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自転車事故の慰謝料相場と損害賠償請求の方法

自転車事故の慰謝料相場と損害賠償請求の方法

この記事で分かること

  • 自転車でも重大事故が起こり多額の賠償責任が発生するケースがあります。
  • 自転車事故の慰謝料額はケースバイケースですが、日弁連交通事故相談センタ―発刊の書籍が一つの基準となります。
  • 損害賠償額は過失割合や支払い基準で大きく変わります。
  • 賠償額を引き上げるためには弁護士に依頼することや過失割合が高くならないよう交通ルールを守ることが大切です。
  • 損害賠償請求権には3年の消滅時効が存在します。

自転車でも重大事故が起こり多額の賠償責任が発生するケースがあります。自転車事故の慰謝料額はケースバイケースですが、日弁連交通事故相談センタ―発刊の書籍が一つの基準となります。損害賠償額は過失割合や支払い基準で大きく変わります。賠償額を引き上げるためには弁護士に依頼することや過失割合が高くならないよう交通ルールを守ることが大切です。損害賠償請求権には3年の消滅時効が存在します。

交通事故に強い弁護士を探す

自転車にぶつけられてけがをした、あるいは家族が自転車事故に遭ってしまった。そんなとき、慰謝料や損害賠償をどう請求すればよいのか、戸惑う方は少なくありません。自動車事故とは違って、自転車には自賠責保険がないため、「そもそも誰に、いくら請求できるのか」が分かりにくいのです。

けれども、安心してください。自転車事故であっても、けがをした被害者は加害者に対して慰謝料を請求できます。金額の計算方法も、基本的には自動車事故と同じ考え方が使えます。問題は、加害者に支払い能力があるかどうか、そして適正な金額をどう引き出すか、という点にあります。

この記事では、自転車事故の慰謝料がどのくらいになるのか、その相場を具体的な数字で解説します。あわせて、損害賠償を請求する具体的な手順、加害者が支払ってくれないときの対処法、そして子どもが当事者になったケースの考え方まで、被害者が知っておくべき情報を一通りお伝えします。読み終えるころには、何から手をつければよいかが見えてくるはずです。

この記事のポイント
自転車事故の慰謝料は、自動車事故と同じく入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。計算の基準も自動車事故と共通で、弁護士基準で請求すれば金額が大きく増えます。ただし自転車には自賠責保険がないため、加害者の支払い能力や保険加入の有無が重要なカギになります。

自転車事故でも慰謝料は請求できる

まず押さえておきたいのは、自転車事故であっても被害者は慰謝料を請求できるという点です。自転車は「軽車両」という車両の一種であり、運転者には事故の責任が生じます。歩行者に自転車をぶつけてけがをさせれば、加害者は損害賠償の責任を負うのです。

慰謝料とは、事故によって受けた精神的な苦痛に対する償いのお金です。けがの治療で味わった痛みや、入院・通院による生活の制約、後遺症が残ってしまった苦しみなど、お金には換算しにくい損害を金銭で補うものです。自転車事故でこうした苦痛を受けたなら、当然その償いを求めることができます。

自転車事故で請求できる損害の種類

慰謝料以外にも、自転車事故では次のような損害を請求できます。実際の賠償請求では、これらをすべて合計した金額が対象になります。

  • 治療費(入院費・手術費・薬代など実際にかかった費用)
  • 通院交通費(病院までの往復にかかった交通費)
  • 休業損害(仕事を休んだことによる減収)
  • 慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料)
  • 後遺障害が残った場合の逸失利益

たとえば、通勤中に自転車にぶつけられて足を骨折し、2か月間仕事を休んだ会社員のケースを考えてみましょう。この場合、治療費に加えて、休んだ2か月分の給料に相当する休業損害、通院のための交通費、そして骨折の痛みや通院の負担に対する慰謝料を、すべて合計して請求できます。けがが重ければ、その合計額は100万円を超えることも十分にあります。

このように、自転車事故でも自動車事故と同じ項目を請求できます。損害賠償の全体像がどう決まるのかについては、こちらの記事も参考になりますので、あわせてご覧ください。

