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みなし相続財産とは?生命保険金など課税対象を解説

みなし相続財産とは?生命保険金など課税対象を解説

この記事で分かること

  • みなし相続財産は民法上の相続財産ではないが相続税の対象になる財産
  • 代表例は生命保険金と死亡退職金で実質的に相続財産といえるため課税される
  • 生命保険金と死亡退職金には一定の非課税枠がある
  • 相続放棄をしても生命保険金を受け取れる場合があるが税の扱いは変わる
  • 申告で計算に含め忘れやすいため注意が必要

みなし相続財産とは、民法上の相続財産ではないものの、実質的に相続財産といえるため相続税の対象になる財産です。代表例は生命保険金と死亡退職金で、一定の非課税枠が設けられています。相続放棄をしても生命保険金を受け取れる場合がありますが、税の扱いは変わります。相続人が直接受け取るため申告で計算に含め忘れやすく、判断に迷ったら早めに相続に詳しい専門家へ相談しましょう。

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みなし相続財産とは何か

相続税の手続きを進めていると、「みなし相続財産」という言葉に出会うことがあります。聞き慣れない言葉に、戸惑う方も多いのではないでしょうか。みなし相続財産とは、民法が定める通常の相続財産ではないものの、相続税法によって相続財産とみなされ、相続税が課税される財産のことをいいます。

少しややこしく感じるかもしれません。かみ砕いていえば、「形のうえでは相続で受け継いだ財産ではないけれど、実質的には相続財産と同じだから、相続税をかけますよ」という財産のことです。被相続人が亡くなったことをきっかけに相続人が手にする財産のうち、一定のものがこれに当たります。言葉だけ聞くと難しそうですが、その中身を一つひとつ見ていけば、決して複雑なものではありません。要は、「相続でもらったわけではないけれど、亡くなったことがきっかけで手に入った財産で、実質は相続財産と変わらないもの」だと理解すれば十分です。代表例である生命保険金や死亡退職金を思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。身近な例から入れば、難しそうな用語も自然と理解できます。まずは代表例をしっかり押さえることから始めましょう。生命保険金と死亡退職金、この二つを軸に理解を深めていきましょう。

このみなし相続財産を見落とすと、相続税の申告に漏れが生じてしまうことがあります。逆に、みなし相続財産の仕組みをうまく理解しておけば、相続対策に活かせる面もあります。知らなければ申告漏れのもとになり、知っていれば対策に活かせる。みなし相続財産は、まさに知識があるかないかで結果が変わってくる分野なのです。だからこそ、その仕組みをきちんと理解しておく価値があります。この記事では、みなし相続財産とは何か、どんなものが該当するのか、手続き上の注意点まで、弁護士の視点から分かりやすく解説していきます。相続税の申告では、何が課税の対象になるのかを正しく把握することが欠かせません。みなし相続財産は、その中でも見落とされやすいものの一つです。しっかり理解しておくことで、申告漏れを防ぎ、安心して相続手続きを進められます。備えあれば憂いなし、という言葉のとおりです。これから相続に向き合う方は、ぜひ知っておいてください。知識は、相続を円滑に進めるための心強い味方になります。正しい知識が、いざというときのあなたを支えてくれます。

みなし相続財産のポイント
みなし相続財産は、民法上の相続財産ではないものの、相続税の計算では相続財産として扱われる財産です。代表例は、生命保険金や死亡退職金です。相続税の申告では、これらを含めて計算する必要があります。

通常の相続財産との違い

みなし相続財産を理解するには、まず通常の相続財産との違いを押さえておく必要があります。通常の相続財産とは、財産の持ち主であった故人から、それを受け継ぐ資格のある人へと受け継がれる財産のことです。この場合の故人を被相続人、受け継ぐ資格のある人を相続人といいます。

