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未成年が加害者の交通事故|請求先と少年審判

未成年が加害者の交通事故|請求先と少年審判

この記事で分かること

  • 加害者が未成年でも損害賠償を請求できること
  • 未成年の責任能力と請求先の関係
  • 親に賠償を請求できる場合(監督義務者責任)
  • 車・自転車の事故と保険の活用
  • 未成年加害者の刑事責任(少年事件)の扱い

加害者が未成年でも被害者は適正な賠償を受けられます。鍵は誰に請求するかで、責任能力がなければ監督義務者の親に、あれば本人に、車の事故なら保険から請求します。本人に資力がない場合の親への請求や自転車事故の保険確認など専門的な判断も。本記事では請求先の見極めを弁護士目線で解説します。

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加害者が未成年でも賠償は受けられる

相手は十八歳の大学生だった。免許を取ったばかりで、支払う能力もなさそうに見える。この場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。

そんなことはありません。車やバイクの事故であれば、保険から支払われるのが通常です。加害者本人の資力は、多くの場合問題になりません。

自転車の事故とは、この点が大きく違います。自転車には自賠責という受け皿がないため、相手の支払能力に左右されてしまいます。

車やバイクであれば、まずその心配はありません。相手が学生でも、支払いは保険から行われます。

むしろ、未成年が加害者の事案では、請求できる相手が増えることがあります。運転していた本人だけでなく、親や、車の所有者にも請求できる余地が生じるためです。

想像してみてください。信号待ちで追突され、首を痛めて通院することになった。相手は十九歳で、車は父親名義。本人は「保険のことは親に聞いてほしい」と言うばかりで話が進まない。

誰を相手に交渉すればよいのか。まず、そこを整理する必要があります。

保険が使えるなら、答えは簡単です。保険会社の担当者とやり取りすれば済みます。

この記事では、誰に請求できるのか、保険はどう働くのか、そして刑事の手続きがどう進むのかを整理します。

成人が加害者の場合と、扱いが変わる部分に絞って説明します。

結論を先に申し上げると、賠償の面ではほとんど変わりません。変わるのは刑事の手続きです。

請求できる相手は一人とは限らない

ここが最も実務的な論点です。

請求先 根拠 使える場面
運転していた本人 事故を起こした責任 責任能力がある場合
親 監督義務、または車を与えた責任 本人に責任能力がない場合など
車の所有者 車を走らせる利益を得ている立場 親名義の車を運転していた場合
勤務先 従業員を使っている責任 業務中の事故だった場合
保険会社 対人賠償の契約 加入している場合

