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遺産相続とは|相続人・相続分・手続きの基本

遺産相続とは|相続人・相続分・手続きの基本

この記事で分かること

  • 誰が相続人になるのか
  • 法定相続分の目安
  • 相続するプラスとマイナスの財産
  • 相続の三つの方法
  • 手続きの流れと期限の注意点

遺産相続とは、亡くなった人の財産を、残された相続人が引き継ぐことです。この記事では、配偶者と順位で決まる相続人、組み合わせで変わる法定相続分、プラスとマイナスの財産、単純承認や相続放棄など三つの相続の方法、相続人の確定から名義変更までの手続きの流れ、相続放棄や名義変更などの期限までを具体的に整理して理解でき、はじめての方でも自分が何をすべきかがはっきり見えてきます。

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遺産相続とは?まず知っておきたい基本

家族が亡くなり、はじめて相続というものに向き合う。多くの方にとって、それは突然訪れる、慣れない出来事です。何から手をつければよいのか、自分は何をすればよいのか、戸惑うのも当然のことです。あなたも、相続について基本から知りたくて、このページを開いたのかもしれません。

遺産相続とは、亡くなった人の財産を、残された人が引き継ぐことをいいます。亡くなった人を被相続人、財産を引き継ぐ人を相続人と呼びます。相続では、誰が相続人になるのか、どれだけ引き継ぐのか、何を引き継ぐのか、そしてどのような手続きが必要なのかが、問題になります。

この記事では、遺産相続の全体像を、弁護士の視点でわかりやすく整理していきます。相続人になる人、相続できる割合、相続する財産、相続の方法、そして手続きの流れまで、はじめての方にもわかるように、順を追って説明します。まずは大きな流れをつかむことが、相続を進めるうえでの第一歩になります。落ち着いて、ひとつずつ確認していきましょう。

相続は、人生でそう何度も経験するものではありません。だからこそ、いざ直面すると、専門用語の多さや手続きの複雑さに、頭を抱えてしまう方も少なくありません。けれども、一つひとつの要素を順番に押さえていけば、相続の全体像は、けっして理解できないものではありません。この記事では、まず大枠をつかんでいただくことを目指します。細かい部分は、それぞれの場面で改めて確認すれば十分です。なお、税額や費用といった具体的な数字は状況によって変わるため、ここでは考え方の軸を中心に説明します。

この記事では、まず誰が相続人になるのかを確認し、続いて相続できる割合、相続する財産、相続の三つの方法、そして手続きの流れや期限までを順に見ていきます。読み終えるころには、遺産相続の全体像がつかめ、自分が何をすればよいのか、その見当がつくようになっているはずです。気になるところから読み進めていただいてもかまいません。一つずつ、丁寧に確認していきましょう。

遺産相続は、誰にとっても、いつかは関わる可能性のある身近な問題です。それでいて、ふだんから準備している人は多くありません。だからこそ、いざというときに慌てないために、基本的な知識をあらかじめ持っておくことには、大きな意味があります。この記事で全体像をつかんでおけば、実際に相続に直面したときも、落ち着いて対応できるはずです。まずは大枠を、気軽な気持ちで読んでみてください。

相続は、知らないことが多いと、それだけで不安が大きくなるものです。けれども、基本の流れと、注意すべき点さえ押さえておけば、必要以上に恐れることはありません。わからないことがあれば、専門家という頼れる存在もいます。この記事を通じて、相続の全体像をつかみ、漠然とした不安を、具体的な見通しに変えていきましょう。

遺産相続は、亡くなった方が残してくれた財産を、家族が受け継ぐ大切な手続きです。正しい知識を持って、落ち着いて進めれば、必要以上に難しく考える必要はありません。一つずつ確認しながら、後悔のない相続を実現していきましょう。

