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孫への生前贈与とは
孫への生前贈与とは、祖父母が生きているうちに、自分の財産を孫に贈ることをいいます。子を飛ばして孫に直接財産を渡すこの方法は、相続対策として関心を集めています。ただし、孫への贈与には、子への贈与とは少し違った特徴や注意点があります。孫ならではの利点を生かしつつ、気をつけるべき点も押さえておくことが大切です。
一般に、生前贈与というと、親から子へ財産を渡す場面が思い浮かびます。しかし、祖父母から孫へ直接渡すという選択肢もあります。孫への贈与には、子への贈与にはない独特の利点がある一方で、孫という立場ならではの注意点もあります。同じ生前贈与でも、相手が子か孫かによって、考えるべきことが変わってくるのです。だからこそ、孫への贈与を考えるなら、その特徴を正しく理解しておくことが欠かせません。
かわいい孫のために、できることをしてあげたいと考える祖父母は多いものです。進学や独立といった人生の節目に、財産の面から支えてあげたいという思いは自然なものでしょう。その思いを形にする手段の一つが、孫への生前贈与です。ただし、ただ財産を渡せばよいというわけではなく、仕組みを知らずに進めると、かえって損をしたり、家族の間にわだかまりを残したりすることもあります。この記事では、孫への生前贈与の利点と注意点を、順を追って見ていきます。読み進めれば、自分の家族に合った進め方が見えてくるはずです。
なぜ孫への贈与が注目されるのか
財産は、ふつう親から子へ、子から孫へと、世代を追って受け継がれていきます。そのたびに、相続にかかわる負担が生じるのが一般的です。ところが、祖父母から孫へ直接財産を渡せば、世代を一つ飛ばすことになります。これによって、財産が受け継がれていく過程での負担を、結果として抑えられる可能性があるのです。こうした点が、孫への生前贈与が注目される大きな理由になっています。
また、孫の進学や独立など、まとまったお金が必要になる場面で、祖父母が直接支えてあげられるという魅力もあります。かわいい孫の将来を、自分の手で後押しできるという思いから、孫への贈与を考える人は少なくありません。ただし、思いだけで進めると、思わぬ落とし穴にはまることもあります。仕組みを理解したうえで進めることが大切です。
近年は、自分の財産を、より早く、より確実に孫の世代へ届けたいと考える人が増えています。長生きの時代になり、子の世代もすでに高齢になっていることが多く、それなら孫に直接渡したほうがよい、と考えるのも自然なことです。こうした背景もあって、孫への生前贈与への関心は高まっています。ただし、関心が高い一方で、その仕組みや注意点が正しく理解されているとは限りません。利点ばかりが強調されて、孫が相続人になる場合の扱いや、家族の公平さといった注意点が見落とされることもあります。だからこそ、孫への贈与を考えるなら、利点と注意点の両方をきちんと押さえておくことが欠かせないのです。
孫への贈与ならではの利点
孫への生前贈与には、子への贈与とは異なる利点があります。これは、孫という立場の特徴からくるものです。順に見ていきましょう。これらの利点を理解しておくと、なぜ孫への贈与が相続対策として注目されるのかが、はっきりと見えてきます。
世代を飛ばして渡せる
最大の利点は、世代を一つ飛ばして財産を渡せることです。財産が親から子、子から孫へと順に受け継がれると、そのたびに相続にかかわる負担が生じます。しかし、祖父母から孫へ直接渡せば、その途中の段階を一つ飛ばせます。結果として、財産が世代を超えて受け継がれていく全体の中で、負担を抑えられる可能性があります。長い目で見て、財産をより多く次の世代に残したいと考える場合に、有効な方法となり得ます。
たとえば、祖父母の財産が、まず子に受け継がれ、その後に孫へ受け継がれるとすると、財産が孫の手に渡るまでに、二度にわたって相続が起こることになります。これに対し、祖父母から孫へ生前に直接渡しておけば、その一つの段階を省けます。財産が世代を超えて移っていく道のり全体を見渡したときに、この差は小さくありません。子の世代を経ずに、直接孫へ財産を届けられるのは、孫への生前贈与ならではの大きな魅力だといえます。もっとも、どれだけの効果があるかは、財産の状況や家族の構成によって変わるため、自分のケースでどう働くのかを見極めることが大切です。
相続前の贈与の扱いで違いが出ることがある
