目次[非表示]
負担付贈与とは?義務とセットで財産を渡す贈与
「財産を渡す代わりに、何かをしてもらいたい」。そう考えたことはありませんか。たとえば、自宅を子に渡す代わりに、自分の老後の面倒を見てほしい。そんな思いを形にできるのが、負担付贈与です。あなたも、ただ財産を渡すだけでなく、何らかの見返りや約束とともに引き継ぎたくて、この方法を調べているのかもしれません。
負担付贈与とは、財産を贈る代わりに、受け取る人に一定の義務を果たしてもらうことを条件とする贈与のことをいいます。この義務のことを負担と呼びます。たとえば、不動産を贈る代わりに住宅ローンの残りを引き受けてもらう、あるいは、財産を渡す代わりに同居して身のまわりの世話をしてもらう、といった形がこれにあたります。
負担付贈与は、ふつうの贈与とは異なる特徴をいくつも持っています。とくに、税金の扱いや、負担が果たされなかったときの対応には、注意すべき点があります。この記事では、負担付贈与の仕組みやメリット、デメリット、そして税金の考え方まで、弁護士の視点でわかりやすく整理していきます。なお、税額や控除額といった具体的な数字は、制度や状況によって変わるため、ここでは考え方の軸を中心に説明します。
財産を誰かに渡す方法はいくつもありますが、その中でも負担付贈与は、少し特別な性格を持っています。ただ与えるのではなく、見返りとなる義務をセットにする。この仕組みをうまく使えば、財産を渡しつつ、自分の望む形での約束を取りつけられます。一方で、仕組みが複雑なぶん、思わぬ落とし穴もあります。両方をきちんと理解しておけば、自分の思いを実現するための、心強い手段になります。一つずつ見ていきましょう。
この記事では、まず負担付贈与とふつうの贈与の違いを整理し、続いてメリットとデメリット、負担が果たされないときの扱い、そしてもっとも注意したい税金の考え方や進め方までを順に見ていきます。読み終えるころには、負担付贈与が自分の目的に合う方法なのかどうか、判断できるようになっているはずです。気になるところから読み進めてみてください。
負担付贈与は、使い方しだいで、財産を渡す人にも受け取る人にも、大きなメリットをもたらします。世話への対価として財産を渡したい、ローンごと不動産を引き継いでもらいたい、約束を確かなものにしたい。そんな思いを実現できる、柔軟な仕組みです。一方で、税金や負担の取り決めには独特の難しさがあり、知らずに進めると思わぬ落とし穴にはまります。だからこそ、正しく理解しておくことが大切なのです。
この記事を通じて、負担付贈与の仕組みと注意点をしっかり押さえておきましょう。そのうえで、自分の状況に合った方法かどうかを、専門家の助言も受けながら、落ち着いて判断していくことをおすすめします。
財産を渡すという行為には、贈る人それぞれの思いが込められています。その思いを確かな形にし、後のトラブルを防ぐためにも、負担付贈与のような制度を正しく知っておくことには、大きな意味があります。
大切な財産を、思いどおりに、そして安全に引き継ぐために、本記事をぜひ役立ててください。
通常の贈与との違い
負担付贈与を理解するには、まずふつうの贈与との違いを押さえることが大切です。両者は同じ贈与でも、その性質が大きく異なります。
ふつうの贈与は、見返りを求めずに、無償で財産を渡すものです。これに対して負担付贈与は、財産を渡す代わりに、受け取る人に一定の義務を負ってもらいます。つまり、一方的に与えるだけのふつうの贈与と違い、負担付贈与には、財産と義務を互いに交わすという、売買にも似た側面があるのです。
イメージとしては、ふつうの贈与が「どうぞ受け取ってください」と一方的に差し出すものだとすれば、負担付贈与は「これを渡す代わりに、これをしてくださいね」と条件をつけて渡すもの、と考えるとわかりやすいでしょう。受け取る人は、財産を得る喜びと同時に、義務を果たす責任も引き受けることになります。だからこそ、受け取る側も、本当にその負担を引き受けられるのかを、よく考えたうえで承諾する必要があります。
