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事故の原因はどう分類されるのか
交通事故の原因といえば、飲酒運転や 著しい速度超過といった危険な行為が思い浮かぶかもしれません。
しかし、実際に多いのはそうした極端な行為ではありません。統計を見ると、ほとんどの事故は「見ていなかった」「気づかなかった」という単純な不注意から起きています。
安全を確かめないまま進んだ、前をよく見ていなかった、動きを見誤った。こうした違反が、件数の大部分を占めます。
つまり、特別に危険な運転をする一部の人だけが事故を起こしているわけではありません。ふだん安全に運転している人が、ある瞬間の不注意で加害者になっています。
だからこそ、原因を知っておく意味があります。自分には関係ないと考えている人ほど、備えがありません。
どういう場面で見落としが起きるかを把握しておけば、そこだけ注意を向けられます。すべての瞬間に全力で集中し続けることはできませんが、危ない場面を絞ることはできます。
交差点、発進時、後退時。この三つに意識を集中するだけでも、危険はかなり減らせます。
いずれも、速度を落として確かめられる場面です。
走行中に突然起きる事故より、動き出す場面での事故のほうが多いのです。
止まっている状態からなら、時間をかけて確かめられます。
この分類は、単なる統計の話ではありません。事故の原因がどう認定されるかは、過失割合の判断に直結します。つまり、賠償額に直接響く問題です。
どちらがどう不注意だったのかによって、受け取れる額が変わります。他人事として読み流せる話ではありません。
被害者になる場面でも、加害者になる場面でも、結論を左右する部分です。
どちらの立場になるかは、選べません。
だからこそ、両方の視点で知っておく価値があります。
加害者になったときの手続きも、後半で触れています。
負う責任が三つに分かれる点だけは、押さえておいてください。
この記事では、どういう原因で事故が起きているのか、どの場面が危ないのか、そして原因が賠償にどう関わるのかを整理します。
被害に遭う側として気をつけるべき点にも触れています。
歩行者や自転車として道路を使う機会は、誰にでもあります。
運転しない方にとっても、無縁の話ではありません。
歩いていて、あるいは自転車に乗っていて巻き込まれる場面のほうが、被害は重くなります。
車体に守られていないぶん、衝撃が直接伝わるためです。
低い速度でも、重い結果に至ることがあります。
住宅街だから安全、ということにはなりません。
最も多いのは安全を確かめないこと
件数の面で突出しているのが、この類型です。
安全不確認
交差点に進入するとき、発進するとき、後退するとき。確かめるべき場面で確かめないまま動き出す。これが最も多い原因です。
「見たけれど気づかなかった」という説明をよく聞きます。しかし、見たつもりになっていただけ、というのが実態です。
視界に入っていることと、認識していることは違います。人は、注意を向けていないものを見落とします。
交差点では、一度止まって首を振るという動作を習慣にしてください。座ったまま目だけを動かしても、柱や窓枠の陰は見えません。
とくに自転車や二輪車は、柱の幅に隠れてしまいます。体を動かして確かめる必要があります。
一度見て終わりにせず、動き出す直前にもう一度見てください。
確認してから発進するまでの数秒で、状況は変わります。
自転車は、想像より速く近づいてきます。
歩行者と同じ感覚で判断すると、間に合いません。夜間であれば、なおさら発見が遅れます。
脇見運転
カーナビの操作、落とし物を拾う、車内の会話。視線を外した数秒のあいだに、前方の状況は変わります。
時速六十キロで走行していれば、二秒で三十メートル以上進みます。その間、前を見ていないことになります。
目を閉じて三十メートル走るのと変わりません。そう考えれば、どれだけ危険かが分かります。
信号が青になった瞬間に画面を見る、という行動も同じです。
停車中に始めた操作が、そのまま走行中に持ち越されます。
動静不注視
