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交通事故でケガをして、後遺症が残ってしまった。あるいは、大切なご家族を事故で亡くした。そんなとき、相手方の保険会社から示談の話が出てきて、「逸失利益」という見慣れない言葉を目にした方も多いのではないでしょうか。「いっしつりえき」と読みますが、初めて聞くと、何のお金なのか見当もつきませんよね。
逸失利益は、交通事故の損害賠償のなかでも、とくに金額が大きくなりやすい項目です。慰謝料よりも高額になることも珍しくなく、ときには数千万円にのぼるケースもあります。それだけに、保険会社との間で争いになりやすく、提示された金額が適正かどうかを見極めることが、とても大切になります。
この記事では、逸失利益とは何か、どうやって計算するのか、職業別の考え方や相場、そして争いになりやすいポイントまでを、弁護士の視点でわかりやすく解説していきます。今まさに示談金の提示を受けて悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「提示された金額が高いのか安いのか分からない」「自分の場合はいくらになるのか知りたい」。そう感じている方にとって、逸失利益の仕組みを知ることは、納得のいく解決への第一歩です。読み終えるころには、ご自身のケースをイメージできるようになっているはずです。
逸失利益とは?将来失われる収入を補うお金
逸失利益とは、交通事故にあわなければ、将来得られたはずの収入のことをいいます。後遺障害が残ったり、亡くなったりしたことで、働いて稼ぐ力が失われてしまう。その失われた将来の収入を、損害として相手方に賠償してもらうのが、逸失利益です。
たとえば、事故前は問題なく働けていた方が、後遺障害で以前のようには働けなくなったとします。収入が下がる、あるいは昇進が難しくなる。こうした将来にわたる不利益を、お金に換算して補うわけです。一度きりの治療費や、入院中の収入減とは違い、「これから先、何年も続く損失」を見据えている点が、逸失利益の大きな特徴です。
ここで一つ、イメージしてみましょう。年収500万円の方が、事故の後遺障害で働く力の一部を失い、今後も毎年いくらかの減収が続くとします。その減収分を、将来の分まで一括で計算してまとめたもの、それが逸失利益です。だからこそ、金額が大きくなりやすいのです。
「逸失利益」と「慰謝料」は別のお金
逸失利益と慰謝料は、混同されがちですが、まったく性質の異なるお金です。慰謝料が精神的な苦痛に対する償いであるのに対し、逸失利益は失われた収入という、経済的な損害を補うものになります。
つまり後遺障害が残った場合、被害者は「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」の両方を請求できます。どちらか一方ではありません。この2つは別々に計算され、別々に支払われるものなので、示談書を見るときは、それぞれがきちんと計上されているかを確認することが大切です。
逸失利益には2つの種類がある
逸失利益は、大きく2つに分かれます。一つは、後遺障害が残ったときの「後遺障害逸失利益」。もう一つは、被害者が亡くなったときの「死亡逸失利益」です。
両者は考え方の基本こそ似ていますが、計算式が少し異なります。死亡逸失利益では、亡くなった方が生きていれば使ったであろう生活費を差し引く、という独自の調整が入るのが特徴です。この記事では、まず後遺障害逸失利益をくわしく解説し、そのあとで死亡逸失利益を見ていきましょう。
逸失利益と休業損害の違い
逸失利益とよく似ていて、混同されやすいのが「休業損害」です。どちらも「事故による収入の減少」を補うお金ですが、対象とする期間がはっきり分かれています。ここを押さえておくと、賠償の全体像がぐっと分かりやすくなりますよ。
休業損害については、計算方法や請求の流れを別の記事でくわしく解説しています。あわせて読んでみてください。
休業損害は「症状固定まで」の減収
休業損害は、事故によるケガの治療のために仕事を休んだことで減った収入を補うものです。対象になるのは、事故から「症状固定」までの期間になります。
入院していた間や、通院のために仕事を休んだ間の減収が、これにあたります。たとえば、骨折で1か月入院し、その間まったく働けず給料が出なかったとすれば、その分が休業損害です。あくまで、治療を続けている最中の損失を埋めるためのもの、と考えてください。
逸失利益は「症状固定後」の将来分