贈る側にとっても、これは大切な視点です。相手に過大な負担を求めれば、たとえ承諾してもらえても、後で義務を果たしきれずにトラブルになりかねません。財産の価値に見合った、無理のない負担を設定することが、円満な負担付贈与の秘訣です。お互いが納得し、無理なく果たせる範囲で取り決める。そうしてはじめて、負担付贈与は双方にとって意味のあるものになります。欲張りすぎないことも、大切なポイントです。
負担と財産の価値のバランスは、税金の面でも意味を持ちます。負担があまりに重く、ほとんど財産の価値に見合うような場合には、それはもはや贈与というより、売買に近いものと見られることもあります。逆に、負担がごくわずかであれば、ふつうの贈与とあまり変わらない扱いになります。どの程度の負担を設定するかによって、税金の考え方も変わってくるのです。この点でも、バランスの取れた設定が求められます。
| 項目 | ふつうの贈与 | 負担付贈与 |
|---|---|---|
| 見返り | なし(無償) | 受け取る人が義務を負う |
| 性質 | 一方的に与える | 財産と義務を交わす |
| 義務の不履行 | 問題にならない | 贈与を解除できることがある |
この売買に似た性質があるため、負担付贈与には、ふつうの贈与にはないルールが適用される場面があります。たとえば、渡した財産に欠陥があった場合の責任などについて、売買と同じような考え方が取られることがあります。このあたりが、負担付贈与の少し複雑なところです。
ふつうの贈与であれば、無償で受け取るものですから、たとえ渡された財産に多少の不具合があっても、贈った人がそこまで重い責任を負うことは少ないとされています。けれども、負担付贈与では、受け取る人が義務という対価を払っている以上、贈る人にも、それに見合った責任が求められることがあるのです。タダでもらうのと、義務を果たして受け取るのとでは、扱いが変わる。この感覚を持っておくと、負担付贈与の性質が理解しやすくなります。
こうした性質の違いは、頭の片隅に置いておくだけでも役に立ちます。ふつうの贈与のつもりで負担付贈与を進めてしまうと、思わぬところで「こんなはずではなかった」という事態に陥りかねないからです。財産を一方的に渡すのか、それとも義務と引き換えに渡すのか。この出発点の違いが、税金から責任の範囲まで、さまざまな場面で結果を分けていきます。最初にこの違いを押さえておくことが、つまずきを防ぐ第一歩になります。
負担付贈与のメリット
では、負担付贈与にはどんな利点があるのでしょうか。ふつうの贈与にはない強みを見ていきましょう。
見返りを得ながら財産を渡せる
最大のメリットは、財産を渡しつつ、その見返りとして一定の義務を果たしてもらえることです。たとえば、財産を渡す代わりに、自分の世話をしてもらう。ただ与えるのではなく、自分にとっても意味のある形で財産を引き継げるのです。とくに、老後の暮らしに不安を抱える方にとって、世話をしてもらえる約束とともに財産を渡せることは、大きな安心につながります。
高齢になると、誰かに身のまわりの世話をしてもらう必要が出てくることもあります。そんなとき、ただ世話を頼むだけでは、相手に負担をかけるばかりで、心苦しく感じる方もいるでしょう。負担付贈与であれば、財産を渡すという形で、世話への感謝や対価を示せます。お互いにとって納得のいく関係を築きながら、安心して老後を過ごす助けになる。これが、負担付贈与の温かい一面です。
近年は、頼れる家族が身近にいない方も増えています。そうした方にとって、世話をしてくれる人へ財産を渡すという形は、現実的でありがたい選択になり得ます。血のつながりにこだわらず、実際に支えてくれる人に報いる。負担付贈与は、こうした新しい支え合いの形を、契約によって実現する手段にもなるのです。ただし、内容しだいで複雑になりますから、慎重に取り決めることが大切です。