この記事が、その第一歩を踏み出すための、確かな手がかりになればと思います。

誰が相続人になるのか

相続でまず確かめるべきは、誰が相続人になるのか、ということです。相続人になれる人には、決まった範囲と順位があります。

まず、亡くなった人に配偶者がいれば、その配偶者はつねに相続人になります。そのうえで、配偶者と並んで相続人になる人が、次の順位にしたがって決まります。第一順位は子です。子がいれば、子が相続人になります。子がいない場合は、第二順位である親などの直系尊属が相続人になります。子も親もいない場合は、第三順位である兄弟姉妹が相続人になります。

大切なのは、上の順位の人がいれば、下の順位の人は相続人にならないという点です。たとえば、亡くなった人に子がいれば、親や兄弟姉妹は相続人になりません。誰が相続人になるのかは、この順位を一つずつ確認していけば、見えてきます。

相続人を正しく把握することは、相続のすべての出発点になります。ここを間違えると、本来加わるべき人を抜かして話を進めてしまい、後でやり直しになることもあります。とくに、前の結婚で生まれた子がいる場合や、すでに亡くなっている相続人がいて、その子が代わりに相続する場合などは、相続人の確定が複雑になります。誰が相続人になるのかは、戸籍をたどってていねいに確認することが大切です。

戸籍の確認では、亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの、一連の戸籍をそろえる必要があります。これは、思いのほか手間のかかる作業です。引っ越しや結婚などで戸籍が移っていると、複数の役所から取り寄せなければならないこともあります。把握していなかった子が見つかる、というケースもまれにあります。相続人の確定は、相続の土台となる重要な作業ですから、漏れのないよう、慎重に進めることが大切です。

どれだけ相続できるのか

相続人が決まったら、次に気になるのが、それぞれがどれだけ相続できるのか、ということです。その目安になるのが、法定相続分です。

法定相続分とは、遺言がない場合などに、誰がどれだけ相続するかの基準として、法律が定めた割合のことです。相続人の組み合わせによって、この割合は変わります。たとえば、配偶者と子が相続人なら、配偶者が二分の一、子が全体で二分の一を受け取り、子が複数いれば、その二分の一を等しく分けます。配偶者と親などが相続人なら配偶者が三分の二、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者が四分の三、というように、組み合わせによって配偶者の取り分が変わっていきます。

ただし、これはあくまで基準です。相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる分け方をすることもできます。法定相続分は、話し合いがまとまらないときなどのよりどころになる、と理解しておきましょう。

実際の相続では、法定相続分どおりにきっちり分けることのほうが、むしろ少ないかもしれません。たとえば、自宅という分けにくい財産があるとき、それを売って現金にして分けるのではなく、誰か一人がそのまま住み続ける代わりに、ほかの相続人には別の財産を多めに渡す、といった工夫がよくなされます。法定相続分という基準を頭に置きつつ、それぞれの家庭の事情に合った分け方を、全員で話し合って決めていくことになります。

この話し合いを、遺産分割協議といいます。遺産分割協議は、相続人全員が参加して行う必要があり、一人でも欠けると、原則として有効になりません。話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書という書面にまとめます。この書面は、不動産の名義変更などの手続きでも必要になります。誰が何をどれだけ受け継ぐのかを、全員の合意のもとで、はっきりと書面に残しておくことが、後のトラブルを防ぐことにつながります。

遺産分割協議は、必ずしも全員が一か所に集まって行う必要はありません。電話や書面でやり取りしながら、最終的に全員が合意できればよいのです。遠方に住む相続人がいても、工夫しながら話し合いを進められます。大切なのは、全員が内容に納得し、合意することです。一人でも納得しないまま進めると、後で協議が無効だと争われることもあります。全員の合意という土台を、おろそかにしないようにしましょう。

何を相続するのか

相続するのは、プラスの財産だけではありません。この点を知らずにいると、思わぬ負担を背負うことになりかねません。

相続では、亡くなった人のプラスの財産と、マイナスの財産の両方を引き継ぎます。プラスの財産には、預貯金や不動産、有価証券などがあります。一方、マイナスの財産には、借入金や保証債務、未払いの税金などがあります。相続を受け入れると、原則として、プラスもマイナスもまとめて引き継ぐことになるのです。