一方、逸失利益が対象とするのは、症状固定よりも後の期間です。症状固定とは、これ以上治療しても症状が良くならない、と判断された段階のことをいいます。
症状固定を迎えると、治療はいったん区切りとなり、残った症状は「後遺障害」として扱われます。その後遺障害のせいで将来にわたって減ってしまう収入、それが逸失利益です。つまり休業損害が「過去から症状固定まで」を、逸失利益が「症状固定から将来まで」を、それぞれカバーしているわけですね。症状固定という言葉の意味については、次の記事もあわせてご覧ください。
| 項目 | 休業損害 | 逸失利益 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 事故〜症状固定まで | 症状固定後〜将来 |
| 補うもの | 治療中に休んだ分の減収 | 後遺障害・死亡による将来の減収 |
| 前提となる事情 | 仕事を休んだこと | 後遺障害が残った、または死亡したこと |
| 金額の傾向 | 比較的小さい〜中程度 | 大きくなりやすい |
両者は別々のお金なので、後遺障害が残ったケースでは、休業損害と逸失利益の両方を請求できます。片方しか計上されていない示談案を提示されることもあるので、注意してください。
後遺障害逸失利益の計算方法
ここからは、いちばん知りたいであろう「計算方法」を見ていきましょう。後遺障害逸失利益は、次の計算式で求めます。
後遺障害逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
3つの要素のかけ算です。一つずつ見ていけば、決してむずかしくありません。逸失利益を構成するのは、次の3つです。
- 基礎収入……計算の土台となる年収
- 労働能力喪失率……後遺障害で失われた働く力の割合
- ライプニッツ係数……将来分を現在の価値にまとめるための数字
それぞれの意味を、順番に解説していきます。
①基礎収入
基礎収入とは、逸失利益を計算するときの土台となる、1年あたりの収入のことです。原則として、事故の前年の年収をもとに考えます。
会社員なら源泉徴収票の支払金額、自営業なら確定申告の所得が目安になります。ただし、職業や立場によって決め方が変わるため、ここは争点になりやすいところです。職業別の考え方は、このあとくわしく解説します。
②労働能力喪失率
労働能力喪失率とは、後遺障害によって、働く能力がどれくらい失われたかを、パーセントで表したものです。これは、認定された後遺障害の等級によって、おおよその目安が決まっています。
後遺障害には1級から14級までの等級があり、数字が小さいほど重い障害を意味します。等級ごとの喪失率の目安は、次の表のとおりです。後遺障害等級そのものの仕組みについては、別記事でくわしく説明しています。
| 等級 | 労働能力喪失率 |
|---|---|
| 第1級〜第3級 | 100% |
| 第4級 | 92% |
| 第5級 | 79% |
| 第6級 | 67% |
| 第7級 | 56% |
| 第8級 | 45% |
| 第9級 | 35% |
| 第10級 | 27% |
| 第11級 | 20% |
| 第12級 | 14% |
| 第13級 | 9% |
| 第14級 | 5% |
この表はあくまで目安です。実際には、後遺障害の内容と、仕事への影響をふまえて、個別に判断されます。たとえば同じ等級でも、手先を細かく使う仕事か、そうでないかで、影響の大きさは変わってくるのです。
③労働能力喪失期間とライプニッツ係数
労働能力喪失期間とは、後遺障害の影響が続くと考えられる期間のことです。原則として、症状固定の時点から、働けるとされる67歳までの年数で計算します。
ただし、将来の収入を「今」一括で受け取ることになるため、その分の利息を差し引く調整が必要になります。この調整に使うのが「ライプニッツ係数」です。むずかしく聞こえますが、要は将来もらえるはずのお金を、現在の価値に割り引くための数字だと思ってください。喪失期間が長いほど、係数も大きくなります。
実際にご自身のケースでどのくらいになるか、慰謝料とあわせて計算してみたい方は、こちらのツールも使ってみてください。
交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
【職業別】基礎収入の決め方
基礎収入は、逸失利益の金額を大きく左右する要素です。そして、働き方や立場によって決め方が変わります。ここは保険会社と被害者の主張が食い違いやすいポイントでもあるので、ご自身がどのタイプにあたるか、確認してみてください。
