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兄弟姉妹に遺留分はない?相続での影響と対策

兄弟姉妹に遺留分はない?相続での影響と対策

この記事で分かること

  • 兄弟姉妹には遺留分が認められていないという事実
  • なぜ兄弟姉妹に遺留分がないのかという理由
  • どんなときに兄弟姉妹が相続人になるのか
  • 遺言で意思を実現しやすいという利点の活かし方
  • 兄弟姉妹が関わる相続に備えるための進め方

この記事では、なぜ兄弟姉妹に遺留分がないのか、それがどんな場面で活きるのかを弁護士の視点で解説します。亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分がなく、相続人が兄弟姉妹だけなら、遺言で財産の渡し先を自由に決めても取り分を求められる心配がほとんどありません。これは子供のいない方やおひとりさまにとって大きな利点です。一方、相続を期待する兄弟姉妹には、遺言の有無が結果を左右します。相続人の確認や備えの進め方も整理します。読み終えれば、兄弟姉妹相続のポイントが見えてきます。

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「兄弟姉妹にも、最低限の取り分である遺留分があるのだろうか」。子供のいない方や、配偶者に全財産を残したい方にとって、これは大きな関心事です。結論から言えば、亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分がありません。この事実は、遺言を使った相続対策において、とても重要な意味を持ちます。

この記事では、なぜ兄弟姉妹に遺留分がないのか、それがどんな場面で活きてくるのか、そして兄弟姉妹が関わる相続にどう備えればよいのかを、弁護士の視点でわかりやすく整理します。とくに、子供がいない方やおひとりさまにとっては、知っておくと大きな安心につながる内容です。読み終えるころには、兄弟姉妹相続のポイントがはっきりと見えてくるはずです。

近年は、子供のいない夫婦や、生涯独身で過ごす方が増えています。それにともない、兄弟姉妹が相続に関わる場面も多くなっています。ところが、兄弟姉妹に遺留分がないという事実は、意外と知られていません。知っているかどうかで、相続対策の幅は大きく変わります。まずはこの基本を、しっかり押さえておきましょう。

この記事を読んでいる方の中には、自分が亡くなった後の財産の行き先を考えている方もいれば、兄弟姉妹として相続に関わる立場の方もいるでしょう。どちらの立場でも、兄弟姉妹に遺留分がないという事実は、知っておく価値があります。立場によって意味合いは変わりますが、いずれにせよ相続の見通しを立てるうえで欠かせない知識だからです。

とくに、子供のいない方にとっては、この知識が将来の安心に直結します。自分の財産を誰に残したいかを考えるとき、兄弟姉妹に遺留分がないことを知っていれば、遺言という手段で意思を実現できると見通せます。逆に知らないままだと、漠然とした不安を抱えたり、誤った思い込みで対策を誤ったりしかねません。正しい知識が、安心の土台になります。

おひとりさまの相続では、財産の行き先だけでなく、亡くなった後の手続きを誰が担うのかも課題になります。身近に頼れる相続人が少ない場合、こうした点まで考えておく必要があります。兄弟姉妹に遺留分がないという知識は、その第一歩として、自分の意思を反映させやすい土台があることを教えてくれます。まずはこの土台の上に、具体的な備えを組み立てていきましょう。

具体的な備えとしては、財産の棚卸しから始めるとよいでしょう。自分にどんな財産があるのかを把握しなければ、誰に何を残すかも決められません。預貯金や不動産だけでなく、保険なども含めて整理しておくと、もれのない準備ができます。現状を把握することが、確かな相続対策の出発点になります。

棚卸しを終えたら、次は誰に何を残したいかを具体的に考えます。配偶者に住まいを、お世話になった人に一部を、というように、思いを整理していきます。残し方が決まれば、それを遺言というかたちにする段階に進めます。一歩ずつ進めていけば、複雑に思える相続対策も着実にかたちになっていきます。

準備を進める中で疑問が生じたら、その都度確認しながら進めれば大丈夫です。すべてを一度に完璧にしようとせず、できることから順に取り組んでいきましょう。小さな一歩の積み重ねが、確かな備えへとつながっていきます。

