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田舎の家を相続したら?空き家の税負担と対処法

田舎の家を相続したら?空き家の税負担と対処法

この記事で分かること

  • 田舎の家を相続すると住まなくても固定資産税や管理責任の負担が生じる
  • 空き家を放置すると固定資産税の軽減特例から外れ負担が重くなる
  • 住む・活用する・売却するなど状況に応じた選択肢がある
  • 相続放棄では田舎の家だけでなく全財産を受け継がない
  • 対応が遅れるほど不利になるため早めの方針決定が大切

田舎の家を相続すると、住まなくても固定資産税や管理責任の負担が生じます。空き家を放置すると、固定資産税の軽減特例から外れて負担が重くなることもあります。対応としては住む・活用する・売却するなどの選択肢があり、負担が大きければ相続放棄も検討できますが、その場合は全財産を受け継がないことになります。対応が遅れるほど不利になるため、早めに相続に詳しい専門家へ相談しましょう。

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田舎の家を相続したときに直面する問題

「田舎の実家で一人暮らしをしていた親が亡くなった。きょうだいで話し合った結果、自分が実家を相続して守っていくことになった」。こうした話は、決して珍しいものではありません。核家族化が進み、子が老親と離れて暮らす世帯が増えた今、田舎の実家をどう引き継ぐかは、多くの家庭が向き合う問題になっています。進学や就職を機に故郷を離れ、都市部で家庭を築く。そんな人生を歩む方が増えました。その結果、生まれ育った田舎の家には親だけが残り、その親が亡くなったときに、誰がどう実家を引き継ぐかという問題が浮かび上がってきます。これは、現代の日本で多くの家庭が経験する、避けて通れない課題になっています。

生まれ育った実家を相続して守っていきたい。その気持ちは尊いものです。けれども、現実は気持ちだけでは済みません。田舎の家を相続すると、思いがけない負担が次々と生じるからです。具体的には、固定資産税という税金がかかり続けること、家の管理責任が発生すること、放置すれば近隣から苦情が来ることなどが挙げられます。これらの負担は、実家に住むかどうかにかかわらず生じます。相続した瞬間から、その家の持ち主としての責任を負うことになります。気持ちのうえでは「大切な実家を守りたい」と思っていても、現実の負担と向き合わなければならない場面が必ずやってきます。理想と現実のギャップに戸惑う方が多いのも、田舎の家の相続の特徴です。このギャップを埋めるためにも、早めに情報を集め、対策を考えることが大切です。

実家を相続したものの、自分は別の場所に生活の拠点があり、そこに住むわけではない。そんなとき、空き家となった実家をどうすればよいのか、頭を悩ませる方は少なくありません。都市部で仕事をし、家族と暮らしている人にとって、田舎の実家に移り住むのは現実的でないことが多いものです。かといって、思い出の詰まった実家を簡単に手放すのも忍びない。この板挟みの状況が、田舎の家の相続を難しくしています。理性では割り切れない感情が絡むからこそ、判断が難しくなります。この記事では、田舎の家を相続したときに生じる問題と、税金のムダ払いを避けながら賢く対応する方法を、弁護士の視点から解説していきます。何も知らないまま実家を相続して、後から「こんなはずではなかった」と後悔する方は少なくありません。事前に問題点と対応策を知っておくことで、無駄な負担を避け、納得のいく形で実家を引き継ぐ、あるいは手放すことができます。田舎の家の相続に直面している方は、ぜひ参考にしてください。

田舎の家を相続するとかかる負担
固定資産税がかかり続ける、家や土地の管理責任が生じる、放置すれば近隣トラブルや行政からの指導につながる。住まないからといって、相続した以上はこうした負担から逃れられません。早めに方針を決めることが欠かせません。

住まない実家でも負担はついて回る

田舎の家を相続して最も多くの方が直面するのが、「住まないのに負担だけがかかる」という状況です。自分は都市部で暮らしていて、相続した実家には戻らない。それでも、持ち主である以上、税金や管理の責任からは逃れられません。