通常の相続財産が受け継がれる根拠になるのは、民法の相続のルール、または被相続人が残した遺言です。たとえば、被相続人名義の預貯金や不動産は、民法のルールや遺言にもとづいて相続人に受け継がれます。これらは、誰が見ても「故人の財産を相続した」と分かる、分かりやすい相続財産です。一方、みなし相続財産は、ひと目では相続財産と分かりにくいのが特徴です。だからこそ、意識して把握しておくことが大切になります。これが、私たちがふつうイメージする相続財産です。亡くなった方の名義の財産が、法律のルールや遺言にしたがって相続人のものになる。この流れは、多くの方がイメージする相続の姿そのものでしょう。みなし相続財産は、この通常の流れとは異なる経路で相続人に渡る財産だ、という点を押さえておくことが大切です。

一方、みなし相続財産は、こうした民法のルールや遺言によって受け継がれるものではありません。被相続人が亡くなったことをきっかけに、相続人が直接受け取る財産です。保険会社や勤務先から、相続人のもとへ直接支払われる。被相続人の手をいったん経由せずに、相続人へ渡るのが特徴です。この受け取り方の違いが、通常の相続財産との大きな差になっています。受け取る経路が違うからこそ、扱いにも独特の特徴が生まれるのです。形式的には相続によって受け継いだとはいえないのに、実質を見ると相続財産と同じだと考えられる。だからこそ「みなし」相続財産と呼ばれるのです。「みなす」という言葉には、「本当はそうではないけれど、そうであるものとして扱う」という意味があります。みなし相続財産は、まさにその名のとおり、通常の相続財産ではないけれど相続財産とみなして扱う、というものなのです。この「みなす」という考え方が、相続税の世界では重要な役割を果たしています。形にとらわれず実質を見るこの考え方は、公平な課税を支える土台になっています。見た目ではなく中身を見る、という発想が大切なのです。

なぜみなし相続財産という仕組みがあるのか

そもそも、なぜ通常の相続財産ではないものを、わざわざ相続財産とみなして相続税をかけるのでしょうか。この仕組みの背景には、課税の公平という考え方があります。ここでは、みなし相続財産が設けられた理由を見ていきましょう。

課税の公平を保つための仕組み

被相続人の死亡によって相続人が手にする財産の中には、被相続人から直接受け継いだとはいえないものがあります。一見すると相続財産ではないように見えても、よく考えると、実質的には被相続人から相続人へと財産が移っていると考えられるものです。

ここで問題になるのが、課税の公平です。通常の相続財産には、当然のように相続税がかかります。ところが、実質は相続財産と同じなのに、形式的に通常の相続財産でないという理由だけで相続税がかからないとすれば、どうでしょうか。実質的な財産の動きを見れば、これは不公平だといえます。同じように被相続人の財産が形を変えて相続人に渡っているのに、一方には相続税がかかり、もう一方にはかからない。これでは、財産の渡り方の形式が違うだけで、税負担に大きな差が出てしまいます。実質的に見て同じ財産の移動なら、同じように課税するのが公平だという考え方が、ここにあります。

そこで相続税法は、課税の公平を保つために、ある工夫をしました。通常の相続財産ではなくても、実質的に相続財産といえるものは、相続財産とみなして相続税をかける、というものです。これが、みなし相続財産の正体です。形式ではなく実質に着目して課税することで、公平を実現しようとしているのです。税の世界では、形式よりも実質を重んじる考え方がしばしば登場します。みなし相続財産は、その典型例といえます。見た目の形だけで判断するのではなく、財産が実際にどう動いたのかという実質をとらえて課税する。これによって、課税の公平が保たれているのです。

補足
みなし相続財産は、被相続人が亡くなったことをきっかけに相続人が受け取る財産のうち、実質的に相続財産と同じといえるものです。形式上の名義や受け取り方ではなく、財産が実質的にどう動いたかに着目しているのがポイントです。

みなし相続財産の代表例

では、具体的にどんなものがみなし相続財産に当たるのでしょうか。代表的なものとして、生命保険金と死亡退職金が挙げられます。この二つは、みなし相続財産の中でも特に登場する機会が多く、相続税の申告でもよく問題になります。申告の際にとくに注意が必要な財産だといえます。これらがなぜみなし相続財産になるのか、見ていきましょう。