相手の存在には気づいていたが、その動きを見誤った。「止まってくれるだろう」「先に行くだろう」という思い込みです。
認識していたぶん、責任は重く見られる傾向があります。
「相手が止まると思った」という説明は、責任を軽くする理由になりません。むしろ、予測を誤ったことが問われます。
相手が子どもや高齢の方であれば、予測しにくい動きをすることも織り込む必要があります。
学校や公園の近くでは、運転者に高い注意が求められます。
漫然運転
ぼんやりしたまま運転を続ける状態です。考えごとをしていた、疲れていた。前を向いていても、情報が頭に入っていません。
長距離の運転や、単調な道が続く場面で起きやすくなります。
疲れを自覚したら、早めに休んでください。
会話や音楽で気を紛らわせても、根本的な解決にはなりません。
事故が起きやすい場面
類型ごとに、注意すべき点が異なります。
| 類型 | 起きやすい場面 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 追突 | 渋滞の末尾、信号待ち | 脇見、車間距離の不足 |
| 出会い頭 | 信号のない交差点 | 安全不確認、一時不停止 |
| 右折時 | 対向車線を横切るとき | 動静不注視、判断の誤り |
| 人対車両 | 横断中、住宅街の細い道 | 安全不確認、速度超過 |
| 駐車場内 | 後退時、通路の交差 | 後方不確認 |
最も件数が多いのは追突です。ただし、被害の重さでいえば、人対車両の事故が突出しています。体を守るものがないためです。
車同士であれば軽い接触で済む速度でも、歩行者が相手なら重い結果になります。
住宅街や通学路では、速度を落とすことが最も確実な対策です。
右折時の事故が重くなりやすい理由
対向車線を横切る動きは、直進してくる車やバイクとの接触につながります。相手の速度を見誤ることが多く、正面に近い形でぶつかるため、被害も大きくなります。
とくに二輪車は、車体が小さいぶん遠くに見えます。実際より速度が遅いと感じることもあり、判断を誤りやすい相手です。
「行けると思った」という判断が、重大な結果を招きます。迷ったら待つ、という原則を守ってください。
数秒待つだけで避けられる事故です。
追突を防ぐために
- 前の車との距離を、思っているより長めに取る
- 渋滞の末尾に近づいたら、早めに減速を知らせる
- 信号が変わる場面では、前車の動きを予測しておく
- 走行中は、機器の操作を一切しない
- 足元に落ちた物は、停車してから拾う
- 疲れているときは、運転そのものを避ける
どれも当たり前のことですが、追突事故のほとんどはこの範囲で防げます。
追突は、過失割合でも原則として追突した側が全面的に責任を負う類型です。防げる事故で加害者になるのは、避けたいところです。
被害者になった場合は、こちらに過失がないぶん全額を請求できます。
ただし、自分の保険会社は交渉を代行できません。過失がないと、支払う立場にないためです。
時間帯と季節による違い
いつ起きやすいかにも、傾向があります。
夕方から夜にかけて
視界が悪くなる時間帯です。歩行者の姿が見えにくく、距離の感覚もつかみにくくなります。
とくに日が短くなる時期は、帰宅の時間と重なるため、事故が増えます。早めにライトを点けることが有効です。
ライトは、前を照らすためだけのものではありません。自分の存在を相手に知らせる役割もあります。
まだ明るいと感じる時間帯でも、点けておく価値があります。
雨の日
制動距離が伸び、視界も悪化します。歩行者が傘で視界を遮られていることもあり、こちらが見えていても、相手はこちらを見ていないという状況が生じます。
路面が濡れていれば、タイヤの性能も落ちます。速度を落とすことが、最も確実な対策になります。
降り始めの時間帯は、路面が滑りやすくなります。
年末と年度末
交通量が増え、急ぐ車も増えます。慣れない道を走る機会も多くなります。
帰省や旅行で長距離を走るときは、休憩の計画も立てておいてください。
二時間に一度は止まる、といった目安を決めておくと確実です。
慣れた道こそ危ない
事故の多くは、自宅から近い場所で起きています。通い慣れた道では、確認が甘くなります。
