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第三者への事業承継とは?会社を外部に引き継ぐ方法
後継者が見つからない。子や親族に継ぐ意思がなく、社内にも任せられる人材がいない。そんな悩みを抱えた経営者の方は、けっして少なくありません。あなたも、大切に育ててきた会社の行く末を案じて、このページを開いたのかもしれません。そうしたとき、有力な選択肢になるのが、外部の第三者へ事業を引き継ぐ方法です。
第三者への事業承継とは、親族や社内ではなく、ほかの会社や個人に事業を引き継いでもらうことをいいます。会社を売却したり、ほかの会社と合併したりすることで、事業を存続させる方法です。後継者がいないからと廃業を選べば、従業員は職を失い、取引先にも影響が及び、長年の事業も途絶えてしまいます。けれども、適切な相手に引き継いでもらえれば、事業も雇用も守られるのです。
この記事では、第三者への事業承継のメリットや、主な手法、進め方、そして注意点までを、弁護士の視点でわかりやすく整理していきます。後継者がいなくても、事業を未来へつなぐ道はあります。まずは全体像をつかんでいきましょう。なお、税額や売却の価格といった具体的な数字は、会社の状況によって大きく変わるため、ここでは仕組みや考え方を中心に説明します。
第三者への事業承継は、専門的な手続きが多く、難しそうに感じるかもしれません。けれども、全体の流れと大切なポイントを押さえれば、けっして手の届かない選択ではありません。後継者がいないという理由だけで、長年育ててきた事業をあきらめてしまうのは、あまりにもったいないことです。まずは、どんな方法があり、どう進めるのかを知ることから始めてみましょう。知ることが、可能性を広げる第一歩になります。
この記事では、まず第三者への承継が選ばれる理由を確認し、続いて主な手法、デメリットと注意点、進め方、そして秘密保持や専門家の役割、相談先までを順に見ていきます。読み終えるころには、後継者がいなくても事業を未来へつなぐ道があることが、はっきりとイメージできるようになっているはずです。気になるところから読み進めてみてください。
後継者がいないという悩みは、多くの中小企業の経営者が直面している共通の課題です。一人で抱え込み、出口が見えずに苦しんでいる方も少なくありません。けれども、第三者への承継という道を知れば、その悩みに新たな光が差します。廃業しかないとあきらめる前に、事業をつなぐ別の選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。知識は、未来を切り開く力になります。
大切に育ててきた事業には、それを必要としてくれる相手が、どこかにいるかもしれません。後継者が身近にいないからといって、その価値が失われるわけではないのです。第三者への承継は、事業の価値を生かし、関わる人たちを守りながら、未来へつなぐための前向きな道です。あなたの会社の歩みを次へとつなぐために、できることから考えていきましょう。
第三者への承継は、専門的な手続きが多いだけに、信頼できる専門家とともに進めることが何より大切です。早めに相談を始め、計画的に準備を整えていけば、納得のいく相手に、安心して事業を引き継げます。まずは、現状を整理し、相談先を見つけるところから、一歩を踏み出してみてください。
後継者がいなくても、事業の未来をあきらめる必要はありません。正しい知識と確かな支えがあれば、道は必ず開けます。
第三者への承継が選ばれる理由
近年、第三者への事業承継を選ぶ経営者が増えています。なぜこの方法が支持されているのか、その理由を見ていきましょう。
後継者がいなくても事業を続けられる
最大の理由は、親族や社内に後継者がいなくても、事業を存続させられることです。これまで築いてきた事業や、培ってきた技術、取引先との関係を、それを必要としてくれる相手に引き継げます。廃業によってすべてを失うのとは違い、事業に新たな担い手を得て、未来へつなげられるのです。
