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示談ができないとどうなる?対処の選択肢

この記事で分かること

  • 示談ができないこともある・めずらしくない
  • 示談ができない主な理由(拒否・連絡条件・被害者なし)
  • 示談ができない場合の対処の選択肢(被害弁償・供託・贖罪寄付)
  • 示談できなくてもあきらめなくてよい
  • 起訴された場合に備える(執行猶予など)
  • 弁護士に相談するメリット
  • 供託や贖罪寄付の意味

示談は相手のあることで、できないこともめずらしくありません。被害者の拒否、連絡や条件、被害者がいない事件などが理由です。示談できなくても、被害弁償の意思を示す、供託、贖罪寄付、反省や再発防止の取り組みが処分や量刑で考慮されます。あきらめず、早めに弁護士へ相談しましょう。

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刑事事件では「示談が大切」とよく言われますが、現実には、どれだけ努力しても示談ができないこともあります。被害者が応じてくれない、連絡が取れない、そもそも被害者がいない——さまざまな事情で、示談という形にたどり着けないことがあるのです。「示談ができなければ、もう終わりなのか」と、不安に駆られている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、示談ができないとどうなるのか、示談ができない主な理由は何か、そして示談ができない場合にどんな対処の選択肢があるのかを、弁護士の視点でわかりやすく解説します。被害弁償の意思を示し続ける方法や、供託、贖罪寄付といった手段、さらに起訴された場合への備えまで、現場で役立つ知識をお伝えします。示談がうまくいかず悩んでいる方は、ぜひ落ち着いて読み進めてください。示談ができなくても、できることは残されています。

示談ができないこともある

まず知っておいてほしいのは、刑事事件において、示談ができないことは、決してめずらしくない、という点です。示談は、被害者という相手のあることですから、こちらがいくら望んでも、必ず成立するとは限りません。世の中には、努力しても示談に至らなかった事件が、数多くあります。ですから、示談ができないからといって、自分だけが特別に不運なわけでも、対応を間違えたわけでもありません。

たしかに、被害者がいる事件では、示談を成立させることが、不起訴やより軽い処分につながる、最も重要な手段の一つです。しかし、示談ができなかったからといって、それで万事休すというわけではありません。示談ができない場合でも、加害者の反省や、被害弁償に向けた努力など、ほかの事情が、処分において考慮されることがあります。だからこそ、「示談ができないから、もうどうしようもない」とあきらめてしまうのは、早計なのです。示談は、あくまで有利な事情の一つであって、それがすべてを決めるわけではない、ということを、まず押さえておきましょう。刑事事件で示談が重要とされる理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。

まず押さえたいポイント
示談ができないことは、めずらしくありません。示談は相手のあることだからです。しかし、示談ができなくても、反省や被害弁償の努力など、ほかの事情が処分で考慮されることがあります。あきらめる必要はありません。

大切なのは、示談ができない場合でも、できることを一つずつ尽くしていくことです。そのためには、まず「なぜ示談ができないのか」を見極め、それに応じた対処を考える必要があります。次に、示談ができない主な理由から見ていきましょう。

示談ができないという状況は、加害者本人にとっても、その家族にとっても、つらく、もどかしいものです。「謝りたいのに、被害者が会ってくれない」「弁償したいのに、受け取ってもらえない」——そうした状況では、誠意を示す機会すら奪われたように感じ、無力感にさいなまれることもあるでしょう。しかし、示談という形にたどり着けないとしても、誠意を示す方法は、決して一つではありません。形を変えて、できる償いを尽くしていくこと。そして、その努力を、刑事手続きのなかで適切に評価してもらうこと。これらは、十分に可能なのです。だからこそ、まずは落ち着いて、自分の事件がなぜ示談に至らないのか、その理由を整理することから始めましょう。

示談ができない主な理由

示談ができない理由は、事件によってさまざまです。ここでは、代表的なものを見ていきましょう。理由によって、とるべき対処も変わってきます。自分のケースがどれにあたるのかを考えながら読んでみてください。

