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親が亡くなり、遺産を整理していたら、株式が出てきた。あるいは、亡くなった方が会社を経営していて、その会社の株式を引き継ぐことになった。そんなとき、株式はどうやって相続すればよいのか、戸惑う方は少なくありません。預貯金や不動産とは違い、株式の相続には、独特の手続きや評価の難しさがあります。とくに、上場している株式か、そうでない株式かによって、進め方は大きく変わります。
あなたが相続する株式は、どちらでしょうか。証券会社から取引の通知が届いているなら、上場株式である可能性が高いといえます。郵便物は、株式の種類を見分ける、わかりやすい手がかりになります。一方、亡くなった方が会社を経営していて、その会社の株式を持っていたのであれば、それは非上場株式です。この二つは、同じ株式でも、まるで別物といってよいほど、手続きの難しさが異なります。まずは、自分が向き合う株式がどちらなのかを、はっきりさせておきましょう。それによって、これから何をすべきかが見えてきます。まずは種類の確認から、落ち着いて取りかかりましょう。
この記事では、株式を相続することになったとき、どんな手続きが必要になるのか、上場株式と非上場株式で何が違うのか、評価や遺産分割はどう考えればよいのかを、弁護士の視点でわかりやすく整理していきます。株価や税額といった具体的な数字は、銘柄や時期、評価の方法によって大きく変わるため、ここでは金額ではなく、手続きと考え方の流れに重点を置いてお伝えします。読み終えるころには、株式相続の全体像が、きっとつかめているはずです。
株式の相続は、預貯金や不動産にくらべて、なじみの薄い手続きかもしれません。とくに、株式に触れたことのない方にとっては、専門用語も多く、難しく感じられるでしょう。けれども、一つずつ順を追って理解していけば、決して手に負えないものではありません。できるだけかみくだいて説明していきますので、どうか身構えずに読み進めてください。まずは大きな流れをつかむことから始めましょう。全体像が頭に入っていれば、個々の手続きで迷ったときも、立ち返る軸ができます。
株式の相続で大切なのは、あわてて手続きを進めるのではなく、まず自分が引き継ぐ株式が、どういう性質のものかを見極めることです。すべては、その見極めから始まります。上場株式なのか、非上場株式なのか。それによって、必要な手間も、注意すべき点も、大きく変わってきます。性質を取り違えたまま進めると、思わぬところでつまずきかねません。まずは落ち着いて、株式の種類を確認することから始めましょう。それが、スムーズな相続への第一歩になります。あわてず、一つずつ確かめていけば、必ず道は開けます。
株式の相続の全体像
まず、株式の相続が、ほかの財産とどう違うのかを押さえておきましょう。株式は、それ自体が財産としての価値を持つと同時に、会社の所有者としての権利でもある、という二面性があります。お金としての顔と、会社のオーナーとしての顔。この二つをあわせ持つのが株式です。ここが、預貯金などとは異なる、株式ならではの特徴です。
たとえば、預貯金であれば、口座にいくらあるかが、はっきりしています。ところが株式は、その日その日で価値が変わったり、市場で取引されていない場合は、そもそも価値を計算しなければならなかったりします。さらに、会社の株式を多く持っていれば、その会社の経営に口を出せる立場にもなります。単なるお金とは違う、こうした性質が、株式の相続を少し複雑にしているのです。この複雑さを理解しておくだけでも、心の準備になります。だからこそ、その特徴を理解しておくことが大切になります。性質を知らずに進めると、思わぬところで足をすくわれることがあるからです。
株式の相続で、まず大きく分かれるのが、上場株式か、非上場株式か、という点です。上場株式とは、証券取引所で売買されている、いわゆる市場に出ている株式です。一方、非上場株式とは、市場で取引されていない株式で、多くは中小企業のオーナーが持つ自社株などがこれにあたります。この二つは、評価のしかたも、手続きの進め方も、大きく異なります。
同じ「株式」という言葉でくくられていても、上場株式と非上場株式は、まったく性質の異なるものだと考えたほうがよいでしょう。上場株式は、市場という公の場で値段がつき、誰でも売買できます。一方、非上場株式は、限られた人の間でのみ持たれ、その価値も外からは見えにくいものです。この違いが、相続の手続きの難しさを、大きく左右します。自分の相続する株式がどちらなのかで、心構えも変わってくるのです。
