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いいことばかりじゃない不動産投資 -マンション投資のリスクと投資詐欺-

この記事で分かること

  • 不動産投資にはトラブルが付き物
  • 不動産投資のよくあるトラブルとその対応策
  • 不動産投資詐欺の手口とは。詐欺にあわないためにどうしたらいいのか

不動産投資にはメリットも多い反面、家賃の滞納や修繕費用の負担などの思いがけないトラブルが付き物です。また、マンション投資を利用した詐欺も多く問題になっています。不動産投資のトラブルやその回避策を事前に知っていることで、トラブルを未然に防げる可能性があります。

マンションの不動産投資はトラブルもある

マンション投資は、ワンルームから少額で投資を始めることができ、会社勤めをしながら副業としてできることから、近年人気になっています。マンション投資にはメリットもたくさんありますが、実はトラブルも多いのです。いったいどのようなトラブルがあるのでしょうか?

マンション投資のメリット

マンション投資には株やFXなどの金融商品にはないメリットがあります。しかし、下記に挙げるメリットも場合によってはデメリットになり得ますし、メリットばかりを謳って騙す悪徳業者も存在するので気を付けましょう。

安定的な収益

株やFXは大きな収益を一瞬にしてあげることが可能ですが、景気などの影響を受けて急落することがあるため、多額の資産を失いかねません。それに比べて、マンション投資は突然資産価値が半減したり、家賃が引き下げられることはありませんので、安定的かつ長期的に収益を上げることが可能です。

売却益も狙える

アベノミクスや東京オリンピックの影響による地価の高騰もあり、景気の落ち込んでいたときに購入した不動産の価格が上昇して、売却益を得られこともあります。また、マンション投資では、物件が将来生み出す収益力に基づいて不動産の価格を決定する「収益還元法」が用いられることもあり、毎月の家賃=収益を上げることができれば、不動産価値がアップして売却益も見込むことが可能です。

節税効果

新築物件を購入した初年度は登録免許税や不動産取得税といった、大きな金額を経費として計上することができるので、節税効果が高いようです。初年度以降は、減価償却費による節税が大きなウェイトを占めますが、減価償却費は年数に限度がありますので、永続的な節税はできません。また、節税は不動産から得られる収益をより多く手元に残すために行うものであって、節税を目的に投資をするのはお勧めしません。投資を始める前に、様々な節税方法を勉強してマンション投資に役立てましょう。

相続税対策

残された財産が現金の場合、相続税を節約することは1円もできません。しかし、不動産を所有していた場合はその評価額に対して、課税されるので、現金よりも資産価値が落ちる不動産の資産は相続税も少なくて済むことになります。しかし、ローンを組んでマンションなどを所有する場合は借金も相続されること、また複数の相続人がいるときには分割しにくく、現金化も容易ではありませんので、その点はデメリットと言えます。

ワンポイントアドバイス
最近注目されているマンション投資は、比較的少額の資金から始めることができ、売却益を見込んだ投資も可能です。不動産投資は様々なメリットがある反面、それぞれデメリットにもなる得ることを十分理解しましょう。

不動産投資によくあるトラブル

マンション投資にはメリットがたくさんありますが、いいことばかりではありません。トラブルも多いため、注意が必要なのです。

空室が多い

マンション投資は家賃収入がなければ成り立ちません。まして、ローンを組んだ場合にはその返済に追われ空室は深刻な問題となります。

家賃滞納

せっかく入居者がいても、家賃を払ってもらえなければ意味がありません。滞納は長期化すればするほど、回収しづらくなる傾向がありますので早めに対応することが重要です。督促を行っても支払ってもらえない場合には、明け渡し請求訴訟を弁護士に依頼することもできます。

修繕費用がかさむ

経年劣化によって建物の修繕が必要になってきます。修繕を行うことで家賃の下落を減らし、建物の安全性を高めることができますが、マンションともなるとその費用が多額になってしまいます。物件を購入する際は築年数や劣化具合もよく考慮する必要があります。