生命保険金

みなし相続財産の代表例が、生命保険金です。被相続人が亡くなったことで、相続人などが受け取る生命保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象になることがあります。

なぜ生命保険金がみなし相続財産になるのでしょうか。生命保険金は、保険会社から受取人へ支払われるものであり、形のうえでは被相続人の財産を相続したわけではありません。しかし、被相続人が保険料を負担していた場合、その保険金は実質的に被相続人の財産が形を変えて受取人に渡ったものと考えられます。保険料という形で被相続人が支払ってきたお金が、最終的に保険金として受取人に届く。お金の出どころをたどれば、被相続人の財産にいきつくわけです。この「お金の出どころ」という視点が、みなし相続財産を理解する鍵になります。どこから来たお金なのかを考えれば、課税される理由も腑に落ちます。この「お金の出どころ」という視点が、みなし相続財産を理解する鍵になります。そのため、実質に着目して、みなし相続財産として相続税の対象とされるのです。具体的にいえば、被相続人が保険料を払い続けてきた保険から、その死亡によって保険金が支払われる。これは、被相続人がコツコツ積み立ててきたものが、最後に保険金という形で受取人に渡ったとみることができます。だからこそ、形は相続でなくても、実質は相続財産として課税するのです。

生命保険金は、誰が保険料を負担していたか、誰が受取人かといった条件によって、課税の扱いが変わってきます。生命保険金が相続税の対象になるかどうかの詳しい仕組みについては、専門の解説もあわせて確認するとよいでしょう。生命保険金の課税は、保険料を誰が負担していたか、保険金の受取人が誰か、といった組み合わせによって、相続税の対象になる場合もあれば、別の税金の対象になる場合もあります。やや込み入った部分なので、自分のケースがどう扱われるか気になる方は、生命保険金と相続税の関係を扱った解説を参照すると、より深く理解できます。受取人や保険料負担者の組み合わせ次第で結論が変わるため、丁寧な確認が欠かせません。

死亡退職金

もう一つの代表例が、死亡退職金です。被相続人が亡くなったことにともなって、勤務先から支給される退職金や、それに類するものは、みなし相続財産として相続税の課税対象になることがあります。

死亡退職金も、生命保険金と同じ考え方です。死亡退職金は、被相続人本人ではなく遺族などが受け取るものであり、形式的には相続財産ではありません。しかし、被相続人が働いてきたことへの対価という性質を持つため、実質的には被相続人から遺族へ財産が移ったものと考えられます。そのため、みなし相続財産として扱われるのです。長年勤め上げた被相続人の働きが、退職金という形で遺族に渡る。これも、被相続人が築いてきたものが形を変えて遺族に移ったとみることができます。もとをたどれば被相続人に関わる財産だといえるのです。生命保険金と同じ理屈で、死亡退職金もみなし相続財産として相続税の対象になるのです。働いて築いた財産が遺族に渡る、という点で両者は共通しているのです。生命保険金も死亡退職金も、根は同じ考え方に立っています。

その他のみなし相続財産

生命保険金や死亡退職金のほかにも、みなし相続財産として扱われるものがあります。被相続人が亡くなったことをきっかけに相続人などが受け取る財産で、実質的に相続財産といえるものが、これに含まれます。

具体的に何がみなし相続財産に当たるかは、財産の性質や受け取り方によって判断されます。代表例である生命保険金や死亡退職金以外にも、実質的に相続財産といえるものがあれば、みなし相続財産として扱われることがあります。自分が受け取った財産がみなし相続財産に当たるかどうか分からない場合は、専門家に確認するのが確実です。判断を誤ると、相続税の申告に影響することがあるため、注意が必要です。自分が受け取った財産がみなし相続財産に当たるのに、それを相続財産でないと思い込んでいると、申告すべきものを申告し損ねてしまいます。逆に、みなし相続財産でないものを含めてしまえば、本来より多く申告することになりかねません。正しく判断するためにも、迷ったら専門家の確認を受けることをおすすめします。申告の正確さを保つうえで、専門家の確認は大きな安心につながります。