自賠責保険がないという大きな違い

自動車事故と自転車事故の最大の違いは、自転車には自賠責保険がないことです。自動車であれば、加害者にお金がなくても自賠責保険から最低限の補償を受けられます。けれども自転車にはこの強制保険がないため、加害者本人や加害者が加入している保険から賠償を受けることになります。

加害者の支払い能力が問題になりやすい
自転車には自賠責保険がないため、加害者にお金がなく保険にも入っていないと、賠償金を回収できないおそれがあります。事故が起きたら、まず加害者が個人賠償責任保険などに加入しているかを確認することが大切です。

自転車事故の慰謝料の計算方法と3つの基準

自転車事故の慰謝料は、自動車事故と同じ計算方法で求められます。そして、慰謝料には3つの計算基準があり、どれを使うかで金額が大きく変わります。この点を知らないと、本来より低い金額で示談してしまう危険があります。

慰謝料の3つの基準

交通事故の慰謝料には、次の3つの基準があります。それぞれ金額の水準が異なります。

自賠責基準
自賠責保険が用いる最低限の基準。ただし自転車事故では自賠責保険そのものが使えないため、参考値という位置づけになります。
任意保険基準
保険会社が独自に定める社内基準。自賠責基準より少し高い程度です。
弁護士基準(裁判基準)
過去の裁判例にもとづく基準。3つのなかでもっとも高く、適正な金額に近いものです。

自転車事故であっても、最終的に裁判で争えば弁護士基準が採用されます。つまり、被害者が本来受け取るべき適正額は弁護士基準で計算した金額なのです。3つの基準の違いについては、別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

入通院慰謝料の相場

けがの治療で入院や通院をした場合の慰謝料を、入通院慰謝料といいます。弁護士基準では、入院や通院の期間に応じて金額が決まります。むちうちなどの軽傷と、骨折などの重傷では金額が異なります。通院3か月のケースを例に、目安を見てみましょう。

通院期間 軽傷の場合 重傷の場合
1か月 約19万円 約28万円
3か月 約53万円 約73万円
6か月 約89万円 約116万円

これらはあくまで弁護士基準の目安であり、実際の金額はけがの程度や治療の経過によって変わります。むちうちの慰謝料相場については、通院期間別にさらに詳しくまとめた記事がありますので、そちらもご覧ください。

後遺障害が残ると慰謝料はさらに増える

自転車事故で頭を強く打ったり、骨折が完全には治らなかったりして、後遺症が残ることもあります。治療を続けてもこれ以上はよくならないと医師が判断した時点で症状が残っていれば、後遺障害として認定を受けられる可能性があります。後遺障害が認定されると、入通院慰謝料とは別に「後遺障害慰謝料」を請求できます。

後遺障害慰謝料は、その程度を示す等級によって金額が決まります。もっとも軽い14級でも弁護士基準では110万円程度、症状が重くなるほど金額は大きくなります。さらに、後遺障害が残ると将来得られたはずの収入が減るため、その分を「逸失利益」として請求できます。逸失利益は被害者の年齢や収入、後遺障害の程度によって算定され、ときに数百万円から数千万円に達することもあります。

あなたの慰謝料はいくら?計算機で確認

ご自身のケースで慰謝料がいくらになるのか、おおよその金額を知りたい方も多いでしょう。ここでは、通院期間や日数を入力するだけで概算がわかる計算機をご用意しました。自転車事故でも、けがの治療にかかった期間をもとに目安を計算できます。

下記の計算機に、治療期間と実通院日数を入力してみてください。あくまで概算ですが、加害者側から提示された金額が妥当かどうかを判断する手がかりになります。

交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター

1か月
3か月

自賠責基準

¥120,000

任意保険基準

¥150,000

弁護士基準

¥530,000

弁護士に依頼した場合の増額目安 +¥410,000

※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。

計算してみて、提示額との差が大きいと感じた方は、専門家への相談を検討する価値があります。とくに後遺障害が残るケースでは、逸失利益も加わって賠償額が大きく変わるからです。後遺障害の有無によっても金額は変動しますので、次の計算機でも確認してみましょう。

