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住居侵入罪とは?成立要件と刑罰・逮捕後の流れ

住居侵入罪とは?成立要件と刑罰・逮捕後の流れ

この記事で分かること

  • 住居侵入罪は生活の平穏を守る犯罪
  • 住居侵入罪が成立する2つの要件
  • 庭や共用部分も対象になる理由
  • 住居侵入罪の法定刑と不退去罪との違い
  • 侵入が窃盗・強盗など他の犯罪につながるケース
  • 逮捕後の手続きと示談の重要性
  • 住居侵入を疑われたときの弁護士の役割

住居侵入罪は、正当な理由なく他人の住居や人が管理する建物に立ち入る犯罪で、守るのは財産ではなく生活の平穏です。家の中まで入らなくても、塀の内側の庭やマンションの共用部分に無断で立ち入れば成立しえます。退去を求められて出ていかなければ不退去罪にもなります。処分を軽くするカギは被害者との示談です。本記事では成立要件・刑罰・逮捕後の流れを弁護士が解説します。

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「ちょっと敷地に入っただけ」「ドアを開けて中をのぞいただけ」——そんな軽い気持ちの行動が、住居侵入罪という犯罪に問われることがあります。住居侵入罪は、空き巣のような重い事件の入り口として語られることが多いものの、それ自体が独立した一つの犯罪として処罰の対象になります。なんとなく「家の中に入らなければ大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、実際の線引きはそう単純ではありません。どこからが「侵入」になるのか、意外とあいまいに感じている方も多いのではないでしょうか。

住居侵入罪は、正当な理由なく他人の住居などに立ち入る犯罪で、人の生活の平穏を守るために定められています。この記事では、住居侵入罪の成立要件、刑罰、逮捕後の流れまでを、弁護士の視点から分かりやすく整理していきます。あわせて、不退去罪との違いや、侵入がほかの犯罪につながるケースについても触れていきます。ご自身やご家族が思いがけずこうした疑いをかけられて不安なとき、まず全体像をつかむための手がかりとして、本記事を役立てていただければ幸いです。

住居侵入罪とはどんな犯罪か

住居侵入罪は、正当な理由がないのに、他人が住む家や、人が管理する建物などに立ち入る犯罪です。法律上は、刑法に定められた犯罪の一つです。守ろうとしているのは、人が安心して暮らせる「生活の平穏」や、その場所を誰に立ち入らせるかを決める権利です。財産そのものを守る犯罪ではなく、人の住まいや管理する空間の平穏を守る点に特徴があります。自分の家に見知らぬ人が勝手に入ってきたら、誰でも強い不安を覚えるはずです。その安心感を守るための犯罪だと考えると、分かりやすいでしょう。

イメージしやすいのは、留守宅に勝手に上がり込む、塀を乗り越えて他人の庭に入る、といった場面でしょう。ただし、対象は個人の住まいだけではありません。オフィスや店舗、学校など、人が管理している建物に正当な理由なく入った場合にも、住居侵入罪(建造物侵入罪)が問題になります。日常の中では「立ち入ってよい場所」と「そうでない場所」の境界を意識する機会は少ないものですが、法律はその線引きを重く見ているのです。

住居侵入罪は、刑事事件の中でどのように位置づけられるのか、全体像の中で見ておくと理解しやすくなります。刑事事件にはさまざまな種類があり、その中での住居侵入罪の立ち位置を知っておくと、窃盗や盗撮といったほかの犯罪との関係も見えてきます。

住居侵入罪が成立する要件

住居侵入罪が成立するには、大きく分けて二つの要素が必要になります。「住居など法律が守る場所であること」と「正当な理由なく侵入したこと」です。この二つがそろってはじめて、住居侵入罪が成立します。逆に言えば、どちらかが欠ければ、住居侵入罪には問われないことになります。順に見ていきましょう。

「住居」とは何を指すか

ここでいう「住居」とは、人が日常生活を送るために使っている場所を指します。一戸建てやマンションの一室はもちろん、その敷地である庭や、マンションの共用部分なども含まれると考えられています。つまり、玄関のドアを開けて中に入った場合だけでなく、塀の内側の庭に足を踏み入れた段階で、すでに侵入と評価されることがあるのです。「家の中に入らなければセーフ」というイメージを持っている方もいますが、それは正確ではありません。どこからが住居の範囲なのかは、塀やフェンスの有無など、その場所の作りもふまえて判断されます。

