閉じる

74,957view

人身事故の罰金相場と違反点数まとめ!受ける3つの処分や免停の条件も紹介

この記事で分かること

  • 人身事故を起こすと刑事処分・行政処分・民事処分を受けることになる。
  • 人身事故の反則金は反則行為の内容によって異なる。
  • 人身事故の罰金は最低でも12万円かかる。
  • 一般違反行為に加えて、特定違反行為を行うと点数が加算される。
  • 過去3年の違反点数の合計が6点以上14点以下で免許停止処分となる。
  • 違反に不服がある場合は交通反則通告制度の拒否を行うことができる。

人身事故の罰金や違反点数は3つの処分により異なる

人身事故を起こした場合の処分は、刑事処分・行政処分・民事処分の3つに分けられます。

また、それによって支払う罰金の金額なども異なってきますので、まずは前提知識となるこれら3つの処分について紹介していきます。

刑事処分

刑事処分は、刑事処分は社会の法秩序の維持を目的として自動車運転処罰法によって定められています。

そのため、人身事故を起こすと刑事事件として立件され、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪、殺人罪などに問われることがあります。事故の内容によっては、罰金刑・懲役刑・禁固刑などが科される場合もあります。

行政処分

交通事故のおける2つ目の処分に、行政処分があります。行政処分は、道路交通の安全確保を目的とした、公安委員会による処分になります。

事故の内容や責任の重さに応じて運転免許に違反点数を加算します。点数が一定の基準に達すると、免許取り消しや免許停止などの処分を受けることになります。

民事処分

3つ目の処分としては、民事処分があります。民事処分では、被害者に与えた損害や被害に対して損害賠償金や慰謝料の支払いを命じられることがあります。

ワンポイントアドバイス
交通事故の際には、反則金や罰金の他にも被害者に対して損害賠償金や慰謝料の支払いの義務が生じることがあります。賠償金や慰謝料の多くは、自賠責保険でまかなわれますが、足りない分は任意保険から支払われることになります。あらかじめ、任意保険には加入しておきましょう。

人身事故による罰金の相場

では、人身事故による罰金の相場はどのくらいなのでしょうか。交通事故の点数制度で6点以上の場合に罰金刑となります。

行政処分による反則金

行政処分による反則金については下記の表を参照下さい。

反則行為 普通車
高速道路35㎞以上40㎞未満の速度超過 35000円
高速道路30㎞以上35㎞未満の速度超過 25000円
一般道路25㎞以上30㎞未満の速度超過 18000円
一般道路20㎞以上25㎞未満の速度超過 15000円
一般道路15㎞以上20㎞未満の速度超過 12000円
一般道路15㎞未満の速度超過 9000円
信号無視(赤色等)違反 9000円
追越し違反 9000円
横断歩行者等妨害等違反 9000円
携帯電話使用等(交通の危険)違反 9000円
踏切不停止等違反 9000円
急ブレーキ禁止違反 7000円
割込み等違反 6000円
無灯火違反 5000円
初心運転者標識表示義務違反 4000円

刑事処分による罰金刑

次に、刑事処分による罰金刑について解説していきます。

基本的に罰金額については、明確な目安や基準がありません。なぜならば、最終的な罰金刑の罰金額は、裁判によって決定するためです。おおよそ人身事故は最低でも12万円が一般的と言われています。そして、刑事処分では罰金の他にも前科がついてしまいます。

そして、重大な交通事故ではない限り、一般的には略式裁判が行われ、罰則が決定します。

ワンポイントアドバイス
事故を起こしてしまうと、この後どのくらいの罰金の支払いや罰則が待っているのか不安になってしまいますよね。事前に交通事故における罰金・反則金のおおよその相場を知っておくことで、過剰に不安となることを避けましょう。

人身事故の違反点数

一般違反行為の点数

では、人身事故における違反点数はどのくらいなのでしょうか。一般違反行為の基礎点数は25点から1点の間で11に区分されており、違反内容によって点数が異なります。

下記の表に違反点数の区分を示します。

被害者の負傷の程度 専ら 専ら以外
死亡事故 20点 13点
重症事故3ヶ月以上後遺障害あり 13点 9点
重症事故30日以上3ヶ月未満 9点 6点
軽傷事故15日以上30日未満 6点 4点
軽傷事故15日未満 3点 2点
建造物破損事故 3点 2点

特定違反行為の点数

交通事故においては、一般違反行為の他にも特定違反行為と定められている違反行為があります。

特定違反行為とは、故意による運転殺人・傷害、酒酔い運転、ひき逃げが該当します。そして、特定違反行為は点数が加算されます。

特定違反行為による付加点数は、以下の表の通りです。

被害者の負傷程度 専ら加害者の不注意により事故が発生した場合 相手にも非がある場合
死亡 20点 13点
治療期間が3か月以上
または後遺障害が伴う傷害事故
13点 9点
治療期間が30日以上3か月未満 9点 6点
治療期間が15日以上30日未満 6点 4点
治療期間が15日未満
または建造物の損壊あり
3点 2点

参考:交通事故の違反点数まとめ|何点を超えると免停になる?