空き家のまま放置しておけば、建物は傷み、庭は荒れ、やがて近隣に迷惑をかけることにもなりかねません。雑草が伸び放題になったり、塀が崩れかけたり、害虫や害獣のすみかになったり。管理されない空き家は、周囲の住民にとっても悩みの種になります。空き家の管理は、自分のためだけでなく、近隣への配慮としても欠かせません。かといって、活用するにも処分するにも、それぞれに手間とお金がかかります。放置すれば負担が膨らみ、何か手を打とうとすればコストがかかる。どちらにしても簡単ではないからこそ、田舎の家の相続は悩ましいです。だからこそ、それぞれの選択肢のメリットと注意点をよく理解したうえで、自分にとって最善の道を選ぶことが大切になります。後の章で、それぞれの選択肢を詳しく見ていきます。田舎の家の相続は、こうした「持て余し」の問題と向き合うことから始まります。そのため、相続したらできるだけ早く、どう対応するかを考えておく必要があります。使わない、住まない、でも手放せない。そんな宙ぶらりんの状態が続くと、負担だけが増えていきます。持て余したまま時間が過ぎるのが、最も避けたいパターンです。時間の経過とともに、負担だけが静かに膨らんでいきます。相続した時点で、この家を将来どうしたいのかを真剣に考え始めることが、賢明な対応への第一歩になります。

固定資産税がかかり続ける問題

田舎の家を相続したときに、まず意識しておきたいのが固定資産税です。固定資産税とは、土地や家屋などの不動産にかかる地方税で、その不動産の持ち主が毎年支払うものです。実家を相続すれば、その税金を支払う立場が、亡くなった親から相続した子へと移ります。固定資産税は、毎年決まった時期に納税通知書が届き、それに従って支払います。親が支払っていたときには意識していなかったかもしれませんが、相続した今、その負担が現実のものとして自分にのしかかってきます。

住まなくても支払い義務は生じる

これまでは、亡くなった親が実家の持ち主として固定資産税を支払ってきました。相続によって持ち主が変われば、今度は相続した子がその税金を負担することになります。たとえ自分が住んでいなくても、持ち主である以上、支払い義務からは逃れられません。

実家に戻る予定がなく、空き家のままにしている場合でも、固定資産税は毎年かかってきます。使っていない家のために、税金だけを払い続けるというのは、納得しがたいものです。住んでもいない、活用してもいない家に、毎年お金を払い続ける。この状況に疑問を感じるのは当然です。固定資産税は、不動産を所有しているかぎりかかり続けるため、長期間放置すれば、その累計額は決して小さくありません。塵も積もれば山となるように、毎年の税負担はやがて大きな金額になります。こうした負担が積み重なると、相続したことを後悔する方もいるほどです。この点から、相続した実家をどう扱うかを早めに決めることが肝心です。年に一度の固定資産税の通知が届くたびに、「使っていない家のために、また税金を払うのか」とため息をつく。そんな状況は、できれば避けたいものです。早めに方針を決めて行動すれば、こうした負担を最小限に抑えることができます。後悔しないためにも、早めの行動を心がけましょう。先延ばしにするほど、負担だけが積み重なっていきます。

空き家を放置すると税の負担が重くなることも

ここで注意したいのが、土地に建物が建っている場合に受けられる固定資産税の軽減措置です。住宅が建っている土地は、200㎡までの部分の固定資産税が6分の1になる特例の対象になります。これは、住むための土地の税負担を抑え、住宅の確保を後押しするための仕組みです。多くの住宅地が、この特例によって固定資産税の軽減を受けています。そうであれば、この特例から外れることの影響は小さくありません。この特例があるため、家を取り壊さずに残しておく方も少なくありません。更地にしてしまうと、この軽減措置が受けられなくなり、土地にかかる固定資産税の負担が増えることがあります。そのため、使わない家であっても、あえて取り壊さずに残しておくという選択をする方がいます。ただし、この判断には注意も必要です。

しかし、空き家を適切に管理せず放置していると、行政から問題のある空き家として扱われ、この軽減措置の対象から外れてしまうことがあります。そうなると、土地にかかる固定資産税の負担が、それまでより重くなってしまいます。空き家を放置することは、こうした税の面でも不利になりかねないことを知っておきましょう。つまり、空き家を「とりあえずそのままにしておこう」と放置することが、結果として税の負担を増やしてしまうことがあります。管理の手間を惜しんだことが、かえって金銭的な不利益につながる。これは、田舎の家を相続した方が陥りやすい落とし穴の一つです。空き家であっても、適切に管理を続けることが、結果的に負担を抑えることにつながります。