金利上昇

変動金利でローンを組んで不動産投資をした場合に、金利が上昇すると想定よりも高い利息が発生して返済の負担が増加します。金利が上昇と物価の上昇はリンクしていますので、その分家賃を引き上げればいいのですがそう簡単にはいきません。家賃が高くなることで空室が増えれば、また大きな損失につながります。

不動産投資のトラブル対応策

マンション投資に関するトラブルも対策によっては、解決することが可能です。メリットも多いマンション投資で収益を上げるために、トラブルを回避する方法について見ていきましょう。

空室・滞納には管理会社の利用が有効

マンション投資で収入を得るためには、確実に家賃を回収する必要があります。しかし、一つの空室も出さず、滞納もされないようにするのはどんなベテラン大家でも難しいでしょう。そこで利用したいのが、管理会社です。管理会社を利用することで、マンション投資のリスクを最小限にすることができます。

入居者の募集

管理会社を利用せず、オーナー自ら管理(一般管理といいます)を行えば、管理費用を節約することができますが、かなりの労力を必要とするので、専業の大家でもなければ難しいでしょう。特に、入居者の募集や滞納家賃の回収は管理会社の利用によって、一般管理と大きな差が出ます。管理会社への委託料は家賃収入の3~5%程度が一般的です。

家賃保証システム

空室に関係なく一定の家賃を保証する「サブリース」という方法があります。いわゆる家賃保証システムです。土地の所有者が住宅メーカーにアパートの建設を依頼する場合によく採用されていますが、マンション投資の場合は手数料が家賃収入の15~20%と高額なためにあまり利用することはありません。

修繕費は必要不可欠、削減できる?

修繕費は建物を維持するのに必要不可欠な費用ですが、その出費はオーナーにとって大きな出費となります。小規模な修繕では共有部分の照明を取り替えたり、部屋の建具を修理したりしますが、大規模な修繕では外壁の塗り直しや給排水管の交換など、100万円単位での出費になり、かなりの負担となるはずです。修繕のために、一般的には家賃収入の5~10%を修繕のために積み立てておきますが、なるべくならその費用を安く抑えたいものです。修繕費は削減できるものなのでしょうか?

大手ディベロッパーの分譲を買う

中古マンションを購入して投資を行う場合、修繕費がどのくらいかかるかを見込んで購入の判断を下すことは大変重要です。その際に安心なのは、大手ディベロッパーが分譲した物件を購入することです。大手ディベロッパーが分譲し、大手ゼネコンが施工、大手管理会社がしっかり管理を行っているマンションはメンテナンスが細かく、劣化の度合いが少ないと言えます。

修繕費を経費にする

せっかく多額の修繕費を払うなら、経費として計上し税金対策をしましょう。ただし、修繕費用は税務上、その内容によって、修繕費か資本的支出に分けられます。資本的支出に区分されるのは、リフォームや修繕が資産と見なされる場合や60万円以上の費用がかかった場合です。修繕費はその工事やリフォームが完成した年に一括で経費にすることができ、資本的支出はその耐用年数によって減価償却されるという違いがあります。

◎ワンポイントアドバイス
マンション投資には空室や住人の家賃滞納、修繕費用などの問題が付きものです。ローンを組んで不動産を購入した場合の返済リスクもあります。不動産投資をする前に、様々なトラブルを想定し、それに対する対策を事前に考えておくことが大事です。

騙されてはいけない!不動産投資詐欺トラブルに注意

不動産投資のトラブルについて理解したところで、ここからは、詐欺に着目していきたいと思います。不動産投資において、怖いのはやはり詐欺に遭うことではないでしょうか。投資関連の詐欺はその額も大きい上に、必ずしも違法行為とは言えないような手法で騙してくることがあります。いくつかの事例を挙げながら、その手法と対策について検証します。