相続が起きる前の一定の期間内に、相続人に対して行われた贈与は、相続財産に加えて考えられる仕組みがあります。これによって、亡くなる直前の贈与は、思ったほどの効果が得られないことがあります。ところが、孫はふつう法定相続人ではありません。そのため、孫への贈与は、この加えて考える仕組みの対象になりにくいという特徴があります。これも、孫への贈与ならではの利点の一つです。ただし、後で述べるように、孫が相続人になる場合には扱いが変わるため、注意が必要です。
子への贈与の場合、亡くなる前の一定の期間内に行われたものは、相続のときに相続財産に戻して考えられることがあります。そのため、相続が近づいてからあわてて子に贈っても、十分な効果が得られないことがあります。これに対し、ふつう相続人ではない孫への贈与は、こうした戻して考える仕組みの対象になりにくいのです。この違いは、孫への贈与を考えるうえで見逃せないポイントです。ただし、これはあくまで孫が相続人でない場合の話です。孫が相続人になるケースでは、この利点があてはまらなくなることがあるため、孫の立場をきちんと確認しておく必要があります。
孫への贈与で使える非課税の方法
孫への生前贈与でも、税の負担を抑えながら財産を渡せる仕組みをいくつか使えます。子への贈与と同じように、目的に応じた方法を選ぶことができます。代表的なものを知っておくと、自分に合った方法を選びやすくなります。主に次のような方法が考えられます。
- 一年ごとに区切って少しずつ贈っていく方法
- 孫の教育のための資金をまとめて贈る特例
- 孫の結婚や子育てのための資金を贈る特例
- 孫が住まいを持つための資金を贈る特例
- 孫の生活費や教育費を必要なときにその都度わたす方法
これらは、孫に何のために財産を渡したいのかによって、向いているものが変わります。順に見ていきましょう。特に目的を定めず、長い時間をかけて少しずつ渡したいのか、進学や住まいといった特定の目的のためにまとまった額を渡したいのかで、選ぶ方法は変わってきます。自分の目的に合った方法を選ぶことが、仕組みを上手に活かすコツです。
毎年こつこつ贈っていく方法
一年ごとに区切って、一定の範囲内で財産を贈っていく方法は、孫に対しても使えます。毎年少しずつ財産を移していくことで、長い時間をかけて孫に財産を渡していけます。複数の孫がいる場合には、それぞれに渡していくこともできます。手軽に始めやすく、孫への贈与の出発点としてよく利用される方法です。
この方法のよいところは、特別な目的がなくても使えて、無理なく続けられる点です。孫が複数いる場合には、それぞれの孫に毎年こつこつ渡していくことで、家族全体に財産を分けて渡していけます。早いうちから計画的に始めれば、長い時間をかけてまとまった財産を孫に移していくこともできます。ただし、毎年同じように贈り続けると、はじめからまとまった額を贈る約束だったとみなされるおそれがある、といった注意点もあります。手軽に見えても、使い方には一定の配慮が必要です。
教育や結婚・子育て、住まいのための特例
孫の教育のための資金や、結婚や子育てのための資金、住まいを持つための資金などを、まとめて贈ることができる特例も、孫を対象に使えます。孫の進学や独立を後押ししたい場合などに向いています。いずれも、定められた目的のために使うことが条件となり、対象となる費用の範囲も決められています。孫の将来の節目に合わせて、こうした特例を活用するという方法があります。
たとえば、孫の大学進学を見据えて教育のための資金をまとめて贈ったり、孫が結婚するのに合わせて結婚や子育てのための資金を贈ったり、孫がマイホームを持とうとするときに住まいのための資金を贈ったりする、といった使い方が考えられます。孫の人生の大きな節目を、祖父母が財産の面から後押しできるわけです。ただし、これらの特例は、いずれも渡した資金を定められた目的に使うことが前提です。目的以外に使われた分や、使いきれずに残った分については、扱いが変わることがあります。利用する際には、どのような費用が対象になるのか、条件は何かを、あらかじめよく確認しておくことが大切です。
必要なお金をその都度わたす方法
孫の生活費や教育費を、必要なときにその都度わたす方法もあります。扶養する立場の人が、必要なお金を必要な分だけ渡す場合、それは贈与税の対象にならないのが基本です。たとえば、孫の学費を祖父母が直接支払うような場合です。あくまで必要なときに必要な分を渡すことがポイントで、まとめて渡して貯めておくような場合には扱いが変わることがあります。
祖父母が孫の学費や習い事の費用を出してあげる、というのは、よくある光景です。こうした日常的な援助は、孫を支えるための自然なお金のやりとりとして、贈与税の対象にはならないのが基本です。あらためて手続きをするようなものではなく、必要なときに必要な分を渡すという点が特徴です。一方で、将来のためにまとめて渡し、孫がそれを使わずに貯めておくような場合には、扱いが変わる可能性があります。あくまで実際に必要な費用にあてられていることが前提になる、という点を押さえておきましょう。ふだん意識せずに行っている孫への援助も、実はこうした仕組みの一つだといえます。