とはいえ、世話を負担とする場合、その人がきちんと約束を果たしてくれるかどうかは、渡す前にはわかりません。信頼できると思っていた相手が、財産を受け取ったとたんに態度を変える、ということも、残念ながら起こり得ます。だからこそ、負担の内容を明確に取り決め、もし果たされなければ解除できる形にしておくことが、自分を守る備えになります。期待だけに頼らず、仕組みで守るという発想が大切です。
ローンの残った財産も渡せる
住宅ローンの残っている不動産を渡したいとき、その残りの返済を引き受けてもらう形で贈与する、ということもできます。借入の残った財産であっても、負担付贈与の形をとることで、引き継いでもらいやすくなります。財産と負債をあわせて整理したいときに、役立つ方法です。
たとえば、まだ住宅ローンの残っている家を子に渡したいとき、ふつうに贈与してしまうと、ローンは贈った親に残ったままになってしまいます。これでは、財産だけを渡して、借金は自分が抱え続けることになりかねません。負担付贈与の形で、ローンの返済も引き受けてもらえば、家と借入をまとめて引き継いでもらえます。財産と負債を切り離さずに整理できる点は、負担付贈与ならではの使い方だといえます。
ただし、ローンの残った不動産を負担付で贈与する場合は、とくに税金の扱いに注意が必要です。引き受けてもらう借入が、いわば財産の対価のように見られ、贈る側に思わぬ税負担が生じることがあるからです。財産と負債をまとめて渡せる便利さの裏に、こうした落とし穴がある点は見逃せません。住宅ローンの残る不動産を渡したいときは、進める前に必ず専門家に相談し、税の見通しを立てておきましょう。
義務を果たしてもらえる確かさがある
負担付贈与では、受け取る人が義務を果たさなければ、贈与を取りやめることができる場合があります。この仕組みがあるため、受け取る人には、約束を守ろうという動機が働きます。ただ口約束で世話を頼むよりも、義務を果たしてもらえる確かさが高まる、という利点があるのです。
口約束だけで「面倒を見てね」と頼んでも、相手がその気をなくしてしまえば、約束は果たされないかもしれません。けれども、負担付贈与として正式に取り決めておけば、義務を果たさない場合に贈与を解除できる可能性が生まれます。この後ろ盾があることで、受け取る人も、いいかげんには扱えなくなります。約束に法的な裏づけを持たせられること。これが、負担付贈与の確かさを支えています。
負担付贈与のデメリットと注意点
メリットがある一方で、負担付贈与には注意すべき点もあります。知らずに進めると、思わぬトラブルを招くことがあります。
負担の内容があいまいだと争いになる
もっとも多いのが、負担の内容をはっきり決めていなかったために、後で争いになるケースです。「世話をする」といっても、どこまでやれば義務を果たしたといえるのか、その中身があいまいでは、お互いの認識がずれてしまいます。「ちゃんと面倒を見てもらえなかった」「いや、十分にやった」という対立に発展しかねません。負担の内容は、できるだけ具体的に定めておくことが大切です。
たとえば、「親の世話をする」という負担を定める場合でも、それが、週に何度か様子を見に行く程度のことなのか、同居して日常の介助まで行うことなのかで、義務の重さはまるで違います。こうした点をあいまいにしたまま約束すると、後で「そこまでやるとは思っていなかった」「これだけでは足りない」と、双方の言い分が食い違ってしまいます。負担の中身は、具体的に、そして書面で残しておくことが、争いを防ぐ何よりの備えになります。
負担の内容を具体的に定めておくことは、受け取る人を守ることにもなります。何をどこまでやれば義務を果たしたといえるのかがはっきりしていれば、受け取る人も、安心してその義務に取り組めます。逆に、内容があいまいだと、「これで十分なのか」「もっと求められるのではないか」と、受け取る人も不安を抱えることになります。負担を明確にすることは、贈る人と受け取る人の双方にとって、よりよい関係を保つための土台なのです。
税金の扱いが複雑になる