注意
空き家を放置して管理を怠ると、行政から問題のある空き家とみなされ、土地の固定資産税が軽減される特例から外れてしまうことがあります。住まないからと放っておくと、かえって税の負担が重くなるおそれがあります。
  • 住まなくても、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税がかかる
  • 管理不全空家や特定空家に指定されると、住宅用地の特例(200㎡まで6分の1)が外れる
  • 草木の手入れや雨漏りの修理など、維持の手間と費用がかかる
  • 相続人で共有したままだと、売却や解体に全員の同意が要る

相続した田舎の家の選択肢

田舎の家を相続したら、その家をどうするかを決めなければなりません。大きく分けると、住む、活用する、処分する、という方向があります。それぞれにメリットと注意点があるため、自分の状況に合った選択を考えていきましょう。

自分や家族が住む

最もシンプルなのは、相続した実家に自分や家族が住むことです。実際に住めば、空き家の問題は生じません。固定資産税の軽減措置も受けやすく、家の管理も日々の生活の中で行えます。人が住んでいる家は、空き家のように急速に傷むことがありません。日々の暮らしの中で換気や掃除が行われ、不具合があればすぐに気づいて対処できます。住むという選択は、空き家がもたらす多くの問題を、根本から解消してくれます。ただし、生活基盤を移せるかどうかが、選択の鍵になります。

ただし、田舎の家に住むには、仕事や子どもの学校など、生活全体を見直す必要があります。すぐに移り住むのが難しい場合も多いでしょう。将来的に戻る可能性があるなら、それまでの間どう管理するかも考えておく必要があります。たとえば、定年後に田舎へ戻ることを考えているなら、それまでの数年から十数年の間、空き家をどう維持するかが課題になります。誰も住まない家は、想像以上に早く傷んでいきます。定期的に風を通し、庭の手入れをするなど、維持のための手間や費用も見込んでおく必要があります。

賃貸に出すなど活用する

自分が住まないのであれば、賃貸に出して活用するという方法もあります。誰かに貸せば家賃収入が得られ、固定資産税などの負担を補うことができます。また、人が住むことで家が傷みにくくなるという利点もあります。空き家のまま持ち続けると負担だけがかかりますが、貸し出せば、その負担を家賃でまかなえる可能性があります。さらに、借り手が住むことで家に人の手が入り、建物が長持ちするという副次的なメリットも生まれます。うまくいけば、負担を収入に変えられるのが活用の魅力です。空き家を眠らせておくよりも、有効に使う道を探る価値があります。

ただし、田舎の物件は借り手が見つかりにくいこともあります。貸し出すために改修が必要になる場合は、その費用もかかります。古い家屋であれば、水回りの修繕や内装の手直しなど、人に貸せる状態にするための投資が必要になることもあります。改修費を回収できるだけの家賃が見込めるかも、検討すべきポイントです。活用を考えるなら、その地域に賃貸の需要があるかどうかを見極めることが必要です。都市部であれば借り手を見つけやすいですが、人口の少ない田舎では、そもそも借りたいという人が少ないこともあります。賃貸に出しても入居者が見つからなければ、改修費だけがかかって収入にはつながりません。地域の不動産事情をよく調べたうえで、活用が現実的かどうかを判断しましょう。地元の不動産業者に相談してみると、需要の有無を知る手がかりが得られます。その地域に詳しい人の意見は、判断の大きな助けになります。

売却して手放す

住む予定も活用する予定もないなら、売却して手放すという選択もあります。売却すれば、固定資産税や管理の負担から解放され、まとまったお金も手に入ります。空き家を持て余すくらいなら、早めに売却する方がよいという判断もあるでしょう。使う予定のない家を持ち続けることは、税金や管理という形で、じわじわとお金と労力を奪っていきます。売却によってその連鎖を断ち切れば、以後の負担はなくなり、得られた資金を他のことに活かせます。思い切って手放すことが、合理的な選択になる場合も多いです。感情と現実のバランスを取りながら、判断していくことが大切です。

