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交通事故の解決までの流れ|期間の目安と節目

交通事故の解決までの流れ|期間の目安と節目

この記事で分かること

  • 交通事故の発生から解決までの全体の流れ
  • 事故直後・治療・症状固定の各段階でやるべきこと
  • 後遺障害等級の認定と損害額の確定・示談交渉の進め方
  • 示談がまとまらない場合の手続きと解決までの期間の目安
  • 流れの中で被害者が注意すべきポイント

交通事故の解決は、事故直後の対応→治療→症状固定・後遺障害の認定→損害額の確定・示談交渉→解決という流れで進みます。各段階で対応を誤ると後の賠償で不利になることがあり、とくに損害が確定する前の示談は避け、治療は医師の判断を尊重して継続することが大切です。流れの全体像を把握し、不安があれば早めに弁護士へ相談しましょう。

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解決までは五つの段階を通る

事故に遭ってから話が終わるまで、どれくらいかかるのか。いま自分はどのあたりにいるのか。見通しが立たないまま治療を続けるのは、それだけで負担になります。

相談の場でも、金額より先に「いつ終わるのか」と尋ねられることがあります。先が見えないことへの不安は、痛みと同じくらい重くのしかかります。

手続きの全体像を知っておけば、いま何をすべきかも判断できます。次に何が起きるかが分かるだけで、気持ちの持ちようが変わります。

相手方の保険会社から連絡が来たとき、それが通常の流れなのか、急かされているのか。判断できるようになります。

全体の流れは、大きく五つに分かれます。

段階 やること 期間の目安
1 事故直後 救護、通報、記録、受診、保険会社への連絡 当日〜数日
2 治療 通院、治療費の支払い、休業の証明 1か月〜1年
3 症状固定・後遺障害 症状固定の判断、等級の申請と認定 2〜6か月
4 示談交渉 損害額の確定、提示、交渉、合意 1〜6か月
5 まとまらない場合 紛争処理機関の利用、調停、訴訟 数か月〜2年