負担付贈与は、税金の扱いがふつうの贈与とは異なり、複雑になることがあります。とくに不動産を渡す場合には、思わぬ税負担が生じることもあります。税の面での見通しを誤ると、後で予想外の負担に驚くことにもなりかねません。税金については、後ほど詳しく触れますが、専門家への確認が欠かせない部分です。
負担付贈与の税金がややこしいのは、受け取る人の負担だけでなく、贈る人の側にも目を向ける必要があるからです。ふつうの贈与なら、受け取った人に贈与税がかかるかどうかを考えれば足りますが、負担付贈与では、贈る人にも税が生じることがあります。とくに不動産がからむと、この点が大きな問題になります。税の全体像を見落とすと、思わぬ出費に直面しかねません。後ほどの説明をよく確認してください。
負担が果たされないときはどうなるか
負担付贈与で気になるのが、もし受け取った人が約束した義務を果たさなかったら、どうなるのか、という点です。これは、負担付贈与ならではの重要な仕組みです。
受け取った人が負担を果たさない場合、贈った人は、贈与を取りやめる、つまり解除できることがあります。せっかく財産を渡したのに、約束した世話をまったくしてくれない。そんなとき、財産を返してもらえる道が用意されているのです。これは、ただ与えるだけのふつうの贈与にはない、負担付贈与の大きな特徴です。
ふつうの贈与であれば、いったん渡した財産を後から返してもらうのは、簡単なことではありません。けれども負担付贈与では、約束した義務が果たされないという正当な理由があれば、贈与を取りやめて財産を取り戻せる可能性があります。これは、財産を渡す側にとって、大きな安心材料です。「渡したら最後、相手の気持ち次第」というふつうの贈与の不安を、負担付贈与はある程度和らげてくれるのです。
とはいえ、解除はいつでも自由にできるわけではない、という点には注意が必要です。あくまで、約束した負担が果たされないという正当な理由があってはじめて、解除が認められる可能性が出てきます。気が変わったから返してほしい、というような理由では、解除は認められません。負担付贈与の解除は、あくまで義務の不履行に対する備えである、と理解しておくことが大切です。万能の取り消し手段ではないのです。
ただし、解除をするには、一定の手続きや条件が必要になります。たとえば、いきなり解除できるわけではなく、まず義務を果たすよう求めたうえで、それでも応じない場合に解除できる、という流れになるのが一般的です。また、すでに義務の一部が果たされている場合などには、解除をめぐって判断が難しくなることもあります。負担が果たされずに困ったときは、自己判断で動く前に、専門家に相談することをおすすめします。
たとえば、受け取った人が、数年間はきちんと世話をしてくれたものの、その後やめてしまった、というような場合、解除をめぐる判断は単純ではありません。すでに果たされた義務をどう評価するのか、財産をそのまま返してもらえるのかなど、難しい論点が出てきます。感情的にこじれやすい場面でもありますから、こうしたときこそ、冷静な第三者である専門家に間に入ってもらう意味は大きいといえます。
解除をめぐる争いは、もともと近しい関係だった人どうしの間で起こることが多く、それだけに、つらく、こじれやすいものです。親子や親族の間で、財産を返す返さないの争いになれば、その後の関係にも大きな傷を残しかねません。だからこそ、できれば争いになる前に、負担の内容を明確にしておくこと、そして、もし問題が起きたら早めに専門家に相談することが、傷を最小限にとどめる道になります。
負担付贈与の税金の考え方
負担付贈与を考えるうえで、避けて通れないのが税金の問題です。ふつうの贈与とは異なる扱いになるため、考え方を押さえておきましょう。
負担の分を差し引いて考える
負担付贈与では、受け取る人は、財産をもらう一方で義務という負担も引き受けます。そのため、贈与税を考えるときには、財産の価額から、その負担にあたる分を差し引いた額をもとに考えるのが基本です。つまり、まるまる財産をもらった場合よりも、負担の分だけ軽くなる、という考え方になります。具体的にどう計算されるかは、税理士などの専門家に確認するのが確実です。