ただし、田舎の不動産は買い手が見つかりにくく、希望どおりの価格で売れるとは限りません。売却には時間がかかることも覚悟しておく必要があります。都市部の物件のようにすぐに買い手がつくとは限らず、何か月、ときには何年も売却活動が続くこともあります。根気よく売却活動を続ける覚悟も必要になります。それでも、負担を抱え続けるより、手放すことで気持ちも軽くなるという面もあります。空き家を持ち続ける限り、税金や管理の負担、そして「どうにかしなければ」という心理的な重荷がついて回ります。売却してしまえば、そうした負担から解放されます。多少時間がかかっても、最終的に手放すことが、心身の負担を減らす道になることもあります。負担から解放される安心感は、何ものにも代えがたいものです。

選択肢 メリット 注意点
住む 空き家問題が生じない 生活全体の見直しが必要
活用する 収入で負担を補える 借り手探しや改修費が課題
売却する 負担から解放される 買い手探しに時間がかかる
選択肢 費用・手間 向いているケース
自分や家族が住む リフォーム費用 生活の拠点を移せる
賃貸に出す 修繕費、管理の手間 借り手がつく立地
売却する 仲介手数料、解体費 買い手が見込める
国庫に帰属させる 審査手数料と負担金(原則20万円)、建物の解体 売れない土地
相続放棄する ほかの財産もすべて放棄 財産全体がマイナス

相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう

売れない、貸せない土地を手放す方法として、2023年4月27日に始まった相続土地国庫帰属制度があります。相続や遺贈で取得した土地を、法務局の審査を経て国に引き取ってもらう制度です。相続放棄と違い、ほかの財産は相続したまま、特定の土地だけを手放せる点が大きな違いです。

ただし、建物が建っている土地、担保権が設定されている土地、境界が明らかでない土地などは対象外です。申請には1筆あたり1万4,000円の審査手数料がかかり、承認されると、10年分の管理費用に相当する負担金(原則20万円)を納めます。建物は解体してから申請する必要があるため、費用と手間を見積もったうえで、売却や相続放棄と比べて判断してください。

相続放棄という選択肢も検討する

田舎の家を相続したくない、負担を背負いたくないという場合には、相続放棄という方法もあります。相続放棄とは、被相続人の財産を一切受け継がないことを家庭裁判所に申し出る手続きです。これをすれば、田舎の家を相続せずに済みます。相続放棄が認められれば、その人は最初から相続人でなかったものとして扱われます。つまり、田舎の家を相続する立場から完全に外れることができます。負担の大きい財産を引き継ぎたくない場合に、検討する価値のある手続きです。ただし、一度放棄すると撤回が難しいため、慎重な判断が求められます。

相続放棄をすればすべての財産を受け継がない

相続放棄をすると、田舎の家だけでなく、預貯金などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も、すべて受け継がないことになります。田舎の家がいらないからといって、それだけを放棄して他の財産は受け取る、ということはできません。相続放棄は、あくまで「相続人としての地位そのものを手放す」手続きです。プラスの財産もマイナスの財産も、まとめて引き継がないのが相続放棄です。この点を理解したうえで、放棄するかどうかを判断する必要があります。財産を選り好みして、欲しいものだけ受け取り、いらないものだけ放棄するということは認められていません。だからこそ、相続放棄をするかどうかは、田舎の家だけでなく、相続財産の全体像を見て慎重に判断する必要があります。

そのため、相続放棄を考える際は、相続財産全体を見て判断する必要があります。田舎の家以外に価値のある財産があれば、放棄することでそれも手放すことになります。せっかくの預貯金や、他の価値ある財産まで一緒に手放すことになっては、本末転倒です。放棄の前に、財産と負担の両方をしっかり把握しておくことが欠かせません。田舎の家の負担を避けたいあまり相続放棄を選んだら、ほかに受け取れたはずの財産まで失った、ということにならないよう、慎重な見極めが必要です。一方、田舎の家のほかに目立った財産がなく、むしろ負担の方が大きいなら、相続放棄が有力な選択肢になります。たとえば、相続するのが負担の大きい田舎の家と、わずかな預貯金だけというような場合です。家を維持する負担を考えれば、いっそすべてを放棄してしまった方が、結果的に得策となることもあります。財産より負担が上回るなら、放棄は理にかなった選択です。財産と負担を天秤にかけて、放棄が有利かどうかを見極めることが欠かせません。

