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相続税対策|生前にできる節税の方法と注意点

相続税対策|生前にできる節税の方法と注意点

この記事で分かること

  • 相続税対策を生前に始める大切さ
  • 相続税対策の基本的な4つの考え方
  • 生前贈与や生命保険など主な方法
  • 相続税対策の落とし穴と注意点
  • 専門家に相談する進め方

相続税対策とは、将来の相続にそなえて、相続税の負担を抑えるために生前から準備しておくことです。生前贈与でこつこつ財産を渡す方法や、生命保険・不動産といった財産の持ち方の工夫、用意された控除の活用などがあります。早く始めるほど選べる手立てが増えます。ただし節税ばかりを優先すると家族の争いを招くこともあるため、全体のバランスを見て進めることが大切です。迷ったら早めに専門家へ相談しましょう。

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相続税対策とは

相続税対策とは、将来の相続にそなえて、相続税の負担をできるだけ抑えるために、生前から準備しておくことをいいます。何も準備をしないまま相続を迎えると、思いがけず大きな負担に直面することがあります。一方で、早めに対策を始めておけば、負担を和らげられる場合があります。大切なのは、自分の家庭に合った方法を、計画的に進めていくことです。

相続税という言葉に、漠然とした不安を抱いている人は少なくありません。自分の家庭には関係があるのか、もし負担が生じるならどれくらいになるのか、何をしておけばよいのか。こうした疑問を持ちながらも、具体的に何から手をつければよいか分からず、後回しにしてしまう人も多いものです。しかし、相続税対策は、早く取り組むほど効果を得やすいという性質があります。漠然とした不安を抱えたままにせず、まずは全体像を知ることから始めるのがよいでしょう。

この記事では、相続税対策の基本的な考え方から、具体的にどのような方法があるのか、そして気をつけるべき落とし穴まで、順を追って見ていきます。それぞれの方法には向き不向きがあり、自分の家庭の状況によって、選ぶべき手立ては変わってきます。全体像をつかんだうえで、自分に合った方法を見極めていくことが、相続税対策を成功させるための鍵になります。

ワンポイントアドバイス
相続税対策は、早く始めるほど選べる手立てが増え、効果も得やすくなります。逆に、相続が間近に迫ってからでは、できることが限られてしまいます。まずは自分の家庭にどれくらいの財産があり、どのような対策が向いているのかを把握することから始めましょう。判断に迷うときは、早めに専門家へ相談しておくと安心です。

なぜ生前の対策が大切なのか

相続税は、亡くなった人が遺した財産に対してかかります。財産が一定の範囲を超えると、その分に応じた負担が生じる仕組みです。相続が起きてしまってからでは、できる対策はごく限られてしまいます。これに対し、生前であれば、財産の渡し方や持ち方を工夫することで、負担を和らげられる余地があります。だからこそ、相続税対策は生前から、早めに取り組むことが大切なのです。

たとえば、生前のうちに少しずつ財産を渡しておく方法は、長い時間をかけることで効果が大きくなります。これは、相続が起きてからでは決してできないことです。財産の持ち方を変える対策も、相続が間近になってからあわてて行っても、十分な効果が得られないことがあります。つまり、相続税対策の多くは、時間を味方につけることで力を発揮するのです。先延ばしにすればするほど、使える手立ては減り、効果も小さくなっていきます。「まだ早い」と思っているうちが、実は対策の始めどきなのです。

また、相続税対策は、単に負担を抑えるためだけのものではありません。誰に何を遺すのかをあらかじめ整理しておくことで、残された家族が困らないようにする、という意味もあります。準備を怠ると、負担の問題に加えて、家族の間で財産をめぐる争いが起きることにもなりかねません。お金の面と、家族の和の面の両方から、生前の対策には意味があるのです。相続税対策に取り組むことは、家族への思いやりを形にすることでもあるといえるでしょう。残された家族が、負担にも争いにも悩まされずに相続を迎えられるよう、生前のうちにできることをしておきたいものです。