被害者が拒否している

最も多いのが、被害者が示談を拒否しているケースです。被害者の処罰感情が強く、「お金は受け取らない」「加害者を許す気はない」と、示談自体を拒んでいる場合です。事件によって深く傷ついた被害者が、加害者と関わること自体を拒絶することは、十分にありえます。この場合、加害者がいくら示談を望んでも、被害者がその気にならなければ、示談は成立しません。

被害者が示談を拒否する背景には、さまざまな感情があります。「お金で解決する問題ではない」という思いや、「加害者をきちんと処罰してほしい」という強い願い、あるいは「もう加害者とは一切関わりたくない」という拒絶感など、被害者の気持ちは一様ではありません。こうした感情は、被害者にとって自然なものであり、加害者がそれを無理に変えさせることはできません。だからこそ、被害者が拒否している場合には、その気持ちを尊重しつつ、誠意を示し続けながら、状況の変化を待つ、という姿勢が求められます。強引に示談を迫れば、かえって被害者の態度を硬化させ、逆効果になってしまいます。被害者の心の準備が整うまで、待つことが必要な場合もあるのです。

連絡が取れない・条件が折り合わない

被害者と連絡が取れない、あるいは、連絡は取れても条件で折り合わない、というケースもあります。被害者が連絡に応じてくれなかったり、被害者の求める金額が高すぎて折り合えなかったりすると、示談はまとまりません。とくに、被害者の処罰感情が強いと、過大な金額を求められ、現実的な条件での合意が難しくなることがあります。連絡が取れないケースでは、そもそも交渉のテーブルにつくこと自体が難しく、もどかしい状況に置かれます。

条件が折り合わない場合、加害者としては悩ましい状況に置かれます。被害者の求める金額があまりに高額で、とても支払えないということもあれば、支払えたとしても、それが適正な水準を大きく超えているということもあります。こうしたとき、焦って無理な金額を受け入れてしまうのも問題ですし、かといって交渉が決裂してしまえば示談はできません。適正な落としどころを探りながら、粘り強く交渉を続けることが必要になりますが、これを当事者だけで行うのは難しく、専門家の関与が望まれます。

そもそも被害者がいない事件

そもそも、被害者がいない、あるいは特定の被害者を観念しにくい事件もあります。たとえば、薬物事犯や、交通法規違反など、社会的な法益を害する罪では、示談すべき特定の被害者が存在しないことがあります。こうした事件では、そもそも示談という手段をとることができません。被害者のいない事件では、示談に代わる別の対応を考える必要があります。この場合、示談ができないのは加害者の落ち度ではなく、事件の性質によるものだといえます。

被害者がいない事件では、「示談をしたくてもできない」という、加害者の意思とは無関係な事情があります。この場合、示談ができないこと自体を気に病んでも仕方がありません。むしろ、示談以外の方法で、反省の気持ちや更生への決意を、どう形にして示すかが、重要になります。被害者がいないからこそ、再発防止の取り組みや、社会への償いといった形で、誠意を示していくことが求められるのです。

示談ができない理由 状況
被害者が拒否 処罰感情が強く、示談に応じない
連絡・条件 連絡が取れない、条件が折り合わない
被害者がいない 薬物事犯など、特定の被害者がいない

示談ができない場合の対処の選択肢

では、示談ができない場合、どんな対処の選択肢があるのでしょうか。示談ができなくても、できることはあります。状況に応じて、これらの方法を検討していきましょう。

被害弁償の意思を示し続ける

被害者が示談に応じてくれない場合でも、被害弁償の意思を示し続けることには意味があります。加害者が、被害を弁償する用意があること、誠実に償おうとしていることを、形にして示せば、それが処分において考慮されることがあります。被害者が受け取りを拒んでいても、弁償の意思と準備があること自体は、加害者の反省を裏づける事情になります。

たとえば、被害者がいったんは受け取りを拒んでいても、弁護士を通じて、いつでも弁償する用意があることを伝え続けることができます。加害者が、被害弁償のための金額をきちんと準備し、被害者が受け入れてくれればすぐに支払える状態を整えておく——こうした姿勢は、加害者が口先だけでなく、本気で償おうとしていることの証になります。検察官や裁判所も、こうした加害者の真摯な態度を、まったく無視するわけではありません。示談という結果に至らなくても、そこに向けた努力のプロセス自体が、評価される余地があるのです。誠意は、結果だけでなく、その過程にも表れるものだからです。

