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子どもが加害者になったら、誰が払うのか
子どもが自転車で人にぶつかり、相手にケガをさせてしまった。相手方から治療費を求められているが、子どもに支払う力はない。この場合、親が払うことになるのでしょうか。
答えは、子どもの年齢によって変わります。
直感に反するかもしれませんが、年齢が低いほうが親の責任は重くなります。幼い子どもは自分で責任を負えないため、その分が監督する立場の親に回ってくるからです。
「まだ小さいから責任は軽いはず」という感覚は、ここでは通用しません。むしろ逆です。
ある程度の年齢に達していれば、本人が賠償の責任を負います。まだ幼ければ、本人は責任を負わず、監督する立場の親に請求が向かいます。
ただし、本人が責任を負う場合でも、実際に支払えるとは限りません。そうなると、親に対しても請求できないかが問題になります。結局、どちらの場合も親が向き合うことになる場面が多いのが実情です。
法律上の整理はともかく、現実には親が対応を引き受けることになります。
相手方との交渉も、支払いも、子ども本人には担えません。
想像してみてください。小学生の子どもが自転車で歩道を走り、歩いていた高齢の方と接触した。相手は転倒して骨折し、入院することになった。数日後、相手方のご家族から連絡が入る。
治療費だけでなく、退院後の生活にも影響が出そうだという。子どもは泣きながら謝っているが、それで済む話ではありません。
ここから、賠償をどう進めるかという現実的な問題が始まります。
この記事では、責任の所在がどう決まるのか、高額な賠償になる可能性、そして備えについて整理します。
まだ事故が起きていない段階で読まれている方は、後半の備えの部分だけでも目を通してください。
加入している保険を確認するだけで、最悪の事態は避けられます。
責任能力という考え方
まず、この概念を押さえてください。
自分のした行為がどういう結果を招くのか、それが法律上責められるものなのか。これを理解できる程度の判断力を、責任能力といいます。
この能力がなければ、本人は賠償の責任を負いません。理解できない者に責任を問うのは酷だ、という考え方によるものです。
ただし、これは被害者を切り捨てる制度ではありません。本人が負わない分は、監督する立場の人に向かう仕組みになっています。
被害を受けた側が泣き寝入りしないよう、受け皿が用意されているということです。
何歳から認められるのか
法律に年齢の定めはありません。実務では、おおむね十二歳前後が一つの目安とされています。小学校の高学年から中学生にかけて、判断が分かれる領域です。
過去の判断を見ても、同じ年齢で結論が割れている例があります。
小学校六年生であれば、認められることも認められないこともあります。
ただし、年齢だけで機械的に決まるわけではありません。本人の発達の程度や、行為の内容も踏まえて判断されます。
危険性の高い行為であれば、より低い年齢でも理解できたと見られることがあります。
逆に、単純な不注意による接触であれば、判断が甘くなることもあります。
刑事の責任とは別
混同されやすい点です。刑事の責任を問える年齢とは、考え方も基準も異なります。ここでいうのは、あくまで賠償についての話です。
刑事の手続きに乗るかどうかと、お金を払う義務があるかどうかは、別に判断されます。
刑事で何も問われなくても、賠償の責任は残ります。
年齢ごとの整理
| 年齢の目安 | 本人の責任 | 親の責任 |
|---|---|---|
| 小学校低学年 | 負わない | 監督義務者として負う |
| 小学校高学年 | 負わないことが多い | 監督義務者として負う |
| 中学生 | 負う | 監督の落ち度があれば負う |
| 高校生 | 負う | 認められにくくなる |
境目にあたる年齢では、判断が分かれます。本人の発達の程度や、事故の状況も踏まえて決まります。
どちらに転んでも、親が対応を求められる点は共通しています。表の区別は、誰に請求が向かうかという形式の問題にすぎません。
備えの必要性という点では、どの年齢でも変わりません。
責任能力がない場合
おおむね十二歳より幼い子どもが加害者になった場合です。
本人は責任を負いません。代わりに、監督する義務を負う人が賠償の責任を負います。通常は親権者である親が、これに当たります。
父母のどちらか一方ではなく、双方が対象になるのが通常です。離婚して別居している場合の扱いは、監督の実態によって判断が分かれます。
実際に生活を共にし、日ごろ指導していたのは誰か。そこが問われます。
免れる余地はあるのか
条文上は、監督の義務を怠らなかった場合には責任を負わないとされています。しかし、実際にこれが認められる例は多くありません。
日ごろから交通ルールを教えていた、危険な乗り方を注意していた。こうした事情があっても、それだけで免れるのは難しいのが実情です。