兄弟姉妹に遺留分がないという事実を味方につけて、自分の思いを確実にかたちにしていきましょう。正しい知識と早めの準備が、あなたの意思を未来へ届ける支えになります。

兄弟姉妹に遺留分はあるのか

まず結論をはっきりさせましょう。亡くなった人の兄弟姉妹には、遺留分は認められていません。これは、配偶者や子、親などに遺留分が保障されているのとは、大きく異なる点です。

遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された最低限の取り分のことです。たとえ遺言があっても、この取り分まで奪うことはできません。ところが、この保障はすべての相続人に与えられるわけではなく、兄弟姉妹はその対象から外れています。つまり、兄弟姉妹は相続人になることはあっても、遺留分を主張することはできないのです。遺留分制度の全体像を押さえておくと、誰に保障され、誰に保障されないのかが整理しやすくなります。

遺留分が保障されているのは、配偶者、子、そして親などの直系尊属です。これらの人は、遺言で取り分をゼロにされても、最低限の取り分を求めることができます。これに対して、兄弟姉妹はこの保障の対象に含まれていません。同じ相続人でも、遺留分があるかないかで立場が大きく違う、という点をまず理解しておきましょう。

遺留分があるということは、遺言の内容に対して一定の歯止めをかけられるということです。配偶者や子は、たとえ不利な遺言があっても、最低限の取り分を求めることができます。これに対して兄弟姉妹は、その歯止めを持っていません。遺言の内容がそのまま結果になりやすいのが、兄弟姉妹相続の特徴だといえます。

この特徴は、見方によって長所にも短所にもなります。財産を残す側からすれば、自分の意思を実現しやすい長所です。一方、兄弟姉妹として相続を期待する側からすれば、遺言一つで取り分がなくなりうる短所です。同じ事実でも、立場によって受け止め方が正反対になる。だからこそ、自分がどちらの立場かを意識して考えることが大切です。

同じ家族の中でも、立場によって利害が分かれることがあります。たとえば、亡くなった人が特定の人に多く残す遺言を作っていた場合、その人にとっては有利でも、ほかの兄弟姉妹にとっては不利になります。こうした利害の違いを冷静に理解しておくと、感情的な対立を避けやすくなります。立場の違いを前提に、落ち着いて話し合う姿勢が求められます。

感情的な対立は、相続をこじらせる最大の要因です。兄弟姉妹という近い関係だからこそ、いったんもめると感情のもつれが深くなりがちです。事実と制度を土台に、冷静に話し合うことを心がければ、関係を保ちながら解決にたどり着きやすくなります。お金の問題で大切な家族関係を損なわないよう、落ち着いた対応を意識しましょう。

このことは、遺言を残す側にとって、大きな自由を意味します。相続人が兄弟姉妹だけである場合、遺言で財産の渡し先を自由に決めても、兄弟姉妹から取り分を求められる心配がほとんどありません。これは、相続対策を考えるうえで、知っておくべき大切なポイントです。

逆に、遺留分があるとどうなるかを考えると、この違いの大きさがよくわかります。配偶者や子に財産を渡したくないと思っても、遺言だけでは取り分を完全になくすことはできません。ところが、相手が兄弟姉妹であれば、その制約がないのです。誰が相続人になるかによって、遺言でできることの幅が大きく変わってくるわけです。

この違いは、相続対策を考えるときに大きな意味を持ちます。子や配偶者が相続人の場合は、遺留分に配慮しないと後で争いになりますが、兄弟姉妹だけが相続人の場合は、その心配が小さくなります。自分の家族構成を踏まえて、遺留分への配慮がどこまで必要かを見極めることが、効果的な対策の第一歩になります。

たとえば、子も親もいない方が遺言を作る場合、相続人になりうるのは兄弟姉妹です。この場合、兄弟姉妹の遺留分に頭を悩ませる必要はほとんどありません。残したい相手に、残したいだけ残す。そうした自由度の高い遺言を作りやすいのです。家族構成を確認することで、自分にとっての対策のしやすさが見えてきます。