供託という方法

被害者が受け取りを拒んでいる場合に、「供託」という方法をとれることがあります。供託とは、被害者が弁償金の受け取りを拒否しているときなどに、加害者が弁償金を法務局に預けることで、弁償の意思と実行を形にする手続きです。供託をすることで、加害者が確かに被害を弁償しようとしたことを、客観的に示すことができます。これも、処分において、加害者に有利な事情として考慮されることがあります。

供託の大きな意味は、被害者の受け取り拒否によって弁償ができない、という状況を打開できる点にあります。被害者が「お金は受け取らない」という姿勢でいると、加害者は弁償したくてもできません。しかし、供託という手続きを使えば、被害者が現実に受け取らなくても、加害者として弁償すべき金額を確実に用意し、いつでも被害者が受け取れる状態にしておくことができます。これによって、「弁償の意思はあったが、被害者の拒否でできなかった」という事情を、形として残せるのです。ただし、供託が適切かどうか、どのように進めるべきかは、事件の状況によって異なるため、弁護士に相談しながら判断することが大切です。

贖罪寄付・反省を形にする

被害者がいない事件などでは、「贖罪寄付」という方法が検討できることがあります。贖罪寄付とは、加害者が、反省の気持ちを示すために、慈善団体などに寄付をすることをいいます。被害者がいないために示談ができない事件でも、こうした形で反省を示すことが、処分において考慮されることがあります。また、再発防止に向けた取り組みを始めることも、反省を形にする方法の一つです。

贖罪寄付は、とくに、特定の被害者がいない薬物事犯などにおいて、反省と更生の意思を客観的に示す手段として用いられることがあります。被害者への弁償という形がとれない以上、社会に対して償いの気持ちを示す、という発想です。また、贖罪寄付に限らず、反省文を作成したり、再発防止のためのカウンセリングや治療を受け始めたり、家族による監督の体制を整えたりと、反省と更生を形にする方法はいくつもあります。こうした取り組みを一つひとつ積み重ねていくことが、示談ができない状況を補い、少しでもよい結果につなげるための、現実的な対応になります。

  • 被害弁償の意思と準備があることを示す
  • 被害者が受け取りを拒む場合は供託を検討する
  • 被害者がいない事件では贖罪寄付を検討する
  • 再発防止に向けた具体的な取り組みを始める
  • 反省文を作成するなど、反省を形にする

示談できなくても、あきらめなくてよい

ここで強調しておきたいのは、示談ができなくても、あきらめる必要はない、ということです。示談の不成立が、ただちに最悪の結果を意味するわけではありません。これは、何度でも繰り返し伝えたい、大切なことです。

まず、被害者が今は拒否していても、時間の経過とともに、気持ちがやわらぐことがあります。事件直後は怒りが強くても、しばらくして落ち着けば、話し合いに応じてくれることもあります。弁護士が、被害者の気持ちを尊重しながら、粘り強く誠意を示し続けることで、いったんは断られた示談が、最終的にまとまることもあるのです。一度断られたからといって、すぐにあきらめるのは早計です。交渉のタイミングや進め方を工夫することで、道が開けることもあります。

また、仮に最後まで示談ができなかったとしても、これまで見てきたように、被害弁償の意思を示すこと、供託や贖罪寄付、反省や再発防止の取り組みなど、加害者にできることは残されています。これらの事情は、検察官の処分の判断や、仮に起訴された場合の量刑において、加害者に有利に考慮されることがあります。示談ができないこと自体は不利ではありますが、それを補う努力を尽くすことで、結果を少しでもよい方向に近づけることができるのです。起訴猶予による不起訴については、こちらの記事も参考になります。

「示談ができなかった=最悪の結果が確定した」と思い込んでしまうと、本来できるはずの努力まで、放棄してしまいかねません。しかし、実際には、示談はあくまで有利な事情の一つであって、それがすべてではありません。示談ができなくても、加害者が真摯に反省し、できる限りの償いをしようとしている姿勢は、刑事手続きのなかで一定の評価を受けます。大切なのは、「示談ができなかったから、もう何をしても無駄だ」とあきらめるのではなく、「示談ができないなら、ほかにできることをやろう」と発想を切り替えることです。その前向きな姿勢と、具体的な行動の積み重ねが、最終的な結果を左右します。どんな状況でも、打てる手はある——このことを忘れないでください。