株式を相続する流れは、おおまかにいえば、まず株式の存在を確認し、その価値を評価し、誰が引き継ぐかを決め、名義を変更する、という順序になります。預貯金のように、ただ金額が決まっているわけではなく、価値の評価という、ひと手間が必要になるのが、株式相続の特徴です。この評価というステップがあるために、株式の相続は、ほかの財産より時間がかかりやすいのです。一つずつ、順を追って見ていきましょう。
株式相続でつまずきやすいのは、この「価値の評価」と、「誰が引き継ぐか」という二つの場面です。上場株式なら評価は比較的簡単ですが、非上場株式となると、評価そのものが大きな課題になります。また、会社を引き継ぐ人がいる場合は、株式を誰にどう集めるかが、その後の経営を左右します。これらの場面を意識しながら読み進めると、自分のケースで何が問題になりそうかが、見えてくるはずです。問題の所在が早めに分かれば、それだけ対策も立てやすくなります。
上場株式の相続手続きの流れ
まずは、比較的わかりやすい、上場株式の相続から見ていきましょう。上場株式は、市場で価格がついているため、価値の把握がしやすく、手続きの流れも、ある程度決まっています。値段が市場で公になっているぶん、もめる余地も少なく、比較的すんなり進みます。価値が誰の目にも明らかなので、評価をめぐる争いが起きにくいのです。手続きの面でも、証券会社が窓口となって案内してくれるため、相続人の負担は比較的軽くてすみます。
上場株式は、証券会社や信託銀行の口座で管理されているのが一般的です。そのため、まずは亡くなった方がどの証券会社などに口座を持っていたかを確認し、その会社に連絡することから始まります。亡くなったことを伝えると、相続の手続きに必要な書類を案内してもらえます。
どの証券会社に口座があるか分からない場合でも、調べる方法はあります。亡くなった方あてに届く取引報告書や、配当の通知といった郵便物が、有力な手がかりになります。また、後ほど触れますが、株式の管理を一元的に行っている機関に問い合わせて、口座の開設先を調べることもできます。まずは、亡くなった方の郵便物や、書類のなかから、証券会社との取引をうかがわせるものがないか、探してみるとよいでしょう。通帳の入出金記録に、証券会社とのやり取りが残っていることもあります。手がかりは、意外と身近なところにあるものです。
手続きの基本的な流れは、次のようになります。相続人を確定し、誰がその株式を引き継ぐかを決め、必要な書類をそろえて、証券会社などに提出します。すると、亡くなった方の口座から、株式を引き継ぐ相続人の口座へと、株式が移されます。なお、相続した株式を受け取るには、相続人自身も、その証券会社に口座を持っている必要があるのが一般的です。
ここで、意外と知られていない点があります。それは、亡くなった方の口座にある株式を、相続人がそのまま現金で受け取れるわけではない、ということです。原則として、株式は株式のまま、相続人の口座へと移されます。いったん株式として受け取ったうえで、その後どうするかを考える流れになります。そのため、相続人が同じ証券会社に口座を持っていない場合は、まず口座を開設するところから始めることになります。株式を売って現金にしたい場合は、自分の口座に移したうえで、改めて売却の手続きをする、という流れになるのが一般的です。ひと手間かかりますが、これが基本の段取りです。
上場株式の相続で必要になる書類
上場株式の相続手続きでは、いくつかの書類が必要になります。事前に何が必要かを知っておくと、手続きをスムーズに進められます。一般的に求められる書類を、整理しておきましょう。
| 書類の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 亡くなった方の戸籍 | 出生から死亡までの一連の戸籍で、相続人を確定するために使います |
| 相続人の戸籍 | 相続人であることを証明するための戸籍です |
| 遺産分割協議書など | 誰がその株式を引き継ぐかを示す書類です |
| 相続人の印鑑証明書 | 手続きに用いる実印が本物であることを証明します |
これらは、あくまで一般的な例です。必要な書類は、証券会社や、相続の状況によって異なることがあります。遺言がある場合と、遺産分割協議による場合とでも、必要な書類は変わってきます。実際に手続きを進める際は、その証券会社などに、必要書類を確認してから準備するのが確実です。
書類の準備で、とくに手間がかかるのが、亡くなった方の戸籍を集める作業です。相続人を確定するためには、亡くなった方の出生から死亡までの、すべての戸籍をたどる必要があります。本籍地を何度も移している場合は、その分、複数の役所に請求しなければならず、思いのほか時間がかかることもあります。手続きを急ぐ場合は、この戸籍集めから、早めに取りかかっておくとよいでしょう。戸籍がそろわなければ、その先の手続きはどこにも進めないからです。専門家に代行を依頼することもできます。