「この時間はいつも車が来ない」という思い込みが、出会い頭の事故につながります。
いつもと違う日が、必ずあります。確認を省く理由にはなりません。
「これまで何もなかった」ことは、これからの安全を保証しません。
重大な結果につながる行為
件数は少なくても、結果が重くなる類型があります。
飲酒運転
判断力も反応も鈍ります。事故を起こす確率が高まるだけでなく、起きたときの被害も大きくなります。
刑事の責任も、行政の処分も、格段に重く扱われます。同乗した人や、酒を提供した人にも責任が及ぶ場合があります。
飲酒を知りながら同乗した場合、被害に遭っても賠償が減額されることがあります。
運転する人が飲む場面に居合わせたら、止めるのが正しい対応です。
著しい速度超過
止まるまでの距離が伸び、衝突したときの力も大きくなります。速度が二倍になれば、衝突のエネルギーは四倍になります。
時速三十キロと六十キロでは、被害の程度がまるで違います。住宅街で速度を落とす意味は、ここにあります。
制限速度を守っていても、状況によっては速すぎることがあります。
ながら運転
携帯電話を操作しながらの走行は、前を見ていない時間が長く続きます。罰則も強化されています。
信号待ちで操作を始め、そのまま発進してしまう例もあります。手に取らないことが確実です。
通知が来ても、止まってから確認すれば足ります。
あおり運転
故意に危険を生じさせる行為です。免許の取消しにつながるほか、事故になれば慰謝料の増額を主張される事情にもなります。
居眠り
予兆があるにもかかわらず運転を続けた場合、責任は重く見られます。眠気を感じたら、休むほかありません。
窓を開ける、音楽をかけるといった対処では、根本的な解決になりません。
被害者の側から見た原因
ここまでは運転する側の視点で書いてきましたが、被害に遭う側からも整理しておきます。
自分に落ち度がなくても事故は起きる
信号を守って横断していても、はねられることがあります。停止していても、追突されることがあります。
相手の不注意は、こちらでは防げません。だからこそ、備えのほうが重要になります。
どれだけ慎重に運転していても、相手を選ぶことはできないためです。
備えとしてできること
記録装置を付けておく。自分と家族の保険で使える補償を把握しておく。弁護士費用特約が付いているかを確認しておく。
事故に遭ってから調べ始めると、判断が遅れます。いま確認しておけば、いざというときに動けます。
証券を一度広げて、付いている補償を書き出してみてください。
こちらの行動が割合に響く
横断歩道のない場所を渡っていた、夜間に暗い服装だった、自転車で逆走していた。こうした事情があれば、その分は差し引かれます。
相手が悪い事故でも、こちらの行動が金額を左右するということです。
だからこそ、日ごろの行動にも意味があります。
それでも請求はできる
落ち度があったとしても、請求する権利がなくなるわけではありません。割合に応じて減るだけです。
自分を責める気持ちから、示された条件を鵜呑みにしてしまわないでください。
割合が妥当かどうかは、別に検討すべき問題です。
年齢による傾向の違い
運転者の年齢によって、起こしやすい事故が変わります。
若い世代では、速度の出しすぎや運転操作の誤りが目立ちます。経験が浅く、危険を予測する力が十分に育っていないことが背景にあります。
運転の技術そのものより、危険を先読みする力が問われます。これは経験でしか身につきません。
運転に慣れてきた頃が、最も危ない時期だともいわれます。
緊張が解けたぶん、確認も省かれるようになります。
免許を取って一年から数年の時期は、意識して丁寧に運転してください。
同乗者を乗せる機会が増える時期でもあります。
高齢の世代では、発見の遅れや判断の誤りが多くなります。ブレーキとアクセルの踏み間違いも、この層に多く見られる類型です。
駐車場での発進時に起きやすく、建物や人に突っ込む重大な結果を招くことがあります。
踏み間違いを防ぐ装置を後から取り付けることもできます。
補助の制度を設けている自治体もありますので、確認してみてください。