交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター

1か月
3か月

自賠責基準

¥120,000

任意保険基準

¥150,000

弁護士基準

¥530,000

弁護士に依頼した場合の増額目安 +¥410,000

※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。

自転車事故で損害賠償を請求する手順

では、実際に損害賠償を請求するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。事故直後から示談成立まで、流れに沿って見ていきましょう。順序を間違えると不利になることもあるので、しっかり確認してください。

事故直後にやるべきこと

事故に遭ったら、まず次のことを行いましょう。これらは後の賠償請求で重要な証拠や記録になります。

  1. 警察に連絡し、事故の届け出をする。人身事故として届け出ることが大切です。
  2. 加害者の氏名・連絡先・保険加入の有無を確認する。
  3. 事故の状況を写真やメモで記録する。可能なら目撃者の連絡先も聞いておく。
  4. 痛みがなくても病院を受診し、診断書を作成してもらう。

とくに警察への届け出は欠かせません。届け出をしないと事故があった事実を証明する書類が作れず、後の請求で苦労することになります。自転車事故の場合、加害者から「警察を呼ぶほどではない」「その場で示談しよう」と持ちかけられることもありますが、安易に応じてはいけません。後でけがが判明しても、記録がなければ請求が困難になるからです。

また、その場では痛みがなくても、後から症状が出ることがあります。とくにむちうちのような症状は、事故から数日たって痛み出すことも珍しくありません。少しでも違和感があれば、早めに整形外科を受診しておきましょう。受診が遅れると、事故とけがの因果関係を疑われ、慰謝料が認められにくくなってしまいます。

治療と症状固定

事故後は、医師の指示に従ってきちんと治療を続けます。慰謝料は通院期間や日数をもとに計算されるため、必要な通院を怠ると金額が下がってしまいます。治療を続けてもこれ以上よくならない状態になることを「症状固定」といい、ここで後遺障害が残っているかどうかを判断します。

示談は治療終了後に
示談は一度成立するとやり直せません。治療が終わり、後遺障害の有無がはっきりしてから示談に進みましょう。治療中に示談してしまうと、その後の治療費や後遺障害分を請求できなくなるおそれがあります。

示談交渉と賠償金の受け取り

治療と後遺障害の認定が終わったら、損害額を計算して加害者側と示談交渉に入ります。加害者が保険に加入していれば保険会社と交渉し、加入していなければ加害者本人と交渉することになります。金額に合意できれば示談書を取り交わし、賠償金が支払われます。

ただし、加害者本人との直接交渉は、感情的になりやすく難航しがちです。金額の根拠を示しても素人同士ではかみ合わないことが多いため、交渉がまとまらない場合は弁護士に相談するのが現実的でしょう。

加害者が保険に入っているか確認しよう

自転車事故では、加害者が保険に入っているかどうかが、賠償金を回収できるかを大きく左右します。自賠責保険がない分、加害者の保険加入状況がそのまま被害者の安心につながるのです。

個人賠償責任保険がカギになる

自転車事故で加害者が加入していることが多いのが「個人賠償責任保険」です。これは、日常生活で他人にけがをさせたり物を壊したりしたときに備える保険です。自動車保険や火災保険、傷害保険の特約として付いていることが多く、加害者がこれに入っていれば、そこから賠償金が支払われます。

近年は、自治体の条例で自転車保険への加入を義務づける動きが広がっています。そのため、加害者が何らかの保険に入っている可能性は以前より高くなっています。事故が起きたら、まず加害者に保険加入の有無を確認しましょう。

加害者が無保険だったら

もし加害者が保険にまったく入っておらず、本人にも十分な資力がない場合、賠償金の回収は難しくなります。それでも、あきらめる前に確認したい点があります。次のような方法で回収できることもあるからです。

  • 加害者本人と分割払いの取り決めをする
  • 裁判を起こして支払いを命じる判決を得る
  • 被害者自身の保険(人身傷害保険など)を使う

被害者自身が加入している保険でカバーできる場合もあります。ご自身の自動車保険や傷害保険の内容を確認してみると、思わぬ補償が受けられることがあります。たとえば人身傷害保険に入っていれば、加害者から賠償を受けられなくても、自分の保険から治療費や慰謝料に相当する保険金を受け取れることがあります。