この考え方自体は、受け取る人にとって、一見ありがたいものに思えます。負担を引き受けるぶん、課税のもとになる金額が小さくなるからです。けれども、ここで安心しきってはいけません。差し引いて軽くなるのはあくまで受け取る人の側の話であって、後で述べるように、贈る人の側には別の負担が生じることがあるからです。一方だけを見て得だと判断せず、全体を通して考えることが、負担付贈与の税金を理解する鍵になります。
負担付贈与を検討する人の中には、税金を軽くしたいという思いから関心を持つ方もいます。けれども、負担付贈与は、税の面で必ず有利になるとはかぎりません。むしろ、贈る側と受け取る側の双方の税を合わせて考えると、ふつうに贈与したり相続したりする場合より、かえって重くなることもあります。税金対策のつもりが裏目に出ることもあるのです。安易に飛びつかず、必ず事前に専門家へ確認することをおすすめします。
贈る側にも税が生じることがある
意外に見落とされがちなのが、財産を贈る側にも税が生じることがある、という点です。とくに不動産を負担付で贈与する場合、受け取る人が引き受ける負担が、いわば財産の対価のように扱われ、贈る側に税負担が発生することがあります。これは、ふつうの贈与ではあまり問題にならない部分です。負担付贈与で不動産を渡す際には、この点に注意が必要です。
なぜ贈る側に税が生じるのかというと、受け取る人が負担を引き受けることが、その負担の分だけ財産を有償で手放した、つまり売ったのと似た状態だと見られることがあるからです。そうなると、贈る人には、財産を売って利益を得た場合と同じような税の問題が出てくることがあります。良かれと思って負担付贈与をしたら、自分のほうに思わぬ税負担が、ということも起こり得るのです。だからこそ、不動産の負担付贈与は、慎重な検討が欠かせません。
このように、負担付贈与の税金は、受け取る人と贈る人の両面を見なければ、全体像がつかめません。しかも、その扱いは、渡す財産が現金なのか不動産なのか、負担の内容が何なのかによっても変わってきます。一般の方が独力で正確に見通すのは、なかなか難しいのが実情です。だからこそ、負担付贈与を考えるなら、契約の面では弁護士に、税金の面では税理士に、それぞれ相談しながら進めるのが安全です。
負担付贈与は、契約の問題と税金の問題が密接にからみ合う、専門性の高い手続きです。契約の内容しだいで税金の扱いが変わり、税金の見通ししだいで契約の組み立て方も変わってきます。そのため、弁護士と税理士が連携して支えてくれる体制があると、より安心して進められます。どちらに相談すればよいか迷うときは、まず弁護士に全体像を整理してもらうところから始めるのも一つの方法です。
このように、負担付贈与の税金は、ふつうの贈与とは違った考え方が必要で、複雑になりがちです。安易に進めると、想定外の税負担に直面することもあります。税の面での見通しを立てるためにも、早めに専門家へ相談しておくことが大切です。
負担付贈与の進め方
では、実際に負担付贈与を行うには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。基本的な流れを整理します。
- 渡す財産と負担の内容を決める。何を渡し、どんな義務を負ってもらうのかをはっきりさせます。
- 受け取る人と合意する。贈与は契約なので、受け取る人の承諾が必要です。
- 契約書を作成する。財産と負担の内容を、できるだけ具体的に書面に残します。
- 税金の見通しを立てる。どのくらいの税負担になるかを、専門家に確認します。
- 財産を引き渡す。必要な手続きを行い、財産を移します。
とくに大切なのが、契約書をきちんと作成することです。負担の内容があいまいだと、後で「約束が果たされたかどうか」をめぐって争いになりやすくなります。何を、どこまで、いつまで行うのか。負担の中身を明確に書き残しておくことが、お互いを守ることにつながります。確実に進めたいなら、契約書づくりは専門家に依頼するのが安心です。
