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少年院送致と保護観察の違い

この記事で分かること

  • 少年審判の保護処分とは何か
  • 保護観察は社会の中で立ち直る処分
  • 少年院送致は施設で矯正教育を受ける処分
  • 両者の生活への影響の違い
  • どちらになるかを分ける要素
  • 処分を受けた後の社会復帰の流れ
  • 保護者が審判に向けてできること

保護観察は社会の中で日常を続けながら更生を目指す処分、少年院送致は施設で集中的に矯正教育を受ける処分で、最大の違いは生活の場が変わるかどうかです。どちらになるかは行為の重さだけでなく、本人の反省と立ち直りの環境で左右されます。結果は決まっておらず、家庭が支える体制を整えることで社会内での立ち直りを目指す余地があります。

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お子さんの少年審判が近づいてきた、あるいは「保護観察になるかもしれない」「少年院送致の可能性がある」と言われた――そんなとき、保護者の頭をよぎるのは「このふたつは何がどう違うのか」という疑問ではないでしょうか。どちらも聞いたことはあるけれど、具体的にどう違い、お子さんの生活がどう変わるのかは、なかなか分かりにくいものです。家に帰ってこられるのか、学校はどうなるのか――不安ばかりが先に立ってしまう方も多いはずです。

少年審判で下される処分のうち、代表的なのが「保護観察」と「少年院送致」です。ひとことで言えば、社会の中で立ち直りを目指すのが保護観察、施設に入って矯正教育を受けるのが少年院送致です。けれど、その違いはそれだけではありません。生活がどう変わるのか、どんな場合にどちらが選ばれるのか、処分の後はどうなるのか――知っておくべきことはいくつもあります。

この記事では、保護観察と少年院送致の違いを、生活の場・期間・生活への影響といった観点から、弁護士の視点でわかりやすく整理してお伝えします。さらに、どちらになるかが何で決まるのか、保護者として審判に向けて何ができるのかにも触れていきます。我が子にとってどちらがどういう意味を持つのかが見えれば、今すべきことも自然とはっきりしてくるはずです。

この記事で分かること
保護観察と少年院送致は、どちらも少年の「立ち直り」を目指す処分ですが、生活への影響は大きく異なります。両者の違いを正しく知ることが、お子さんを支える準備の第一歩になります。

そもそも少年審判の処分とは

保護観察と少年院送致の違いを見る前に、前提を少し整理させてください。少年事件では、大人の刑事事件のような「刑罰」ではなく、「保護処分」が下されます。目的は、罰を与えることではなく、少年が二度と非行を繰り返さず、健全に成長していけるよう支えることにあります。この「罰ではなく支援」という発想は、保護観察と少年院送致の違いを理解するうえでも、出発点になる大切な考え方です。

保護処分には、いくつかの種類があります。代表的なのが、今回取り上げる「保護観察」と「少年院送致」です。このほかに、特に処分をしない「不処分」や、福祉的な施設に送る措置などもあります。どの処分が選ばれるかは、行為の重さだけでなく、少年の反省、家庭環境、再非行のおそれ、立ち直りに向けた環境などを総合的に見て、家庭裁判所が判断します。同じ非行でも、その背景や本人の状況は一人ひとり違います。だからこそ、画一的にではなく、その少年に合った処分が選ばれる仕組みになっているのです。

つまり、保護観察と少年院送致は、同じ「立ち直りを支える」という目的を持ちながら、その手段が大きく異なる処分だということです。同じゴールを目指していても、たどる道が違う。この点を押さえておくと、これから説明する違いが理解しやすくなります。ここから、その違いを一つずつ見ていきましょう。

保護観察とは|社会の中で立ち直る

まず、二つのうち制約のゆるやかな保護観察から見ていきます。保護観察は、施設に収容せず、ふだんの社会生活を送りながら更生を目指す処分です。少年院送致と比べると、本人の日常への影響が小さく、制約のゆるやかな処分といえます。どんな仕組みで、誰が支えるのかを順に見ていきましょう。