孫が相続人になる場合の注意
孫への贈与を考えるうえで、特に注意したいのが、孫が相続人になる場合です。ふだん孫は相続人ではありませんが、一定の場合には相続人になることがあります。この点を見落とすと、孫への贈与の利点が思ったように生きないことがあるため、しっかり押さえておきましょう。
代襲相続で孫が相続人になる
本来、財産を受け継ぐはずだった子が、祖父母より先に亡くなっている場合などには、その子に代わって孫が相続人になることがあります。これを代襲相続といいます。この場合、孫は相続人の立場に立つことになります。そうなると、先ほど述べた「孫への贈与は相続財産に加えて考える仕組みの対象になりにくい」という利点が、あてはまらなくなることがあります。孫が相続人になるかどうかで、贈与の扱いが変わってくるのです。
たとえば、祖父母にとっての子、つまり孫の親がすでに亡くなっているような場合、その孫は親に代わって祖父母の相続人になります。こうなると、孫は相続人ですから、相続人に対する贈与と同じ扱いを受けることになります。つまり、相続が起きる前の一定の期間内に行われた贈与が、相続財産に戻して考えられる、という対象に入ってくる可能性があるのです。ふつうの孫であれば受けられたはずの利点が、相続人である孫には及ばないことがある、というわけです。孫が相続人かどうかで扱いが大きく変わるため、この点は特に注意しておく必要があります。自分の家族で孫が相続人になりそうかどうかを、早めに確かめておくと安心です。
孫の立場を確認しておく
このように、孫が相続人になるかどうかは、孫への贈与を考えるうえで大きな分かれ目になります。自分の家族の状況で、孫が相続人になる可能性があるのかどうかを、あらかじめ確認しておくことが大切です。子がすでに亡くなっている場合などは、特に注意が必要です。孫の立場によって、とるべき方法や注意点が変わってくるため、まずは家族の状況を整理しておきましょう。
孫への贈与を考え始めたら、まず「この孫は相続人になる可能性があるのか」を確認することをおすすめします。孫の親、つまり祖父母にとっての子が健在であれば、ふつう孫は相続人ではありません。しかし、その子がすでに亡くなっている、あるいは将来亡くなる可能性を考えると、孫が相続人になる場面も想定されます。孫が相続人かどうかで、贈与の利点が生きるかどうかが変わってくるため、ここを確認せずに進めると、思っていた効果が得られないこともあります。家族の状況は人それぞれですから、自分のケースにあてはめて、孫の立場を整理しておくことが、賢い進め方の第一歩になります。
孫を養子にするという方法と注意点
孫への財産の渡し方として、孫を養子にするという方法が検討されることもあります。ただし、この方法には独特の注意点があります。生前贈与とは少し性格の異なる方法ですが、世代を飛ばして孫に財産を渡すという点では共通するため、あわせて知っておくとよいでしょう。
孫を養子にすると相続人になる
孫を養子にすると、その孫は子と同じ立場の相続人になります。これによって、孫に直接財産を受け継がせやすくなる場合があります。世代を飛ばして財産を渡す方法の一つとして、検討されることがあります。ただし、養子にすることで家族の関係や、他の相続人との関係に影響が及ぶこともあります。安易に決められるものではありません。
孫を養子にすれば、その孫は法律上、子と同じ立場になります。生前贈与とは別の形で、世代を飛ばして孫に財産を受け継がせる手段として、検討されることがあります。財産を直接孫に渡したいという思いから、この方法に関心を持つ人もいます。しかし、養子という関係を結ぶことは、相続をめぐる扱いだけでなく、家族のあり方そのものにかかわる重い決断です。他の子や孫がどう受け止めるか、家族の関係にどんな影響が出るかを、慎重に考える必要があります。財産のことだけを考えて決めると、思わぬところで家族の間に溝が生まれることもあるのです。
慎重な検討が必要
孫を養子にする方法は、相続をめぐる扱いに大きく影響します。他の相続人がどう受け止めるか、家族の関係にどう影響するかなど、考えておくべき点が多くあります。節税の面だけを見て決めると、家族の間に思わぬわだかまりが生まれることもあります。孫を養子にするという方法を検討する場合には、家族全体への影響をふまえて、慎重に判断することが欠かせません。専門家に相談しながら考えるのが安心です。