起訴された場合に備える

示談ができず、残念ながら起訴されてしまった場合にも、できることはあります。起訴された後の見通しと備えについて、知っておきましょう。起訴は終わりではなく、新たな局面の始まりです。

示談ができないまま起訴された場合、刑事裁判で、有罪か無罪か、有罪であればどの程度の刑にするかが審理されます。ここで、これまで積み重ねてきた、被害弁償の意思や、供託、反省や再発防止の取り組みといった事情が、量刑において有利に考慮されることがあります。とくに、初めての事件であることや、深く反省していること、再発防止の体制が整っていることなどが評価されれば、執行猶予がつく可能性もあります。執行猶予がつけば、ただちに刑務所に入ることは避けられます。執行猶予については、こちらの記事で詳しく解説しています。

執行猶予とは、有罪判決を受けても、一定の期間、その刑の執行を猶予し、その間に再び罪を犯さなければ、刑の言い渡しが効力を失う、という制度です。執行猶予がつけば、有罪ではあるものの、すぐに刑務所に収容されることはなく、これまでどおりの社会生活を続けながら更生を目指せます。示談ができずに起訴された事件でも、これまで述べてきたような、被害弁償の意思、供託、贖罪寄付、反省、再発防止の取り組みといった有利な事情を、裁判の場でしっかりと主張することで、執行猶予を得られる可能性が高まります。つまり、示談ができなかったことが、ただちに実刑(刑務所に入ること)を意味するわけではないのです。起訴された後も、できる限り軽い処分を目指して、最後まで手を尽くすことが大切です。

つまり、示談ができず起訴されたとしても、そこで終わりではありません。刑事裁判の場で、有利な事情を主張し、できる限り軽い処分を目指すことができます。起訴・不起訴の判断や、その後の手続きの流れについては、こちらの記事も参考になります。示談ができなかったからといって、すべてをあきらめるのではなく、その先の手続きを見据えて、できる対応を続けることが大切です。むしろ、起訴された後の刑事裁判こそ、これまで積み重ねた努力を、量刑という形で実らせる場でもあるのです。

弁護士に相談するメリット

示談ができないという難しい状況だからこそ、弁護士に相談する意味は大きいといえます。その理由を整理しておきましょう。困難な場面ほど、専門家の判断が頼りになります。

まず、弁護士は、なぜ示談ができないのかを見極め、それに応じた対処を考えます。被害者が拒否しているなら、粘り強く交渉を続けたり、被害弁償の意思を示したりします。受け取りを拒んでいるなら、供託を検討します。被害者がいない事件なら、贖罪寄付や反省を形にする方法を考えます。状況に応じて、とりうる最善の手を選び、実行できるのが、弁護士の強みです。同じ「示談ができない」でも、その理由によって有効な対処は異なるため、的確な見極めが欠かせません。家族が逮捕されてお困りの場合の対応については、こちらの記事も参考になります。

また、示談ができないまま起訴された場合にも、弁護士は、刑事裁判で有利な事情を主張し、できる限り軽い処分を目指します。これまでの被害弁償の努力や反省の取り組みを、量刑に反映させるよう、的確に主張するのです。示談ができないという困難な状況でこそ、できることを一つずつ尽くし、結果を少しでもよくするために、専門家の力が必要になります。一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

さらに、弁護士に相談することには、見通しを立てられるという大きな意味もあります。示談ができないと、本人や家族は「この先どうなってしまうのか」という不安に押しつぶされそうになります。しかし、弁護士に相談すれば、いまの状況でどんな対処ができるのか、起訴される可能性はどの程度か、起訴された場合にどんな見通しなのかを、専門的な観点から示してもらえます。先が見えない不安と、見通しを持ったうえでの対応とでは、心の余裕がまったく違います。やみくもに悩むのではなく、専門家とともに、できることを着実に進めていく——それが、示談ができないという難局を乗り越えるための、最も確実な方法です。示談がうまくいかないからこそ、早めに弁護士の力を借りることが大切なのです。

示談ができないときにできること
被害弁償の意思を示す、供託する、贖罪寄付をする、再発防止に取り組む、反省を形にする——示談ができなくても、これらの努力が処分や量刑で考慮されることがあります。まずは弁護士に相談を。

よくある質問(FAQ)

示談ができないと、必ず起訴されますか?