みなし相続財産の例 なぜみなし相続財産になるのか
生命保険金 被相続人が保険料を負担していた場合、実質的に被相続人の財産が移ったといえるため
死亡退職金 被相続人の働きへの対価という性質を持ち、実質的に財産が移ったといえるため

みなし相続財産と相続税の関係

みなし相続財産は、相続税の計算にどう関わってくるのでしょうか。相続税の申告にあたっては、みなし相続財産の扱いを正しく理解しておくことが大切です。ここでは、みなし相続財産と相続税の関係を見ていきます。

相続税の計算に含める必要がある

みなし相続財産は、相続税を計算する際に、相続財産に含めて計算する必要があります。通常の相続財産だけでなく、生命保険金や死亡退職金といったみなし相続財産も合わせたうえで、相続税がかかるかどうか、いくらかかるかを判断することになります。

ここで気をつけたいのが、みなし相続財産を計算に含め忘れてしまうことです。生命保険金や死亡退職金は、相続人が直接受け取るため、相続財産という意識を持ちにくいものです。「これは保険金だから相続財産ではない」と思い込んでいると、相続税の申告に漏れが生じ、後から問題になることがあります。相続税の申告漏れが後から発覚すると、本来の税金に加えて余計な負担が生じることもあります。とくに生命保険金は金額が大きくなることも多く、申告に含め忘れると影響も小さくありません。みなし相続財産も相続税の計算に含める、ということを、しっかり頭に入れておく必要があります。この一点を意識するだけで、申告漏れのリスクを大きく減らせます。

一定の非課税枠が設けられている

みなし相続財産のうち、生命保険金と死亡退職金については、一定の非課税枠が設けられています。これは、遺族の生活を保障するという観点から、一定の範囲までは相続税をかけないようにする配慮です。被相続人を失った遺族は、これからの生活を支えていかなければなりません。その生活の支えとなる生命保険金や死亡退職金に、まるごと相続税をかけてしまっては、遺族の暮らしが立ちゆかなくなるおそれがあります。そこで、一定の範囲までは税をかけずに、遺族の手元に残せるようにしているのです。受け取った生命保険金や死亡退職金のすべてに相続税がかかるわけではなく、非課税枠を超えた部分が課税の対象になります。つまり、受け取った金額のすべてに相続税がかかるわけではなく、一定額までは税負担なく受け取れる、ということです。

この非課税枠は、相続人の人数に応じて決まる仕組みになっています。相続人が多いほど、非課税の枠も大きくなる仕組みです。これは、扶養すべき家族が多いほど、より手厚く保護する必要があるという考え方によるものです。家族の人数に応じた、きめ細かな配慮がなされているのです。非課税枠があることで、生命保険金や死亡退職金は、ほかの財産に比べて相続税の負担が軽くなる面があります。同じ金額の財産を残すのでも、現金で残すか、生命保険金として残すかで、相続税の負担が変わってくることがあるのです。この非課税枠の存在が、生命保険を使った相続対策が注目される理由の一つになっています。遺族の生活を守るという制度の趣旨が、結果として相続税の軽減にもつながっているわけです。保護の仕組みが、対策の余地も生んでいるといえます。この点が、後で触れる相続対策との関わりにもつながってきます。具体的な非課税枠がいくらになるかは、相続人の状況によって変わるため、正確に知りたい場合は専門家に確認するとよいでしょう。

注意
生命保険金や死亡退職金は相続人が直接受け取るため、相続財産という意識を持ちにくく、相続税の申告で計算に含め忘れがちです。みなし相続財産も相続税の対象になることを忘れず、申告の際は漏れがないよう注意しましょう。

みなし相続財産と相続対策

みなし相続財産は、相続対策という観点からも注目されることがあります。とくに、生命保険金の非課税枠を活かした対策はよく知られています。ここでは、みなし相続財産と相続対策の関わりを見ていきましょう。