養子という関係は、いったん結ぶと、家族のあり方を大きく変えるものです。孫を養子にすることで、他の子や孫が受け取る財産の割合に影響が出ることもあり、それが家族の不和につながるおそれもあります。また、養子にすることで生じる影響は、相続の場面だけにとどまりません。家族としての関係全体に及ぶものですから、財産のことだけを切り離して考えるわけにはいきません。孫を養子にするかどうかは、節税という一面だけでなく、家族みんなにとってどうなのかという広い視点から、時間をかけて考えるべき決断です。安易に進めず、家族とよく話し合い、専門家の助言も得ながら判断することをおすすめします。
孫への贈与で気をつけたいこと
孫への生前贈与を進めるにあたっては、いくつか気をつけたい点があります。これらを押さえておくことで、思わぬつまずきを防げます。利点に目が向きがちですが、注意点を知っておくことも同じくらい大切です。
形式だけを整えても認められないことがある
贈与は、贈る側と受け取る側の双方が、財産を渡し受け取るという認識を持って初めて成り立ちます。たとえば、祖父母が孫の名義で口座をつくってお金を入れていても、孫やその親がその存在を知らず、自由に使える状態になっていなければ、贈与として認められないことがあります。孫がまだ幼い場合には、親が代わって管理することになりますが、それでも実際に孫のものになっていることが大切です。形だけを整えるのではなく、財産が本当に孫に渡っていることが求められます。
よくあるのが、祖父母が孫のためを思って、孫名義の口座にこつこつとお金を積み立てておく、というケースです。気持ちとしては微笑ましいものですが、孫やその親がその口座の存在を知らず、祖父母が通帳も印鑑も管理し続けているような場合には、実際には財産が孫に渡っていないとみなされることがあります。そうなると、せっかくの積み立ても、贈与として認められないおそれがあります。孫が幼くて自分で管理できないときは、親が代わって管理することになりますが、その場合でも、財産が孫のものとして扱われている状態にしておくことが大切です。名義だけ孫にして実質は祖父母が握っている、という形は避けたいところです。
せっかく孫のためを思って積み立てたお金が、いざというときに贈与として認められなければ、本末転倒です。孫に確かに財産が渡っているといえる状態にしておくことが、何よりも大切です。通帳や印鑑の管理も含めて、財産が孫の手に渡っているといえるかどうかを意識しておきましょう。
家族の理解を得ておく
孫への贈与は、他の家族との関係にも気を配る必要があります。特定の孫にだけ多く贈ると、他の孫や、その親である子どうしの間で、不公平感が生まれることがあります。よかれと思って行った贈与が、家族の間にわだかまりを残すことにもなりかねません。孫への贈与を進める際には、できるだけ家族の理解を得ながら、公平さにも気を配ることが大切です。
たとえば、複数の孫がいるのに、特定の孫にだけ手厚く贈与をすると、他の孫やその親が不満を感じることがあります。財産をめぐる不公平感は、家族の関係に思いのほか深い影を落とすことがあります。祖父母としては、それぞれの孫を平等に思っていても、贈与の仕方に偏りがあれば、受け取る側はそう感じないかもしれません。こうした事態を避けるには、孫への贈与を進める前に、できるだけ家族で話し合い、理解を得ておくことが望まれます。また、誰にどれだけ贈ったかを記録に残しておくことも、後々の誤解を防ぐうえで役立ちます。孫への贈与は、財産のことだけでなく、家族の和を保つという視点も忘れずに進めたいものです。
孫への贈与の進め方
孫への生前贈与を実際に進めるときは、順を追って考えていくと整理しやすくなります。大まかな進め方を見ておきましょう。やみくもに始めるのではなく、確認すべきことを順に押さえていくのが、失敗しないコツです。
進め方のおおまかな流れ
孫への贈与を考えるときの大まかな流れは、次のとおりです。状況によって細かな点は変わりますが、全体像をつかんでおきましょう。とくに、最初に孫の立場を確認しておくことが、その後の方法選びを左右します。
- 孫が相続人になる可能性があるかどうか、家族の状況を確認します。
- 何のために、どれくらいの財産を孫に渡したいのか、目的をはっきりさせます。
- 目的に合った非課税の方法を選び、条件や注意点を確認します。
- 家族の理解も得ながら、記録を残しつつ贈与を進めます。
この流れの中で見落とされやすいのが、最初の段階、つまり孫の立場の確認です。孫が相続人になる可能性があるかどうかで、その後にとるべき方法や、得られる利点が変わってきます。ここを飛ばして、いきなり方法選びから入ってしまうと、後で見込みが外れることにもなりかねません。急がば回れで、まずは家族の状況を整理し、孫の立場を確かめるところから始めるのが、確実な進め方です。そのうえで目的に合った方法を選び、家族の理解を得ながら、記録を残して進めていけば、無理なく孫への贈与を実現できます。一つひとつの段階を丁寧に踏むことが、後悔のない贈与につながります。