いいえ、示談ができないからといって、必ず起訴されるわけではありません。示談は不起訴に向けた重要な要素ですが、唯一の要素ではありません。被害弁償の意思や、反省、再発防止の取り組みなど、ほかの事情も考慮されます。示談ができなくても、これらの努力を尽くすことで、不起訴となる可能性は残ります。まずはできることを尽くしましょう。事件の内容によっても見通しは変わるため、弁護士に相談するとよいでしょう。

被害者が受け取りを拒否している場合はどうすればよいですか?

被害者が弁償金の受け取りを拒否している場合、「供託」という方法を検討できることがあります。弁償金を法務局に預けることで、弁償の意思と実行を形にできます。これは、加害者が確かに被害を弁償しようとしたことを客観的に示すもので、処分において有利に考慮されることがあります。具体的な進め方は、弁護士に相談しましょう。

被害者がいない事件では、何をすればよいですか?

薬物事犯など、特定の被害者がいない事件では、示談という手段がとれません。こうした場合、贖罪寄付によって反省を示したり、再発防止に向けた具体的な取り組みを始めたりすることが考えられます。これらの努力が、処分や量刑において考慮されることがあります。どんな対応が有効かは、弁護士に相談するとよいでしょう。

一度示談を断られたら、もうあきらめるしかないですか?

いいえ、一度断られても、あきらめる必要はありません。被害者の気持ちは、時間とともにやわらぐことがあります。弁護士が、被害者の気持ちを尊重しながら、粘り強く誠意を示し続けることで、最終的に示談がまとまることもあります。すぐにあきらめず、できる対応を続けることが大切です。まずは弁護士に相談しましょう。状況に応じて、示談以外の対処も併せて検討できます。

まとめ|示談ができなくても、できることはある

刑事事件において、示談ができないことは、決してめずらしくありません。被害者が拒否している、連絡が取れない、条件が折り合わない、そもそも被害者がいない——さまざまな理由で、示談にたどり着けないことがあります。しかし、示談ができなかったからといって、すべてが終わるわけではありません。被害弁償の意思を示し続けること、供託、贖罪寄付、再発防止の取り組みなど、加害者にできることは残されており、これらの努力が、処分や量刑において考慮されることがあります。

大切なのは、示談ができないからとあきらめるのではなく、できることを一つずつ尽くしていくことです。被害者が今は拒否していても、時間の経過とともに気持ちがやわらぎ、最終的に示談がまとまることもあります。仮に起訴されても、刑事裁判で有利な事情を主張し、執行猶予など、できる限り軽い処分を目指すことができます。こうした難しい状況でこそ、なぜ示談ができないのかを見極め、状況に応じた最善の手を選び、実行するために、弁護士の力が必要になります。示談がうまくいかず悩んでいる方は、一人で抱え込まず、まずは刑事事件にくわしい弁護士に相談してみてください。早く動くほど、とれる手立ては多くなります。

「示談ができない」という事実は、加害者やその家族にとって、大きな不安の種になります。「示談が大切」と言われれば言われるほど、それができない自分の状況に、焦りや絶望を感じてしまうかもしれません。しかし、ここまで見てきたように、示談ができないことは、決して終わりを意味するものではありません。被害弁償の意思を示す、供託する、贖罪寄付をする、反省や再発防止に取り組む——示談という一つの形にこだわらなくても、誠意を示し、結果を少しでもよくするための道は、いくつもあります。そして、その一つひとつを、状況に応じて適切に選び、実行していくために、専門家のサポートがあります。示談ができないからこそ、なおさら、早く弁護士に相談し、できる限りの手を尽くすことが大切なのです。この記事が、示談ができないという困難に直面した方の、支えになれば幸いです。

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