ここで誤解しやすいのが、「プラスの財産だけ受け取って、借金は引き継がない」ということは、原則としてできない、という点です。相続を受け入れるなら、よいものも悪いものも、まとめて引き継ぐ。これが基本のルールです。だからこそ、相続するかどうかを決める前に、プラスとマイナスの両方を含めた財産の全体像を、正確につかんでおくことが何よりも重要になります。天秤にかけてはじめて、相続すべきかどうかの判断ができるからです。

調べた財産は、一覧にまとめておくことを強くおすすめします。何がどれだけあるのかを一枚の表に整理しておくと、相続するかどうかの判断がしやすくなりますし、遺産分割の話し合いもスムーズに進みます。この一覧を財産目録といいます。頭の中だけで把握しようとすると、どうしても抜けが生じます。書き出して見える形にすることが、相続を正確に進めるための基本動作になります。

財産目録は、相続人どうしで情報を共有するうえでも役立ちます。誰か一人だけが財産の状況を把握していると、ほかの相続人に不信感が生まれやすくなります。みんなが同じ一覧を見ながら話し合えば、隠し事のない、透明性のある分割につながります。手間はかかりますが、円満な相続のためにも、財産目録を作っておくことには大きな意味があるのです。

区分 主なもの
プラスの財産 預貯金、不動産、有価証券など
マイナスの財産 借入金、保証債務、未払いの税金など

とくに注意したいのが、マイナスの財産です。借金や保証債務は、本人しか把握していないことも多く、見落とされがちです。相続を進める前に、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産がないかも、しっかり確認することが大切です。

とくに気をつけたいのが、亡くなった人が誰かの借金の保証人になっていたケースです。保証債務は、ふだんは表に出てこないため、家族がその存在をまったく知らないことも少なくありません。相続した後になって、突然、見知らぬ借金の返済を求められて驚く、ということもあり得ます。こうした事態を防ぐためにも、契約書や郵便物などを手がかりに、マイナスの財産がないかを、念入りに調べておくことが大切です。

もし、調べた結果、マイナスの財産がプラスの財産を上回りそうだとわかったら、相続放棄を検討することになります。ただし、相続放棄には期限があるため、悠長に構えてはいられません。負債の心配があるときほど、急いで財産の調査を進める必要があります。マイナスの財産の確認は、単に現状を知るためだけでなく、相続するかどうかという大きな判断に直結する、重要な作業なのです。

相続の三つの方法

相続には、引き継ぎ方として三つの方法があります。プラスとマイナスの財産の状況を見て、どれを選ぶかを判断します。

  • 単純承認は、プラスもマイナスも、すべての財産を引き継ぐ方法です。
  • 相続放棄は、プラスもマイナスも、いっさいの財産を引き継がない方法です。
  • 限定承認は、プラスの財産の範囲で、マイナスの財産を引き継ぐ方法です。

たとえば、マイナスの財産がプラスの財産を上回るような場合には、相続放棄を選ぶことで、借金を引き継がずにすみます。一方、プラスの財産が多ければ、単純承認ですべてを引き継ぐのがよいでしょう。限定承認は、財産の全体像がはっきりしないときなどに使われますが、手続きが複雑な面もあります。

多くの場合、財産はプラスのほうが多いため、とくに何もせずに単純承認となり、すべてを引き継ぐことになります。問題になるのは、借金が多い、あるいは財産の全体像がよくわからない、というケースです。借金のほうが明らかに多ければ相続放棄を、プラスかマイナスか判断がつかなければ限定承認を、というように、状況に応じて選ぶことになります。どの方法が自分にとって有利かは、財産の状況をよく見て判断する必要があります。

なお、相続放棄をすると、その人ははじめから相続人でなかったものとして扱われます。その結果、ほかの相続人の取り分が増えたり、次の順位の人が新たに相続人になったりすることがあります。たとえば、子の全員が放棄すれば、親や兄弟姉妹が相続人になることもあります。自分が放棄することが、ほかの人にどう影響するのかまで考えて判断することが大切です。放棄は、自分だけの問題では終わらないことがあるのです。