どんな処分なのか

保護観察になると、少年は引き続き自宅で生活し、学校や仕事を続けながら、定期的に保護司や保護観察官の指導を受けることになります。守るべき約束事(遵守事項)が定められ、それを守りながら生活していくことになります。たとえば、決められた面接にきちんと通うこと、生活の状況を正直に報告すること、健全な生活態度を保つことなどです。これらの約束は、本人を縛るためではなく、生活を立て直し、再び非行に走らないようにするための支えとして設けられています。

日常を続けられるという点が、保護観察の大きな特徴です。学校に通い続けられ、友人や家族との関係も保てる。これまでの生活を土台にしながら、立ち直りを図っていけるのです。社会との絆を保ったまま更生を目指せることは、本人にとって大きな意味を持ちます。生活環境を一変させずに済むため、学業や進路への影響を最小限に抑えられるのも、保護者にとっては大きな安心材料でしょう。とはいえ、自由に生活できる分、本人が自分を律して約束を守り続けられるかどうかが問われる処分でもあります。

少年と保護者にとって、保護観察は「やり直すチャンスを社会の中で与えられた状態」とも言えます。これまでの環境を大きく変えずに済むぶん、本人の意思と家庭の支えがそのまま結果に表れます。だからこそ、与えられた機会を生かせるかどうかは、本人と家庭の取り組み次第なのです。この機会を無駄にしないよう、家庭全体で前向きに取り組んでいきたいところです。

保護観察を支える人たち

保護観察を担うのは、保護観察官と保護司です。保護観察官は専門的な知識を持った国家公務員、保護司は地域でボランティアとして少年を支える人たちです。彼らは、少年を一方的に監視するのではなく、相談相手となり、立ち直りを後押しする役割を担います。困ったときに頼れる存在がそばにいることは、本人の支えになります。

定期的に面接を重ねるなかで、生活や進路の悩みを打ち明けられる関係が築かれていくこともあります。家庭だけで抱え込まず、地域の大人が見守ってくれる。そうした支えのネットワークの中で立ち直りを目指せるのが、保護観察の良さでもあります。保護者にとっても、一人で背負わずに済むという安心につながるでしょう。本人が、家族以外の信頼できる大人と出会えることが、立ち直りのきっかけになる場合もあります。

もっとも、保護観察は「何もせず見守られるだけ」ではありません。本人には、約束事を守りながら生活を立て直していく責任があります。サボったり、約束を破ったりすれば、より制約の大きい処分が検討されることもあります。社会の中で立ち直る機会を与えられたのだという自覚を持って臨むことが大切です。保護者も、本人任せにせず、ともに生活を整えていく姿勢が求められます。自由がある分、その自由をどう使うかが問われる――それが保護観察という処分の本質です。

保護観察の特徴
自宅で生活できる/学校や仕事を続けられる/保護司・保護観察官の指導を受ける/遵守事項を守りながら社会の中で更生を目指す。これまでの日常を保ちながら立ち直りを図れるのが、保護観察の大きな利点です。

少年院送致とは|施設で矯正教育を受ける

次に、もう一方の少年院送致です。これは、少年院という施設に収容し、集中的な矯正教育を行う処分です。保護観察とは、生活の場そのものが根本から変わります。自宅から離れ、施設の中で日々を過ごすことになるため、本人の生活は大きく様変わりします。どんな場所で、何を目的に、どんな場合に選ばれるのかを見ていきましょう。

どんな処分なのか

一方、少年院送致になると、少年は自宅を離れて少年院に入り、そこで生活しながら教育を受けることになります。少年院では、規則正しい生活のもとで、生活指導、教科指導、職業指導などが行われます。社会に戻ったときに自立して生活していけるよう、生活習慣や考え方を立て直していくことが目的です。学校教育に相当する指導が受けられるため、在院中も学びを止めずに済みます。乱れていた生活リズムを立て直し、自分の行動を振り返る時間を持てることが、立ち直りのきっかけになることもあります。

少年院は「刑務所」とは異なります。大人の受刑者が刑罰として収容される刑務所とは、目的も中身も別物です。罰を与える場所ではなく、教育を通じて立ち直りを支える施設です。職員は、少年を罰するためではなく、成長を支えるために関わります。とはいえ、自宅を離れ、これまでの生活から切り離されることに変わりはありません。学校を一時的に離れることになり、友人や家族と自由に会えなくなる。本人にとっても、家族にとっても、大きな変化となります。だからこそ、可能であれば社会の中で立ち直る道を目指したい、と考える保護者が多いのです。