複数に請求できる場合、どこからでも全額を求められます。回収の確実性を考えて、相手を選ぶことになります。

もっとも、保険が使えるのであれば、この検討は不要になります。まず保険の有無を確かめてください。

請求先を広げる必要が出てくるのは、保険が使えない場面に限られます。

運転していた本人への請求

まず、本人に責任が生じるかを確認します。

自分の行為がどういう結果を招くかを理解できる程度の判断力があれば、本人が賠償の責任を負います。この分かれ目は、だいたい十二歳あたりに置かれるのが実務の感覚です。

車やバイクを運転している以上、この能力がないと判断されることはまずありません。免許を取得できる年齢であれば、当然に責任を負います。

十六歳でバイクを運転していた場合も同じです。年齢を理由に責任を免れることはありません。

運転するという行為自体が、危険を引き受けたことを意味するためです。

問題は支払う能力

責任があることと、実際に払えることは別です。学生であれば、まとまった額を用意するのは困難でしょう。

だからこそ、保険と、他の請求先を押さえることが重要になります。

判決を得ても、財産がなければ回収できません。紙の上で権利が認められることと、実際に受け取れることは別の問題です。

だからこそ、資力のある相手を探す作業に意味が出てきます。

親に請求できる場合

いくつかの道筋があります。

監督義務を理由とする場合

本人に責任能力がなければ、監督する立場の親が賠償の責任を負います。ただし、車やバイクの事故では、この構成が使われる場面は限られます。

運転できる年齢であれば、本人に責任能力が認められるためです。

自転車の事故で幼い子どもが加害者になった場合とは、この点が違います。

親自身の落ち度を理由とする場合

本人に責任能力があっても、親の監督に落ち度があったといえる場合には、親にも請求できます。

無免許だと知りながら車を使わせていた、危険な運転を繰り返していたのに放置していた、飲酒したうえで運転することを止めなかった。こうした事情が問われます。

ただし、これを証明するのは簡単ではありません。日ごろのやり取りは、外からは見えないためです。

刑事の記録に、親の供述が残っていることがあります。そこから手がかりが得られる場合もあります。

年齢が上がるほど難しくなる

高校生であれば認められる余地がありますが、大学生や社会人であれば難しくなります。親の監督が及ぶ範囲を超えていると見られるためです。

ただし、同居して生計を共にしているといった事情があれば、主張する余地は残ります。

学生で親の扶養に入っている、という状況であれば検討の対象になります。

ただ、この構成に頼るより、次に述べる道のほうが確実です。

車の所有者にも請求できる

実務では、こちらのほうが使いやすい場面が多くあります。

自動車を自分のために走らせている立場にある人は、その車による事故について責任を負うとされています。運転していたかどうかは問いません。

車を持つことで利益を得ているのだから、そこから生じる危険についても責任を負うべきだ、という考え方によるものです。

被害者を保護するために設けられた仕組みです。

未成年が親名義の車を運転していた場合、この規定によって親に請求できます。監督の落ち度を証明する必要がありませんので、はるかに主張しやすい構成です。

まず車検証の名義を確認してください。ここが親になっていれば、請求先が一つ増えます。

どういう場合に認められるか

車を所有し、維持費を負担し、日常的に使わせていた。こうした関係があれば、親が責任を負う立場にあると判断されます。

名義だけ貸していた、実際には管理していなかったという主張がなされることもありますが、簡単には認められません。

任意保険の契約者が誰か、駐車場の契約はどうなっているか。こうした事実から判断されます。

勤務先が責任を負う場合

アルバイト中の事故であれば、雇っている会社にも請求できます。配達や送迎の途中であれば、該当する可能性があります。

会社の車を使っていたのか、自分の車だったのか。業務のためだったのか。この点を確認してください。

会社の車であれば、会社が加入している保険から支払われるのが通常です。

本人だけを相手にするより、支払いを受けられる見込みが高まります。

アルバイトであっても、使用関係は認められます。雇用の形は問いません。

保険から支払われるのが通常

ここまで請求先を整理してきましたが、実際には保険で解決する事案がほとんどです。

車やバイクには、自賠責保険への加入が義務づけられています。任意保険に加入していれば、対人賠償から支払われます。

加害者が未成年であることは、保険金の支払いに影響しません。年齢を理由に支払いを拒まれることはありません。

したがって、実務では成人が加害者の場合とほとんど同じ流れで進みます。担当者とやり取りし、金額を交渉し、示談書を交わす。この点は変わりません。

相手が未成年だからといって、身構える必要はないということです。

問題が生じるのは、保険が使えない場面に限られます。

そこに備えて、請求先を広げる考え方を知っておく意味があります。

知らないままだと、本人に請求して行き詰まったところで終わってしまいます。

学生に支払能力がないのは当然です。そこであきらめないでください。

親、車の所有者、勤務先。順に当たっていけば、道が開けることがあります。

どれも当てはまらない場合でも、自分の保険が残っています。証券を広げて、使える補償を洗い出してください。同居している家族の契約から使えることもありますので、そちらもあわせて確認しておいてください。取りこぼしが一番もったいない結末です。

年齢条件に注意

ただし、任意保険には運転者の年齢を限定する特約が付いていることがあります。親が「三十五歳以上補償」で契約していたところ、十九歳の子どもが運転して事故を起こした。この場合、対人賠償が使えません。