いずれも、本人の自覚だけでは補いにくい部分です。運転を支援する装置が付いた車を選ぶ、走る時間帯を限るといった対応が現実的になります。
家族から見て不安を感じるようであれば、早めに話し合っておいてください。事故が起きてからでは遅く、加害者になれば賠償の責任も生じます。
免許の返納は本人にとって大きな決断ですので、代わりの移動手段まで含めて考える必要があります。
頭ごなしに取り上げようとすれば、反発を招きます。
歩行者や自転車として気をつけること
被害に遭う側の行動も、結果を左右します。
横断するとき
横断歩道を渡っていても、車が止まるとは限りません。渡り始める前に、近づいてくる車の動きを確かめてください。
運転者と目が合ったかどうかも、一つの手がかりになります。
気づかれていないと感じたら、渡らずに待ってください。
夜間は、明るい色の服や反射材が有効です。運転者から見えているかどうかは、こちらからは分かりません。
暗い色の服装では、想像以上に発見が遅れます。
運転する側から見ると、直前まで気づけないことがあります。
自転車に乗るとき
車道の左側を走るのが原則です。逆走は、正面からの衝突につながる危険な行為です。
無灯火も事故の原因になります。前を照らすためだけでなく、こちらの存在を知らせるためのものです。
無灯火や逆走があれば、事故に遭ったときの過失割合にも響きます。
被害者であっても、減額される要素になります。
ヘルメットは、頭部を守るうえで有効です。着けていなかったことが、賠償の場面で不利に働くこともあります。
子どもと高齢者
急に動き出すことがあります。運転する側から見れば予測しにくい相手ですが、歩く側としても、車の死角に入らないよう意識することが大切です。
大型車の周囲は、見えていない範囲が広くなります。近づかないのが安全です。
とくに、左折しようとしている車の内側は危険です。
事故の状況をどう記録するか
原因をめぐって主張が食い違ったとき、決め手になるのは記録です。
ドライブレコーダー
最も強い材料になります。前方だけでなく、後方や車内も記録できる製品が増えています。
事故の後は、その日のうちにデータを取り出してください。走り続けると上書きされます。
こちらに不都合な場面が記録されていても、伏せてはいけません。後になって明らかになるほうが、立場は悪くなります。
相手方の車や、後ろを走っていた車にも付いていることがあります。現場で頼んでおいてください。
現場の写真
車の位置、損傷の状態、路面の痕跡、信号や標識。車を動かす前に撮っておいてください。
離れた場所からの全景と、損傷部分の接写。この二種類があれば、状況を説明しやすくなります。
撮りすぎて困ることはありません。足りないものは、後から補えません。
目撃者
その場に居合わせた人がいれば、連絡先を教えてもらってください。立ち去られてしまえば、探し出す手立てはまずありません。
声をかけるのは気が引けるかもしれませんが、事情を話せば協力してもらえることがほとんどです。
実況見分調書
人身事故として届け出れば作成されます。第三者の視点から事故の状況が記録された資料ですので、交渉でも訴訟でも力を持ちます。
取り寄せる方法がありますので、争いになりそうなら検討してください。
物損として処理されていると、この資料は作られません。症状があるなら、人身への切り替えを申し出てください。
原因は過失割合に直結する
ここが、弁護士として最も伝えたい部分です。
事故の原因が何だったかは、双方の責任をどう分けるかという判断に直結します。同じ交差点での出会い頭でも、どちらが一時停止を怠ったか、どちらの道が優先かで結論は変わります。
速度、信号の状況、道路の幅。細かい事情の一つひとつが、割合を動かします。
過去の判断を類型ごとに整理した基準がありますので、それに当てはめて検討することになります。ただし、機械的に当てはめて終わりというものでもありません。個別の事情によって修正されます。
過失割合が一割動くだけでも、賠償額は大きく変わります。被害が重い事案では、数百万円の差が生じることもあります。
相手の説明だけで決まらないように