会社員・給与所得者の場合
会社員の場合は、事故前年の年収が基礎収入になります。源泉徴収票に記載された支払金額が基準で、基本給だけでなく、賞与(ボーナス)や各種手当も含めて考えます。
まだ就職して間もなく、前年の収入が少ない若い方の場合は、賃金センサスという統計上の平均賃金を使い、将来の昇給を見込んで計算することもあります。一律に前年の少ない年収だけで決めてしまうと、実態に合わないからです。
自営業・個人事業主の場合
自営業の方は、原則として確定申告にもとづく前年の所得が基礎収入になります。売上そのものではなく、経費を差し引いた後の所得が基準になる点に注意してください。
ただし、申告額が実際の収入より低いケースもあるでしょう。そうした場合でも、帳簿や取引の実態など、客観的な資料で本来の収入を立証できれば、申告額より高い基礎収入が認められることもあります。
主婦・主夫(家事従事者)の場合
「収入がないから逸失利益はもらえないのでは」と思われがちですが、専業主婦・主夫の方にも逸失利益は認められます。家事労働には経済的な価値がある、と考えられているからです。
この場合、賃金センサスの女性労働者の平均賃金を基礎収入として計算するのが一般的です。パートをしながら家事もしている兼業主婦の方は、実収入と平均賃金の高いほうを使うなど、状況に応じて判断されます。
学生・子どもの場合
まだ働いていない学生や子どもにも、将来働いて得られたはずの収入があるため、逸失利益が認められます。基礎収入には、賃金センサスの全年齢の平均賃金などが用いられます。
大学生など、就職先がある程度見込める場合には、その見込みをふまえて計算されることもあります。将来のことなので不確実な面はありますが、「子どもだから収入はゼロ」とはならない、と覚えておいてください。
高齢者・無職の場合
高齢で年金生活の方や、事故時に無職だった方は、基礎収入の考え方が難しくなります。就労の意欲と能力があり、働く可能性があったといえる場合には、平均賃金などをもとに逸失利益が認められることがあります。
一方、年金収入そのものは、後遺障害逸失利益の基礎収入にはならないのが原則です(死亡逸失利益では別の扱いになります)。ケースごとの判断が分かれやすいところなので、迷ったら専門家に相談するのが安心ですよ。
むちうちのように、比較的軽い後遺障害(14級など)では、喪失率や喪失期間が制限されることがあります。むちうちのケースについては、次の記事でくわしく解説しています。
| 立場 | 基礎収入の目安 |
|---|---|
| 会社員 | 事故前年の年収(賞与・手当を含む) |
| 自営業 | 確定申告の前年所得 |
| 専業主婦・主夫 | 賃金センサスの女性平均賃金 |
| 学生・子ども | 賃金センサスの平均賃金 |
| 高齢者・無職 | 就労可能性に応じて個別に判断 |
後遺障害逸失利益の相場と計算例
逸失利益は、基礎収入・等級・年齢によって金額が大きく変わるため、「相場はいくら」と一言で示すのは難しい項目です。とはいえ、目安がまったく分からないと不安ですよね。ここでは、具体的な数字を当てはめて計算してみましょう。
後遺障害逸失利益の傾向数十万円〜数千万円
軽い等級なら数十万円程度にとどまることもあれば、重い等級で若い被害者の場合は、数千万円に達することもあります。幅がとても大きいのが特徴です。
計算例①むちうちで14級が認定されたケース
たとえば、年収400万円の会社員の方が、むちうちで14級9号(神経症状)と認定されたとします。14級の喪失率は5%、むちうちの喪失期間は5年程度とされることが多いため、5年に対応するライプニッツ係数を約4.58として計算してみましょう。
400万円 × 5% × 4.58 = 約91万6,000円
このように、比較的軽い後遺障害でも、まとまった金額になることが分かります。
計算例②重い後遺障害(9級)が認定されたケース
次に、35歳・年収500万円の方が、9級の後遺障害(喪失率35%)と認定されたとします。症状固定から67歳まで32年間として、32年のライプニッツ係数を約20.39とすると、計算は次のようになります。
500万円 × 35% × 20.39 = 約3,568万円
喪失率が高く、喪失期間も長いと、金額が一気に大きくなりますね。重い後遺障害ほど、逸失利益が賠償の中心になっていくのです。