ワンポイントアドバイス
相続放棄や限定承認には期限があります。マイナスの財産が心配なときは、早めに財産の全体像を把握し、どの方法を選ぶかを検討しましょう。迷ったら専門家に相談を。

遺産相続の手続きの流れ

では、実際に相続が起きたとき、どのような流れで手続きを進めるのでしょうか。大まかな流れを整理しておきましょう。

  1. 相続人を確定する。戸籍をたどって、誰が相続人になるのかを正確に把握します。
  2. 遺言があるか確認する。遺言があれば、原則としてその内容が優先されます。
  3. 相続財産を調べる。プラスの財産とマイナスの財産を、漏れなく洗い出します。
  4. 相続するかどうかを決める。単純承認、相続放棄、限定承認のいずれかを選びます。
  5. 遺産分割の話し合いをする。遺言がない場合などは、相続人全員で分け方を決めます。
  6. 名義変更や申告をする。不動産の名義変更や、必要に応じて相続税の申告を行います。

この流れの中で、とくに大切なのが、最初に相続人と相続財産をしっかり確定することです。ここがあいまいなまま進めると、後でやり直しになったり、トラブルになったりしかねません。土台をきちんと固めることが、円滑な相続につながります。

相続の手続きは、一つの流れの中で、いくつもの作業が連なっています。どれか一つでも抜けたり、順序を誤ったりすると、後の手続きに影響が及ぶこともあります。だからこそ、いきなり個別の作業に取りかかるのではなく、まず全体の流れを把握し、自分が今どの段階にいるのかを意識しながら進めることが大切です。地図を持って歩くように、全体像を頭に入れておくと、迷わずに進められます。

もっとも、すべての相続で、これらの手続きをすべて行う必要があるわけではありません。たとえば、遺言があれば遺産分割の話し合いは不要になることもありますし、財産が少なければ相続税の申告がいらないこともあります。自分のケースで、どの手続きが必要なのかを見きわめることも大切です。何が必要で何が不要かがわからないときは、専門家に相談すれば、自分に必要な手続きを整理してもらえます。

相続の手続きは、ケースによって、必要なものも、難しさもさまざまです。財産が預貯金だけのシンプルな相続もあれば、不動産や事業がからむ複雑な相続もあります。相続人が一人だけのこともあれば、何人もいて意見がまとまらないこともあります。自分の相続がどのくらいの難しさなのかを知ることが、自分で進めるか専門家に頼るかを判断する手がかりになります。複雑だと感じたら、無理をせず専門家を頼るのが賢明です。

期限のある手続きに注意

相続の手続きには、期限の定められたものがあります。これを見落とすと、思わぬ不利益を被ることがあるため、注意が必要です。

たとえば、相続放棄や限定承認は、相続が始まったことを知ってから、原則として三か月以内に手続きをする必要があります。この期間を過ぎると、原則としてすべての財産を引き継ぐ扱いになりかねません。また、相続税の申告と納税には、相続が始まったことを知った日の翌日から、一定の期限が定められています。さらに、不動産を相続したときの名義変更も、一定の期限内に行うことが義務づけられています。

これらの期限は、それぞれ意味合いが異なります。相続放棄や限定承認の期限は、相続するかどうかを決めるための期間です。相続税の申告の期限は、税金を納めるための期間です。そして名義変更の期限は、不動産の権利関係をはっきりさせるためのものです。どれも大切ですが、とくに相続放棄の期限は、過ぎてしまうと借金まで引き継ぐことになりかねないため、もっとも注意が必要だといえます。

不動産の名義変更については、近年、一定の期限内に行うことが義務づけられました。これまでは、名義を変えずに放置しても、とくに問題にならないと考える人もいましたが、今は事情が変わっています。名義変更をしないまま放置すると、世代を経るごとに相続人が増えて権利関係が複雑になり、いざ手続きをしようとしても、収拾がつかなくなることがあります。不動産を相続したら、早めに名義変更を進めることが大切です。