専門家に相談すべきケース
負担付贈与は、税金や契約の面で専門的な判断が求められる、奥の深い制度です。次のような場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
- 不動産を負担付で贈与したいが、税金がどうなるか知りたい
- 負担の内容をどう定めればよいか迷っている
- 受け取る人が義務を果たさない場合に備えておきたい
- 負担付贈与とほかの方法の、どちらを選ぶべきか悩んでいる
負担付贈与は、財産を渡す側にとっても、受け取る側にとっても、メリットの大きい方法になり得ます。けれども、税金や負担の取り決めを誤ると、かえってトラブルや予想外の負担を招くこともあります。弁護士に相談すれば、負担の内容を適切に定め、後のトラブルを防ぐ契約を整えてもらえますし、税理士に相談すれば、税の面での見通しを立てられます。大切な財産を、思いどおりに、そして安全に引き継ぐために、専門家の力を借りることを、けっして遠回りだとは思わないでください。
よくある質問
負担付贈与と死因贈与は何が違うのですか
負担付贈与は、生きているうちに財産が移る贈与に、義務を組み合わせたものです。これに対して死因贈与は、贈る人が亡くなったときに効力が生じる贈与で、これにも義務を組み合わせた負担付死因贈与があります。今すぐ財産を渡しながら義務を果たしてもらいたいなら負担付贈与、亡くなったときに渡したいなら死因贈与、というイメージです。どちらが合うか迷うときは、専門家に相談するとよいでしょう。
負担の内容は、どんなことでも決められますか
世話をする、ローンを引き受ける、同居するなど、さまざまな内容を負担として定められます。ただし、内容があいまいだと後で争いになりやすいため、できるだけ具体的に決めることが大切です。また、あまりに重い負担を課すと、財産の価値とのバランスがとれず、思わぬトラブルにつながることもあります。負担の内容に迷うときは、専門家に相談しながら決めるとよいでしょう。
受け取った人が約束を守らなかったら、財産を取り戻せますか
受け取った人が負担を果たさない場合、贈与を解除して、財産を取り戻せることがあります。ただし、いきなり解除できるわけではなく、まず義務を果たすよう求めるなど、一定の手続きが必要になるのが一般的です。状況によって判断が分かれることもあるため、約束が守られずに困ったときは、自己判断せず専門家に相談してください。
負担付贈与をすると、必ず税金が安くなりますか
必ず安くなるとはかぎりません。負担の分を差し引いて贈与税を考えるため、軽くなる面はありますが、とくに不動産の場合、贈る側に別の税が生じることもあります。全体として見れば、かえって負担が大きくなるケースもあるのです。税の影響は状況によって変わるため、進める前に専門家へ確認することが大切です。
負担付贈与の契約書は自分で作れますか
自分で作ること自体はできますが、負担の内容があいまいだったり、必要な事項が抜けていたりすると、後で争いになったり、思いどおりの効果が得られなかったりするおそれがあります。とくに不動産がからむ場合や、負担の内容が複雑な場合は、専門家に作成を依頼するほうが安心です。大切な財産を確実に引き継ぎ、後のトラブルを防ぐためにも、契約書づくりは慎重に進めることをおすすめします。
負担付贈与は誰に相談すればよいですか
負担の内容をどう定めるか、契約書をどう整えるか、義務が果たされない場合にどう備えるかといった点については、弁護士が力になれます。一方、贈与税や、贈る側に生じる税の見通しについては、税理士の知識が役立ちます。負担付贈与は、契約と税金の両面が関わるため、両方の専門家の助けを借りるのが理想です。まずは弁護士に相談し、必要に応じて税の専門家とも連携してもらうとよいでしょう。
あなたの相続税はいくら?無料診断
基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