加害者に資力がない場合の対応は、法律の知識がないと判断が難しいものです。分割払いの取り決めをするにしても、後で支払いが滞ったときに備えて公正証書を作っておくなど、専門的な備えが必要になります。回収が難しそうだと感じたら、早めに弁護士へ相談しておくと安心です。

子どもが当事者になった自転車事故

自転車事故では、子どもが加害者になったり被害者になったりするケースが多く見られます。子どもが関わる事故には、大人同士の事故とは違った特有の問題があります。ここを理解しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。

子どもが加害者の場合は親の責任

子どもが自転車で他人にけがをさせてしまった場合、その賠償責任は親が負うことになります。子ども自身に十分な判断能力がないと考えられるときは、監督義務者である親が代わりに責任を負うという仕組みです。実際、子どもの自転車事故で親に高額な賠償が命じられた裁判例もあります。

過去には、小学生が自転車で歩行者に衝突し、被害者に重い後遺障害が残ったケースで、親に約9,500万円の賠償が命じられた事例もありました。子どもの事故だからと軽く考えるのは危険です。子どもが自転車事故を起こしたときの親の責任については、こちらの記事で詳しく解説しています。

子どもが被害者の場合の注意点

逆に、自分の子どもが自転車事故の被害に遭った場合は、慰謝料の請求とあわせて、過失割合の判断に注意が必要です。子どもは大人より注意能力が低いと考えられるため、過失割合が大人のケースとは異なる扱いになることがあります。

子どもの過失は軽く見られることがある
幼い子どもには、大人と同じレベルの注意義務は求められません。そのため、子どもが被害者の場合、過失割合が被害者に有利に調整されることがあります。提示された過失割合が妥当かどうか、慎重に検討しましょう。

過失割合で賠償金が変わる

自転車事故でも、被害者側にいくらか過失があると判断されれば、その割合に応じて賠償金が減額されます。これを過失相殺といいます。最終的な手取り額に直結する重要な要素です。

自転車事故の過失割合は複雑

自転車事故の過失割合は、事故の状況によってさまざまです。歩行者と自転車、自転車と自動車、自転車同士など、当事者の組み合わせによっても判断が変わります。一般に、自転車は歩行者より強い立場とされるため、対歩行者では自転車側の過失が重くなる傾向があります。

車と自転車の事故における過失割合については、目安や注意点をまとめた記事がありますので、参考にしてみてください。過失割合の決まり方を知っておくと、提示された割合が妥当かどうかを判断しやすくなります。

提示された過失割合は鵜呑みにしない

加害者側の保険会社が提示する過失割合は、必ずしも正確とは限りません。事故の状況をよく検討すると、被害者の過失がもっと小さいと主張できることもあります。提示された割合に納得できないときは、ドライブレコーダーの映像や目撃証言などをもとに、見直しを求めることができます。

たとえば、被害者が青信号で横断歩道を渡っていたところに自転車が突っ込んできた、というケースでは、被害者の過失はほとんどゼロに近いと考えられます。それなのに「お互いさま」といった理由で過失割合を提示されたら、その根拠をしっかり確認すべきです。過失割合がどのように決まるのか、その基本的な考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

自転車事故こそ弁護士に相談する価値がある

自転車事故は、自賠責保険がない分、自動車事故よりも対応が難しい面があります。だからこそ、弁護士に相談する価値が大きいのです。なぜ弁護士のサポートが有効なのか、その理由を見ていきましょう。

適正な慰謝料を引き出せる

弁護士が交渉に入ると、慰謝料は弁護士基準で計算されます。加害者側が任意保険基準で低い金額を提示していた場合でも、弁護士基準で計算し直すことで大幅な増額が見込めます。たとえば、当初40万円と提示されていた慰謝料が、弁護士基準では70万円を超える、というように、数十万円単位で変わることもあります。後遺障害が残るケースでは、増額幅がさらに大きくなります。