被害者の救済を優先する考え方が背景にあります。幼い子どもの行為で誰も責任を負わない、という結論は避けられているのです。
したがって、実務では親が責任を負う前提で対応を組み立てることになります。
争って免れることを期待するより、保険で備えるほうがはるかに確実です。
裁判で監督義務を尽くしていたと認めてもらうのは、現実には難しい道です。
時間も費用もかかりますし、その間も相手方との関係は続きます。
月あたり数百円の保険で、この負担を避けられます。
すでに事故が起きてしまった方は、まず加入状況の確認から始めてください。思いがけないところに補償が付いていた、という例は決して珍しいものではありません。
判断が変わる場面もある
一方で、通常は人に危険が及ぶとは考えられない行為によって、たまたま事故が起きた場合には、監督義務を尽くしていたとして責任が否定された例もあります。
ただし、道路で自転車を走らせる行為は、人に危険が及ぶことが予測できるものです。この理屈で免れるのは、限られた場面だといえます。
自転車に乗せる以上、事故の危険は当然に予測できるものだからです。
だからこそ、乗せる前の備えが問われます。
責任能力がある場合
中学生以上であれば、本人が責任を負うのが原則です。
しかし、中学生や高校生に数百万円を支払う資力があるとは考えられません。相手方からすれば、判決を得ても回収できないことになります。
将来にわたって分割で払わせるという方法もありますが、確実とはいえません。
親にも請求できる余地
そこで、親自身の落ち度を理由に請求できないかが問題になります。監督を怠ったことと事故との間につながりがあるといえる場合には、親も責任を負うとされています。
問われるのは、日ごろどう指導していたか、危険な乗り方を放置していなかったか、という点です。
ヘルメットを着けさせていたか、整備を怠っていなかったか。こうした事情も材料になります。
実際の判断
本人に責任能力があるからといって、親が当然に免れるわけではありません。逆に、親が常に責任を負うわけでもありません。
年齢が上がるほど、親の責任は認められにくくなります。高校生であれば、親に請求するのは難しくなるのが通常です。
とはいえ、実際には親が支払いに応じる例が多くあります。子どもに負わせ続けるのは、現実的な選択ではないためです。
高額な賠償になり得る
自転車だから軽く済む、という考えは通用しません。
相手が高齢の方で、転倒により重い後遺障害が残った。あるいは、寝たきりの状態になった。こうした事案では、賠償額が数千万円という規模になります。
相手が高齢の方だと、転倒だけで重い結果に至ることがあります。骨折から寝たきりになる例も、実際にあります。
小学生が起こした自転車事故で、監督者である母親に約九千五百万円の支払いを命じた判断が報じられたこともあります。
夜間、坂道を下ってきた自転車が歩行者に衝突した事案でした。子どもの不注意が、家庭全体の生活を変えてしまいます。
なぜそこまでの額になるのか
内訳を見ると理解できます。治療費と入院費。将来にわたる介護の費用。住宅を改修する費用。後遺障害慰謝料。本人が働けなくなったことによる収入の減少。近親者固有の慰謝料。
これらが積み上がると、数千万円に届きます。自転車という乗り物の印象と、生じる結果の重さが一致しないのです。
免許が要らず、誰でも乗れる。その手軽さが、かえって危険への意識を薄くしています。
支払えない場合どうなるか
分割での支払いを取り決めることになります。何年にもわたって続く負担になりますし、支払いが途切れれば差押えへ進む場合もあります。
だからこそ、備えが重要になります。
月あたり数百円の負担で、この危険に備えられます。加入していないのであれば、今日にでも確認してください。
保険で備える
現実的な対策は、これに尽きます。
個人賠償責任保険
他人にケガをさせたり、物を壊したりした場合の賠償を補償する仕組みです。自転車の事故も対象になります。
単独で契約することもできますが、多くは他の保険の特約として付いています。火災保険、自動車保険、傷害保険。加入している自覚がないまま、実は付帯していたという例は珍しくありません。
まず、手元の証券を確認してください。重ねて契約しても、受け取れる額が倍になるわけではありません。
賠償の補償は、実際に生じた損害までしか支払われないのが原則です。重複していれば、整理する機会にしてください。
家族も対象になる
この補償は、契約者本人だけでなく同居する家族も対象とするのが一般的です。子どもの起こした事故も、親の契約でカバーされます。
別居していても、未婚の子であれば対象になることがあります。範囲は商品によって異なりますので、確認してください。
子ども一人ひとりに契約する必要はありません。世帯で一つあれば足りるのが通常です。
示談交渉のサービス
付帯しているかどうかを確かめてください。付いていれば、保険会社が相手方との交渉を代行してくれます。