相続税対策の基本的な考え方

さまざまな相続税対策がありますが、その基本となる考え方は、いくつかの方向に整理できます。全体像をつかんでおくと、自分に合った方法を選びやすくなります。一つひとつの方法を見る前に、まずはこの大きな方向性を押さえておきましょう。ここを理解しておくと、後の話がぐっと分かりやすくなります。

四つの方向から考える

相続税対策の考え方は、大きく次のような方向に分けられます。どれか一つだけでなく、組み合わせて取り組むことも少なくありません。

  • 生前のうちに財産を渡しておき、相続のときの財産を抑える
  • 財産の持ち方を工夫し、相続のときの評価を抑える
  • 用意されている控除や非課税の仕組みを活かす
  • 財産を引き継ぐ立場の人にかかわる事情を整える

これらは、いずれも相続税の仕組みに沿った考え方です。自分の家庭の財産の状況や、家族の構成によって、どの方向が向いているかは変わります。まずは、こうした方向があることを知ったうえで、自分に合った方法を探っていきましょう。次から、具体的な方法を一つずつ見ていきます。

これらの方向は、それぞれ独立しているわけではなく、互いに関係し合っています。たとえば、生前のうちに財産を渡しておけば相続のときの財産が抑えられますし、その渡し方によっては控除や非課税の仕組みを使えることもあります。一つの方法が、複数の方向にまたがって効果を持つこともあるのです。だからこそ、どれか一つの方法に絞り込むのではなく、自分の家庭にとって最も効果的な組み合わせを考えることが大切になります。まずは全体像を理解したうえで、具体的な方法を見ていくと、自分に合った進め方が見えてきます。それぞれの方法には、これから見ていくように、向き不向きや注意点があります。一つずつ理解を深めていきましょう。

生前贈与を活用する

もっとも基本的で、多くの家庭で使える方法が、生前贈与の活用です。生きているうちに財産を渡しておくことで、相続のときの財産を抑えることができます。手軽に始められるものから、特定の目的のためにまとまった財産を渡せるものまで、いくつかのやり方があります。自分の目的に合わせて選べるのが、生前贈与のよいところです。

こつこつ渡していく方法

一年ごとに区切って、一定の範囲内で財産を渡していく方法は、生前贈与の基本です。毎年少しずつ財産を移していくことで、長い時間をかけて相続のときの財産を抑えられます。早いうちから計画的に始めるほど、その効果は大きくなります。複数の人に渡したり、長い年月をかけたりすることで、まとまった財産を移していくこともできます。

この方法のよいところは、特別な準備がなくても始めやすく、無理なく続けられる点です。たとえば、子や孫が複数いる場合には、それぞれに毎年こつこつ渡していくことで、家族全体に財産を分けて移していけます。時間をかければかけるほど、相続のときの財産を着実に抑えられる可能性が高まります。一方で、毎年同じように贈り続けると、はじめからまとまった額を贈る約束だったとみなされるおそれがある、といった注意点もあります。手軽に見えても、進め方には一定の配慮が必要です。長く続ける対策だからこそ、正しいやり方を理解しておくことが大切です。最初に進め方を確認しておけば、その後は安心して続けていけます。

目的に応じた特例を使う

生前贈与には、特定の目的のためにまとまった財産を渡せる特例もあります。教育のための資金や、結婚や子育てのための資金、住まいを持つための資金などを、税の負担を抑えながら渡せる仕組みです。子や孫の将来を後押ししながら、相続のときの財産を抑えられます。それぞれの特例には条件があるため、自分の目的に合うものを選ぶことが大切です。生前贈与の方法は種類が多いため、別の記事でくわしく解説しています。