逆に、子や配偶者が相続人になる場合は、遺留分への配慮が欠かせません。同じ相続対策でも、相続人が誰かによって、注意すべき点はまったく異なります。自分のケースがどちらに当てはまるのかをまず確認し、それに応じた対策を考えることが大切です。一律のやり方ではなく、自分の状況に合った備えを選ぶことが、後悔のない相続につながります。

自分の状況を正しく把握するには、家族関係と財産の両面を整理することが欠かせません。誰が相続人になるのか、どんな財産があるのか。この二つがそろってはじめて、適切な対策が見えてきます。どちらか一方だけでは、十分な備えはできません。全体を見渡したうえで、計画的に準備を進めることが大切です。

ワンポイントアドバイス
兄弟姉妹に遺留分がないという事実は、子供のいない方や、お世話になった人へ財産を残したい方にとって、とても心強いものです。遺言さえあれば、自分の意思どおりに財産を渡せる可能性が高まります。まずはこの点を押さえておきましょう。

なぜ兄弟姉妹に遺留分がないのか

では、なぜ兄弟姉妹には遺留分が認められていないのでしょうか。その理由を理解しておくと、制度の趣旨がより深くわかります。

遺留分は、もともと、残された家族の生活を守るために用意されたしくみです。配偶者や子、あるいは年老いた親などは、亡くなった人の財産に生活を支えられていることが多く、その取り分を最低限保障する必要性が高いと考えられています。これらの人にとって、相続は生活の基盤に直結する問題なのです。

たとえば、亡くなった人に支えられて暮らしていた配偶者や、まだ独立していない子にとって、相続財産は今後の生活を左右する大切なものです。もし遺言ですべてを他人に渡されてしまえば、生活が立ち行かなくなるおそれがあります。だからこそ、これらの人には最低限の取り分が保障されているのです。遺留分は、残された人の暮らしを守る安全網だといえます。

こうした安全網としての役割を考えると、なぜ兄弟姉妹が対象外なのかも見えてきます。安全網が必要なのは、その財産に生活を支えられている人です。兄弟姉妹は、その典型からは外れることが多いのです。制度は、保護の必要性が高い人に重点を置いて設計されている、と理解するとわかりやすいでしょう。必要性の高さが、保障の有無を分けているのです。

この考え方は、相続の制度全体に通じるものです。法律は、限られた財産を、保護の必要性に応じて配分しようとします。すべての人を一律に扱うのではなく、関係の近さや生活への影響を考慮して、めりはりをつけているのです。こうした制度の発想を知っておくと、個々のルールがなぜそうなっているのかが、より深く理解できます。

制度の趣旨を理解しておくと、自分の主張が筋の通ったものかどうかも判断しやすくなります。「兄弟だから当然取り分があるはずだ」という思い込みは、制度を知れば修正できます。事実にもとづいて考えることで、無理な期待や不要な争いを避けられます。正しい理解は、現実的で納得のいく判断を助けてくれるのです。

判断に迷ったときは、専門家に相談することで、自分のケースに即した助言を得られます。一般論だけでは、自分の状況にどう当てはまるのかがわかりにくいこともあります。具体的な事情を伝えて相談すれば、何をすべきかが明確になります。早めに相談しておくことで、安心して準備を進められるでしょう。

最後にあらためて整理すると、兄弟姉妹には遺留分がないため、子供のいない方やおひとりさまは、遺言で自分の意思を実現しやすい立場にあります。ただし、その自由を活かすには遺言の準備が欠かせません。自分のケースで誰が相続人になるかを確認し、必要に応じて専門家の力を借りながら、後悔のない備えを進めていきましょう。

一方、兄弟姉妹は、それぞれが独立した生活を営んでいるのが通常です。亡くなった人の財産に直接生活を頼っているとは限りません。そのため、兄弟姉妹については、最低限の取り分を保障する必要性が低いと考えられ、遺留分の対象から外されています。生活を守るという遺留分の趣旨に照らすと、この線引きには一定の合理性があるのです。誰が相続人になるのかとあわせて理解しておくと、納得しやすくなります。