また、人が住んでいる住居だけでなく、人が看守する(管理する)建物や、その敷地も保護の対象になります。会社のオフィス、店舗のバックヤード、学校の敷地などがこれにあたります。これらに正当な理由なく入れば、建造物侵入罪として住居侵入罪と同じ条文で処罰されます。つまり、保護されるのは「人の住まい」だけではなく、人が管理しているさまざまな空間に及ぶということです。住居か、それ以外の建物かによって呼び名は変わりますが、いずれも同じ重さの罪として扱われます。そのため、ここから先は両者をまとめて「住居侵入罪」と呼んで説明していきます。立入禁止と表示された場所や、関係者以外立ち入り禁止のエリアに無断で入る行為も、この建造物侵入罪の問題になりえます。

「正当な理由なく侵入」とは

もう一つの柱が、「正当な理由なく侵入した」といえることです。これが、住居侵入罪のもっとも重要な部分だといえます。侵入とは、その場所を管理している人の意思に反して立ち入ることを意味します。住人や管理者が「入ってよい」と認めていない場所に、その意思に反して入れば、侵入にあたります。ここで大切なのは、物理的に塀を乗り越えたかどうかよりも、管理者の意思に反していたかどうかが問われるという点です。窓やドアを壊して入ったかどうかは、侵入の有無を決める条件ではありません。たとえドアが開いていても、招かれていない人が勝手に入れば、それは侵入なのです。

たとえば、招かれてもいないのに勝手に他人の家に上がり込めば、当然ながら侵入です。一方、配達や訪問のために玄関先まで近づく行為は、通常は許されている範囲内なので、ただちに侵入とはなりません。問題になるのは、その立ち入りが管理者の意思に反していたかどうかです。最初は正当に立ち入ったとしても、目的が違法なものであれば、侵入と評価される場合もあります。たとえば、客を装って店舗に入りながら、本当の目的が万引きや盗撮だったような場合です。表向きは普通の立ち入りに見えても、隠された目的によって違法な侵入と判断されることがあるのです。このように、侵入かどうかは、外から見た行動だけでなく、その人の目的までふまえて判断されることがあります。

侵入が認められやすい場合・そうでない場合

実際の事件では、「それは侵入にあたるのか」が争われることがあります。判断の決め手は、やはり管理者の意思に反していたかどうかです。たとえば、ドアに鍵がかかっておらず開いていたとしても、住人が入ってよいと認めていなければ侵入になります。鍵が開いていたから入ってよい、ということにはならないのです。逆に、ふだんから自由に出入りを認められている関係であれば、無断で入っても侵入にはあたらない、という整理になることもあります。

一方で、商業施設のように、不特定多数の人が自由に出入りすることを前提としている場所では、営業時間中に通常の客として入る限り、侵入とは評価されないのが原則です。ただし、そうした場所であっても、犯罪目的を隠して立ち入った場合には、管理者の意思に反するとして侵入と判断されることがあります。見た目には同じ「入る」でも、その目的や状況によって結論が変わってくるのです。この点は感覚的に分かりにくいところなので、自分のケースが侵入にあたるのか不安なときは、専門家に確認するのが確実です。

こんな場合も住居侵入罪|身近な具体例

住居侵入罪は、私たちが思っている以上に身近なところで成立しえます。「自分には縁のない犯罪だ」と思っていても、ちょっとした行動が侵入と評価されることがあるのです。とくに、人間関係のもつれや好奇心がきっかけになるケースは少なくありません。代表的なケースを挙げてみましょう。

  • 留守宅や他人の部屋に勝手に上がり込む
  • 盗撮や下着の窃取などの目的で、他人の敷地や建物に入る
  • 元交際相手の家やマンションの共用部分に無断で立ち入る
  • 立入禁止の場所や、営業時間外の店舗・施設に忍び込む

たとえば、別れた相手にどうしても会いたい一心で、相手のマンションのオートロックをすり抜けて共用廊下まで入ってしまう。本人にとっては「ただ話がしたいだけ」でも、相手の意思に反して立ち入っていれば、住居侵入罪に問われることがあります。よかれと思った行動や、悪気のない一歩が、相手にとっては大きな恐怖になり、犯罪として扱われてしまうこともあるのです。また、侵入はしばしば、より重い犯罪の入り口になります。盗む目的で侵入すれば窃盗、家人に見つかって暴行に及べば強盗へと発展しかねません。同じ「侵入」から始まっても、その後の行動によって、問われる罪はまったく変わってくるのです。窃盗と強盗の違いを知っておくと、侵入がどんな犯罪につながりうるかが見えてきます。