保険料を抑えるために年齢を限定している家庭は多く、子どもが運転した途端に条件から外れる、という事態は実際に起こります。

加害者の側も、事故が起きて初めて気づくことがあります。悪意があってのことではありませんが、被害者にとっては大きな違いです。

使えるかどうかは、相手方の保険会社に確認すれば分かります。

連絡が来ない場合は、加害者側に保険会社名を尋ねてください。

答えが曖昧であれば、使えない可能性を疑ってください。

一週間経っても連絡がなければ、別の手段を考え始める時期です。

自分が加入している保険にも、使えるものがないか確認してください。

人身傷害保険が付いていれば、過失割合を待たずに支払いを受けられます。

この点は、事故の直後には分かりません。保険会社とのやり取りが始まってから判明することもあります。

使えないと言われたら、自賠責への直接請求と、自分の保険の活用を検討することになります。

あわせて、車の所有者への請求も忘れないでください。保険が使えないからこそ、請求先を広げる意味があります。

親に資力があれば、そこから回収できる可能性が出てきます。

学生本人に請求するより、はるかに現実的です。

どちらにも請求できますので、両方を視野に入れて進めてください。

まとめて交渉するほうが、話が早く進みます。

個別に進めると、互いに押しつけ合って止まります。

窓口を一本化するよう、こちらから求めて構いません。

誰が代表して対応するのかを、はっきりさせてください。

無免許・無断運転だった場合

事情が複雑になります。

無免許でも自賠責は使える

自賠責は、被害者を保護するための仕組みです。加害者が無免許だったからといって、支払われないということはありません。

任意保険についても、対人賠償は支払われるのが通常です。無免許を理由に免責とする定めは、対人賠償には置かれていないのが一般的です。

自分のケガや車の損害については支払われませんが、それは加害者側の問題です。

被害者への賠償が止まるわけではない、という点を押さえておいてください。

無免許だったと聞くと不安になりますが、こちらの補償には直結しません。

むしろ、慰謝料の増額を主張する材料になります。

悪質な運転であったことを示す事情として、記録に残ります。

こちらから主張しなければ、金額には反映されません。

相手方が自発的に上乗せしてくることは、まずありません。

記録を取り寄せ、事情を示して交渉することになります。

無断で車を持ち出していた場合

親に無断で車を使った、友人の車を勝手に運転した。こうした事案では、所有者が責任を負うかが争点になります。

鍵の管理が甘かった、日ごろから使うことを黙認していた。こうした事情があれば、所有者にも請求できる余地があります。

「無断だった」という説明をそのまま受け入れないでください。実際には黙認していた、という事案も少なくありません。

普段から運転させていたのか、鍵はどこに置いていたのか。事実を確かめてください。

刑事の記録に、この点についての供述が残っていることがあります。

取り寄せる方法を、家庭裁判所に確認してみてください。

閲覧できる範囲には限りがありますが、事故の状況は確認できます。

過失割合を争う場面で、この資料が効いてきます。

逆に、鍵を厳重に管理していた、明確に禁じていたという事情が認められれば、所有者は免れることもあります。

その場合でも、自賠責からの支払いは受けられます。

運転していた本人への請求も、当然に残ります。

盗難車だった場合

所有者に落ち度がなければ、責任を問うのは困難です。この場合、政府が運営する保障の制度を検討することになります。

窓口は損害保険会社です。自分が加入している人身傷害保険も、あわせて確認してください。

盗難の事案は、回収が最も難しい類型です。自分の備えが頼りになります。

確認しておきたい事項

  • 車検証に記載された所有者は誰か
  • 加害者が加入している任意保険の有無と、年齢条件
  • 加害者が同居している家族と、その職業
  • 運転の目的。通学か、業務か、私用か
  • 免許を取得していたか、条件違反はなかったか
  • 車を使うことを家族が知っていたか