兄弟姉妹は、多くの場合、すでに自分の家庭を持ち、独立した生計を営んでいます。亡くなった人の財産がなければ生活できない、という関係にあることは少ないでしょう。そうした事情を踏まえ、兄弟姉妹については、子や配偶者ほど手厚く保護する必要はないと考えられているのです。関係の近さと、生活への影響の大きさが、保障の有無を分けていると理解するとよいでしょう。

もちろん、兄弟姉妹であっても、亡くなった人と特別に深い関わりを持っていたケースもあるでしょう。長年いっしょに暮らし、支え合ってきた兄弟姉妹もいるはずです。それでも、制度としては一律に遺留分の対象外とされています。個別の事情があっても、原則は変わらないという点は、知っておく必要があります。納得しにくい面もありますが、これが現在の制度です。

もし、深い関わりのあった兄弟姉妹に財産を残したいのであれば、遺言でその意思を示しておくことができます。遺留分がないということは、当然には取り分がないということですから、残したいなら積極的に遺言で指定する必要があります。制度の原則を踏まえたうえで、自分の思いを遺言というかたちで反映させればよいのです。原則を知ることが、適切な対応につながります。

遺言で兄弟姉妹に財産を残す場合も、その意思がはっきり伝わるように書くことが大切です。あいまいな書き方だと、後で解釈をめぐって混乱が生じることがあります。誰に何をどれだけ残すのかを明確にしておけば、自分の思いが確実にかたちになります。残したい相手がいるなら、その思いをきちんと遺言に反映させましょう。

兄弟姉妹が相続人になるケース

そもそも、どんなときに兄弟姉妹が相続人になるのでしょうか。これを知っておくと、自分や家族のケースに当てはまるかどうかが見えてきます。

兄弟姉妹が相続人になるのは、亡くなった人に子がなく、さらに親などの直系尊属もすでに亡くなっている場合です。子がいれば子が、子がいなくても親が存命であれば親が相続人になり、兄弟姉妹は相続人になりません。子も親もいない場合に初めて、兄弟姉妹が登場するのです。

つまり、兄弟姉妹は相続人の中でも、後の順位に位置づけられています。まず子、次に親、そして兄弟姉妹、という順番です。前の順位の人がいれば、兄弟姉妹に出番は回ってきません。自分のケースで兄弟姉妹が相続人になるのかどうかは、子や親がいるかどうかを確認すれば見えてきます。順位を意識すると、相続人の関係が整理しやすくなります。

この順位は、亡くなった人と相続人との関係の近さを反映したものです。もっとも近い子、次に親、そして兄弟姉妹、という順に並んでいます。前の順位の人が一人でもいれば、後の順位の人には相続権が回りません。自分のケースで兄弟姉妹が関わるのかを判断するには、まず子や親がいるかどうかを確認すればよい、ということになります。

確認の際は、戸籍をたどって相続人を確定するのが確実です。思い込みで「相続人は自分たち兄弟だけだ」と決めつけると、見落としが生じることがあります。たとえば、把握していなかった親族が相続人に含まれることもあります。正確な相続人の確定は、その後のすべての判断の前提になりますので、ていねいに行いましょう。

家族の状況 相続人になる人
子がいる場合 配偶者と子(兄弟姉妹は相続人にならない)
子はいないが親が存命の場合 配偶者と親(兄弟姉妹は相続人にならない)
子も親もいない場合 配偶者と兄弟姉妹

このように、兄弟姉妹が相続人になるのは、子供のいない方が亡くなり、親もすでにいないというケースです。配偶者がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹がともに相続人になります。おひとりさまの場合は、兄弟姉妹だけが相続人になることもあります。自分の家族構成では誰が相続人になるのかを、まず確かめておきましょう。相続人の範囲を正しく把握しておくことが大切です。

注意したいのは、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合です。その場合、亡くなった兄弟姉妹の子、つまり甥や姪が代わりに相続人になることがあります。これを代襲相続といいます。相続人が思いがけず広がることもあるため、自分の家族関係を一度整理しておくことが大切です。誰が相続人になるかを正確に把握することが、対策の出発点になります。

代襲相続が起きると、相続人の数が増え、関係も複雑になります。甥や姪が複数いれば、それぞれが相続人として関わってくることもあります。ふだん交流のない甥姪が相続に加わると、話し合いがまとまりにくくなることもあります。こうした事態を見越して、早めに家族関係を整理し、必要な備えをしておくことが大切です。