住居侵入罪の法定刑

住居侵入罪は、法律でどの程度の刑罰が定められているのでしょうか。条文が定める刑(法定刑)を確認しておきましょう。

罪名 法定刑
住居侵入罪・建造物侵入罪 3年以下の懲役または10万円以下の罰金
不退去罪 3年以下の懲役または10万円以下の罰金

住居侵入罪には、懲役だけでなく罰金刑も定められています。窃盗や詐欺といった一部の財産犯と比べると、刑の上限はやや軽めに設定されているといえます。そのため、侵入だけが問題となる軽い事案であれば、罰金で済んだり、不起訴となったりすることもあります。もっとも、これはあくまで法律上の上限を示したものにすぎません。実際にどの程度の処分になるかは、侵入の目的や態様、被害者の処罰感情、被害弁償や示談の有無、前科の有無などを総合して判断されます。とくに、侵入が窃盗や盗撮といったほかの犯罪と結びついている場合には、それぞれの罪も加わって、処分は重くなる傾向があります。

また、住居侵入罪とほかの罪が同時に成立する場合、これらは密接な関係にあるものとしてまとめて評価されることもあります。たとえば、侵入とそれに続く窃盗が一連の行為としてとらえられる、といった具合です。いずれにせよ、侵入だけの事案かどうかで見通しは大きく変わってくるため、自分のケースがどちらに近いのかを正しく把握することが大切です。

不退去罪との関係|「出ていかない」罪

住居侵入罪とセットで知っておきたいのが、不退去罪です。これは、いったん正当に立ち入った場所であっても、管理者から「出ていってほしい」と求められたのに、正当な理由なくとどまり続ける罪です。住居侵入罪と不退去罪は、いわば表裏の関係にあり、同じ条文で同じ重さの刑が定められています。

たとえば、営業時間中に入った店で、閉店時間が過ぎても居座り、退店を求められても出ていかない。あるいは、招かれて入った家で、帰ってほしいと言われたのにとどまり続ける。こうした場合に、不退去罪が成立しうるのです。住居侵入罪が「入ること」を問題にするのに対し、不退去罪は「出ていかないこと」を問題にする点が違いです。たとえ入り方そのものに問題がなかったとしても、退去を求められた後の対応次第で、別の罪に問われることがあるわけです。トラブルがこじれて口論になり、相手から「帰ってくれ」と言われても応じずにいた、というような場面で問題になりやすい罪だといえます。

補足
入った時点では正当でも、退去を求められてから出ていかなければ不退去罪になりえます。「入り方」だけでなく「とどまり方」にも注意が必要だということです。感情的になっている場面ほど忘れがちですが、トラブルの場では、求められたら速やかにその場を離れることが大切です。

住居侵入が他の犯罪につながるケース

住居侵入罪が問題になる場面の多くは、侵入そのものよりも、その先にある目的に関係しています。侵入は、しばしば別の犯罪の「手段」や「準備段階」として行われるからです。実際、住居侵入罪だけで立件されるよりも、ほかの犯罪と一緒に問題になることのほうが多いといえます。だからこそ、侵入の「目的」が何だったのかが、事件の見通しを左右する重要なポイントになります。

もっとも典型的なのが、空き巣です。金品を盗む目的で留守宅に侵入すれば、住居侵入罪に加えて窃盗罪も成立します。さらに、侵入した先で家人と鉢合わせし、逃げる際に暴行を加えれば、事後強盗として強盗罪に問われることもあります。軽い気持ちの侵入が、一気に重い犯罪へと発展しかねないのです。ほかにも、盗撮目的でトイレや更衣室に忍び込めば住居侵入罪や建造物侵入罪に加えて別の罪が、下着を盗む目的で侵入すれば窃盗罪が、それぞれ重なってきます。このように、侵入はさまざまな犯罪の「入り口」になります。空き巣が窃盗罪と強盗罪のどちらに問われうるのかを知っておくと、侵入の重大さがよく分かります。

住居侵入罪で逮捕されたらどうなるか|手続きの流れ

住居侵入の疑いで刑事手続きに入ると、どのような流れをたどるのでしょうか。逮捕から処分が決まるまでには、いくつかの段階があります。大まかな道筋を示します。すべての事件が同じ道をたどるわけではなく、途中で釈放されることも、被害者と示談が整えば不起訴で終わることもあります。

