価方式か倍率方式で評価します。路線価が定められている地域の駐車場であれば路線価方式、そうでなければ倍率方式で評価額を計算します。

ワンポイントアドバイス
庭園設備を評価する場合、新しく作り直す費用(調達費用)を計算します。その計算には、専門知識と実務経験が欠かせません。一般の方には難しい作業です。庭園設備の評価については、弁護士など税の専門家に相談しましょう。

相続した自宅がマンションだった場合の評価方法は?

相続する自宅は、一戸建てとは限りません。マンションのような集合住宅の場合もあります。ここでは、借りるマンション=賃貸マンションではなく、買って所有するマンション=分譲マンションを相続する場合について解説します。

相続する自宅が分譲マンションである場合、自宅の評価額は次の式で計算されます。

分譲マンションの評価額 = 敷地全体の評価額 × 共有持分の割合

敷地全体の評価額は、通常の土地と同じく、路線価方式または倍率方式によって評価されます。路線価が定められている地域では路線価方式、そうでない地域では倍率方式によります。路線価方式では、通常の土地と同じく、奥行価格補正率などによる評価の修正が行われます。

共有持分の割合とは、マンションのすべての住人で共有する敷地について、それぞれの住人が持つ持分の割合をいいます。次の計算式で計算されます。

共有持分の割合
 = それぞれの住人の部屋の床面積 ÷ すべての住人の部屋の床面積の合計

ワンポイントアドバイス
分譲マンションの評価額を計算するとき、路線価方式、倍率方式、奥行価格補正率、共有持分の割合などの専門用語についての理解が欠かせません。一般の方には理解しずらい項目ばかりです。中途半端な理解で評価に当たると、思わぬ損をこうむります。分譲マンションの評価については、弁護士など税の専門家に相談することが一番です。

自宅に居住するなら小規模宅地等の特例を忘れずに

自宅を相続する場合、土地の評価についての特例があります。小規模宅地等の特例といい
ます。

土地の相続税評価額が80%減額に!

小規模宅地等の特例を使うと、土地の相続税評価額が80%減額されます。節税効果の高い制度なので、ぜひ有効に活用しましょう。

ワンポイントアドバイス
小規模宅地等の特例を使うには、いくつかの要件をクリアしなければなりません。一般の方が特例の内容を正確に調べて事に当たるのは、大変な苦労です。小規模宅地等の特例を使うのなら、弁護士など税の専門家に相談することをお勧めします。

自宅の相続評価が必要な場合、弁護士など専門家に相談を

この記事を読まれているのは、自宅を相続して、相続税を支払わなければならない状況になり、自宅をどのように評価したらよいか分からないで困っている方かと思います。

この記事は、自宅の相続評価の仕方について、できる限り分かりやすく解説したものです。それでも、路線価だの倍率方式だの、難しいことばがたくさん出てきて、分かりずらいことが多いかもしれません。

この記事の目的は、自宅の相続評価の仕方についてのあらましを、記事を読まれている方の予備知識としてもらうことにあります。その予備知識を頭に入れたうえで、弁護士など税の専門家に相談しましょう。

あなた自身が直面している具体的な状況を、弁護士さんなどにお話しください。相談相手の弁護士さんなどから、この記事の内容よりも一歩も二歩も突っ込んだ内容の説明があるかと思います。その説明を聞く際、この記事でつかんだ予備知識が、きっとあなたの理解を助けてくれることでしょう。

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