むち打ちで数か月通院し、後遺障害が残らずに終わる事案であれば、半年から一年で片づきます。後遺障害が残れば一年以上、訴訟まで進めば二年を超えることもあります。

期間を決める最大の要素は、治療にどれだけかかるかです。損害の全体が固まらないと、金額の話に入れないためです。

裏を返せば、治療が終わるまでは急ぐ必要がないということでもあります。早く終わらせようとして治療を切り上げると、かえって損をします。

慰謝料は通院の期間や日数を基礎に算定されますし、症状が残れば後遺障害の対象にもなります。焦る必要はありません。

この記事では、それぞれの段階で何が起きるのか、どこで止まりやすいのか、いつ専門家に相談すべきかを整理します。

いま自分がどの段階にいるのかを確かめながら読んでいただくと、次に何をすべきかが見えてきます。

加害者の立場で読まれている場合も、相手方がどう動くのかを知る材料になります。

刑事や行政の手続きは、これとは別に進みます。

第1段階:事故直後

最初の数日で、その後の土台が決まります。

やるべきことは、救護と通報、相手の情報の確認、現場の記録、そして受診です。この四点を押さえておけば、大きく踏み外すことはありません。

どれも難しい判断は要りません。あとは、決めた順序に沿って動いていくだけです。

動揺していて抜けが出やすい段階ですので、同乗者や家族がいれば分担してください。

一人で全部やろうとしなくて構いません。

なかでも受診だけは、その日のうちか遅くとも翌日までに済ませてください。間隔が空けば空くほど、そのケガが本当に事故によるものかを疑われます。

我慢しているうちに一週間が過ぎてしまう。よくある経過です。症状が軽いと感じても、受診は先延ばしにしないでください。

保険会社への連絡も、その日のうちに入れておきます。使うかどうか迷っている段階でも、報告だけは済ませてください。

あわせて、弁護士費用特約が付いているかも確認しておくとよいでしょう。後の判断がしやすくなります。

自分の契約になくても、同居している家族の証券に付いていれば使えるのが通例です。

この段階で把握しておけば、後で迷わずに済みます。

この段階でつまずく例

警察に届け出なかった。相手の連絡先しか聞かなかった。痛みがあるのに受診を先延ばしにした。写真を撮らずに車を動かした。

いずれも、後から取り返すのが難しい部分です。とくに届け出がないと、交通事故証明書が発行されず、保険の手続きそのものが進みません。

相手に「警察は呼ばなくていい」と言われて応じてしまう。この一点で行き詰まる事案が、いまも後を絶ちません。

相手が誠実に見えても、通報だけは済ませてください。

後から連絡が取れなくなる例は、いくらでもあります。

この段階でやることの順番

  1. 安全を確保し、負傷者を救護する
  2. 警察へ通報し、相手の情報を確認する
  3. 現場の状況を写真で残す
  4. 自分の保険会社へ連絡する
  5. 当日か翌日に医療機関を受診する
  6. 物損で届け出ていれば、人身への切り替えを申し出る

五番目まで終われば、あとは治療に集中できます。六番目は、症状が出た時点で動いてください。

ここまでが第1段階です。数日のうちに片づけてしまってください。

ここを丁寧にやっておくと、後の段階で困りません。

物損の扱いのままでは、治療費も慰謝料も請求の対象になりません。病院に通うのであれば、切り替えを済ませてください。

第2段階:治療

最も長くなるのが、この段階です。

通院を続ける

医師の指示に沿って通ってください。間隔が空きすぎると、治療の必要がなかったと見られます。週に一度程度が一つの目安になります。

整骨院に通う場合は、事前に医師の同意を得ておいてください。同意がないと、費用が認められないことがあります。

また、整骨院だけに通って医師の診察を受けないでいると、症状の経過が医学的な記録として残りません。後遺障害の申請で不利になります。

月に一度でよいので、医師の診察は受け続けてください。

症状の経過が診療録に残ることが、後で効いてきます。

治療費の支払い

相手方の保険会社が医療機関へ直接支払う扱いが一般的です。医療機関の窓口で支払う必要がないため、治療に集中できます。

とはいえ、法律で義務づけられた扱いではありません。ある時期を境に、支払いを止めると伝えられます。むち打ちなら三か月前後が一つの目安になりますが、症状の程度で変わってきます。

骨折であれば、もう少し長く見てもらえるのが通常です。

告げられた時点で、主治医に見通しを確認しておいてください。

まだ治療が必要だという判断であれば、その旨を保険会社に伝えて延長を求めることもできます。

休業の記録

仕事を休んだ日は、必ず記録してください。半休も含みます。後から勤務先に証明書を作成してもらうことになります。

有給休暇を充てた日も、請求の対象です。事故がなければ使わずに残せた休暇だからです。

知らずに請求から漏らしてしまう方が、少なくありません。

勤務先に書面を作ってもらう必要がありますので、早めに相談しておいてください。

治療が終わってから頼むと、時間がかかることがあります。

この点を知らずに請求し忘れる方が、少なくありません。

自営業の方は、確定申告の書類が算定の基礎になります。家事を担っている方についても、休業による損害は認められます。

収入がないという一点だけで、請求の対象から外れることはありません。

この時期に集めておくもの

  • 通院した日付が分かる記録
  • 治療費や薬代の領収書
  • 通院にかかった交通費の記録
  • 仕事を休んだ日と、その理由
  • 症状の変化を書き留めたメモ
  • 相手方や保険会社とのやり取りの記録

示談の交渉が始まるのは、治療が終わってからです。半年分を後から振り返るのは難しいので、その都度残しておいてください。

紙の手帳でも、スマートフォンのメモ機能でも構いません。一日あたり一行書ければ十分です。

第3段階:症状固定と後遺障害

治療を続けても症状が改善しなくなった時点を、症状固定といいます。

誰が判断するのか

医学的な判断ですので、決めるのは医師です。相手方の保険会社が「そろそろ症状固定では」と言ってくることがありますが、それは支払いを打ち切りたいという意向であって、医学的な判断ではありません。