このように、相続には複数の期限があり、それぞれ手続きの内容も異なります。期限を過ぎてしまうと、選べたはずの選択肢を失ったり、余計な負担が生じたりすることもあります。相続が起きたら、これらの期限を意識して、早めに動き出すことが大切です。

「まだ時間がある」と思っているうちに、あっという間に期限が近づいてしまう、というのはよくあることです。大切な家族を亡くした直後は、葬儀やさまざまな手続きに追われ、相続のことまで手が回らないものです。だからこそ、少し落ち着いたら、できるだけ早く相続の全体像を把握し、何の手続きにいつまでの期限があるのかを確認しておくことをおすすめします。早めに動くことが、後悔を防ぐ何よりの備えになります。

期限のある手続きを見落とさないためには、相続が起きたら、まず何にどんな期限があるのかを一度書き出して整理しておくとよいでしょう。いつまでに何をすべきかが見えていれば、慌てずに、順序立てて対応できます。逆に、期限を意識しないまま日々を過ごしていると、気づいたときには手遅れ、ということになりかねません。スケジュールを意識することが、相続をスムーズに進める助けになります。

トラブルを防ぐために専門家を頼る

遺産相続は、ここまで見てきたように、確認すべきことや手続きが数多くあります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも、円満な相続への近道です。

とくに、相続人どうしの意見が対立しているときや、財産の種類が多くて把握が難しいとき、借金があって相続するかどうか迷っているときなどは、専門家に相談する意味が大きくなります。弁護士に相談すれば、相続人の確定から財産の調査、遺産分割の進め方、そして相続人どうしの調整まで、幅広く支えてもらえます。税金に関わる細かな計算が必要な場面では、税理士の知識も役立ちます。

専門家に相談すると聞くと、費用がかかることをためらう方もいるかもしれません。けれども、相続の手続きを誤って、後で大きなトラブルや損失を招くことを思えば、早めに専門家の助言を受けておくことには、十分な意味があります。経済的に余裕がない場合には、法テラスという公的な制度を通じて支援を受けられることもあります。まずは相談だけしてみて、自分で進められそうか、専門家に任せたほうがよいかを判断するのもよいでしょう。

どの専門家に相談すればよいか、迷う方もいるでしょう。相続人どうしの調整や、もめごとの解決、相続するかどうかの判断などについては、弁護士が力になれます。相続税の計算や申告については、税理士の出番です。不動産の名義変更については、司法書士が手続きを担います。それぞれ得意とする分野が異なりますが、まずは弁護士に全体像を整理してもらい、必要に応じてほかの専門家とも連携してもらう、という進め方も有効です。

とくに、相続人どうしで意見が対立していたり、対立しそうな気配があったりするときは、早い段階で弁護士に相談しておくと安心です。争いが本格化してからでは、解決に時間も労力もかかります。まだ穏やかなうちに、客観的な助言を得て、円満な解決の道筋をつけておくほうが、結果的に家族のためにもなります。トラブルになってから動くのではなく、トラブルを防ぐために動く、という発想が大切です。

慣れない相続の手続きを、すべて自分だけで進めようとすると、大きな負担になりますし、思わぬ落とし穴にはまることもあります。大切な家族を亡くした悲しみの中で、複雑な手続きに向き合うのは、つらいものです。頼れる専門家がそばにいてくれることは、心強い支えになります。一人で抱え込まず、必要なときには、専門家の力を借りてください。

相続は、財産の問題であると同時に、家族の問題でもあります。お金のことが絡むと、ふだんは仲のよい家族の間でも、思いがけず気持ちがぶつかり合うことがあります。そうしたとき、当事者だけで話し合うと、感情的になってこじれてしまうこともあります。中立な立場の専門家に間に入ってもらうことで、冷静に、そして公平に話を進めやすくなります。家族の関係を保ちながら相続を終えるためにも、専門家の存在は役に立ちます。