非上場株式の相続手続きの流れ
次に、非上場株式の相続です。こちらは、上場株式にくらべて、手続きも評価も格段に複雑になります。とくに、亡くなった方が経営していた会社の株式を引き継ぐ場合などは、慎重な対応が求められます。
非上場株式は、市場で取引されていないため、まずその株式が存在することや、何株あるのかを、その会社に確認する必要があります。会社の株主名簿などで、亡くなった方が株主であったことを確かめます。家族が、亡くなった方の持っていた株式の存在を、まったく知らなかった、というケースもあります。
非上場株式は、上場株式のように、証券会社から定期的に通知が届くわけではありません。そのため、家族がその存在に気づきにくい、という難しさがあります。通知がない以上、自分から探しにいかなければ、見つけられないのです。たとえば、亡くなった方が、かつて知人の会社の設立に出資していて、その株式を持ったままになっていた、というようなケースです。こうした株式は、見落とされたまま放置されることもあります。亡くなった方が、どこかの会社の株主になっていなかったか、心当たりがあれば確認しておくことが大切です。生前の会話の中に、ヒントが隠れていることもあります。
非上場株式の相続では、その会社の経営に関わる問題も絡んできます。たとえば、株式を複数の相続人で分けると、会社の意思決定が滞ってしまうことがあります。誰がどれだけ株式を引き継ぐかは、会社の今後の経営を左右する、重要な問題なのです。そのため、非上場株式の相続は、単なる財産分けにとどまらず、事業の承継という観点からも、考える必要があります。
とくに、亡くなった方がオーナー社長だった場合、その自社株を誰が引き継ぐかは、会社の存続そのものに関わります。経営を引き継ぐ後継者に株式が集まらなければ、その後継者は、会社の重要な決定を、思うように進められません。相続人が複数いて、株式がばらばらに分かれてしまうと、会社の経営が不安定になり、最悪の場合、事業が立ち行かなくなることもあります。だからこそ、非上場株式の相続では、財産としての側面と、経営の側面の、両方に目を配る必要があるのです。どちらか一方だけを見ていては、適切な解決にはたどり着けません。
非上場株式の評価の考え方
非上場株式の相続で、もっとも難しいのが、その株式の価値をどう評価するか、という問題です。上場株式のように市場価格がないため、評価には専門的な計算が必要になります。ここでは、具体的な計算方法ではなく、評価の考え方をお伝えします。
非上場株式の評価は、その会社の規模や、相続する人の立場などによって、いくつかの方法が使い分けられます。たとえば、会社の財産の状況をもとに評価する考え方や、同じような業種の会社と比べて評価する考え方、会社が生み出す利益や配当をもとに評価する考え方などがあります。どの方法が使われるかによって、評価額は変わってきます。
なぜ、いくつもの評価方法があるのかというと、会社の実態が、それぞれ大きく異なるからです。大きな会社と小さな会社、利益を上げている会社とそうでない会社を、同じものさしで測ることはできません。また、会社を支配できるだけの株式を持つ人と、ごくわずかしか持たない人とでは、その株式が持つ意味も違います。こうした事情を踏まえて、その株式にふさわしい評価方法が選ばれるのです。専門的な判断が必要になるのは、このためです。なお、評価の方法によって株式の価値が変わると、それにともなって相続税の額も変わります。同じ株式でも、どう評価するかで、納める税が違ってくるのです。だからこそ、評価は慎重に、かつ適正に行う必要があります。安易な評価は、後の税務上の問題につながりかねません。
この評価は、非常に専門的で、相続人が自分で正確に行うのは困難です。評価の方法を誤ると、相続税の計算にも影響し、後で問題になることもあります。非上場株式が遺産に含まれる場合は、早い段階で、税理士などの専門家に評価を依頼するのが確実です。正しい評価は、適正な相続税の申告や、公平な遺産分割の土台になります。評価が正確であってこそ、その先のすべての手続きが、正しく成り立つのです。
評価額が定まらないと、遺産分割の話し合いも前に進みません。なぜなら、その株式がいくらなのかが分からなければ、ほかの財産との兼ね合いで、誰がどれだけ受け取るのが公平か、判断できないからです。株式の評価は、いわば遺産分割の土台となる作業です。土台があいまいなままでは、その上に積み上げる話し合いも、ぐらついてしまいます。だからこそ、専門家による正確な評価を、早い段階で得ておくことが、円満な相続への近道になるのです。
株式の遺産分割の方法
株式を、複数の相続人でどう分けるか。これも、株式相続で悩ましい問題の一つです。株式の分け方には、いくつかの方法があり、状況に応じて選ぶことになります。代表的な分け方を見ていきましょう。