症状が残っているのであれば、主治医と相談して決めてください。

「保険会社からそろそろと言われている」と主治医に伝えると、医学的な観点からの意見をもらえます。

後遺障害の申請

症状固定の後も痛みやしびれが残るのであれば、後遺障害の等級認定を申請します。医師に後遺障害診断書を作成してもらい、資料をそろえて提出します。

結果が出るまで、通常は一か月から数か月かかります。資料の追加を求められれば、さらに延びます。

申請の方法には、相手方の保険会社に任せる形と、自分で資料をそろえて出す形があります。どちらを選ぶかで、準備の手間も結果の見通しも変わります。

認定されるかどうかで額が変わる

等級が認定されれば、後遺障害慰謝料と逸失利益が加わります。金額の規模がまったく違ってきますので、この段階が最も重要だといえます。

認定されなければ、入通院慰謝料までで終わります。

痛みが続いていたとしても、書面の形で示せなければ等級は付きません。普段から積み重ねてきた通院の実績と検査の記録が、この場面で力を持ちます。

第4段階:示談交渉

損害の全体が固まってから、金額の話に入ります。

提示を受ける

相手方の保険会社から、費目ごとの内訳を示した書面が届きます。治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料。後遺障害があれば、その慰謝料と逸失利益も記載されます。

過失割合による減額がある場合、その旨も書かれます。割合に納得できなければ、この段階で指摘してください。

実況見分でどう記録されたかを取り寄せて確かめる、という手もあります。

人身事故として処理されていれば、調書が作成されています。

物損のままだと、詳しい記録が残っていません。

過失割合を争う場面で、この差が効いてきます。

ここで注意していただきたいのが、提示の水準です。相手方が用いる基準は、裁判で用いられる水準より低いのが一般的です。

示された金額がそのまま世間の相場だ、と受け取らないでください。被害の中身が同じでも、どの物差しで計算するかによって結論は動きます。

とくに通院が長期に及んでいる事案では、差が大きくなります。

すぐに署名しない

期限を示されても、その日までに返さなければならない決まりはありません。その多くは、担当者が処理を進めるうえでの都合にすぎません。

内訳を確認し、抜けている費目がないか、金額の根拠は何かを尋ねてください。筋の通った答えが返ってこない項目は、争える余地があると考えてください。

通院交通費、付添費、将来の治療費。抜けやすい費目はいくつもあります。

提示書に載っていないからといって、請求できないわけではありません。

一度署名すると、やり直しはききません。なかでも、以後いっさい請求しないという趣旨の条項には目を配ってください。

合意すれば支払われる

示談書を交わすと、通常は数週間で振り込まれます。ここで手続きは終わりです。

入金を確認したら、書類一式を保管しておいてください。後から確認が必要になることがあります。

示談書の写しは、とくに大切に残してください。

第5段階:まとまらない場合

交渉で折り合えないときは、別の手段に移ります。

紛争処理の機関を使う

交通事故の紛争を扱う中立の機関があります。費用がかからず、比較的短期間で結論が出るのが利点です。

争点が絞られている事案では有効ですが、評価の絡む論点は扱いが難しい場合もあります。

相手方の保険会社は、この機関が示した結論に従うのが原則とされています。被害者にとっては使いやすい仕組みです。

調停

簡易裁判所で話し合いを行う手続きです。第三者が間に入ることで、当事者だけでは進まなかった話が動くことがあります。

相手方が応じなければ成立しませんので、その点は訴訟と違います。

訴訟

最終的な手段です。提出された証拠にもとづいて、裁判所が結論を出します。裁判所が用いる水準で計算されることになりますので、金額が伸びる余地があります。

とはいえ、それなりの時間と費用を要します。最後まで争わず、途中の話し合いで決着する事案も少なくありません。

どれだけ増えそうかと、そこにかかる負担とを見比べて決めることになります。

弁護士費用特約を使えるのであれば、天秤にかける前提そのものが変わります。

段階ごとの主導権は誰にあるか

意外と意識されていない点を挙げておきます。

第1段階から第2段階までは、被害者の側に主導権があります。どこで受診するか、どのくらいの頻度で通うか、いつまで治療を続けるか。医師と相談しながら、自分で決められる部分です。