加害者との交渉を任せられる

加害者が保険に入っていない場合、被害者は加害者本人と直接やり取りしなければなりません。これは精神的にも大きな負担です。けがで通院しながら、相手に何度も連絡を取って金額を交渉するのは、想像以上に消耗するものです。弁護士に依頼すれば、こうした交渉をすべて任せられます。相手が支払いに応じないときは、内容証明郵便の送付から裁判の手続きまで、すべて代行してもらえます。

加害者が「払う気はあるが今は払えない」と言うようなケースでも、弁護士が間に入ることで、現実的な分割払いの合意をきちんと書面にまとめてもらえます。口約束だけでは後で反故にされるおそれがありますが、専門家のサポートがあれば、支払いを確実に受けるための備えができます。

弁護士費用特約を確認しよう
ご自身やご家族の自動車保険・火災保険に弁護士費用特約が付いていれば、自転車事故でも使えることがあります。多くの特約では300万円程度まで費用が補償されるため、自己負担なく弁護士に依頼できる場合があります。まずは特約の有無を確認しましょう。

自転車事故の慰謝料に関するよくある質問

最後に、自転車事故の慰謝料について、被害者の方からよく寄せられる疑問にお答えします。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

加害者が逃げてしまったらどうなる?

自転車事故では、加害者がその場から立ち去ってしまう「当て逃げ」のようなケースもあります。加害者が特定できなければ、残念ながら賠償請求は難しくなります。だからこそ、事故直後に加害者の特徴や逃げた方向を記録し、すぐ警察に届け出ることが重要です。防犯カメラの映像などから加害者が判明することもあります。

軽いけがでも慰謝料を請求できる?

打撲やすり傷といった軽いけがでも、通院して治療を受けたのであれば慰謝料を請求できます。金額は通院の期間や日数に応じて決まるため、けがが軽ければ慰謝料も少額になりますが、請求できないわけではありません。たとえ軽傷でも、きちんと病院を受診して記録を残しておくことが大切です。

示談後に後遺症が出たら追加請求できる?

原則として、示談が成立すると後から追加請求はできません。示談書には「これ以上の請求はしない」という趣旨の条項が入っていることが多いからです。だからこそ、示談は治療が完全に終わり、後遺障害の有無が確定してから行うべきなのです。少しでも不安があれば、示談書にサインする前に弁護士に内容を確認してもらいましょう。

まとめ|自転車事故の慰謝料を正しく請求しよう

自転車事故であっても、被害者は加害者に対して慰謝料や損害賠償を請求できます。慰謝料には入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があり、計算方法は自動車事故と同じです。弁護士基準で計算すれば、金額は大きく増えます。

ただし、自転車には自賠責保険がないため、加害者の支払い能力や保険加入の有無が重要になります。事故が起きたら、まず警察に届け出て、加害者の保険加入状況を確認しましょう。個人賠償責任保険に入っていれば、そこから賠償を受けられます。

子どもが当事者になった場合は、親の監督責任や子どもの過失割合といった特有の論点が出てきます。また、提示された過失割合や金額が妥当かどうかは、専門家の目で確かめる必要があります。自賠責保険がない分だけ対応が難しい自転車事故では、弁護士のサポートが大きな力になります。弁護士費用特約が使えるなら、費用の負担もほとんどありません。お困りのときは、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみてください。

自転車事故は、自動車事故に比べて軽く考えられがちですが、被害者が重傷を負うケースも少なくありません。自転車側に過失がある場合でも、被害者には治療費や慰謝料、休業損害などを請求する権利があります。一方で、自転車は自賠責保険の対象外であるため、加害者が任意の保険に加入していないと、賠償の回収が難しくなることもあります。こうした場合の対応は複雑になりやすいため、自転車事故の被害に遭ったら、早い段階で弁護士に相談し、どこからどう賠償を受けられるのかを整理しておくことをおすすめします。

自転車事故は、被害者にも加害者にもなり得る身近な事故です。万が一に備えて自転車保険に加入しておくこと、そして被害に遭ったときの相談先を知っておくことが、安心につながります。

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