付いていなければ、金額の交渉を自分で背負うことになります。相手の治療が続いていれば、何か月にもわたるやり取りです。この違いは大きく響きます。
相手方が感情的になっている場面では、当事者どうしの話し合いは進みません。第三者が入ることで、条件の擦り合わせに集中できます。
学校を通じた共済
学校で加入している共済に、賠償の補償が含まれていることがあります。登下校中や部活動中の事故であれば、対象になる場合もあります。
学校に確認してみてください。
補償の範囲は限られていることが多いため、これだけに頼るのは危険です。
加入を義務とする条例
自転車の保険への加入を義務づける条例を定める自治体が増えています。罰則がないことも多いのですが、備えとしての必要性は変わりません。
お住まいの地域の扱いを、一度調べておいてください。
子どもが自転車に乗り始める時期が、見直しの区切りになります。
確認しておきたい契約
- 火災保険。個人賠償責任の特約が付いていることが多い
- 自動車保険。同じく特約として付帯していることがある
- 傷害保険や医療保険の特約
- クレジットカードに付帯する賠償責任の補償
- 学校や自治体を通じた共済
- 勤務先の団体保険
思い当たるものをすべて挙げて、保険会社に確認してもらってください。一つでも見つかれば、負担はまるで変わります。
「入っていないと思う」で終わらせず、実際に証券を開いて確かめてください。
過失割合はどう見られるか
加害者の側でも、過失割合は問題になります。全面的にこちらが悪いと決まるわけではありません。
相手が歩行者の場合
自転車の側に重い過失が認められます。歩道を通るときは歩行者を優先し、自転車は徐行すべきものとされているからです。
車道を走るのが原則であることも、押さえておいてください。
子どもや高齢の方は歩道を通行できる例外がありますが、それでも歩行者が優先です。
ただし、歩行者が突然進路を変えた、スマートフォンを見ながら歩いていたといった事情があれば、その分は考慮されます。ゼロか百かで決まるとは限りません。
とはいえ、歩行者の落ち度が認められるのは限られた場面です。基本はこちらが重く見られると考えてください。
相手が自転車の場合
互いに同じ立場ですから、現場の状況とそれぞれの走り方で判断されます。信号があったか、直進していたか曲がろうとしていたか、どちらの道が優先か。
車どうしの事故で用いられる考え方を、参考にしながら詰めていく作業になります。
子どもの記憶だけが頼りになる場面も多く、難航しがちです。
この類型では、自動車同士のような確立した基準がありません。主張がぶつかりやすいところです。
子ども同士の事故では、双方の保護者が当事者になります。感情的にならないよう、保険会社を間に立てるのが無難です。
学校が同じであれば、その後の関係にも影響します。慎重に進めてください。
目撃者や映像が残っていれば、強い材料になります。
相手が自動車の場合
子どもの自転車が保護される側に回ります。自動車には、より高い注意が求められるためです。
この場合、こちらが被害者として請求する立場になります。
ただし、信号無視や逆走があれば、その分は差し引かれます。
子どもであることの考慮
加害者が子どもだからといって、過失が軽く見られるわけではありません。責任能力が認められる年齢であれば、行為の危険性に応じて判断されます。
ただし、相手方に注意を尽くすべき事情があれば、その点は主張できます。
過失割合は、最終的な負担額に直結します。相手方の言い分をそのまま受け入れず、状況を整理して伝えてください。
事故を起こしたときの対応
子どもから事故の報告を受けたら、次の順で動いてください。
- 相手のケガの状況を確認する。必要なら救急へ
- 警察に届け出たかを確認する。していなければ届け出る
- 相手の氏名と連絡先を控える
- 加入している保険を洗い出し、保険会社へ連絡する
- 相手方へ連絡し、謝罪の意向を伝える
- 子どもから事故の状況を詳しく聞き取り、記録しておく
二番目を飛ばさないでください。自転車であっても、届け出は必要です。相手が「大丈夫」と言っていても、後から症状が出ることがあります。
届け出がなければ交通事故証明書が発行されず、保険の手続きも進みません。相手のためにも必要です。
子どもだけで済ませてしまった場合は、保護者が後から届け出てください。
六番目も大切です。子どもは動揺していますし、時間が経つと記憶があいまいになります。どこをどう走っていたか、相手がどこにいたか。早いうちに聞いておいてください。
過失割合を検討する際の材料になります。責めるためではなく、記録として残す作業です。
時間が経つと、記憶は驚くほど薄れます。その日のうちに書き留めてください。
謝罪の進め方
相手の意向を確かめてから動いてください。事故の直後は、痛みと不安で応対する余裕がないことがあります。