第3段階は、審査を行う機関の判断に委ねられます。こちらにできるのは、材料をそろえることだけです。だからこそ、症状固定の前にどれだけ準備できたかが結果を分けます。

第4段階では、相手方の保険会社が先に提示してきます。受け身に見えますが、応じるかどうかはこちらが決められます。急かされても、期限に縛られる必要はありません。

第5段階に進むかどうかも、被害者の選択です。示談で終わらせるか、第三者の判断を求めるか。ここは自分で決める場面です。

整理すると、こちらが動かせる部分は思っているより多くあります。流れに押し流されず、節目ごとに判断してください。

相手方の言うとおりに進めるだけだと、動かせたはずの部分まで手放すことになります。

とくに、症状固定の時期と示談の署名。この二つは、こちらが決められる場面です。

相手方の都合に合わせる必要はありません。

期間が延びやすい場面

予定どおりに進まないことは、珍しくありません。

治療が長引く事案では、示談の開始そのものが遅れます。後遺障害の認定に時間がかかれば、さらに延びます。異議を申し立てれば、数か月単位で先に進みます。

過失割合に争いがある事案も、交渉が長期化します。双方の主張が食い違ったまま平行線になり、訴訟に進むこともあります。

相手が任意保険に加入していない場合も、進み方が変わります。交渉の窓口がなく、本人とやり取りすることになるためです。

死亡事故では、刑事の手続きが先に進むこともあり、賠償の話は落ち着いてから始まることが多くあります。

ご遺族の心情を考えれば、急ぐべき性質のものでもありません。

各段階で押さえておくこと

それぞれの節目で、確認すべき点をまとめます。

治療中に確認すること

通院の頻度は適切か。医師に症状を正確に伝えられているか。仕事を休んだ記録を残しているか。この三つを定期的に見直してください。

症状が改善しないまま漫然と通うのも、早々に切り上げるのも、どちらも避けたいところです。主治医と方針を共有しておくことです。

治療費を打ち切ると告げられた場合も、その時点で主治医に相談してください。まだ必要だという判断であれば、延長を求める根拠になります。

医師の意見を書面にしてもらえれば、なお確実です。

症状固定を告げられたら

後遺障害の申請をするかどうかを決める場面です。痛みやしびれが残っているのであれば、まず主治医に相談してください。

必要な検査を受けているか、診断書に症状が正確に記載されるか。この段階での準備が、結果を大きく左右します。

症状固定の後に検査を追加しても、判断の材料としては扱われにくくなります。時期を逃さないでください。

どの検査が必要かは、残っている症状によって変わります。主治医に確認してください。

検査画像に写る症状かどうかという点も、結論を左右します。

他覚的な所見がない場合でも、経過の記録が整っていれば認定されることがあります。

通院の間隔と、訴えてきた症状の一貫性が見られます。

提示を受けたら

費目の抜けと、算定の基準。この二点を確認してください。

そのうえで、増額の余地があるかを検討します。自分では見極めがつかないようなら、署名を入れる前に相談してみてください。

返送してしまえば、そこで確定します。数日の検討が、金額を変えることもあります。

相手方から催促されても、慌てる必要はありません。

途中で止まりやすい三つの場面

相談を受けていて、よく行き詰まる箇所があります。

治療費を打ち切られたとき

ここで通院をやめてしまう方が多くいます。しかし、医師が必要と判断しているなら続けるべきです。

健康保険に切り替えれば、窓口の負担を抑えられます。自分で負担した分については、後日まとめて請求することができます。

通院を中断すると、症状が残っても後遺障害の認定を受けにくくなります。途切れずに通った記録があることが、認定を受ける土台になるからです。

打ち切りは、治療の終わりを意味しません。支払いが止まるだけです。この二つを同じものとして捉えないでください。

後遺障害が認定されなかったとき

非該当という結果が出ることもあります。この場合、異議を申し立てる道があります。

とはいえ、前と同じ書類をそろえ直しても結果は動きません。新しい検査の結果や、医師による意見書を足す必要があります。何が不足していたのかを見極めるのが先です。

認定されなかった理由は、通知に記載されています。まずそこを読み込んでください。

提示額に納得できないとき