相手方の保険会社は、加害者から聞いた内容をもとに割合を提示してきます。こちらの言い分が反映されていないことも珍しくありません。
提示された割合に納得できないなら、根拠を尋ねてください。どの資料にもとづく判断なのか、過去のどの類型に当てはめたのか。説明できないのであれば、争う余地があります。
納得できないまま署名すると、やり直しはききません。
期限を示されても、その日までに返さなければならない決まりはありません。
記録が結論を分ける
ドライブレコーダーの映像、現場の写真、目撃者の証言、実況見分の調書。こうした資料があるかどうかで、主張の通り方が変わります。
人身事故として届け出ていれば、実況見分が行われ、調書が作成されます。物損のままだと、この資料が存在しません。
症状があるのに物損で処理されているなら、切り替えを申し出てください。
診断書を持って、事故を届け出た警察署へ行けば手続きできます。
事故を減らすためにできること
原因が分かれば、対策も見えてきます。
- 発進前と交差点で、一度止まって左右を見る
- 車間距離を、思っているより長めに取る
- 走行中は、機器の操作を一切しない
- 夕方は早めにライトを点ける
- 眠気を感じたら、迷わず休む
- 時間に余裕を持って出発する
六番目が、実は最も効果があります。急いでいる状態では、確認が甘くなり、速度も上がります。多くの不注意は、時間の余裕のなさから生まれます。
十分早く出るという一点だけで、事故に遭う確率は下げられます。
信号が変わりそうなときに無理をしない、車間を詰めない。余裕があれば、自然にできることです。
装置に頼りすぎないことも大切です。衝突を防ぐ機能が付いていても、すべての事故を避けられるわけではありません。
作動する条件には限りがあります。装置があるから大丈夫、という前提で運転しないでください。
あくまで、不注意を補う仕組みにすぎません。
同乗者を守る
全員がシートベルトを締めたかを確認してから発進してください。後部座席も義務です。六歳未満の子どもには、チャイルドシートが必要です。
点数が付くのは運転者ですし、何より同乗者の身を守ることになります。
締めていなければ、事故のときに賠償が減額される事情にもなります。
同乗者が家族であれば、その減額は世帯の負担になります。
被害に遭ってしまったら
原因を知っていても、防ぎきれない事故はあります。
その場では、警察への通報と相手の情報の確認、現場の記録、そして受診。この四つを外さないでください。
とくに受診は、当日か翌日に済ませてください。日が空くほど、そのケガが事故によるものかを疑われます。
痛みがなくても、受けておく意味があります。翌日から症状が出ることは珍しくありません。
ぶつかった直後は気が張っていて、痛みに気づきにくい状態です。その場で「平気です」と言い切ってしまわないでください。
「現時点では判断できないので、病院で診てもらいます」と答えておけば十分です。
相手を責める必要はありませんが、安易に否定もしないことです。
物損として届け出ていた場合でも、症状があれば人身事故への切り替えを申し出てください。治療費も慰謝料も、物損のままでは請求の枠に入りません。
賠償を求められる期間は無期限ではありません。通院が続いていると忘れがちな点ですので、いつまでかを早めに押さえておいてください。
後遺障害が残った事案では、症状固定とされた日から数え始める扱いになることもあります。
治療の期間が長いほど、全体の見通しを立てておく必要が高まります。
残りの期間が短いと感じたら、そのままにせず早めに動いてください。
所定の手続きを取ることで、期間が進むのを止められる場合があります。
判断が難しければ、専門家に見通しを聞いてください。
制度ごとに起算点が違いますので、一覧にしておくと安心です。
自賠責への請求にも、別の期限が定められています。
加害者になってしまったら
原因を作ってしまった側になることも、当然あり得ます。
その場ですべきことは、被害者の場合と大きく変わりません。救護、通報、相手の情報の確認。とくに救護が最優先です。
立ち去れば、ひき逃げや当て逃げとして扱われます。事故そのものより、逃げたことのほうが重く扱われる場面も多くあります。