長年かけて築いてきた技術やノウハウ、取引先との信頼関係は、その会社ならではの財産です。廃業を選べば、これらはすべて失われてしまいます。けれども、第三者への承継であれば、こうした財産を、それを生かしてくれる相手に引き継げます。自分が育てた事業が、形を変えてでも続いていく。それは、経営者にとって大きな喜びであり、誇りでもあるはずです。事業に込めた思いを、未来へとつなげられるのです。
とくに、地域に根ざして長く事業を営んできた会社であれば、その存在は、お客様や地域にとっても大切なものです。廃業すれば、地域の暮らしにも影響が及ぶことがあります。事業を引き継いでもらうことは、自社のためだけでなく、お客様や地域への責任を果たすことにもつながります。築いてきたものを次へ手渡すことには、社会的な意味もあるのです。
たとえば、長年その地域で必要とされてきた商店や工場が廃業してしまえば、それを頼りにしていた人たちが困ることになります。代わりがきかない技術やサービスであれば、なおさらです。事業を続けてくれる相手に引き継ぐことは、こうした人たちの暮らしを守ることにもなります。自分の会社の歴史を絶やさずに次へつなぐという選択は、思っている以上に大きな意味を持つのです。
従業員の雇用を守れる
廃業を選べば、そこで働く従業員は職を失います。長年会社を支えてくれた人たちの生活を考えると、これはつらい決断です。第三者への承継であれば、引き継ぎの条件として従業員の雇用を守ってもらうことができ、社員の暮らしを守れます。これは、経営者にとって大きな安心につながります。
長年ともに働いてきた従業員は、経営者にとって家族のような存在かもしれません。その人たちが、自分の引退をきっかけに職を失うことは、できれば避けたいと願うのが人情です。引き継ぎの交渉の中で、雇用の継続を条件として求めることで、社員の生活を守る道が開けます。従業員の顔を思い浮かべながら承継を進められることは、第三者への承継の、見過ごせない意義の一つです。
引き継ぐ相手が、人材を大切にする会社であれば、従業員にとって、むしろよりよい環境で働けるようになることもあります。たとえば、規模の大きな会社に引き継がれることで、福利厚生が充実したり、新しい挑戦の機会が増えたりすることもあるのです。承継は、従業員にとって不安なだけのものとはかぎりません。よい相手に引き継げれば、社員の未来をより明るくする面もあると知っておきましょう。
経営者が対価を得られる
事業を引き継いでもらう際には、その対価を受け取れることがあります。長年かけて育ててきた事業の価値が、形となって報われるわけです。引退後の生活の備えにもなりますし、これまでの努力が認められたという満足感にもつながります。あわせて、会社の借入の個人保証から解放される可能性もあります。
多くの中小企業の経営者は、会社の借入について個人保証をしています。これは、万が一会社が返済できなくなれば、経営者個人が責任を負うというものです。事業を引き継いでもらう際に、この個人保証を外せれば、経営者は重い責任から解放されます。長年背負ってきた肩の荷を下ろし、安心して次の人生へ進めるようになる。これも、第三者への承継がもたらす大きな利点です。
個人保証は、経営者だけでなく、その家族にとっても重い負担です。万が一のときには家族にまで影響が及ぶこともあり、心労の種になっている方も少なくありません。事業を引き継いでもらうことで、この保証から解放されれば、経営者自身も、その家族も、肩の荷が下ります。安心して引退後の生活を送れるようになることは、お金には代えがたい価値があるといえるでしょう。
ただし、個人保証を外せるかどうかは、引き継ぐ相手や金融機関との話し合いによって決まります。当然に外れるわけではないため、引き継ぎの条件として、しっかり交渉しておくことが大切です。せっかく事業を引き継いでもらっても、個人保証が残ったままでは、経営者の不安は解消されません。この点を見落とさず、引き継ぎの話し合いの中で確実に取り上げるようにしましょう。
第三者への承継の主な手法