交通事故証明書と、警察から得られる情報で多くは確認できます。分からない部分は、相手方の保険会社に尋ねてください。

保険が使えないと言われた段階で、これらを一つずつ確認する作業に入ります。

一人で進めるのが難しければ、この段階で相談してください。

少年審判という手続き

刑事の面では、成人と扱いが変わります。

加害者が二十歳未満であれば、原則として家庭裁判所に送られます。成人のような刑事裁判は開かれず、少年審判という手続きで処遇が決まります。

処罰ではなく、立ち直りを支えることを目的とした制度です。被害を受けた側からすると、物足りなく感じる場面もあります。

それでも、賠償の請求は別に進められます。刑事の結果に左右されません。

審判で決まること

保護観察、少年院への送致、あるいは処分をしないという判断。刑罰ではなく、立ち直りを目的とした処遇が選ばれます。

ただし、事案が重大であれば、検察官に送り返されて通常の刑事裁判になることもあります。死亡事故や、悪質な運転による事故では、この扱いが検討されます。

飲酒運転や無免許運転が絡んでいれば、なおさらです。

その場合、成人と同じ刑事裁判が開かれることになります。

十八歳・十九歳の扱い

この年齢層については、原則として検察官に送り返される範囲が広げられています。重い罪にあたる事案では、成人と同様の手続きに進む可能性が高くなります。

制度の見直しによって、この年齢層の扱いは以前より厳しくなっています。

十八歳以上であれば、実名で報じられる場合もあります。

とはいえ、被害者にとって重要なのは賠償が受けられるかどうかです。

刑事の結果と賠償は、別に進むものだと整理しておいてください。

処分が軽くても、請求できる額が減るわけではありません。

納得しにくいところですが、制度の目的が違うためです。

金額の交渉は、刑事の結果を待たずに進められます。

非公開であること

少年審判は、原則として公開されません。傍聴できる場合もありますが、限られています。

成人の刑事裁判のように、誰でも法廷で様子を見られるわけではないという点は、押さえておいてください。

加害者の更生を妨げないための配慮ですが、被害者にとっては情報が入りにくい仕組みでもあります。

被害者が関われる場面

手続きが非公開であっても、まったく関われないわけではありません。

記録を閲覧したり、写しを取ったりできる制度があります。事故の状況について、どういう認定がされたのかを確認できます。

意見を述べる機会も設けられています。被害を受けた側の心情を、家庭裁判所に伝えることができます。

審判の結果を知らせてもらう仕組みもあります。申し出ておけば、どういう処遇になったかが通知されます。

一定の事案では、審判の傍聴が認められることもあります。

いずれも、申し出が必要な制度です。担当の家庭裁判所に確認してください。

期間が定められているものもありますので、早めに問い合わせてください。何も言わなければ、こちらには何も届きません。

加害者側の家族と直接やり取りするとき

保険が使えない事案では、この場面が生じます。

感情の整理を先にする

相手の親が謝罪に来る、あるいは逆に責任を認めない。どちらの展開もあり得ます。

賠償の交渉と、謝罪を受け入れるかどうかは別のものです。切り分けて考えてください。

顔を合わせたくないのなら、応じなくてよいのです。断ったからといって、受け取れる額が減ることはありません。

時間が経ってから気持ちが変わることもあります。そのときに応じるという進め方でも構いません。

金額をその場で決めない

治療が終わっていない段階では、損害の全体が固まっていません。その場で額を約束すると、後から追加を求めるのが難しくなります。

「治療が終わってから改めて」と伝えれば足ります。

それで角が立つことはありません。むしろ、双方にとって安全な進め方です。

やり取りを記録に残す

誰と、いつ、何を話したか。書面での取り決めがない状態では、記憶だけが頼りになります。

支払いの約束を取り付けたなら、必ず書面にしてください。いくら払うのか、いつまでに払うのか、どういう方法で払うのか。分割払いにするのであれば、支払いが止まった場合の扱いまで決めておいてください。