専門家に相談するとよい場合
孫が相続人になる可能性がある場合や、複数の方法を組み合わせたい場合、相続全体を見据えて対策を考えたい場合などは、専門家に相談するのがおすすめです。孫への贈与は、世代を飛ばす利点がある一方で、孫の立場によって扱いが変わるなど、判断に迷う場面も多くあります。早めに相談しておくことで、自分の家族の状況に合った進め方が見えてきます。
とくに、孫が相続人になる可能性があるかどうかの見極めは、ひとりで判断するのが難しい部分です。また、孫を養子にするかどうかといった重い決断や、複数の特例を組み合わせて使う場合の段取りなども、専門的な視点があると安心です。孫への贈与は、目先の節税だけを見て進めると、相続全体で見たときに思わぬ結果になったり、家族の間に不公平感を残したりすることもあります。相続全体を見渡したうえで、自分の家族にとって最もよい進め方を一緒に考えてもらえるのは、専門家に相談する大きな利点です。孫の将来を思う気持ちを、確かな形にするためにも、早めの相談を検討してみてください。せっかくの思いが、思わぬ落とし穴で台無しにならないよう、確かな道筋を立てておくことが、結局は孫のためにもなります。
よくある質問
最後に、孫への生前贈与についてよく寄せられる質問にお答えします。自分の疑問に近いものがないか確認してみてください。孫への贈与でつまずきやすい点を中心に取り上げます。
孫への贈与は子への贈与より有利ですか
一概に有利とはいえませんが、孫への贈与ならではの利点はあります。世代を一つ飛ばして財産を渡せる点や、孫がふつう相続人ではないため、相続前の贈与を加えて考える仕組みの対象になりにくい点などです。ただし、孫が相続人になる場合には扱いが変わります。自分の家族の状況によって有利かどうかは変わるため、よく確認することが大切です。利点だけを見て飛びつくのではなく、自分のケースで本当に効果があるのかを見極めることが欠かせません。孫の立場や家族の構成によって結論は変わるため、迷う場合は専門家に確認するのが確実です。
孫が相続人になるのはどんな場合ですか
本来財産を受け継ぐはずだった子が、祖父母より先に亡くなっている場合などに、その子に代わって孫が相続人になることがあります。これは代襲相続と呼ばれる仕組みです。孫が相続人になると、孫への贈与の扱いが変わることがあるため、自分の家族で孫が相続人になる可能性があるかどうかを確認しておくことが大切です。孫の親が健在かどうかが、ひとつの目安になります。心配な場合は、専門家に自分の家族の状況を伝えて確認しておくと安心です。
幼い孫にも贈与できますか
幼い孫にも贈与すること自体はできますが、注意点があります。孫がまだ幼く、自分で財産を管理できない場合には、親が代わって管理することになります。それでも、財産が実際に孫のものになっていることが大切です。祖父母が名義だけ孫にして自分で管理し続けているような場合には、贈与として認められないことがあります。実際に孫のものになっている状態にしておくことが必要です。幼い孫への贈与では、この点が特に問題になりやすいため、財産が確かに孫に渡っているといえる形にしておくことを心がけましょう。
孫を養子にすれば節税になりますか
孫を養子にすると相続人になり、財産を受け継がせやすくなる場合があります。ただし、養子にすることは相続をめぐる扱いに大きく影響し、他の相続人との関係や家族の関係にも影響が及びます。節税の面だけで判断するのは禁物です。家族全体への影響をふまえて、慎重に検討する必要があります。判断に迷う場合は、専門家の意見を聞きながら進めるとよいでしょう。養子という関係は家族のあり方そのものにかかわるため、財産のことだけで決めず、家族とよく話し合うことが大切です。
どこに相談すればよいですか
孫への贈与の進め方や、相続全体を見据えた対策に迷ったときは、相続に詳しい弁護士などの専門家に相談するのが確実です。孫の立場や家族の状況に応じて、どの方法が合うのか、何に気をつけるべきかを整理してもらえます。早めに相談しておくことで、その後の対策を落ち着いて進められます。孫への贈与は、利点と注意点が表裏一体になっている面があるため、自分だけで判断するより、専門家の視点を借りたほうが安心して進められます。
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基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