第三者へ事業を引き継ぐには、いくつかの手法があります。代表的なものを知っておきましょう。どの方法を選ぶかによって、引き継がれる範囲や手続きが変わってきます。
| 手法 | 引き継ぐ範囲 | 特徴 |
|---|---|---|
| 株式の譲渡 | 会社まるごと | 株式を売り、会社全体を引き継いでもらう |
| 事業の譲渡 | 特定の事業や資産 | 引き継ぐものを選べるが、個別の手続きが必要 |
| 合併 | 会社同士が一体に | ほかの会社と一つになる |
もっともよく使われるのが、株式の譲渡です。会社の株式を買い手に売ることで、会社をまるごと引き継いでもらう方法で、手続きが比較的わかりやすいのが特徴です。これに対して事業の譲渡は、引き継いでもらう事業や資産を選べる一方で、取引先との契約や許認可などを、一つずつ引き継ぐ手続きが必要になります。
たとえば、複数の事業を営んでいる会社が、その中の一つの事業だけを引き継いでもらいたい、という場合には、事業の譲渡が向いています。引き継ぐものを選べるからです。一方で、会社をまるごと引き継いでもらいたいなら、株式の譲渡のほうが手続きはシンプルになります。何を引き継いでもらいたいのかという目的によって、適した手法が変わってくるのです。自社の状況に照らして、どの方法が合うのかを考えることが大切です。
たとえば、採算の取れている主力事業は引き継いでもらいたいけれど、別の事業は自分で整理したい、といった希望があるなら、事業の譲渡が選択肢になります。一方、会社をそっくりそのまま引き継いでもらい、すっきりと引退したいなら、株式の譲渡が向いています。どんな形で引退したいのか、どこまで引き継いでもらいたいのか。自分の希望を整理しておくと、適した手法が見えてきます。
どの手法が適しているかは、会社の状況や、引き継ぐ相手の意向、税の面での影響などによって変わります。それぞれに長所と短所があるため、専門家の助言を受けながら、自社に合った方法を選ぶことが大切です。
手法の選択は、税の面での影響も大きく左右します。同じ事業を引き継いでもらう場合でも、どの方法を選ぶかによって、経営者の手元に残るものが変わってくることがあります。専門的な判断が必要な部分ですから、自己流で決めてしまうのは禁物です。税理士や弁護士といった専門家に相談し、それぞれの方法のメリットとデメリットを比べたうえで、自社にとって最も有利な方法を選ぶようにしましょう。
手法によっては、後で思わぬ負担が生じることもあります。たとえば、ある方法では引き継ぎがスムーズでも、税の面で不利になることがあります。逆に、税の面で有利でも、手続きが煩雑になることもあります。こうした損得は、専門家でなければ見通しにくいものです。目先のわかりやすさだけで決めず、長い目で見て最も納得のいく方法を選ぶためにも、専門家の知恵を借りることが欠かせません。
第三者への承継のデメリットと注意点
多くの利点がある第三者への承継ですが、注意すべき点もあります。これらを知らずに進めると、思わぬ壁にぶつかることがあります。
引き継ぐ相手を見つける難しさ
まず課題になるのが、事業を引き継いでくれる相手を見つけることです。自社の事業を必要とし、条件の合う相手は、簡単に見つかるとはかぎりません。相手探しには時間がかかることも多く、根気強く取り組む必要があります。後述する支援機関や専門家の力を借りることが、相手探しを進めるうえで有効です。
自社の事業の魅力や強みを、相手にきちんと伝えられるかどうかも、相手探しの成否を左右します。どんな技術を持っているのか、どんな取引先がいるのか、どんな将来性があるのか。こうした点を整理して示せれば、関心を持ってくれる相手が見つかりやすくなります。逆に、自社の強みがあいまいなままでは、よい相手とめぐり会うのは難しくなります。相手探しの前に、自社の価値を見つめ直しておくことが大切です。
自社の強みを見つめ直す作業は、相手探しに役立つだけでなく、経営者自身にとっても意味のある時間になります。これまで当たり前だと思っていた技術や、長年の取引先との関係が、実は大きな価値を持っていたと気づくこともあります。自社の良さを改めて言葉にしてみることで、引き継ぐ相手に自信を持って魅力を伝えられるようになります。これは、承継の交渉を有利に進めるうえでも、大きな力になります。