怒りを担当者にぶつけても、状況は変わりません。担当者は社内の基準に沿って処理しているためです。

動かすには、根拠を示すことです。算定の基準が違うのではないか、この費目が抜けているのではないか。具体的に指摘することで、交渉の余地が生まれます。

担当者の権限を超える場合もありますが、主張した記録は残ります。後の手続きに進んだときの土台になります。

被害が重い事案では流れが変わる

ここまでは、通院で回復する事案を前提に書いてきました。被害が重い場合は、進み方が違ってきます。

入院が長期に及ぶ場合

治療そのものが年単位になることがあります。その間の生活費をどう確保するかが、先に問題になります。

休業損害の一部を先に受け取れないか、担当者に相談してみてください。応じてもらえることがあります。

自賠責の側には、示談の成立を待たずに一部の支払いを受けられる制度があります。相手方の保険会社からの支払いが十分でない場合、この制度を検討してください。

自分の人身傷害保険からも、先に支払いを受けられることがあります。

使える制度を一度に洗い出しておくと、資金の見通しが立ちます。

入院が続く間は、家族に手続きを分担してもらってください。

保険会社とのやり取りや、必要書類を集める作業は、本人以外でも動けます。

委任状が必要になる手続きもありますので、確認しておいてください。

様式は、各窓口で用意されています。

重い後遺障害が残る場合

将来にわたる介護の費用や、住宅の改修費が問題になります。算定の幅も大きく、争点が増えます。

職業や年齢によって、将来の減収の算定も変わります。数千万円単位で結論が動く領域です。

近親者に固有の慰謝料が認められる余地もあります。金額の規模がまったく違ってきますので、早い段階で専門家に相談すべき類型です。

後遺障害の等級が一つ違うだけで、金額が大きく変わります。

申請の準備にどれだけ手をかけられるかが、そのまま結果に表れます。

症状固定の前に動き出すのが、唯一の近道です。

死亡事故の場合

治療の段階がありませんので、流れは短くなります。ただし、ご遺族の心情が落ち着くまで交渉を始めないことも多く、時間の進み方は事案によります。

誰が相続人になるか、誰が請求できるかという整理も必要になります。

葬儀費用や、ご遺族固有の慰謝料も請求の対象です。

相続の手続きと並行して進めることになりますので、負担は小さくありません。

時間をかけて構いませんので、落ち着いてから進めてください。

期限だけは、頭の片隅に置いておいてください。

いつ相談すべきか

相談の時期によって、できることが変わります。

事故の直後

何をすべきかの見通しが立ちます。使える保険の整理もできますし、初動の失敗を避けられます。被害が重い事案であれば、この段階で相談する価値があります。

軽微な事案であれば、保険会社に任せて進めれば足りることが多いところです。

症状固定の前

後遺障害の申請に向けて、必要な検査や記載の整え方を確認できます。この時点での準備が、認定の結果を左右します。

最も相談の効果が大きいのが、この時期です。

症状固定を過ぎてしまうと、追加の検査を受けても評価されにくくなります。間に合ううちに動いてください。

提示を受けた後

金額が妥当かどうかを判断できます。増額の余地があれば、交渉を任せることもできます。

ただし、署名した後では動かせません。返送する前に相談してください。

提示書を受け取ってから数日でも、検討する時間は取れます。

費用が気になる場合

弁護士費用特約が付いていないかを確認してください。本人の契約になくても、同居する家族の保険から使えるのが一般的です。

特約があれば、費用を気にせず依頼できます。依頼するかどうかを考える前提が、そもそも変わってきます。

全体を通して意識しておきたいこと

最後に、どの段階にも共通する三つを挙げておきます。

一つめは、記録を残すことです。通院した日、症状の変化、休んだ日、やり取りの内容。示談の交渉が始まるのは治療が終わってからですので、半年分を後から振り返ることになります。その都度書き留めておく価値があります。

一日一行で足ります。形式にこだわる必要はありません。

続けることのほうが大切です。

二つめは、期限を把握しておくことです。損害賠償を請求できる期間にも、自賠責への請求にも、制度ごとに定めがあります。通院が長期に及ぶと、意識しないうちに期限が迫ってきます。