少年院では、年齢や心身の状況に応じた処遇が行われ、本人の課題に合わせた教育が組み立てられます。発達上の課題を抱える少年には専門的な支援が用意されるなど、一人ひとりに向き合う仕組みが整えられています。一定の期間、生活と教育に集中して取り組むことで、社会に戻る準備を整えていくのです。家庭では難しかった生活の立て直しを、専門の職員の支えのもとで実現できる面もあります。本人が落ち着いた環境で自分を見つめ直し、将来に向けた一歩を踏み出すきっかけになることもあるのです。

どんな場合に選ばれるのか

では、少年院送致はどんなときに選ばれるのでしょうか。少年院送致が選ばれるのは、再非行のおそれが高い、あるいは社会の中での更生が難しいと判断された場合などです。たとえば、非行を繰り返している、家庭の環境が整っておらず社会内での立ち直りが難しい、といった事情があるときに検討されます。逆に言えば、社会の中で立ち直れる環境が整っていることを示せれば、保護観察など、より制約の少ない処分につながる可能性が高まります。

ここで強調しておきたいのは、少年院送致は「重い事件だから」という理由だけで決まるわけではない、ということです。むしろ重視されるのは、このまま社会の中に置いて立ち直れるのか、それとも環境を変えて集中的な教育が必要なのか、という見極めです。だからこそ、家庭が変わり、本人を支える体制を整えることに大きな意味があります。たとえ過去に非行があっても、家庭が変わり、本人を受け入れて見守る準備ができていることを示せれば、社会内での立ち直りを認めてもらえる可能性は残されています。過去は変えられませんが、これからの環境は変えていけます。そこに、保護者が力を尽くす余地があるのです。

ここを誤解しないでいただきたいのですが、少年院送致は「罰として施設に入れられる」のではありません。社会の中では立ち直りが難しいと見立てられたときに、環境を変えて集中的に支えるための選択です。本人にとって本当に必要な支援は何か、という観点から判断されるものなのです。施設に入ることを否定的に捉えすぎず、立ち直りに向けた一つの過程として受け止めることも、ときには大切です。

保護観察と少年院送致の違いを整理する

ここまで保護観察と少年院送致をそれぞれ別々に見てきましたが、ここで両者の違いを一つの表で整理しておきましょう。並べて比べられると、それぞれの位置づけがぐっとつかみやすくなります。

項目 保護観察 少年院送致
生活の場 自宅・社会の中 少年院(施設)
学校・仕事 続けられる 一時的に離れる
指導する人 保護司・保護観察官 少年院の職員
主な目的 社会内での更生 施設での矯正教育
制約の度合い 比較的ゆるやか 大きい

表からも分かるように、保護観察と少年院送致は、生活の場・制約の度合い・指導する人など、さまざまな面で異なります。自宅にとどまれるのか、施設に移るのか。こうして並べてみると、両者の最も大きな違いは「生活の場」だと分かります。社会の中にとどまれるかどうかが、本人の日常を大きく左右します。学業や人間関係への影響を考えれば、できる限り社会内での立ち直りを目指したいと願う保護者が多いのは、自然なことです。ただし、どちらの処分も目的は同じ「立ち直り」であり、少年院送致が決して見放しを意味するわけではありません。環境を変えて集中的に向き合うことが、結果として本人のためになる場合もあるのです。大切なのは、その子にとって何が立ち直りにつながるかを見極めることです。

どちらになるかは何で決まるのか

では、実際に保護観察と少年院送致のどちらになるかは、何によって決まるのでしょうか。ここが、保護者にとって最も気になるところだと思います。そして、この仕組みを理解することが、審判に向けて何をすべきかを考える出発点になります。決め手となる要素を、順を追って見ていきましょう。