- 株式そのものを、相続人それぞれの取り分に応じて分け合う方法
- 一人の相続人が株式をすべて引き継ぎ、ほかの相続人にはその分の金銭を渡す方法
- 株式を売却して、その代金を相続人で分ける方法
どの方法が適しているかは、株式の種類や、相続人の事情によって変わります。たとえば、非上場株式で、会社の経営を引き継ぐ人がいる場合は、その人が株式を集中して引き継ぎ、ほかの相続人には金銭で調整する、という方法がよく検討されます。一方、上場株式であれば、売却して代金を分けることも、比較的容易です。市場でいつでも売れるため、現金に換えて公平に分ける、という方法がとりやすいのです。それぞれの長所と短所を踏まえて、相続人みんなが納得できる方法を選ぶことが大切です。
それぞれの方法には、利点とともに、注意すべき点もあります。株式をそのまま分け合う方法は、一見、公平に思えますが、非上場株式の場合、会社の経営が不安定になるおそれがあります。一人が引き継いで金銭で調整する方法は、経営の安定にはよいのですが、引き継ぐ人に、ほかの相続人へ支払うだけの資金が必要になります。手元にまとまった資金がなければ、この方法をとるのは難しくなります。そのため、生命保険などを活用して、あらかじめ支払いの原資を準備しておく、という工夫がとられることもあります。売却して分ける方法は、すっきりしていますが、思い入れのある会社の株式を手放すことになる場合もあります。どれを選ぶにも、一長一短があることを理解しておきましょう。
株式相続でよくあるトラブル
株式の相続は、ほかの財産にくらべて、トラブルが起きやすい面があります。どんな問題が起こりやすいかを知っておくと、あらかじめ備えることができます。代表的なトラブルを見ておきましょう。
まず多いのが、株式の評価をめぐる対立です。とくに非上場株式は、評価の方法によって価値が変わるため、引き継ぐ人は低く、ほかの相続人は高く評価したい、と利害が対立しがちです。評価額が変われば、ほかの相続人が受け取る金銭の額も変わるため、もめやすいのです。
この評価をめぐる対立は、非上場株式の相続で、もっともこじれやすい問題の一つです。引き継ぐ側は、支払う金銭を抑えたいので、株式を低く評価したい。少しでも負担を軽くしたいというのが、引き継ぐ側の本音です。ほかの相続人は、より多く受け取りたいので、高く評価したい。立場が正反対なだけに、当事者だけで折り合いをつけるのは、容易ではありません。こうした場合は、中立的な専門家に評価を委ね、その客観的な評価をもとに話し合うのが、解決への近道になります。感情的な対立を避けるためにも、第三者の力が役立ちます。当事者だけでは冷静になれない場面でこそ、中立の存在が頼りになります。
次に、非上場株式が複数の相続人に分散してしまい、会社の経営が不安定になるケースです。株式が分かれると、会社の重要な決定をするのに、相続人どうしの足並みをそろえる必要が生じます。意見が対立すれば、会社の運営が立ち行かなくなることもあります。一人でも反対すれば、重要な決定が前に進まなくなる、ということも起こり得ます。会社にとって、株式の分散は、それほど重い問題なのです。こうしたトラブルを避けるためにも、株式相続は、早めに専門家へ相談し、計画的に進めることが望ましいといえます。
株式相続のトラブルは、いったんこじれると、解決まで長い時間がかかることが少なくありません。とくに、会社の経営が絡む非上場株式の場合、相続人どうしの争いが、そのまま会社の混乱に直結します。従業員や取引先にまで、影響がおよぶこともあるのです。一つの相続のもつれが、会社全体を揺るがしかねないということです。それだけに、株式相続は慎重に進めたいものです。拙速は禁物だと心得ておきましょう。だからこそ、後継者がはっきりしている会社では、生前のうちから、株式を計画的に引き継ぐ準備をしておくことが望まれます。遺言などを活用すれば、相続のときの混乱を、大きく減らすことができます。こうした事態を防ぐには、問題が大きくなる前に、専門家の助言を得ながら、計画的に進めることが何より大切です。早めの備えが、争いの芽を摘むことにつながります。
株式相続に関するよくある質問
株式相続を進めるときの基本ステップ
株式の相続は、順序立てて進めることが大切です。おおまかに、次のような流れで取りかかると、迷いにくくなります。
- まず、亡くなった方がどんな株式を持っていたかを調べます。上場株式は証券会社、非上場株式はその会社に確認します。
- 次に、株式の価値を把握します。上場株式は市場価格を、非上場株式は専門家に評価を依頼します。
- 誰がどの株式をどれだけ引き継ぐかを、ほかの相続人と話し合って決めます。
- 必要な書類をそろえ、名義変更などの手続きを進めます。複雑な場合は専門家に任せます。