条件交渉の難しさ
引き継ぐ相手が見つかっても、引き継ぎの条件をめぐる交渉が待っています。事業の価値をどう評価してもらうか、従業員の雇用をどう守ってもらうか、引き継ぎ後の体制をどうするか。決めるべきことは数多くあります。値段の条件だけでなく、こうした点も含めて、納得のいく形にまとめていく必要があります。
交渉では、つい値段の条件に目が向きがちですが、それだけにとらわれるのは禁物です。たとえ高い対価を提示されても、従業員が大切にされなかったり、引き継ぎ後に事業が立ちゆかなくなったりしては、本当の意味でよい承継とはいえません。お世話になった従業員や取引先のことを思えば、引き継いだ後にどうなるのかという点まで見すえて、相手を選びたいものです。総合的に判断する目を持つことが、納得のいく承継につながります。
相手を見きわめる際には、その会社がこれまでどのように事業を引き継いできたのか、引き継いだ後に従業員や取引先を大切にしてきたのか、といった点も参考になります。実績や評判を確かめることで、信頼できる相手かどうかが見えてきます。大切に育ててきた事業を託すのですから、慎重に相手を選んで当然です。焦って条件の良さだけで飛びつかず、じっくり見定める姿勢が、後悔のない承継につながります。
隠れた負債のリスク
引き継ぎでは、買い手が会社の状況をくわしく調べます。このとき、帳簿に表れていない負債や、思わぬ債務が見つかると、引き継ぎの条件に影響したり、後でトラブルになったりすることがあります。あらかじめ自社の状況を正確に把握し、整理しておくことが、円滑な引き継ぎにつながります。
買い手は、引き継ぐ前に会社の状況をくわしく調べます。財産や負債、契約関係、訴訟の有無など、さまざまな点を確認するのです。このとき、思いがけない問題が見つかると、買い手は不安を感じ、条件を見直したり、引き継ぎ自体を取りやめたりすることもあります。だからこそ、引き継ぎを考え始めたら、早めに自社の状況を点検し、問題があれば整理しておくことが大切です。隠さず、整えておくこと。それが信頼につながります。
もし問題を隠したまま引き継ぎを進めると、後で発覚したときに、大きなトラブルに発展します。場合によっては、引き継ぎ後に損害賠償を求められることもあります。正直に開示し、整理できるものは整理しておくほうが、結局は信頼を得られ、円滑な引き継ぎにつながります。やましいことがない状態にしておくことが、安心して交渉に臨むための土台になるのです。隠すより、整えることを心がけましょう。
引き継ぎの契約では、自社に問題がないことを買い手に約束する形を取ることがあります。もし約束に反して後から問題が見つかれば、その責任を問われます。だからこそ、約束する前に、自社の状況を正確に把握しておくことが欠かせません。何が問題になりうるのかを事前に洗い出し、対処しておけば、安心して引き継ぎを進められます。こうした点検は、専門家と一緒に行うと、見落としを防げます。
第三者への承継の進め方
では、実際に第三者への承継を進めるには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。基本的な流れを整理します。
- 自社の現状を把握し、整える。財産や負債、契約関係などを整理し、引き継ぎやすい状態にします。
- 引き継ぐ相手を探す。支援機関や専門家の力を借りて、条件の合う相手を探します。
- 条件を交渉する。価格や雇用維持などの条件について、相手と話し合います。
- 買い手の調査に対応する。相手が会社の状況を調べるのに、誠実に応じます。
- 最終契約を結び、引き継ぐ。条件が固まったら契約を結び、事業を引き渡します。
とくに大切なのが、最初の段階で自社の状況を整えておくことです。財産や負債、契約関係がきちんと整理されている会社は、買い手から見て引き継ぎやすく、評価も高まりやすくなります。逆に、あいまいな点が多いと、交渉でつまずいたり、条件が下がったりすることもあります。準備に手を抜かないことが、よい承継への近道です。