判断のポイントは、事件が重いか軽いか、という行為の重さだけではありません。むしろ重視されるのは、「社会の中で立ち直れる見込みがあるか」という点です。具体的には、本人がどれだけ反省しているか、再び非行に走るおそれがどの程度あるか、そして本人を支える家庭や周囲の環境が整っているか、といった事情が総合的に見られます。これらは、家庭裁判所の調査官による調査や、少年鑑別所での見立てを通じて、丁寧に調べられます。一面的に判断されるのではなく、少年の全体像を見たうえで処分が決められるのです。だからこそ、調査の段階から本人が真剣に向き合い、家庭が変わろうとしている姿を伝えていくことが大切になります。審判当日だけでなく、そこに至るまでの過程が見られていると考えてください。

言い換えれば、同じような事件であっても、本人の反省と環境次第で結果が変わりうるということです。だからこそ、審判に向けて何を準備し、何を家庭裁判所に示せるかが、結果を大きく左右します。ここに、付添人(弁護士)と保護者が力を尽くす意味があります。

逆に、重大な事件では、家庭裁判所での保護処分ではなく、大人と同じ刑事裁判で処分が決まる場合もあります。これを逆送と呼びます。事件の性質によって進む道が分かれるため、自分の子どものケースがどの枠組みで扱われるのかを、早めに確認しておくことが大切です。

どの道に進むにせよ、本人の反省と立ち直りに向けた環境づくりが鍵になる点は変わりません。手続の枠組みは違っても、本人がどう向き合うか、家庭がどう支えるかが問われることに変わりはないのです。

弁護士・付添人の視点
「社会の中で立ち直れる環境がある」と示せるかどうかが、保護観察か少年院送致かを分ける重要な鍵になります。家庭の受け入れ体制、生活の立て直し、被害者への対応などを整理し、説得力のある形で家庭裁判所に伝えることが、付添人の大切な役割です。

保護者が審判に向けてできること

処分を分ける鍵が「社会の中で立ち直れる環境」にあるのなら、保護者にできることは決して少なくありません。むしろ、家庭の取り組みこそが結果を左右するといっても、言いすぎではないでしょう。最後に、審判に向けて家庭で取り組めることを整理します。

  • 本人の話に耳を傾け、なぜ非行に至ったのかを頭ごなしに責めず一緒に見つめ直す
  • 生活リズムや交友関係、ゲームやスマホとの付き合い方など、再非行につながりかねない要因を具体的に見直す
  • 家庭として今後どう支え、見守っていくかの具体的な計画を立て、本人と共有する
  • 被害者がいる事件であれば、謝罪や被害の回復に誠実に取り組む
  • 早めに弁護士(付添人)へ相談し、審判に向けた準備を一緒に進める

ここで大切なのは、口先だけの反省や約束ではなく、家庭が実際に変わろうとしている姿を示すことです。生活の立て直しや本人との約束といった、地に足のついた取り組みのほうが、ずっと説得力を持ちます。家庭が本気で本人を支える体制を整えていることが伝われば、それは社会内での立ち直りを認める有力な材料になります。たとえば、これまで放任しがちだった生活に親が関わるようになった、本人が学校や仕事に前向きになった、といった具体的な変化です。こうした事実の積み重ねが、家庭裁判所の判断を左右します。完璧である必要はありません。変わろうとする姿勢こそが伝わるのです。

処分を受けた後はどうなるのか

処分が決まったあとのことも、保護者として気になるところだと思います。処分はゴールではなく、むしろ新たなスタートだからです。保護観察は、定められた期間が過ぎ、生活が安定すれば、解除されることがあります。順調に約束を守り、立ち直りが進んでいると認められれば、より早く区切りを迎えられることもあります。少年院送致の場合も、矯正教育の成果や生活の見込みなどに応じて、社会復帰に向けた手続が進められます。一度入ったら出られない、というわけではなく、立ち直りの状況を見ながら段階的に社会へ戻る道が用意されています。

どちらの処分も、ゴールは「社会に戻り、自立して生活していくこと」です。処分を受けることが終わりなのではなく、そこから先の人生をどう歩むかが本当の課題になります。処分はあくまで通過点であり、本人がそこから何を学び、どう生き直すかが問われます。家庭の支えは、処分の最中も、その後も、ずっと本人の支えであり続けます。社会に戻ってきたときに、温かく迎え、見守ってくれる家庭があること。それが、再び道を踏み外さないための、いちばんの土台になります。あきらめずに見守り続けることが、何よりの力になるのです。

よくある質問

保護観察と少年院送致では、どちらが重い処分ですか?