とくにおひとりさまの場合、自分が亡くなった後に誰が相続人になるのかを、本人が把握しておくことが重要です。自分の死後の手続きを担う人がいないと、相続が宙に浮いてしまうこともあります。誰に財産を残し、誰に手続きを託すのかを、元気なうちに考えておくことが、安心した暮らしにつながります。早めの準備が、自分自身を守ることにもなるのです。

兄弟姉妹に遺留分がないことの活用

兄弟姉妹に遺留分がないという事実は、相続対策において大きな武器になります。どのように活かせるのかを見ていきましょう。

たとえば、子供のいない夫婦で、配偶者にすべての財産を残したいとします。このとき、遺言で「すべての財産を配偶者に」と定めておけば、相続人である兄弟姉妹は遺留分を求められないため、配偶者がすべてを受け取れる可能性が高くなります。遺言がなければ、配偶者は兄弟姉妹と財産を分け合うことになりますが、遺言があればそれを避けられるのです。

また、おひとりさまの方が、お世話になった人や応援したい団体へ財産を残したい場合にも、この点が活きてきます。相続人が兄弟姉妹だけであれば、遺言で渡し先を自由に決めても、取り分を求められる心配がほとんどありません。自分の意思を、思いどおりに実現しやすいのです。確実に意思を残すために、公正証書遺言などの方式とあわせて検討するとよいでしょう。なお、孫が代わりに相続する場合などは扱いが異なるため、あわせて確認しておくと安心です。

このように、兄弟姉妹に遺留分がないことは、財産を残す側にとって、意思を実現しやすい環境を生み出します。誰に何を残すかを、ほかの相続人の取り分に大きく縛られずに決められるからです。ただし、その自由を活かせるかどうかは、遺言があるかないかにかかっています。せっかくの自由も、遺言がなければ宝の持ち腐れになってしまうのです。

遺言がなければ、財産は法律の定めにそって相続人に分配されます。兄弟姉妹が相続人であれば、兄弟姉妹が財産を受け取ることになります。「配偶者にすべて残したかった」「お世話になった人に渡したかった」という思いがあっても、遺言がなければ実現しません。自由があることと、それを活かすことは別なのだと、しっかり意識しておきましょう。

兄弟姉妹相続で取り分を確保したい側の視点

これまでは財産を残す側の視点で見てきましたが、逆に、兄弟姉妹として相続に関わる側の視点も押さえておきましょう。立場が変われば、見え方も変わります。

兄弟姉妹には遺留分がないため、亡くなった兄弟姉妹が「全財産を他の人に」という遺言を残していた場合、原則として取り分を求めることはできません。これは、兄弟姉妹として相続を期待していた人にとっては、厳しい現実です。遺留分があれば最低限の取り分を主張できますが、その手段がないのです。

補足
兄弟姉妹に遺留分がないということは、裏を返せば、遺言の有無が結果を大きく左右するということです。遺言があればその内容が優先され、なければ法律の定めにそって兄弟姉妹も相続します。兄弟姉妹が関わる相続では、まず遺言の有無を確認することが重要になります。

遺言がない場合には、兄弟姉妹も相続人として財産を受け取ることになります。その場合は、ほかの相続人との話し合いで分け方を決めることになります。話し合いがまとまらなければ、調停などの手続きに進むこともあります。相続放棄という選択肢を含めて、自分にとって何が最善かを考えることが大切です。

兄弟姉妹が関わる相続に備える進め方

では、兄弟姉妹が関わる相続に備えるには、どう動けばよいのでしょうか。とくに、子供のいない方やおひとりさまが備える際の流れを押さえておきましょう。

  1. 自分が亡くなった場合に誰が相続人になるかを確認します。子や親の有無によって変わります。
  2. 誰に財産を残したいかを整理します。配偶者か、お世話になった人か、団体かなどを考えます。
  3. その意思を実現するための遺言を作成します。確実性を重視するなら、公正証書遺言を検討します。
  4. 財産や家族の状況が変わったときは、内容が今の意思に合っているか見直します。