人身事故の違反点数の計算期間は3年

人身事故の違反点数の計算期間は、3年間です。しかし、以下の場合は以前の交通違反や交通事故の点数は加算されません。

  • 免許を受けている者が過去1年以上の間、無事故、無違反で過ごしたとき。
  • 運転免許の取消しや停止処分を受けて、無事故、無違反で取消し期間、又は停止期間を過ごしたとき。
  • 免許を受けている者が軽微な違反行為をし、過去2年間に違反行為をしたことがなく、かつ、当該軽微な違反行為をした後、3か月間に違反行為をしたことがないとき。
  • 軽微な交通違反を繰り返し、累積点数が6点になり、違反者講習を受講したとき。
ワンポイントアドバイス
一般違反行為の他にも、故意による運転殺人やひき逃げなどの場合は、違反点数が加算されるため注意が必要です。基本的に人身事故の違反点数が計算されるのは3年間となります。3年をこえた場合は、点数がリセットされます。

人身事故で免許停止(免停)や免許取消処分となる条件

免許停止処分・免許取消処分となる違反点数

では、免許停止処分および免許取消処分となる違反点数はどのくらいなのでしょうか。

過去3年間の違反点数の合計が6点以上14点以下になった場合、免許停止処分となります。以下は前歴の回数、違反点数と免許停止期間についての表です。

前歴 点数 免許停止期間
なし 6点、7点、8点 30日間
なし 9点、10点、11点 60日間
なし 12点、13点、14点 90日間
1回 4点、5点 60日間
1回 6点、7点 90日間
1回 8点、9点 120日間
2回 2点 90日間
2回 3点 120日間
2回 4点 150日間
3回 2点 120日間
3回 3点 150日間
3回 4点 免許取消1年

前歴がない場合でも、行政処分基準点数が6点に達すると免停30日となります。

前歴が多い場合、免許停止・取消となる点数は少なくなります。前歴が3回の場合、行政処分基準点数3点で免許停止150日、4点で免許取消1年となります。

ワンポイントアドバイス
前歴があるほど、低い違反点数であっても免許停止期間が長くなってしまうので注意が必要です。免許停止処分期間中は、車の運転ができないため、その他の交通機関を利用しましょう。

反則金や違反点数の加算に不服な場合

では、反則金の支払いや違反としての扱いに対し不服がある場合はどのように対応すべきなのでしょうか。

不服がある場合は、「交通反則通告制度の拒否」を行うことができます。交通反則通告制度の拒否の具体例としては、違反金の支払い拒否や青切符等へのサインの拒否です。

録画や録音データなど、客観的に違反とならない証拠を提示できる場合は、交通反則通告制度の拒否をして裁判で争っていくことも可能です。

ワンポイントアドバイス
交通事故において、自分に非がないのにも関わらず、交通事故での違反の通告を受けた場合は、交通反則通告制度の拒否を行うことが認められています。しかし、自分の非がある場合は素直に反則金を支払いましょう。

人身事故の罰金や違反点数も理解の上、いつも安全運転を

人身事故を起こしてしまうと、反則金や罰金の他にも前科がつき、社会的な責任も負うことになります。

自動車を運転する以上は、交通事故において問われる罪や法的な責任、そして罰金や違反点数についても理解しておくことが大切です。そして、常日頃から安全運転を心がけ、事故を未然に防ぐ努力を怠らないようにしましょう。

反則金・違反点数などの詳細についてわからないことがあれば、最寄りの警察・自動車安全運転センターに問い合わせてみることをおすすめします。そして、人身事故での反則金や加算点数に不服がある場合は弁護士に相談をしましょう。

交通事故に巻き込まれたら弁護士に相談を
無料相談を活用し、十分な慰謝料獲得を
  • 保険会社が提示した慰謝料・過失割合に納得が行かない
  • 保険会社が治療打ち切りを通告してきた
  • 適正な後遺障害認定を受けたい
  • 交通事故の加害者が許せない
上記に当てはまるなら弁護士に相談