自分の事案でいつまでなのかを、早い段階で確かめておいてください。

迫っていると感じたら、そのままにせず早めに相談してください。手続きを取ることで、進行を止められる場合もあります。

気づかないうちに期限が過ぎてしまうと、請求そのものができなくなります。

治療が年単位に及ぶ事案では、とくに注意が必要です。長引くほど、意識から遠のいてしまうためです。

治療を始めた時点で、いつまでに何をすべきかを書き出しておくと安心です。

三つめは、提示された内容を鵜呑みにしないことです。相手方の担当者は、社内の基準に沿って処理しています。担当者に悪気があるわけではないものの、こちらに一番有利な計算を選んでくれることもありません。

根拠を尋ねること自体は、何ら失礼な行為ではありません。

根拠を答えられない項目が出てくれば、その部分は動かせる可能性があります。

逆に、筋の通った説明が返ってくるなら、その提示は妥当な水準にあると考えてよいでしょう。

この三つを意識しておけば、大きく損をすることは避けられます。

あとは、治療に専念することです。体が回復することが、結局は最も重要です。

金額の話は、治療が終わってからでも遅くありません。順番を間違えないでください。

よくある質問

解決までどのくらいかかりますか

後遺障害が残らない事案であれば、半年から一年が目安です。後遺障害の認定を経ると一年以上、訴訟まで進めば二年を超えることもあります。治療期間の長さが、全体の期間を決めます。

いま自分がどの段階にいるのか分かりません

治療中であれば第2段階、症状固定と言われたなら第3段階、金額の提示を受けたなら第4段階です。次に何が起きるのかを知っておくと、準備ができます。

治療費を打ち切ると言われました

症状が続いているなら、通院をやめる必要はありません。健康保険に切り替えて続け、立て替えた分を後から請求してください。医師の意見を示して、延長を求める方法もあります。

症状固定はいつ決まりますか

医師が判断します。相手方の保険会社が時期を示してくることがありますが、それは支払いを打ち切りたいという意向であって、医学的な判断ではありません。主治医と相談して決めてください。

示談書にはすぐ署名すべきですか

急ぐ理由はありません。まず内訳に目を通し、漏れている費目はないか、その金額をどう計算したのかを尋ねてください。署名してしまえば、後から覆すことはできません。

納得できる説明が返ってくるなら、その提示は妥当な水準にある可能性が高いといえます。

示談がまとまらないとどうなりますか

紛争処理の機関、調停、訴訟という手段があります。費用と時間の負担が異なりますので、見込まれる増額分と比べて判断することになります。

相談するならいつがよいですか

効果が最も大きいのは、症状固定の前です。後遺障害の申請に向けた準備ができます。提示を受け取った後からでも遅くはありませんが、返送の前に一度相談してください。

治療はいつまで続ければよいですか

医師が必要と判断している間は続けてください。症状が改善しなくなった時点で症状固定となり、そこから後遺障害の手続きに移ります。保険会社から時期を示されても、それは支払いを止めたいという意向であり、医学的な結論ではありません。いつ固定とするかは、主治医の判断に任せてください。

症状が残るのであれば、通院を続けたうえで後遺障害の申請に進むことになります。

治療を早く切り上げると、慰謝料の算定でも不利になります。焦らないでください。

後遺障害の申請は自分でするのですか

相手方の保険会社に任せる形と、自分で資料をそろえて出す形があります。任せてしまう方法は負担が軽い反面、何を出したのかをこちらで把握できません。自分でそろえる方法は手間がかかりますが、何を提出するかを選べます。後遺障害が見込まれる事案では、後者を選ぶ価値があります。

どちらを選ぶかは、症状の重さと、手間をかけられるかで決めてください。

判断に迷うようであれば、症状固定の前に相談しておくとよいでしょう。

途中で相談先を変えることはできますか

できます。依頼した後でも、契約を解除して別の専門家に頼むことは可能です。ただし、それまでの費用の精算が必要になることがありますので、契約の内容を確認してください。

進め方に納得できないまま続けるより、早めに見直すほうがよい場合もあります。

疑問があれば、その都度確認してください。

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