後遺障害慰謝料の等級別の相場とあわせて確認すると、賠償全体の見通しが立てやすくなります。
ご自身のケースで、慰謝料と逸失利益を合わせた金額のイメージをつかみたい方は、こちらの計算ツールもご活用ください。
交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
死亡逸失利益の計算方法
被害者が亡くなった場合の逸失利益が、死亡逸失利益です。基本の考え方は後遺障害逸失利益と似ていますが、一点、大きな違いがあります。それは、生活費控除という調整が入ることです。
死亡逸失利益の計算式は、次のとおりです。
死亡逸失利益 = 基礎収入 ×(1 − 生活費控除率)× 就労可能期間に対応するライプニッツ係数
亡くなった方は、生きていれば収入を得る一方で、その方自身の生活費も使っていたはずです。その使うはずだった生活費の分を差し引く、というのが生活費控除の考え方になります。
生活費控除率の目安
生活費控除率は、亡くなった方の家庭での立場によって、目安が変わります。一家の生計を支える立場だった方ほど、控除される割合は小さくなります。おおよその目安は、次のとおりです。
| 立場 | 生活費控除率の目安 |
|---|---|
| 一家の支柱(扶養家族1人) | 40% |
| 一家の支柱(扶養家族2人以上) | 30% |
| 女性(主婦・独身など) | 30% |
| 男性(独身など) | 50% |
これらはあくまで一般的な目安で、家庭の事情によって変わります。
死亡逸失利益の計算例
たとえば、扶養家族が2人いる40歳・年収600万円の方が亡くなったとします。生活費控除率を30%、67歳までの27年に対応するライプニッツ係数を約18.33とすると、計算はこうなります。
600万円 ×(1 − 0.3)× 18.33 = 約7,698万円
死亡事故では、この逸失利益に加えて、死亡慰謝料なども請求できます。死亡事故の慰謝料相場については、別の記事でくわしく解説しています。あわせてご確認ください。
逸失利益で争いになりやすいポイント
逸失利益は金額が大きいぶん、保険会社と被害者の間で、もっとも対立が起きやすい項目です。どんなところでもめやすいのか、あらかじめ知っておきましょう。
むちうちは喪失期間が制限されやすい
むちうちなどの神経症状で14級・12級が認定された場合、保険会社は「症状はいずれ和らぐ」として、労働能力喪失期間を5年や10年に制限してくることがよくあります。本来67歳までで計算したいところを、短く区切られると、逸失利益は大きく下がってしまいます。ここは交渉の大きな争点になりやすい部分です。
基礎収入をめぐる対立
自営業の方の所得や、主婦・無職・高齢者の基礎収入は、立証が難しく、争いになりがちです。保険会社は、基礎収入を低く見積もろうとする傾向があります。実態に見合った収入を主張するには、資料をそろえ、根拠を示すことが欠かせません。
「将来の収入に影響しない」という反論
保険会社から、「後遺障害はあるが、現実には減収していない」として、逸失利益を否定・減額する主張が出ることもあります。たとえば、事故後も同じ職場で同じ給料をもらっている場合などです。ただ、昇進への影響や、将来の転職での不利、本人の努力で収入を維持している事情などをふまえれば、逸失利益が認められるケースは少なくありません。
逸失利益を適切に受け取るためのポイント
最後に、逸失利益で損をしないために、被害者ができることをまとめます。難しく考えず、できることから一つずつ取り組んでみてください。
適切な後遺障害等級を認定してもらう
逸失利益は、後遺障害の等級が出発点です。等級が一つ違えば、金額は大きく変わります。だからこそ、症状に見合った等級を認定してもらうことが何より重要です。後遺障害診断書を丁寧に作成してもらい、必要な検査を受けておくことが、適切な認定につながります。
提示された金額を鵜呑みにしない
保険会社の提示額は、被害者にとって必ずしも有利な計算とは限りません。とくに喪失期間と基礎収入は、見直すことで増額できる余地があります。「こういうものか」と納得してしまう前に、一度、前提を確認してみましょう。
弁護士に相談する
逸失利益の計算や交渉は、専門的な知識が必要で、被害者だけで適正額を引き出すのは簡単ではありません。弁護士に相談すれば、喪失期間や基礎収入について、根拠をもって主張してもらえます。弁護士基準での請求により、金額が大きく上がるケースもめずらしくないのです。
弁護士に依頼すると逸失利益が増えるのはなぜ?