動揺していても、その場にとどまってください。
相手が「大丈夫」と言っていても、届け出は必要です。後から症状が出れば、こちらの責任が問われます。
届け出がなければ、保険の手続きも進みません。相手のためにも必要です。
負う責任は三つある
賠償の責任、刑事の責任、行政の処分。この三つは別々に進みます。示談が成立しても、刑事の手続きがなくなるわけではありません。
ただし、被害者との示談が成立していれば、刑事の判断で有利に働くことはあります。誠実に対応することが、結果として自分を守ります。
被害が軽微であれば、起訴されずに終わることも多くあります。
保険会社に任せる
賠償の交渉は、加入している保険会社が代行します。被害者と直接金額の話をする必要はありません。
謝罪の気持ちを伝えることと、金額の交渉は別のものとして進めてください。
当事者どうしで金額を決めてしまうと、後から問題が生じます。
治療が終わっていない段階では、損害の全体が固まっていません。
よくある質問
交通事故の原因で最も多いのは何ですか
安全を確かめないまま進む行為です。交差点への進入、発進、後退といった場面で、確認を怠ったことによる事故が件数の大部分を占めます。飲酒や速度超過より、単純な不注意のほうがはるかに多いのが実態です。
どの事故類型が多いですか
件数では追突が最も多くなります。ただし、被害の重さでいえば人対車両の事故が突出しています。歩行者には体を守るものがないためです。
いつ事故が起きやすいですか
夕方から夜にかけての時間帯です。視界が悪くなり、距離の感覚もつかみにくくなります。日が短くなる時期は帰宅の時間と重なるため、とくに増えます。
慣れた道のほうが安全ではないのですか
逆です。事故の多くは自宅から近い場所で起きています。通い慣れた道では確認が甘くなり、「この時間は車が来ない」という思い込みが生じます。
事故の原因は賠償に影響しますか
影響します。原因の認定は、そのまま過失割合の判断につながります。一割違うだけでも受け取れる額は動き、被害の大きい事案なら数百万円規模の開きになることもあります。
相手方の提示をそのまま受け入れず、根拠を確認してください。
説明できない項目があれば、そこに検討の余地があります。
相手が示した過失割合に納得できません
根拠を尋ねてください。相手方の保険会社は、加害者から聞いた内容をもとに提示しています。こちらの言い分が反映されていないこともありますので、説明できないのであれば争う余地があります。
高齢の親の運転が心配です
発見の遅れや判断の誤りが増える傾向があります。運転を支援する装置が付いた車を選ぶ、走る時間帯を限るといった対応が現実的です。加害者になれば賠償の責任も生じますので、早めに話し合っておいてください。
飲酒運転や速度超過が原因の事故は多いのですか
件数でいえば、決して多くありません。ただし、起きたときの被害は重くなります。刑事の責任も行政の処分も格段に重く扱われ、被害者側から慰謝料の増額を主張される事情にもなります。件数が少ないからといって、軽く見てよい問題ではありません。
ドライブレコーダーは必要ですか
過失割合が争いになったとき、最も強い材料になります。こちらに落ち度のない事故でも、相手が事実と違う説明をすることがあります。映像は上書きされますので、事故当日のうちに記録を保存してください。取り出し方が分からなければ、販売店に相談すれば教えてもらえます。
自分が加害者になってしまいました
救護と通報を最優先にしてください。その場を離れれば、事故そのものより重く扱われます。賠償の交渉は加入先の保険会社が引き受けますので、相手方と金額を直接やり取りする必要はありません。謝罪と賠償は、別のものとして進めてください。
自転車でも気をつけることはありますか
車道の左側を走ること、無灯火で走らないことです。逆走は正面からの衝突につながります。ヘルメットを着けていなかったことが、賠償の場面で不利に働くこともあります。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