たとえば、孫の進学を見据えて教育のための資金を渡したり、子が住まいを持とうとするときに住まいのための資金を渡したりすることで、家族の人生の節目を後押ししながら、同時に相続のときの財産を抑えることができます。こうした特例は、目的がはっきりしている場合に力を発揮します。一方で、いずれも渡した資金を定められた目的に使うことが前提であり、対象となる費用の範囲も決められています。使いみちが限られる点や、使いきれなかった分の扱いなどもあるため、利用する際には条件をよく確認しておくことが大切です。自分の家庭の状況や目的に合うかどうかを見極めたうえで、活用を検討するとよいでしょう。こうした目的別の特例は、子や孫の人生の節目と重なるときに使いやすいため、家族の予定も見据えながら計画しておくと、無駄なく活かせます。

財産の持ち方を工夫する

財産をどのような形で持っているかによって、相続のときの扱いが変わることがあります。持ち方を工夫することも、相続税対策の一つの方向です。代表的なものとして、生命保険を活かす方法と、不動産という形を活かす方法があります。

生命保険を活かす

生命保険を活用する方法もよく知られています。亡くなったときに家族が受け取る保険金には、一定の範囲で税の負担を軽くする扱いがあります。この仕組みを活かすことで、家族に財産を遺しつつ、相続のときの負担を和らげられる場合があります。また、保険金は、遺された家族がすぐに使えるお金になるため、相続にかかわる支払いなどにあてられるという利点もあります。広く知られた方法だけに、取り入れている家庭も少なくありません。

生命保険を使った対策には、二つの面で利点があります。一つは、受け取る保険金に一定の範囲で負担を軽くする扱いがある点です。これにより、現金や預貯金のまま遺すよりも、相続のときの負担を和らげられる場合があります。もう一つは、保険金が、相続が起きたときにすぐ使えるお金として家族の手に入る点です。相続にともなう支払いや、当面の生活費などに、こうしたお金が役立つことがあります。財産を分けるまでに時間がかかる場合でも、保険金は家族を支える助けになります。ただし、生命保険の活用にも、加入の条件や、どのような形で備えるかといった検討すべき点があります。自分の家庭に合った形を選ぶことが大切です。どのような備え方が自分の家庭に向いているかは、財産の状況や家族の構成によって変わるため、専門家に相談しながら考えると安心です。

不動産という形を活かす

現金や預貯金として持っている財産を、不動産という形に変えておくと、相続のときの評価が抑えられる場合があります。財産の種類によって、相続のときの評価のされ方が異なるためです。ただし、不動産は現金のようにすぐに分けたり使ったりできないという面もあります。評価が抑えられるという利点だけでなく、こうした使いにくさもふまえて考える必要があります。不動産を活用する対策は、財産の状況に応じて慎重に検討することが大切です。これは、ある程度まとまった財産がある家庭で検討されることが多い方法です。

同じ価値の財産でも、現金として持っているか、不動産として持っているかで、相続のときの評価のされ方が変わることがあります。この違いを利用して、財産の持ち方を工夫するのが、不動産を活かす対策です。もっとも、注意したい点もあります。不動産は、現金のように簡単に分けられません。相続人が複数いる場合、不動産をどう分けるかでもめてしまうこともあります。また、すぐに現金が必要になったときに、すぐには換金できないという不便さもあります。評価が抑えられるという一面だけを見て、財産を不動産に変えすぎると、かえって家族を困らせることにもなりかねません。利点と使いにくさの両方を見たうえで、自分の家庭に合った範囲で取り入れることが大切です。とくに、相続人が複数いる家庭では、分けやすさという観点も忘れずに考えておきたいところです。不動産を活用するかどうかは、財産全体のバランスを見ながら判断するのがよいでしょう。

控除や相続人にかかわる工夫

用意されている控除や非課税の仕組みを活かすこと、また、財産を引き継ぐ立場の人にかかわる事情を整えることも、相続税対策の方向の一つです。これらは、相続税の仕組みそのものに用意された仕組みを上手に使う、という発想にもとづいています。見落とさずに活かしたい部分です。