額が大きいのであれば、公正証書にしておく方法もあります。

代理人を立てるという選択

相手が未成年で、その親と直接交渉する。これは精神的な負担が大きい作業です。

弁護士費用特約があれば、費用の心配なく任せられます。本人の契約に付いていなくても、同居している家族の保険から使えるのが通例です。

付いていないか、まず確認してみてください。あるとないとでは、進め方がまるで変わります。

示談の進め方

交渉の相手が誰になるかを、最初に確認してください。

  1. 加害者が加入している保険会社を確認する
  2. 年齢条件の特約に引っかからないかを確認する
  3. 車の所有者が誰かを確認する
  4. 業務中の事故だったかを確認する
  5. 保険が使えない場合、誰に請求するかを決める
  6. 交渉の窓口を一本化する

保険が使えるのであれば、以後のやり取りは担当者と進めることになります。加害者本人や親と直接話す必要はありません。

感情的なやり取りを避けられる点でも、保険が使える事案のほうが進めやすくなります。

保険が使えない場合は、本人と親、所有者のうち誰に請求するかを決めます。複数に請求する場合も、まとめて交渉するのが効率的です。

個別に進めると、互いに責任を押しつけ合って話が止まります。

刑事の手続きとの関係

加害者側は、審判の前に示談を成立させたいと考えます。処遇が軽くなる可能性があるためです。

その都合に付き合う義務は、こちらにはありません。提示された額に納得がいかなければ、断って差し支えありません。

逆に、早期に解決したいのであれば、この時期は交渉が進みやすいともいえます。

相手方が譲歩しやすい時期である、という見方もできます。

提示額を確認する

加害者が未成年だからといって、金額が下がるわけではありません。算定の枠組みは、成人が加害者の場合とまったく同じです。

相手方が使う基準は、裁判で用いられる水準より低く設定されているのが通例です。提示を受け取ったら、どの基準にもとづく計算なのかを確かめてください。

通院が長期に及んでいる事案では、基準の違いによる差が大きくなります。

時効に気をつける

請求には期間の定めがあります。

誰が加害者かを知り、どれだけの損害を受けたかを把握した時点から、期間の計算が始まります。それを過ぎれば請求できなくなります。自賠責への請求にも、別途の期限が設けられています。

後遺障害が残る事案では、症状固定と判断された日を起算点とする扱いもあります。治療が長引くと、意識しないうちに期限が迫ります。

審判の結果を待ってから交渉に入る、という進め方もありますが、待っているうちに期限が近づくことがあります。

複数の相手に請求する場合、それぞれについて期間を意識しておく必要があります。

被害者側が確認しておくこと

整理しておきます。

事故の直後

加害者の氏名と生年月日、連絡先。保護者の連絡先も聞いておいてください。若い加害者は動揺していることが多く、後から連絡が取れなくなることがあります。

車のナンバーと、車検証に記載された所有者も確認してください。

所有者が別人であれば、請求先が一つ増えます。

保険の状況

自賠責はもちろん、任意保険の有無を確かめます。加入していても、年齢条件で使えないことがありますので、この点まで踏み込んで確認してください。

「保険に入っている」という言葉だけを信じず、保険会社から連絡が来るかどうかで判断してください。

数日待っても連絡がなければ、こちらから確認したほうが確実です。

運転の背景

通学の途中だったのか、アルバイト中だったのか、遊びに行く途中だったのか。業務中であれば、勤務先にも請求できます。

免許を持っていたか、条件違反はなかったか。この点も、増額を主張する材料になり得ます。

無免許や飲酒が絡んでいれば、通常の算定を超える額を求める余地が生じます。

刑事の進み具合

家庭裁判所に送られたのか、検察官に送り返されたのか。審判はいつ開かれるのか。担当の窓口に問い合わせてください。

記録を取り寄せられれば、事故の状況について詳しい認定が分かります。過失割合を争う場面で使えます。

少年審判は非公開ですが、被害者が記録を閲覧する制度は用意されています。

成人が加害者の場合との違い

まとめておきます。

賠償の面はほぼ同じ

算定の枠組みも、請求できる費目も変わりません。保険から支払われる点も同じです。

年齢を理由に金額が下がることはありませんし、逆に上がることもありません。

相手が学生だからと遠慮する必要はありません。請求できるものは請求してください。

請求先が広がることがある

車の所有者が親であれば、そちらにも請求できます。成人でも同じ理屈は使えますが、未成年の場合は親名義の車を運転している事案が多いため、実際に問題になる頻度が高くなります。