この流れを意識しておくと、何から手をつければよいかが見えてきます。まずは株式の調査から始めるのが、確実な第一歩です。土台がしっかりしていれば、その後の手続きも安心して進められます。急がば回れで、最初の調査を丁寧に行うことが、結局は近道になります。
このステップのなかでも、とくに時間がかかりやすいのが、二番目の評価と、三番目の遺産分割です。非上場株式の評価には専門家の手を借りる必要がありますし、誰が引き継ぐかの話し合いも、相続人の事情によっては難航します。逆に言えば、この二つを早めに動かしておけば、全体がスムーズに進みます。最初の調査をていねいに行い、評価と話し合いに早く着手すること。これが、株式相続を滞りなく進めるこつだといえます。
亡くなった方の株式の有無は、どう調べますか
上場株式であれば、亡くなった方あての証券会社や信託銀行からの郵便物が手がかりになります。取引の報告書や配当の通知などが届いていないか、確認してみましょう。それでも分からない場合は、証券保管振替機構という機関に問い合わせて、口座の開設先を調べる方法もあります。この機関は、株式の管理を一手に担っているため、どの証券会社に口座があるかを照会できます。非上場株式の場合は、その会社に直接問い合わせて、株主であったかどうかを確認します。
非上場株式の調査では、その会社の協力が欠かせません。会社には、株主が誰であるかを記録した株主名簿があり、そこで亡くなった方が株主であったかを確認できます。ただし、会社との関係によっては、すんなりと情報を得られないこともあります。とくに、相続人と会社の経営陣との間に対立がある場合などは、調査が難航することもあります。そうした場合は、専門家を通じて、適切な手続きで情報を求めていくことになります。正当な権利にもとづく請求であれば、会社も無視することはできません。一人で抱え込まず、早めに相談するとよいでしょう。
株式を相続したら、必ず確定申告が必要ですか
株式を相続して、名義を変更しただけであれば、相続したこと自体で、すぐに所得税の確定申告が必要になるわけではありません。ただし、相続した株式を売却して利益が出た場合や、相続した後に配当を受け取った場合には、確定申告が必要になることがあります。株式を持ち続けるだけなのか、売ったり配当を得たりするのかで、税の扱いが変わってきます。自分がどう株式を扱うつもりなのかによって、必要な手続きも変わるということです。また、亡くなった方に申告が必要な所得があった場合は、相続人が準確定申告を行う必要があります。亡くなった方の生前の所得についても、相続人が代わりに申告する場面があるのです。この準確定申告にも期限があるため、早めの確認が欠かせません。判断に迷う場合は、税の専門家に確認するとよいでしょう。税の取り扱いは細かく定められているため、思い込みで進めず、確認を取るのが安全です。
非上場株式の相続は、自分だけで進められますか
正直に申し上げると、非上場株式の相続を、相続人だけで進めるのは、かなり難しいといえます。これは、けっして大げさな話ではありません。実際に、非上場株式の相続を独力で進めようとして、行き詰まる例は後を絶ちません。株式の評価が専門的であることに加え、会社の経営や、ほかの相続人との調整など、考えるべきことが多岐にわたるからです。いくつもの難しい論点が、同時に絡み合ってくるのです。判断を誤ると、後で大きなトラブルや、思わぬ税負担を招くこともあります。よかれと思って進めたことが、かえって事態を悪くする、ということも起こり得ます。非上場株式が遺産に含まれる場合は、早い段階で、相続にくわしい弁護士や税理士に相談することを、強くおすすめします。早く動くほど、選べる手立ても多くなります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りてください。
とくに、非上場株式の相続では、弁護士と税理士、それぞれの専門家が力を発揮する場面があります。株式の評価や相続税の申告については税理士が、相続人どうしの調整や、会社の経営に関わる法律問題については弁護士が、それぞれ得意とするところです。両者が連携して対応することで、財産と経営の両面から、適切な解決を図れます。複雑な株式相続だからこそ、専門家の力を上手に借りることが、円満で確実な解決への近道になるのです。費用はかかりますが、自己流で進めて後で大きな損失を被ることを思えば、専門家への相談は、むしろ確かな備えだといえます。目先の出費を惜しんで、大きな損をしては元も子もありません。とくに会社の経営が関わる場合は、なおさらです。
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基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