子ども本人を連れていくかどうかも、状況によります。相手が会いたくないと言っているのに押しかければ、関係が悪化します。
金額の話は、その場でしないでください。保険会社を通じて進めると伝えれば足ります。
その場で金額を約束すると、後の交渉に縛りが生じます。
「保険会社から連絡させます」と伝えるのが、最も無難な対応です。
子どもへの接し方
強く叱責するだけでは、事実を話さなくなります。まず状況を正確に聞き取ることを優先してください。
相手にケガをさせたという事実は、子ども自身にも重くのしかかります。責任を自覚させつつ、抱え込ませない配慮が要ります。
相手の容体が気になる様子であれば、経過を伝えてあげてください。分からないまま不安を抱えるほうが、負担になります。
学校生活に影響が出ていないかも、様子を見てあげてください。
子どもが被害者になった場合との違い
立場によって、論点がまったく変わります。
被害者であれば、過失割合が低く抑えられ、保護されます。一方、加害者になれば、その保護はありません。相手が歩行者であれば、こちらの過失が大きく評価されます。
ただし、こちらが子どもであることは、まったく考慮されないわけでもありません。相手方に注意を尽くすべき事情があれば、その分は主張できます。
自動車との事故であれば、こちらが保護される側に回ります。同じ子どもでも、相手が誰かで立場が変わります。
いずれにせよ、加害者の立場では請求される側です。金額の交渉も、こちらが受ける側になります。
時効と手続きの期限
相手方からの請求には、期間の定めがあります。
被害者が損害と加害者を知った時点から数えて、一定の期間が過ぎると請求権は消えます。もっとも、治療が続いているうちは金額が固まりません。事故からかなり経ってから請求が届くこともあります。
連絡が途絶えたからといって、終わったと考えないでください。相手方が治療に専念しているだけということもあります。
こちらから状況を尋ねることもできます。保険会社に入ってもらっていれば、そちらで把握してもらえます。
加害者が負う責任の全体像
賠償以外の面にも触れておきます。
自転車で人を死傷させれば、刑事の責任を問われる場面があります。赤信号を無視した、飲酒したうえで乗った、スマートフォンを見ながら走っていた。こうした事情が重なると、扱いは厳しくなります。
ただし、加害者が未成年なら、進み方が変わります。成人と同じ刑事裁判は開かれず、家庭裁判所の審判で処遇が決まるのが原則です。
さらに幼ければ、審判の対象にもなりません。それでも、賠償の責任だけは別に残ります。
日ごろからできること
起きてからでは遅い部分について、まとめておきます。
保険の確認
年に一度でよいので、加入している契約を見直してください。個人賠償責任の補償が付いているか、示談交渉のサービスがあるか、家族の範囲はどこまでか。
入学や進級のタイミングで確認する習慣をつけておくと、抜けが出ません。補償の上限額も見ておいてください。数千万円の賠償に対応できる水準かどうかが問題になります。
交通ルールを具体的に伝える
「気をつけなさい」だけでは伝わりません。車道の左側を走ること、歩道では歩行者を優先して徐行すること、信号と一時停止を守ること。具体的に示してください。
実際に一緒に走って教えるのが、最も効果的です。
危ない場面をその場で指摘できますし、子どもの理解度も分かります。
自転車の整備
ブレーキの利き、ライトの点灯、タイヤの空気圧。整備を怠っていたことが、後で監督の落ち度として問われることもあります。
体に合わないサイズの自転車に乗せるのも、危険を高めます。
成長に合わせて、定期的に見直してください。
ヘルメットの着用
被害を軽くするためのものですが、加害者になった場合にも意味があります。安全への配慮を尽くしていた事情として、主張の材料になり得ます。
何より、子ども自身の身を守ります。
頭部を打つ事故では、着けていたかどうかで結果が変わります。加害者になる危険と、被害者になる危険。その両方に備えることになります。
相談すべきかどうかの判断
すべての事案で専門家が必要なわけではありません。目安を挙げておきます。
保険で全額がまかなえ、示談交渉のサービスも付いているのであれば、保険会社に任せて進めれば足りることが多いところです。
この場合、保護者がすべきなのは謝罪と経過の見守りだけになります。
金銭の交渉を任せられる状態を作っておくことが、いかに重要かが分かります。
加入の際に、示談交渉のサービスの有無を確かめておいてください。
付いていない商品も少なくありません。
一方、次のような事情があれば、相談する価値があります。
相手のケガが重く、賠償額が保険の上限を超えそうな場合。保険に加入しておらず、自分で交渉することになった場合。責任能力の有無が争点になっている場合。過失割合について相手方と主張が食い違っている場合。相手方から高額な請求を受けている場合。
どれか一つでも当てはまるなら、一度話を聞いてみる価値があります。