相続をめぐる争いは、いったんこじれると、長期化し、家族の関係に深い傷を残しかねません。お金の問題だと思っていたものが、過去の感情のもつれと結びつき、収拾がつかなくなることもあります。そうなる前に、早めに専門家に相談し、客観的な視点を取り入れることが、こじれを防ぐ鍵になります。争いの芽が小さいうちに対処するほうが、解決もしやすく、関係への傷も浅くてすみます。

よくある質問

遺言があると、法定相続分はどうなりますか

有効な遺言がある場合は、原則として遺言で指定された分け方が優先され、法定相続分よりも亡くなった人の意思が尊重されます。ただし、一定の範囲の相続人には、遺言によっても奪えない最低限の取り分が保障されています。遺言の内容がこの最低限の取り分を侵害している場合には、その取り戻しを求めることもできます。遺言と法定相続分の関係は、あわせて理解しておきましょう。

相続するかどうかは、いつまでに決めればよいですか

相続放棄や限定承認をするには、相続が始まったことを知ってから、原則として三か月以内に手続きをする必要があります。この期間内に判断するためにも、できるだけ早く財産の全体像を把握することが大切です。とくに借金の心配があるときは、急いで調べる必要があります。期限が迫っているときは、早めに専門家に相談してください。

借金があるかどうか、どうやって調べればよいですか

まずは自宅にある契約書や郵便物を確認し、借入や保証の手がかりを探します。それでも不安が残る場合は、信用情報を扱う機関に照会する方法もあります。借金などのマイナスの財産は見落としやすく、相続するかどうかの判断にも関わるため、心配なときは早めに専門家へ相談しながら調べるのが安全です。

相続の手続きは、自分だけで進められますか

単純なケースであれば、自分で進めることもできます。ただし、相続人が多い、財産の種類が多い、相続人どうしで意見が対立しているといった場合は、手続きが複雑になり、トラブルにもなりやすくなります。そうしたときは、専門家に相談することで、確実に、そして円満に進めやすくなります。不安があるなら、早めに頼ることをおすすめします。

遺産分割の話し合いがまとまらないときはどうすればよいですか

相続人どうしの話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の手続きを利用して解決を目指すことができます。まず調停という話し合いの手続きを行い、それでもまとまらない場合には、審判という形で裁判所が分け方を判断します。当事者だけで解決できないと感じたら、無理を続けるよりも、早めに専門家に相談し、家庭裁判所の手続きも視野に入れて進めるとよいでしょう。

相続税は、必ず払わなければなりませんか

相続税は、すべての相続でかかるわけではありません。一定の額までは課税されない仕組みがあり、財産がその範囲内であれば、相続税はかからないこともあります。自分のケースで相続税がかかるかどうか、かかる場合はどのくらいかは、財産の状況によって変わります。判断が難しい部分ですから、相続税が気になるときは、税理士などの専門家に確認するのが確実です。

遺産相続の手続きは、何から始めればよいですか

まずは、誰が相続人になるのかを確認し、次に、どんな財産と負債があるのかを調べることから始めます。この二つがはっきりすれば、相続するかどうかの判断や、遺産の分け方の話し合いに進めます。あわせて、遺言が残されていないかも確認しておきましょう。何から手をつけてよいかわからないときは、早めに専門家に相談すれば、自分のケースで何をすべきかを整理してもらえます。一人で抱え込まず、頼れる先を見つけてください。

遺言が見つかったら、どうすればよいですか

遺言が見つかった場合、その種類によっては、勝手に開封せず、家庭裁判所で検認という手続きを受ける必要があります。検認を経ずに開封すると、過料を科されることもあるため注意が必要です。遺言があれば、原則としてその内容が優先されますが、内容に疑問があるときや、進め方がわからないときは、開封する前に専門家に相談するのが安全です。遺言の扱いは慎重に進めましょう。

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