用意された控除や特例を活かす

相続税には、特定の立場の人や、特定の財産について、負担を軽くする仕組みが用意されています。たとえば、配偶者については、負担を大きく和らげる扱いがあります。また、住まいとして使っていた土地などについても、一定の条件のもとで評価を抑える仕組みがあります。こうした仕組みは、条件を満たして初めて使えるものです。自分の家庭で使えるものがないか、確認しておくとよいでしょう。これらは、知っているかどうかで結果に差が出る部分でもあります。

配偶者に対する優遇は、長年連れ添った配偶者の生活を守るために設けられたものです。これによって、配偶者が財産を引き継ぐ場合の負担は、大きく和らげられることがあります。また、亡くなった人が住まいとして使っていた土地などについては、一定の条件を満たせば、相続のときの評価を抑える仕組みが使えることがあります。これらの仕組みは、家族が住まいや暮らしを守りながら相続できるように、という考え方にもとづくものです。ただし、いずれも条件を満たさなければ使えません。自分の家庭がこうした仕組みを使える状況にあるのかどうかは、あらかじめ確認しておくことが大切です。使えるはずの仕組みを見落とすと、本来抑えられたはずの負担を抑えられないことにもなりかねません。逆に、自分の家庭で使える仕組みを正しく把握しておけば、無理なく負担を和らげられることもあります。こうした控除や特例は種類があり、それぞれ条件も異なります。自分の家庭にどれがあてはまるのかを見極めるのは、専門的な知識がいる部分でもあるため、専門家に確認しながら進めると確実です。

相続人にかかわる事情を整える

相続税の仕組みには、財産を引き継ぐ立場の人の数などが関係してきます。たとえば、養子を迎えることで、財産を引き継ぐ立場の人にかかわる事情が変わり、相続税の扱いに影響することがあります。ただし、養子を迎えることは、家族の関係や、他の相続人との関係に大きく影響します。税の面だけを見て決められるものではなく、家族全体への影響をふまえて、慎重に判断する必要があります。この方法は、効果だけでなく家族への影響が大きいため、特に注意が必要です。

養子を迎えると、財産を引き継ぐ立場の人にかかわる事情が変わるため、相続税の扱いに影響が出ることがあります。これを相続税対策の一つとして考える人もいます。しかし、養子という関係は、いったん結ぶと家族のあり方そのものを大きく変えるものです。他の子や孫が受け取る財産の割合に影響したり、家族の間に思わぬわだかまりを生んだりすることもあります。税の面だけを見て安易に決めると、かえって家族の和を損なうことにもなりかねません。養子を迎えるかどうかは、相続税の観点だけでなく、家族みんなにとってどうなのかという広い視点から、時間をかけて考えるべき決断です。専門家にも相談しながら、慎重に判断することをおすすめします。家族の気持ちにも十分に配慮しながら、納得のいく形を探ることが大切です。

相続税対策の落とし穴

相続税対策には、気をつけたい落とし穴もあります。よかれと思って行った対策が、かえって問題を生むこともあるため、注意点を押さえておきましょう。利点ばかりに目を向けず、こうした落とし穴も知っておくことが、失敗を避けることにつながります。ここでは、特に陥りやすい二つの落とし穴を取り上げます。

節税ばかりを優先しない

相続税の負担を抑えることばかりに気をとられると、かえって家族の間に争いを生んでしまうことがあります。たとえば、特定の人にだけ手厚く財産を渡すと、他の家族が不公平に感じることがあります。また、財産を不動産に変えすぎると、いざ分けるときに分けにくくなり、もめる原因になることもあります。節税の効果と、家族の和や財産の分けやすさとのバランスを考えることが大切です。