車検証の名義を確認するだけの作業ですので、忘れずに行ってください。

保険が使えない可能性がある

年齢を限定する特約が、最も注意すべき点です。成人の事案ではあまり生じない落とし穴です。

この場合、回収の道筋を自分で組み立てることになります。

自賠責、車の所有者、自分の保険。使えるものを一つずつ確認してください。

刑事の手続きが違う

家庭裁判所での少年審判になり、非公開で進みます。成人の刑事裁判のように傍聴できるわけではありません。

ただし、被害者が関われる制度は用意されています。申し出なければ何も届きませんので、希望するなら早めに伝えてください。

知りたくないという選択も、当然あります。関わることが負担であれば、無理をする必要はありません。

よくある質問

加害者が未成年でも賠償を請求できますか

できます。車やバイクによる事故なら、通常は保険から支払われます。加害者本人に資力があるかどうかが問題になる場面は、多くありません。

親に請求できますか

できる場合があります。監督の落ち度を理由とする道のほか、車の所有者としての責任を問う道があります。親名義の車を運転していたのであれば、後者のほうが主張しやすくなります。

保険が使えないと言われました

年齢を限定する特約に引っかかっている可能性があります。この場合、自賠責への直接請求と、自分が加入している保険の活用を検討してください。加害者本人や車の所有者への請求も並行して進めます。

無免許運転でした。保険は使えますか

自賠責は使えます。任意保険の対人賠償も、支払われるのが通例です。無免許であることを理由に支払わないという定めは、対人賠償には設けられていないのが一般的だからです。

加害者はどういう処分を受けますか

二十歳未満であれば、原則として家庭裁判所に送られ、少年審判で処遇が決まります。保護観察や少年院への送致などです。ただし、重大な事案では検察官に送り返され、通常の刑事裁判になることもあります。

審判を傍聴できますか

少年審判は原則として非公開です。一定の事案では傍聴が認められることもありますが、限られています。記録の閲覧や意見を述べる制度は用意されていますので、家庭裁判所に確認してください。

処分の結果を知ることはできますか

できます。申し出ておけば、どういう処遇になったかを通知してもらえます。手続きの窓口は家庭裁判所です。

相手の親が「うちは関係ない」と言っています

車の名義が親であれば、その主張は通りません。自動車を自分のために走らせている立場にある人は、運転していなくても責任を負うとされているためです。車検証を確認してください。

名義だけ貸していたという説明がなされることもありますが、簡単には認められません。保険の契約者や駐車場の契約から判断されます。

加害者が高校生です。親に請求できますか

できる余地があります。車の所有者が親であれば、その立場から請求できます。監督の落ち度を理由とする道もありますが、そちらは証明が難しくなります。まず名義を確認してください。

無免許だと知りながら使わせていたといった事情があれば、監督の落ち度を主張する余地も出てきます。

審判の結果に納得できません

少年審判は処罰ではなく、立ち直りを支えることを目的とした手続きです。被害を受けた側からすると物足りなく感じる場面もありますが、賠償の請求はこれとは別に進められます。意見を述べる制度も用意されていますので、家庭裁判所に相談してください。

記録の閲覧や、結果の通知を受ける制度もあります。

示談を急かされています

加害者の側は審判が開かれる前にまとめたいと考えますが、それに付き合う必要はありません。額に納得がいかないなら、応じないという選択ができます。算定の枠組みは、成人が加害者の場合と同じです。

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