兄弟姉妹に遺留分がないとはいえ、遺言がなければ、せっかくの自由は活かせません。遺言がなければ、兄弟姉妹が法律どおりに相続することになるからです。自分の意思を確実に実現したいなら、遺言の準備が欠かせません。判断に迷う点があれば、専門家に相談しながら進めると安心です。とくにおひとりさまの方は、早めに備えておくことをおすすめします。

兄弟姉妹相続で後悔しないために

ここまで見てきたように、亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分がありません。これは、子供のいない方やおひとりさまにとって、遺言で自分の意思を実現しやすいという大きな利点になります。一方で、兄弟姉妹として相続を期待する側にとっては、遺言の有無が結果を大きく左右する厳しい現実でもあります。

どちらの立場でも、まず大切なのは、自分のケースで誰が相続人になり、遺言があるかどうかを確認することです。財産を残したい側は、遺言の準備が意思の実現に直結します。確実に進めたいときや、判断に迷うときは、無理をせず専門家の力を借りてください。兄弟姉妹が関わる相続で不安があれば、相続にくわしい弁護士に相談することで、安心して進められます。

兄弟姉妹の遺留分についてよくある質問

最後に、兄弟姉妹の遺留分について、よく寄せられる質問にお答えします。

兄弟姉妹は遺言があっても本当に取り分を求められないのですか

はい、兄弟姉妹には遺留分がないため、亡くなった人が遺言で財産の渡し先を定めていれば、原則としてその内容が優先されます。配偶者や子であれば最低限の取り分を主張できますが、兄弟姉妹にはその手段がありません。そのため、遺言があるかないかで、兄弟姉妹が受け取れるかどうかが大きく変わります。まずは遺言の有無を確認することが大切です。

子供がいない夫婦で配偶者に全財産を残すにはどうすればよいですか

遺言で「すべての財産を配偶者に」と定めておくのが基本です。相続人が配偶者と兄弟姉妹である場合、兄弟姉妹には遺留分がないため、配偶者がすべてを受け取れる可能性が高くなります。遺言がなければ配偶者は兄弟姉妹と財産を分け合うことになるため、確実に配偶者へ残したいなら、遺言の準備が欠かせません。確実性を高めるには、公正証書遺言を検討するとよいでしょう。

おひとりさまですが、財産を友人や団体に残せますか

はい、遺言を使えば、相続人でない友人や団体へ財産を残すこともできます。相続人が兄弟姉妹だけであれば、兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言で渡し先を自由に決めても、取り分を求められる心配がほとんどありません。ただし、遺言がなければ財産は兄弟姉妹が相続することになるため、自分の意思を実現したいなら、遺言を必ず準備しておきましょう。

兄弟姉妹の子(甥や姪)にも遺留分はありませんか

はい、兄弟姉妹が相続人になるべき立場で、その兄弟姉妹がすでに亡くなっているために甥や姪が代わりに相続する場合でも、遺留分は認められません。兄弟姉妹に遺留分がないのと同じく、その立場を引き継ぐ甥や姪にも遺留分はないのです。代襲して相続する場合の扱いは複雑なこともあるため、心配なときは専門家に確認すると安心です。

兄弟姉妹に少しでも財産を残したい場合はどうすればよいですか

兄弟姉妹に財産を残したい場合は、遺言でその旨を定めておくことができます。遺留分がないということは、兄弟姉妹が当然に取り分を持つわけではないということなので、残したいなら遺言で明確に指定しておくことが大切です。逆に、何も書かなければ、状況によっては兄弟姉妹が相続人として財産を受け取ることもあります。意思に沿った結果にするためにも、遺言で渡し方を定めておくとよいでしょう。

遺言がない場合、兄弟姉妹はどれくらい相続しますか

遺言がなく、配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合、それぞれの取り分は法律の定めにそって決まります。兄弟姉妹が複数いれば、その分を人数で分け合うことになります。具体的な分け方は相続人の構成によって変わるため、自分のケースでどうなるかは、相続人を確定したうえで確認することが大切です。判断に迷うときは専門家に相談するとよいでしょう。

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