相続をめぐる争いは、「争続」とも呼ばれるほど、身近に起こりうる問題です。よかれと思って行った相続税対策が、その引き金になってしまうことは、決して珍しくありません。たとえば、税の負担を抑えるために特定の子に多く財産を渡したことが、他の子の不満を招き、家族の関係に深い亀裂を生む、ということもあります。また、節税を優先して財産を分けにくい形に変えた結果、いざ相続のときに、その財産をどう分けるかでもめてしまう、ということもあります。相続税の負担が抑えられても、家族がばらばらになってしまっては、本末転倒です。相続税対策は、節税という一面だけでなく、家族みんなが納得できるか、財産を無理なく分けられるかといった点もあわせて考えることが欠かせません。せっかくの対策が家族の不和を招かないよう、全体のバランスを意識して進めましょう。

注意
相続税対策は、負担を抑えることだけを目的にすると、家族の争いを招いたり、財産が分けにくくなったりすることがあります。また、形だけ整えた対策は、認められないこともあります。節税の効果と、家族の和や財産の分けやすさの両方を見ながら、無理のない範囲で進めることが大切です。

形だけの対策は認められないことがある

対策の形だけを整えても、実態が伴っていなければ認められないことがあります。たとえば、生前贈与をしたつもりでも、実際には財産が相手のものになっていなければ、贈与として扱われないことがあります。また、相続が間近になってからあわてて行った対策は、思ったような効果が得られないこともあります。対策は、早めに、実態を伴う形で進めることが大切です。小手先の工夫ではなく、きちんとした形で取り組むことが、確かな効果につながります。

よくあるのが、生前贈与をしたつもりでいても、実際には財産が相手に渡っていなかった、というケースです。たとえば、子の名義で口座をつくってお金を入れていても、子がその存在を知らず、自由に使える状態になっていなければ、贈与として認められないことがあります。形のうえでは対策をしたように見えても、実態が伴っていなければ意味がないのです。また、相続が近づいてからあわてて対策をしても、効果が限られてしまうものもあります。相続税対策は、思い立ったときに早めに、そして実態の伴う確かな形で進めることが、何よりも大切です。後から「やったつもりだったのに認められなかった」ということにならないよう、一つひとつの対策をきちんとした形で行うことを心がけましょう。実態を伴った確かな対策こそが、いざというときに効果を発揮します。

専門家への相談

相続税対策は、自分の家庭の財産の状況や家族の構成に応じて、最も合った方法を選ぶ必要があります。これを自分だけで判断するのは、簡単ではありません。専門家に相談することには、いくつかの利点があります。どの方法をどう組み合わせるのがよいか、何に気をつけるべきかを、自分の家庭にあてはめて整理してもらえるのは、大きな助けになります。

進め方のおおまかな流れ

相続税対策を考えるときの大まかな流れは、次のとおりです。状況によって細かな点は変わりますが、全体像をつかんでおきましょう。

  1. 自分の家庭にどれくらいの財産があるのかを把握します。
  2. どのような対策が向いているのか、方向性を考えます。
  3. 自分の状況に合った方法を選び、条件や注意点を確認します。
  4. 家族の理解も得ながら、計画的に対策を進めていきます。

この流れの出発点となるのが、自分の家庭の財産を把握することです。どれくらいの財産が、どのような形であるのかが分からなければ、どの対策が向いているのかを考えることもできません。まずは財産の全体像をつかむことから始めましょう。そのうえで、どの方向の対策が合うのかを考え、具体的な方法を選んでいきます。対策は一度きりで終わるものではなく、家族の状況や財産の状況の変化に応じて、見直していくことも大切です。計画的に、そして家族の理解を得ながら進めていくことが、無理のない相続税対策につながります。

早めの相談が安心につながる

相続税対策は、財産の状況によって向いている方法が変わり、複数の方法を組み合わせることも多いため、判断に迷う場面が少なくありません。こうしたときに専門家へ相談すれば、自分の家庭に合った方法を、相続全体を見渡したうえで提案してもらえます。早めに相談しておくことで、選べる手立ても増え、落ち着いて準備を進められます。手立てが限られてしまう前に、まずは全体像を確認しておくことをおすすめします。