相続放棄には期限がある

相続放棄をするには、期限があります。自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申し出なければなりません。この期間を過ぎると、原則として相続放棄ができなくなり、田舎の家を含む財産を相続したものとして扱われます。期限を知らずにのんびりしていると、いつの間にか相続放棄ができる期間が過ぎてしまうこともあります。気づいたときには手遅れ、という事態は避けたいものです。そうなると、望まない田舎の家を相続せざるをえなくなります。相続放棄を少しでも考えているなら、期限を意識して、早めに動き出すことが何より重要です。

相続放棄をするかどうかは、限られた時間の中で判断しなければなりません。田舎の家の相続に悩んだら、相続放棄も視野に入れて、早めに検討を始めることが肝心です。判断に迷う場合は、専門家に相談すると、自分の状況に合った選択が見えてきます。相続放棄をすべきかどうかは、財産の内容や、その家への思い入れ、今後の生活設計など、さまざまな事情を踏まえて判断することになります。一人で考えていても答えが出ないときは、専門家に相談することで、自分では気づかなかった視点や選択肢が見えてくることがあります。限られた期限の中で後悔のない判断をするためにも、専門家の力を借りるのは有効です。時間との勝負そのため、迷ったらすぐに相談することをおすすめします。専門家の助言は、限られた時間を有効に使う助けになります。

補足
相続放棄をしても、放棄した人に管理義務が残る場合があるなど、注意すべき点もあります。相続放棄が本当に得かどうかは、財産全体の状況によって変わるため、判断に迷ったら専門家に相談するのが確実です。

田舎の家の相続で損をしないために

田舎の家の相続は、対応を誤ると、税金や管理の負担を無駄に背負い続けることになりかねません。逆に、早めに正しく対応すれば、こうしたムダな負担を避けることができます。ここでは、損をしないために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

早めに方針を決めることが何より大切

田舎の家の相続で損をしないために最も大切なのは、早めに方針を決めることです。空き家のまま放置している間も、固定資産税はかかり続け、家は傷んでいきます。放置すればするほど、負担は積み重なり、選べる選択肢も狭まってしまいます。たとえば、家が傷んでしまえば、売却するにも活用するにも、まず修繕が必要になります。早い段階なら売れたかもしれない家が、放置によって価値を失い、売るに売れなくなることもあります。時間が経つほど、打てる手は少なくなっていきます。この点から、相続した直後の早い段階での決断が重要になります。

住むのか、活用するのか、売却するのか、あるいは相続放棄するのか。早めに方向性を定め、行動に移すことで、ムダな負担を最小限に抑えられます。どの選択にもメリットと注意点があり、唯一の正解があるわけではありません。肝心なのは、自分の生活や財産の状況に照らして、納得できる選択を早めに下すことです。「いつか考えよう」と先延ばしにするほど、状況は不利になっていきます。先延ばしは、田舎の家の相続において最大の敵といえます。相続したら、できるだけ早く方針を決めることを心がけましょう。

相続登記も忘れずに行う

田舎の家を相続して引き継ぐのであれば、相続登記を忘れずに行う必要があります。相続登記とは、不動産の名義を亡くなった親から相続人へ変更する手続きです。これは、2024年4月からは、取得を知った日から3年以内に行うことが義務づけられた手続きでもあります。これをしておかないと、後で売却したり活用したりする際に支障が出ることがあります。不動産を売ったり貸したりするには、その不動産が自分の名義になっていることが前提になります。名義が亡くなった親のままでは、買い手に引き渡すことも、借り手と契約することもできません。相続登記は、田舎の家を今後活用していくうえでの土台となる手続きです。売るにも貸すにも、まずは名義を自分に移すことが出発点になります。

名義変更をせずに放置していると、さらに相続が重なって権利関係が複雑になり、手続きがいっそう面倒になることもあります。たとえば、実家を相続した自分が名義変更をしないまま亡くなれば、今度は自分の相続人がその家を引き継ぐことになります。世代をまたいで名義変更が放置されると、関係する相続人がどんどん増え、全員の合意を得るのが極めて難しくなります。会ったこともない遠い親族と話し合わなければならなくなることもあります。手続きが複雑になる前に、早めに名義を整えておくことが肝心です。田舎の家を相続したら、その家を今後どうするにせよ、まず名義をきちんと自分に移しておくことが必要です。