非課税枠を活かすという考え方

生命保険金には、前に触れたように一定の非課税枠があります。この非課税枠を活かすことで、相続税の負担を抑える効果が期待できる場合があります。たとえば、現金で財産を残すよりも、生命保険の形で残しておいたほうが、非課税枠の分だけ相続税の対象になる財産を抑えられることがあるのです。

これは、みなし相続財産の仕組みを理解しているからこそできる対策です。生命保険金に非課税枠があることを知らなければ、こうした対策を思いつくこともありません。みなし相続財産という仕組みを正しく理解しているからこそ、それを相続対策に活かす道が開けるのです。ただし、こうした対策が有効かどうかは、財産の状況や家族構成によって変わります。やみくもに生命保険に加入すればよいというものではありません。自分のケースで本当に効果があるかどうかは、慎重に検討する必要があります。相続対策は、その家庭の財産の構成や、相続人の人数、それぞれの事情によって、最適な方法が異なります。ある家庭で有効だった対策が、別の家庭では効果が薄いこともあります。だからこそ、自分の家庭に合った対策を見極めることが大切なのです。だからこそ、ひとくくりに「生命保険がよい」と決めつけるのではなく、自分の状況に即して検討することが大切なのです。

相続対策は専門家と一緒に考える

みなし相続財産を活かした相続対策は、専門的な知識を必要とします。非課税枠の仕組みや、ほかの相続税対策との組み合わせを考えると、自分だけで最適な方法を見つけるのは簡単ではありません。

相続対策を考えるなら、相続に詳しい専門家に相談しながら進めるのが安心です。専門家であれば、みなし相続財産の仕組みを踏まえて、その家庭の状況に合った対策を提案してくれます。生命保険金の活用が有効かどうか、ほかにどんな対策があるかなど、全体を見渡したうえで助言を受けられます。相続対策には、生命保険金の活用以外にも、生前贈与や、財産の組み替えなど、さまざまな方法があります。これらを組み合わせて、その家庭にとって最も効果的な対策を立てるには、全体を見渡す専門的な視点が欠かせません。部分的な対処ではなく、全体最適の発想が求められます。専門家に相談すれば、みなし相続財産の仕組みも踏まえた、総合的な対策を提案してもらえます。一つの方法に偏らず、複数の手立てを組み合わせた提案が受けられます。

みなし相続財産を扱う際の注意点

みなし相続財産は、その性質ゆえに、扱う際にいくつか注意すべき点があります。せっかくの仕組みを正しく活かし、思わぬトラブルを避けるために、押さえておきましょう。

相続放棄をしても受け取れる場合がある

みなし相続財産には、通常の相続財産とは異なる特徴があります。その一つが、相続放棄をした人でも受け取れる場合があるという点です。通常の相続財産であれば、相続放棄をすれば一切受け取れません。ところが、みなし相続財産である生命保険金は、相続放棄をしても受け取れることがある。この違いは、両者の性質の違いから生まれています。性質が違うからこそ、相続放棄をしたときの扱いも変わってくるのです。生命保険金は、受取人固有の財産とされることがあり、相続放棄をしても受け取れることがあります。

ただし、相続放棄をして生命保険金を受け取った場合、相続税の計算では扱いが変わることがあります。相続放棄をした人は、法律上は最初から相続人でなかったことになります。しかし、生命保険金は受取人固有の財産とされるため、相続放棄をしても受け取れることがあるのです。これは、借金などのマイナスの財産を引き継ぎたくないために相続放棄をしつつ、生命保険金は受け取りたい、という場面で意味を持つことがあります。借金は引き継がず保険金だけ受け取る、という選択ができる場合があるのです。たとえば、相続放棄をした人が受け取った生命保険金には、先ほどの非課税枠が適用されないことがあるのです。相続放棄とみなし相続財産が絡む場合は、扱いが複雑になるため、専門家に確認するのが確実です。相続放棄をすると非課税枠が使えなくなるなど、税の扱いが通常とは変わってきます。思わぬところで税負担が変わるため、事前の確認が欠かせません。こうした込み入ったケースでは、自己判断で進めると思わぬ落とし穴にはまることがあります。相続放棄と生命保険金の両方が関わる場合は、必ず専門家に相談して、正しい扱いを確認しておきましょう。