不動産投資詐欺の事例

詐欺には時代を反映した事例も多数報告されます。ここでは近年急増している3つの事例を紹介します。

デート商法

婚活サイトで知り合った男性を信じて「将来のために」とマンションを購入した途端、連絡が途絶えた。売却を考えたものの市場価値は半値だった。

デート商法の場合、被害に遭うのは女性が多く、男性の2倍となっています。婚活サイトや婚活パーティーで出会い、結婚や将来について期待させたうえで、マンションを購入させ、音信不通になってしまうというケースが多発しています。

しかも、連絡が途絶えるのはクーリングオフ期間を過ぎた後なので解約することもできなくなってしまうのです。

オリンピック関連詐欺

オリンピックで道路拡張対象に入っている地域だと言って、付加価値を偽り、不動産を高額購入させようとする。

オリンピックの東京開催が決定してから、関連した詐欺が数多く報告されています。オリンピック開催によって、株や不動産などの価値が上がるということは実際あり得るだけに、説得されてしまうことのないようにしましょう。

海外不動産投資詐欺

「プレビルド」と言って、建設予定のマンションなどに出資させる。 出資したあと、あらゆる理由をつけて「まだ工事が始まらない」と言い、そのうち業者と連絡が取れなくなる。

この事例は圧倒的に東南アジアが多いと言えます。実際に見学ツアーが組まれ、現場と完成予想図を見せるなど、手の込んだ手法によって騙されてしまう人も多く、もしあなたが投資の初心者であれば、リスクの高い海外不動産に投資をすることはお勧めできません。

悪徳業者に騙されるな!

不動産投資詐欺には共通の手口が存在します。詐欺の手口を知って、どのような対策ができるのか考えてみたいと思います。

よくある手口

不動産投資に限らず、詐欺の手口として多いのは、メリットばかり強調してくるということでしょう。通常では難しい高利回りを謳って「必ず儲かる」などと断定的な話で契約を迫ります。勧誘もしつこく、いくら断ってもアポイントを取ろうとしてきます。それに応じてしまうと、長時間の拘束を余儀なくされ、契約してしまうのです。もし、一度契約してしまっても、クーリングオフ制度の利用や解約を申し出ることもできますが、悪徳業者はそれらに応じようとしません。

悪徳業者の見分け方

まずは、大前提として宅地建物取引業者の登録をしているかどうかの確認をしましょう。次に、業者の住所や電話番号がしっかりと登録されたものであるかを調べます。電話番号がフリーダイヤルや携帯電話しか教えてもらえないようでは、怪しいと思ったほうがよいでしょう。

不動産詐欺は防げる

誰にでも騙されるリスクを軽減することができます。そのためには日ごろから勉強しておくことが大切です。悪徳業者の話を鵜呑みにしないためには、それなりの知識が必要なのです。もしも、騙されそうになったとき、相談できる大家さん仲間や弁護士といった人脈も持っておくと心強いでしょう。

ワンポイントアドバイス
不動産投資の人気とともに不動産投資詐欺も急増しています。悪徳業者に共通していることは、メリットばかりを強調するという点です。不動産投資にはデメリットもあることを理解し、日頃から知識を身につけ自分でも情報を収集する努力をしましょう。

不動産投資のトラブルは早めに弁護士に相談!

不動産投資におけるリスクや詐欺について見てきました。投資にリスクは付き物ですが、そのリスクは軽減することも可能です。近年人気上昇中の投資は、たくさんのセミナーも開催されていますし、インターネット上の投資専門サイトなどで多く情報を得ることができます。一方、不動産投資に関するトラブルに遭遇してしまったら不動産に強い弁護士などのプロに相談する方が賢明です。不動産投資は額が大きいため、素人判断で解決しようとせず、法律の専門家の観点からきちんとアドバイスをもらった方がよりスムーズに解決を目指せるでしょう。

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