  1. 固定資産税の納税通知書と登記事項証明書で、土地と建物の状況を確かめる
  2. 住む・貸す・売る・手放すのどれにするか、家族で方針を決める
  3. 相続を知ってから3か月以内に、相続放棄するかどうかを判断する
  4. 相続するなら、3年以内に相続登記を済ませる
  5. 売却する場合は、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除が使えるか確かめる
売るなら3,000万円特別控除を確かめる
相続した空き家を売る場合、1981年5月31日以前に建てられた家屋などの要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。相続から3年を経過する年の12月31日までに売ることが条件で、相続人が3人以上なら1人あたり2,000万円になります。適用期限や細かな要件があるため、売却前に税理士に確かめてください。

田舎の家の相続で損をしないための備え

田舎の家の相続は、税金、管理、活用、処分、相続放棄など、考えるべきことが多岐にわたります。一つひとつの判断が、その後の負担の大きさを左右します。自分だけで判断するのが難しいと感じたら、相続に詳しい弁護士などの専門家に相談するのが安心です。

専門家であれば、相続財産全体の状況を踏まえて、田舎の家をどう扱うのが最も負担が少ないかを一緒に考えてくれます。自分一人では、何から手をつけてよいか分からないことも多いものです。専門家に相談すれば、現状を整理し、選択肢を示し、それぞれのメリットと注意点を分かりやすく説明してくれます。専門家の客観的な視点が、冷静な判断を後押ししてくれます。判断の材料がそろえば、自分にとって最善の道を選びやすくなります。迷いが晴れ、自信を持って次の一歩を踏み出せるようになります。相続放棄をすべきかどうか、相続登記をどう進めるか、税金の負担をどう抑えるかといった点について、その家庭の事情に合った助言を受けられます。

田舎の家の相続は、放っておくと負担だけが膨らんでいきます。少しでも悩んだら、早めに専門家に相談することで、ムダな負担を避け、納得のいく形で実家を引き継いだり手放したりすることができます。田舎の家の相続は、対応が遅れるほど不利になります。逆に、早めに動けば、選べる選択肢も多く、有利な条件で対応できる可能性が高まります。悩みを抱え込んで時間を無駄にするより、専門家に相談して一歩を踏み出すことが、結果的に最善の結果につながります。専門家という心強い味方とともに進めれば、田舎の家の相続も乗り越えられます。

田舎の家の相続についてよくある質問

最後に、田舎の家の相続について、よく寄せられる質問にお答えします。

住まない実家でも固定資産税はかかりますか

住んでいなくても、その不動産の持ち主である以上、固定資産税はかかります。相続によって持ち主が亡くなった親から相続人に変われば、固定資産税を支払う義務も相続人に移ります。使っていない実家のために税金だけを払い続けることになるため、相続したら早めにどう扱うかを決めることが大切です。放置している間も負担は続くため、できるだけ早い決断が望まれます。時間を味方につけるためにも、早めの判断が肝心です。

空き家を放置するとどうなりますか

空き家を適切に管理せず放置していると、行政から問題のある空き家とみなされ、土地の固定資産税が軽減される特例の対象から外れてしまうことがあります。そうなると税の負担が重くなります。また、建物の老朽化や庭の荒廃によって、近隣トラブルや行政からの指導につながることもあります。周囲に迷惑をかけないためにも、空き家の管理は欠かせません。管理を続けることが、トラブルを未然に防ぐことにつながります。

田舎の家だけ相続放棄できますか

田舎の家だけを選んで相続放棄することはできません。相続放棄をすると、田舎の家だけでなく、預貯金などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も、すべて受け継がないことになります。相続放棄を考える際は、相続財産全体を見て、放棄すべきかどうかを判断する必要があります。

相続した実家を売るにはどうすればよいですか

相続した実家を売却するには、まず相続登記によって名義を自分に移しておく必要があります。名義が亡くなった親のままでは、売却の手続きが進められません。田舎の不動産は買い手が見つかりにくいこともあるため、時間に余裕を持って進めることが欠かせません。売却の進め方に不安があれば、専門家に相談するとよいでしょう。

田舎の家の相続で迷ったらどうすればよいですか

田舎の家の相続で迷ったら、早めに相続に詳しい専門家へ相談することをすすめます。住む、活用する、売却する、相続放棄するなど、選択肢は複数あり、どれが最も負担が少ないかは財産全体の状況によって変わります。専門家であれば、その家庭の事情に合った最適な方法を一緒に考えてくれます。

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