相続税対策は、ここまで見てきたように、いくつもの方法があり、それぞれに向き不向きや注意点があります。どの方法を、どのように組み合わせるのが自分の家庭にとって最もよいのかを、自分だけで判断するのは容易ではありません。専門家に相談すれば、財産の状況や家族の構成をふまえて、相続全体を見渡したうえで、最も合った進め方を一緒に考えてもらえます。また、節税の効果だけでなく、家族の和や財産の分けやすさといった点も含めて、バランスのとれた対策を立てる手助けにもなります。何より、早めに相談すれば、それだけ選べる手立てが多く残されています。相続が近づいてからでは手遅れになる対策もあるため、気になったときが相談の始めどきだといえるでしょう。早めに動き出すことが、結果として家族みんなの安心につながります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることを検討してみてください。

よくある質問

最後に、相続税対策についてよく寄せられる質問にお答えします。自分の疑問に近いものがないか確認してみてください。対策を考えるうえでつまずきやすい点を中心に取り上げます。

相続税対策と相続対策はどう違うのですか

相続税対策は、相続税の負担を抑えることに重点を置いた準備を指します。これに対し、相続対策は、相続税の負担を抑えることに加えて、家族の間で争いが起きないようにすることや、相続の手続きをスムーズに進められるようにすることなど、より広い準備を含みます。つまり、相続税対策は、相続対策の中の一つの柱だと考えると分かりやすいでしょう。負担を抑えることだけでなく、家族の和や手続きの備えもあわせて考えることで、より安心できる準備になります。相続税の心配が中心であっても、家族のための備えという視点を持っておくと、後悔のない準備になります。

相続税対策はいつから始めればよいですか

早く始めるほどよいといえます。生前贈与のように、長い時間をかけることで効果が大きくなる方法もありますし、早く始めるほど選べる手立ても増えます。相続が間近になってからでは、できることが限られてしまいます。まだ先のことだと思わず、早めに準備を始めることが、相続税対策の基本です。元気なうちから少しずつ取り組んでおくことが、結果として大きな効果につながります。

財産がそれほど多くなくても対策は必要ですか

相続税は、財産が一定の範囲を超えるとかかる仕組みです。そのため、財産がその範囲に収まるのであれば、相続税そのものの心配は少ないかもしれません。ただし、自分の家庭の財産がどれくらいなのかを把握しておくことは、どの家庭でも大切です。心配な場合は、まず財産の状況を整理し、対策が必要かどうかを確認しておくとよいでしょう。また、相続税の心配が少ない場合でも、誰に何を遺すのかを整理しておくことは、家族の争いを防ぐうえで意味があります。相続税対策と、家族のための準備は、あわせて考えておくと安心です。

どの対策が自分に合うかわかりません

どの対策が合うかは、財産の状況や家族の構成によって変わります。生前贈与が向いている場合もあれば、財産の持ち方を工夫したほうがよい場合もあります。複数の方法を組み合わせることも少なくありません。自分に合った方法を見極めるには、財産の状況を整理したうえで、専門家に相談するのが確実です。ひとりであれこれ悩むより、まず財産の全体像を整理し、専門家の視点を借りるほうが、自分に合った道筋が見えてきます。

対策をすると必ず負担は減りますか

必ず減るとは限りません。それぞれの対策には条件があり、条件を満たさなければ効果が得られないこともあります。また、形だけ整えても、実態が伴わなければ認められないことがあります。対策の効果は、自分の家庭の状況によって変わるため、専門家に相談しながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。効果があると見込んで行った対策が、思ったとおりにならないこともあるため、確かな形で進めることを心がけましょう。

どこに相談すればよいですか

相続税対策や、相続全体を見据えた準備に迷ったときは、相続に詳しい専門家に相談するのが確実です。自分の家庭の財産や家族の状況に応じて、どの対策が合うのかを整理してもらえます。早めに相談しておくことで、選べる手立ても増え、その後の準備を落ち着いて進められます。相続税の心配だけでなく、家族のための準備もあわせて相談できるため、安心して進められます。

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