自社を整えることは、いわば家を売る前に掃除や修繕をしておくのに似ています。きれいに整えられた家のほうが、買い手から見て魅力的に映り、よい条件で売れやすくなります。会社も同じで、財産や契約関係がきちんと整理され、強みが明確になっている会社のほうが、引き継ぎの相手から高く評価されます。この磨き上げの作業には時間がかかりますから、早めに着手しておくことが、よい承継への鍵になります。
磨き上げには、財産や契約関係の整理だけでなく、業績を改善したり、特定の人に頼りきりの状態を解消したりすることも含まれます。たとえば、経営者一人がすべてを取り仕切っている会社は、その人がいなくなると回らなくなるため、引き継ぐ相手から見て不安が大きくなります。誰が引き継いでも事業が回る仕組みを整えておくことが、評価を高めることにつながります。こうした準備は一朝一夕にはできませんから、なおさら早めの着手が肝心です。
秘密保持と従業員・取引先への配慮
第三者への承継を進めるうえで、とくに気をつけたいのが、情報の取り扱いです。これは見落とされがちですが、とても大切な点です。
事業を引き継ぐという話が、準備の途中で従業員や取引先に漏れてしまうと、大きな動揺を招くことがあります。「会社が売られるらしい」という不確かな情報が広まれば、不安から従業員が辞めてしまったり、取引先が取引を控えたりするおそれがあるのです。せっかくの承継が、かえって事業を傷つけてしまいかねません。
そのため、引き継ぎの話は、適切な段階に至るまで、慎重に秘密を保ちながら進めることが基本です。そして、従業員や取引先に伝えるときも、いつ、どのように伝えるかを十分に考える必要があります。誠実な説明によって、不安を和らげ、理解を得ることが、引き継ぎ後の事業の安定につながります。情報の扱い方一つで、承継の成否が左右されることもあるのです。
とくに、従業員にとって、会社が引き継がれるという知らせは、自分の将来に関わる重大な話です。雇用は守られるのか、待遇はどうなるのか、職場の雰囲気は変わってしまうのか。さまざまな不安がよぎるのは当然です。だからこそ、伝えるときには、決まったことを誠実に、ていねいに説明することが欠かせません。従業員の不安に寄り添い、しっかり向き合うことが、引き継ぎ後も社員が安心して働き続けられる環境につながります。
取引先への配慮も忘れてはいけません。長年の取引先にとって、取引相手の経営者が代わることは、関心の高い出来事です。伝え方を誤ると、取引を縮小されたり、関係が冷えたりするおそれもあります。引き継ぎ後も良好な関係を続けてもらえるよう、適切なタイミングで、誠実に説明することが大切です。従業員にも取引先にも、丁寧に向き合うこと。それが、引き継ぎ後の事業を支える土台になります。
弁護士など専門家の役割
第三者への承継は、専門的な知識が求められる場面が多く、経営者が一人で進めるのは現実的ではありません。さまざまな専門家が、それぞれの立場で経営者を支えます。
契約やトラブル防止の面で支える
弁護士は、引き継ぎの契約書を整えたり、買い手の調査に対応したりする面で力になります。引き継ぎの契約では、後でトラブルにならないよう、条件を細かく取り決めておく必要があります。たとえば、引き継ぎ後に隠れた問題が見つかった場合の責任をどうするか、といった点です。こうした取り決めをきちんとしておかないと、引き継いだ後に思わぬ争いが生じることがあります。
税や評価の面で支える
税理士は、税の面での影響を見通したり、事業の価値を評価したりする面で力になります。どの手法で引き継ぐかによって、税の負担は変わってきます。手取りを左右する大切な部分ですから、専門家の助言を受けながら進めることが欠かせません。複数の専門家が連携して支えてくれる体制があると、より安心して承継を進められます。
支援機関の活用と相談先
第三者への承継は、一人で抱え込むには重い課題です。けれども、経営者を支えてくれる相談先が、各地に用意されています。