不思議に思われるかもしれませんが、同じ後遺障害でも、弁護士が交渉に入ることで逸失利益の認定額が上がることはよくあります。理由は、保険会社が当初提示する計算が、被害者にとって不利な前提に立っていることが多いからです。
たとえば、むちうちの14級で、保険会社が喪失期間を「3年」と提示してきたとします。これを弁護士が「5年が相当」と主張し、認められたとしましょう。年収400万円・喪失率5%で計算すると、3年(係数約2.83)では約56万円ですが、5年(係数約4.58)では約91万円。前提が変わるだけで、35万円ほど差が出るわけです。基礎収入や喪失率についても同じことが言えます。だからこそ、専門家の目を通すことに意味があるのです。
- 症状固定後、後遺障害の等級認定を受ける。
- 認定された等級をもとに、基礎収入・喪失率・喪失期間を確認する。
- 保険会社の提示額と、適正な計算とを照らし合わせる。
- 納得できなければ、弁護士に相談して交渉を進める。
逸失利益に関するよくある質問
逸失利益はいつ受け取れますか?
後遺障害逸失利益は、症状固定後に後遺障害等級が認定され、示談がまとまった段階で、ほかの賠償金とあわせて受け取るのが一般的です。等級が決まらないと計算ができないため、まずは認定の手続きを進めることになります。
後遺障害が残っても、減収していなければ逸失利益はもらえませんか?
現実に収入が減っていなくても、逸失利益が認められることはあります。昇進や昇給への影響、転職時の不利、本人の努力で収入を保っている事情などが考慮されるためです。減収がないことだけを理由に、あきらめる必要はありません。
パートやアルバイトでも逸失利益は請求できますか?
請求できます。実際の収入をもとに基礎収入を考えます。働く時間が短い場合でも、収入があれば、その分は逸失利益の対象になります。
専業主婦ですが、収入がなくても請求できますか?
できます。家事労働には経済的な価値があると考えられており、賃金センサスの平均賃金をもとに逸失利益を計算するのが一般的です。収入がないからもらえない、ということはありません。
逸失利益に税金はかかりますか?
交通事故の損害賠償として受け取る逸失利益には、原則として所得税はかかりません。慰謝料などと同じく、非課税として扱われるのが一般的です。
むちうちでも逸失利益はもらえますか?
もらえることがあります。14級などが認定されれば、喪失率5%で計算します。ただし、喪失期間が5年程度に制限されることが多く、金額は重い等級に比べると小さくなる傾向があります。
ライプニッツ係数はどこで分かりますか?
就労可能年数に応じた係数は、表として公表されています。なお、2020年4月の民法改正で法定利率が変わり、係数も改定されました。事故の時期によって使う数字が異なる場合があるので、計算の際は注意が必要です。
自分で計算した金額と保険会社の提示額が違います。どうすればいいですか?
基礎収入・喪失率・喪失期間のどこかで、前提が違っている可能性が高いです。とくに喪失期間が短く区切られていないかを確認してみてください。差が大きいときは、弁護士に相談して、適正額を見積もってもらうのが確実です。
まとめ
逸失利益は、交通事故にあわなければ将来得られたはずの収入を補う、大切な賠償項目です。後遺障害逸失利益は「基礎収入 × 労働能力喪失率 × 喪失期間のライプニッツ係数」で計算し、死亡逸失利益では、ここから生活費控除を差し引きます。慰謝料とは別に請求できるお金であり、金額が大きいぶん、保険会社との間で争いになりやすいのが特徴です。
とくに、労働能力喪失期間や基礎収入は、保険会社が低く見積もりやすいポイントです。提示された金額が適正かどうか、計算の前提を一度確認してみてください。そして、納得のいかないときや、自分のケースでいくらになるか知りたいときは、ぜひ一度、交通事故にくわしい弁護士に相談してみてください。適切な主張によって、受け取れる金額が大きく変わることもあります。あなたが本来受け取るべき賠償を、きちんと手にできるよう願っています。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