遺産分割の対象にならないことがある

みなし相続財産は、相続税の計算では相続財産として扱われますが、遺産分割の場面では通常の相続財産とは異なる扱いになることがあります。生命保険金などは、受取人が指定されていれば、その受取人のものとなり、遺産分割の対象にならないことがあるのです。遺産分割の対象にならないということは、相続人全員での話し合いを経ずに、指定された受取人がそのまま受け取れる、ということです。これは、確実に特定の人に財産を渡したい場合には便利ですが、相続人間の公平という観点からは注意も必要になります。便利さと公平さのバランスを、よく考えておく必要があります。受取人の指定は、家族の事情を踏まえて慎重に決めましょう。

このため、生命保険金を誰が受け取るかは、相続人の間の公平にも関わってきます。通常の相続財産であれば、相続人全員で分け方を話し合います。ところが、受取人が指定された生命保険金は、その受取人だけのものになり、分割の話し合いの外に置かれることがあります。つまり、保険金を受け取る相続人は、それとは別に通常の相続財産も分けてもらえる、ということが起こりうるのです。特定の相続人だけが多額の生命保険金を受け取ると、ほかの相続人との間で不公平感が生じることもあります。たとえば、ある子だけが受取人になっていて多額の保険金を受け取り、さらに通常の相続財産も平等に分けるとなれば、ほかの子から「それは不公平だ」という声が上がることもあります。生命保険金が遺産分割の対象にならないという特徴は、便利な反面、相続人の間に新たな火種を生むこともあるのです。受取人をどう指定するかは、家族全体の納得を考えて決めることが大切です。みなし相続財産が絡む相続では、こうした点にも配慮が必要になります。判断に迷う場合は、専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

みなし相続財産についてよくある質問

最後に、みなし相続財産について、よく寄せられる質問にお答えします。

みなし相続財産にはどんなものがありますか

みなし相続財産の代表例は、生命保険金と死亡退職金です。これらは民法上の相続財産ではありませんが、被相続人が亡くなったことをきっかけに相続人などが受け取り、実質的に相続財産といえるため、相続税の課税対象になります。このほかにも、実質的に相続財産といえるものがみなし相続財産に含まれることがあります。

みなし相続財産にも相続税はかかりますか

みなし相続財産にも相続税がかかります。相続税を計算する際は、通常の相続財産だけでなく、生命保険金や死亡退職金といったみなし相続財産も合わせて計算します。ただし、生命保険金と死亡退職金には一定の非課税枠が設けられており、その枠を超えた部分が課税の対象になります。

生命保険金はなぜみなし相続財産になるのですか

生命保険金は、形のうえでは保険会社から受取人へ支払われるもので、相続によって受け継いだ財産ではありません。しかし、被相続人が保険料を負担していた場合、その保険金は実質的に被相続人の財産が形を変えて移ったものと考えられます。そのため、実質に着目して、みなし相続財産として相続税の対象とされます。

相続放棄をしても生命保険金は受け取れますか

生命保険金は受取人固有の財産とされることがあり、相続放棄をしても受け取れる場合があります。ただし、相続放棄をして受け取った生命保険金には、本来の非課税枠が適用されないなど、相続税の扱いが変わることがあります。相続放棄とみなし相続財産が絡む場合は扱いが複雑なため、専門家に確認するのが確実です。

みなし相続財産は遺産分割の対象になりますか

みなし相続財産は、相続税の計算では相続財産として扱われますが、遺産分割の場面では異なる扱いになることがあります。生命保険金などは、受取人が指定されていれば、その受取人のものとなり、遺産分割の対象にならないことがあります。これにより相続人の間の公平に関わることもあるため、判断に迷う場合は専門家に相談するとよいでしょう。

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