主な相談先としては、次のようなものがあります。
- 事業の引き継ぎに関する相談を受け付ける公的な支援機関
- 引き継ぎを専門に支援する事業者
- 契約やトラブル防止について助言する弁護士
- 税や事業の評価について助言する税理士
たとえば、事業の引き継ぎに関する相談を受け付ける公的な支援機関があります。後継者がいない会社と、事業を引き継ぎたい相手とを結びつける手助けをしてくれるなど、心強い存在です。公的な機関であれば、安心して相談しやすいという利点もあります。後継者がいないと悩んでいる方は、まずこうした窓口に相談してみるのも一つの方法です。
このほか、引き継ぎを専門に支援する事業者や、弁護士、税理士なども相談先になります。それぞれに得意とする分野があるため、自社の状況に合った相手を選ぶことが大切です。大切に育ててきた事業を、信頼できる相手へ確かに引き継ぐために、こうした支援を上手に活用してください。一人で悩まず、頼れる先を見つけておくこと。それが、納得のいく承継への第一歩になります。
よくある質問
会社を売却すると聞くと、なんだか後ろ向きな印象があります
かつてはそうした見方もありましたが、今では、事業を存続させ、従業員の雇用を守るための前向きな選択として、広く受け入れられています。後継者がいないからと廃業を選ぶよりも、事業を必要としてくれる相手に引き継いでもらうほうが、関係者の誰にとっても望ましい結果になることが多いのです。けっして後ろ向きな選択ではない、と考えてよいでしょう。
株式の譲渡と事業の譲渡は、どちらがよいですか
どちらが適しているかは、会社の状況や引き継ぐ相手の意向、税の面での影響などによって変わります。会社をまるごと引き継いでもらうなら株式の譲渡、特定の事業だけを引き継いでもらうなら事業の譲渡、というのが大まかな考え方です。それぞれに長所と短所があるため、専門家と相談しながら、自社に合った方法を選ぶことをおすすめします。
従業員に知られずに進めることはできますか
引き継ぎの話は、適切な段階に至るまで、秘密を保ちながら進めるのが基本です。途中で情報が漏れると、従業員の不安を招き、事業に悪影響が及ぶおそれがあるからです。そのため、誰に、いつ、どのように伝えるかを慎重に考えながら進めます。情報の取り扱いは承継の成否に関わる大切な点ですから、専門家の助言を受けながら進めると安心です。
第三者への承継には、どのくらいの期間がかかりますか
会社の状況や相手探しの進み具合によって、大きく異なります。相手がなかなか見つからなければ、長い期間を要することもあります。だからこそ、できるだけ早くから準備を始めることが大切です。時間に余裕をもって取り組めば、条件の合うよい相手を、じっくり探せます。早めに支援機関や専門家へ相談し、計画的に進めることをおすすめします。
従業員に会社を引き継いでもらうのとは何が違うのですか
従業員への承継は、社内の役員や従業員に経営を引き継いでもらう方法で、業務をよく知る人が継ぐため経営の連続性を保ちやすい利点があります。これに対して第三者への承継は、外部の会社や個人に引き継いでもらう方法です。社内に後継者がいない場合の選択肢になります。それぞれに特徴があるため、自社の状況に合った方法を、専門家と相談しながら選ぶとよいでしょう。
第三者への承継は、誰に相談すればよいですか
引き継ぎの契約づくりや、買い手の調査への対応、トラブルの防止については弁護士が、税の面での影響や事業の評価については税理士が力になれます。また、引き継ぎ先を探す手助けをしてくれる公的な支援機関や、引き継ぎを専門に支援する事業者もあります。どこから手をつければよいか迷うときは、まず公的な支援機関や弁護士に相談し、全体像を整理してもらうところから始めるとよいでしょう。一人で抱え込まず、頼れる先を見つけてください。
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基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