放置して時間が経つほど、選べる手が減っていきます。
相手方から書面が届いた時点で動くのが目安です。
内容が分からないまま放置するのが、最も避けたい対応です。
期限が設けられていることもあります。まず中身を確認してください。
とくに、保険がない状態で高額の請求を受けるのは、最も避けたい事態です。支払いの方法や、金額の妥当性について、早い段階で見通しを立てておく必要があります。
請求された額をそのまま受け入れる必要はありません。算定の根拠を確かめてください。
治療の必要性や、過失割合について争う余地があることもあります。
とはいえ、相手が重いケガを負っている場面で強く争うのは、感情的な対立を招きます。どう話を運ぶかには、それなりの気配りが必要になります。
子どもが起こした事故では、相手方の感情も強く働きます。慎重に進めてください。
争うべき点と、受け入れる点を分けて考えることです。
費用が気になるのであれば、弁護士費用特約を確認してください。加害者側の対応に使えるかは商品によりますので、担当者に尋ねてみてください。
被害者として請求する場面を想定した補償であることが多く、加害者側には使えないこともあります。
使えない場合でも、初回の相談を無料で受け付けている事務所はあります。見通しを聞いてから決めても構いません。
依頼するかどうかは、そのうえで判断すれば足ります。
加害者側の相談に応じている事務所を選んでください。被害者からの相談だけを扱っている場合もあります。
問い合わせの際に、加害者側である旨を伝えてください。
子どもの年齢と、相手のケガの程度も伝えられるようにしておくと話が早く進みます。
よくある質問
子どもが自転車で事故を起こしました。親が払うのですか
子どもの年齢によります。おおむね十二歳より幼ければ、本人は責任を負わず、監督する立場の親が賠償の責任を負います。中学生以上であれば本人が責任を負いますが、支払う資力がなければ、親の監督不足を理由に請求されることもあります。
ちゃんと交通ルールを教えていました
それだけで責任を免れるのは難しいのが実情です。条文上は監督の義務を怠らなかった場合には責任を負わないとされていますが、認められる例は多くありません。
どのくらいの金額になりますか
相手のケガの程度によります。軽傷なら数十万円で収まることもありますが、重い後遺障害が残れば数千万円という規模になります。小学生の自転車事故で、監督者に約九千五百万円の支払いを命じた判断も報じられています。
保険に入っていません。どうすればよいですか
まず、本当に入っていないかを確認してください。火災保険や自動車保険に個人賠償責任の特約が付いていることが多く、加入の自覚がない場合があります。クレジットカードの付帯や、学校の共済も確認してください。
示談交渉は自分でするのですか
示談交渉のサービスが付いた保険に加入していれば、保険会社が代行してくれます。付いていなければ、自分で相手方とやり取りすることになります。負担が大きいため、加入の際に確認しておくべき点です。
相手が治療を続けています。いつ金額が決まりますか
治療が終わってからです。後遺障害が残れば、その認定を経てから算定されます。事故から一年以上かかることもありますので、連絡がないからといって終わったとは考えないでください。
子どもは刑事の責任を問われますか
死傷させた場合、問われることがあります。ただし未成年であれば、成人と同じ刑事裁判にはならず、家庭裁判所での審判になるのが原則です。年齢が低ければ、そもそも手続きの対象になりません。
相手が「治療費だけでいい」と言っています
その場では治療費だけでも、後から休業損害や慰謝料が加わることがあります。口頭の約束で済ませず、保険会社を通じて手続きに乗せてください。書面のないやり取りは、双方にとって危険です。
後から追加の請求が来たときに、話が食い違います。
子ども同士の事故です。相手の親と直接話すべきですか
謝罪の気持ちを伝えるのは自然なことですが、金額の話は保険会社に任せてください。当事者どうしで進めると感情が絡み、その後の関係にも影響します。学校が同じであれば、なおさら慎重に進めるべきです。
謝罪と賠償は別のものだと切り分けて考えてください。
保険会社から「責任能力がある年齢だ」と言われました
本人が責任を負うという意味ですが、親が免れるとは限りません。監督に落ち度があったといえる場合には、親も責任を問われます。年齢だけで結論が決まるわけではありませんので、鵜呑みにしないでください。
こちらが加入している保険から支払われるのであれば、そもそも誰が責任を負うかで結論は変わりません。
学校の管理下での事故はどうなりますか
登下校中や部活動中であれば、学校で加入している共済が使えることがあります。相手方への賠償とは別の手続きですので、学校に確認してください。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