位置づけとしては、社会から離れて施設に収容される少年院送致のほうが、一般に制約が大きく、重い処分とされます。ただし、どちらも目的は立ち直りの支援であり、罰の重さを競うものではありません。本人にとってどちらが立ち直りに役立つか、という観点で選ばれる点を忘れないでください。

保護観察や少年院送致を受けると前科がつきますか?

いいえ、原則として前科はつきません。これらは保護処分であり刑罰ではないため、前科にはあたらないのです。少年院に入っても、それ自体で前科がつくわけではありません。前科がつくのは、逆送されるなどして刑事裁判にかけられ、有罪となった場合に限られます。前科の有無を心配される保護者は多いので、この違いは知っておくとよいでしょう。

少年院にはどのくらいの期間入るのですか?

これは少年の状況や教育の進み具合によって異なります。一律に何か月、と決まっているわけではなく、立ち直りの見込みなどをふまえて判断されます。本人が前向きに教育に取り組み、社会復帰の準備が整ったと認められれば、それが期間にも反映されていきます。

保護観察中に約束を守れないとどうなりますか?

遵守事項を守れない状態が続くと、より制約の大きい処分が検討されることがあります。せっかく社会の中で立ち直る機会を得たのですから、その機会を生かすためにも、定められた約束を守ることが大切です。とはいえ、うまくいかない日もあるでしょう。困ったときは、一人で抱え込まず、保護司や保護観察官に率直に相談してください。彼らは本人を支えるためにいるのです。

補足
少年院や保護観察の運用、年齢による扱いなどは、法改正や個別の事情によって変わることがあります。最新の扱いについては注意が必要です。お子さんのケースで具体的にどうなるかは、必ず弁護士に確認してください。ここで紹介したのは一般的な考え方です。

まとめ|違いを知り、立ち直りの環境を整える

保護観察と少年院送致は、どちらも少年の立ち直りを目指す保護処分ですが、生活への影響は大きく異なります。保護観察は社会の中で日常を続けながら更生を目指し、少年院送致は施設で集中的に矯正教育を受ける。両者の最も大きな違いは、やはり「生活の場そのものが変わるかどうか」という点にあります。これまでどおり学校や家庭との関係を保ちながら生活できるのか、それとも一時的にそこから離れることになるのか。この差は、本人の生活にとって、計り知れないほど大きなものです。そして、どちらの処分になるかは、起こした行為の重さだけで決まるわけではなく、本人がどれだけ反省しているか、立ち直りのための環境がどれだけ整っているかによっても、大きく左右されます。

くり返しになりますが、少年事件の処分は、罰を与えるためではなく、立ち直りのためにあります。保護観察も少年院送致も、その子が再び道を踏み外すことなく歩んでいけるよう、社会が支えることを目指した制度です。だからこそ、どちらの処分になったとしても、それは新しい歩みの出発点であって、決して終着点ではありません。目の前の処分そのものに一喜一憂しすぎるのではなく、その先に続く長い歩みを見据えること。それが、本人にとっても、支える家庭にとっても、何より大切なことだといえます。

つまり、処分の結果は、あらかじめ決まっているわけではないのです。本人が自分の行いと真剣に向き合い、家庭が本人を支える体制をしっかり整えていくことで、社会の中で立ち直っていく道を目指せる余地は十分にあります。お子さんの将来を案じるその気持ちを、ぜひ具体的な行動へとつなげてあげてください。今このときからでも、保護者にできることは必ずあります。何から手をつければよいのか分からないというときは、どうか一人で抱え込まず、少年事件に詳しい専門家に相談しながら進めていきましょう。お子さんがふたたび前を向いて歩み直していけるよう、どうか焦らず、できることを一つずつ積み重ねていってあげてください。その日々の積み重ねが、必ずお子さんの力になっていきます。

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