  1. 逮捕・取調べ……現行犯や捜査の結果として逮捕され、警察で取調べを受けます。
  2. 送検・勾留……事件が検察に送られ、必要があれば勾留されて身柄拘束が続きます。
  3. 捜査の継続……侵入の目的や経緯などについて、さらに調べが進みます。
  4. 起訴・不起訴の判断……検察官が、起訴するか不起訴とするかを決めます。示談の有無がここで効いてきます。
  5. 裁判・処分……起訴されれば裁判となり、有罪なら刑が言い渡されます。

侵入だけが問題となる軽い事案で、被害者と示談が成立すれば、不起訴となって前科がつかないこともあります。一方、窃盗や盗撮などと結びついた事件では、証拠隠滅や逃亡を防ぐ必要などから、逮捕・勾留される可能性が高くなります。身柄を拘束されれば、その間は仕事や学校に行けなくなり、生活への影響も小さくありません。手続きのどの段階にいるかによって、打てる手も変わってきます。起訴されるか不起訴で終わるかは、前科がつくかどうかに直結する重大な分かれ目です。起訴と不起訴で、その後の人生がどれほど変わるのかを理解しておくことが大切です。

住居侵入罪で示談が重要な理由

住居侵入罪で処分を少しでも軽くするには、被害者との示談が大きなカギを握ります。住居侵入は、被害者の生活の平穏や安心を脅かす犯罪です。被害者にとっては、自分の家やプライベートな空間に踏み込まれたという事実そのものが、大きな恐怖や不快感につながります。被害者の不安が和らぎ、「処罰を望まない」という意思を示してもらえれば、検察官や裁判官の判断に有利に働きます。財産的な被害がない事案でも、被害者の気持ちに向き合い、安心を取り戻してもらうことが、示談の中心になります。

とくに、侵入だけが問題となる軽い類型では、示談が成立すれば不起訴となる可能性が高まります。前科がつかなければ、その後の就職や生活への影響も避けられます。盗撮やストーカー的な行為をともなう事件では、被害者の処罰感情が強いこともありますが、それでも示談の成立は量刑を判断するうえでプラスの事情として考慮されます。被害者がどれだけ安心を取り戻せたかという点は、最終的な処分に小さくない影響を与えます。被害者の安心を回復できるかどうかが、処分を左右するのです。

ただし、被害者との交渉を本人や家族が直接行うのは、現実には難しいことが多いものです。とくに、元交際相手や顔見知りが被害者の場合、直接の接触はかえって事態を悪化させかねません。被害者からすれば、加害者から連絡が来ること自体が新たな不安につながるからです。こうした場合でも、弁護士が間に入れば、被害者の連絡先を加害者側に知らせないまま、心情に配慮して交渉を進めることができます。刑事事件における示談がなぜそこまで重要なのか、その意味と進め方を知っておくと、対応を誤りにくくなります。

住居侵入を疑われたら弁護士に相談を

住居侵入の疑いをかけられたとき、自分一人で抱え込むのは危険です。侵入は、それ自体は軽く見えても、その目的次第で重い犯罪へと発展しかねません。取調べで、軽い気持ちから不用意な供述をしてしまうと、後でくつがえすのは簡単ではありません。また、盗撮やストーカー的な行為がからむ事件では、被害者の感情に細やかに配慮した対応が求められます。被害者と直接やり取りしようとすれば、かえって不安を強めてしまうこともあるでしょう。早い段階で弁護士に相談しておくほど、打てる手の選択肢も広がります。

早めの相談が結果を左右する理由

住居侵入事件でも、捜査の早い段階で動き出せるかどうかが、結果を大きく分けます。被害者との示談は、起訴・不起訴の判断が下される前にまとまっているほど効果的だからです。検察官が処分を決めるまでに被害者の不安が和らぎ、示談が成立していれば、不起訴を得られる可能性が高まります。逆に、対応が遅れて起訴されてしまえば、その後に示談をしても前科を避けることは難しくなります。だからこそ、侵入を疑われた段階で、できるだけ早く相談しておくことが重要です。

弁護士は、住居侵入事件で次のような役割を果たします。

  • 被害者との示談交渉を代わりに進め、被害感情の回復を図る
  • 侵入の目的や経緯など、争いのある事実について適切に主張する
  • 取調べへの対応について助言し、不利な供述を避ける手助けをする
  • 不起訴や執行猶予を目指して、検察官や裁判所に働きかける

費用については、刑事事件の弁護は、依頼時に支払う着手金と、結果に応じた報酬金という構成が一般的です。事案の重さや見込まれる活動の量によって変わるため、依頼前に費用の見通しを確認しておくとよいでしょう。経済的な余裕がない場合には、一定の要件のもとで国が費用を負担する国選弁護人の制度を利用できることもあります。費用面の不安も、相談の段階で率直に伝えてみるとよいでしょう。多くの法律事務所では、初回の相談を通じて、見通しと費用の両面を説明してくれます。

よくある質問

庭に入っただけでも住居侵入罪になりますか?

はい、住居侵入罪になりえます。塀やフェンスで囲まれた庭は、住居の一部として保護の対象になると考えられています。そのため、玄関の中まで入らなくても、住人の意思に反して庭に立ち入った段階で、住居侵入罪が成立することがあります。たとえば、ボールを取りに無断で他人の庭に入る、写真を撮るために敷地内に立ち入る、といった行為も、状況によっては問題になりえます。もちろん、ごく軽微なものまで直ちに処罰されるわけではありませんが、相手が強い不快感を抱けばトラブルに発展します。「家の中には入っていないから大丈夫」とは限らないので注意が必要です。

マンションの共用部分も住居侵入罪の対象ですか?

オートロックの内側の共用廊下やエントランスなども、保護の対象になりうると考えられています。住人以外が、正当な理由なくこうした場所に立ち入れば、住居侵入罪に問われることがあります。とくに、ほかの住人が出入りするすきにオートロックをすり抜けて入る、といった行為は、管理者の意思に反する立ち入りと評価されやすいといえます。元交際相手に会うために無断で立ち入る、といったケースも対象になりえますし、つきまといをともなえば、さらに別の問題にも発展しかねません。

侵入しても何も盗んでいなければ罪に問われませんか?

いいえ、たとえ何も盗まなくても、正当な理由なく侵入した時点で住居侵入罪は成立します。住居侵入罪は、財産を守る犯罪ではなく、生活の平穏を守る犯罪だからです。盗むかどうかとは関係なく、無断で立ち入ったこと自体が問題になります。「結局何も取らなかったのだから罪にはならないだろう」という考えは通用しないということです。もちろん、盗む目的や盗撮の目的があれば、さらに別の罪が加わり、処分も重くなる可能性があります。

住居侵入罪は初犯でも前科がつきますか?

起訴されて有罪となれば、前科がつきます。一方、侵入だけが問題となる軽い事案で、被害者と示談が成立していれば、不起訴となって前科を避けられる可能性もあります。前科がつくかどうかは、その後の就職や資格、日々の生活にも影響しうる重要な問題です。だからこそ、早めに弁護士へ相談し、不起訴を目指して動くことが大切です。

家族が住居侵入で逮捕されました。すぐにできることはありますか?

まずは、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。逮捕直後は、本人と外部との連絡が制限されることが多く、ご家族が状況を把握しづらい時期です。弁護士であれば本人と面会して状況を確認し、取調べへの助言や、被害者との示談交渉に向けた準備を進めることができます。本人が今どういう状況に置かれているのかを知れるだけでも、ご家族の不安は和らぐはずです。早ければ早いほど、できることの幅も広がります。

まとめ|住居侵入罪は「平穏を侵す」犯罪

住居侵入罪は、正当な理由なく他人の住居や、人が管理する建物に立ち入る犯罪です。守ろうとしているのは財産ではなく、人の生活の平穏や、その場所への立ち入りを決める権利そのものです。家の中まで入らなくても、塀の内側の庭やマンションの共用部分に無断で立ち入れば、成立しうる点に注意が必要です。鍵が開いていたかどうかや、何かを盗んだかどうかは、成立そのものには関係ありません。また、退去を求められて出ていかなければ、不退去罪という別の罪にもなりえます。

住居侵入罪には罰金刑も定められており、侵入だけの軽い事案では不起訴や罰金で済むこともあります。一方、窃盗や盗撮などと結びつけば、複数の罪が重なり、処分は重くなります。いずれにしても、処分を軽くするカギは、被害者との示談にあります。被害者の不安を和らげ、安心を取り戻してもらうことが、何よりの近道です。住居侵入を疑われて不安なときは、一人で抱え込まず、できるだけ早く弁護士に相談し、被害者の不安を和らげる示談への道筋を整えていきましょう。早く動き出すほど、選べる手段は多くなります。

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