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ひき逃げとは何か
ひき逃げという言葉は広く使われていますが、法律にその名前の罪があるわけではありません。人を死傷させる事故を起こした人が、負傷者を救護せずに現場を離れる。この行為が救護義務違反にあたり、世間ではひき逃げと呼ばれています。
運転者には、事故を起こしたときに果たすべき義務が二つ定められています。一つは、負傷者を救護し、道路上の危険を取り除くこと。もう一つは、警察に事故を報告することです。
どちらも、相手のケガの程度にかかわらず生じます。軽く接触しただけだから、相手が立ち上がって歩いていたから。そうした事情は、義務を免れる理由になりません。
相手が「大丈夫です」と言ったから立ち去った、という説明も通りません。ケガの程度を判断するのは本人でも運転者でもなく、医師だからです。
事故の直後は興奮していて、痛みを感じないことがあります。数時間後、あるいは翌日になって症状が出るのは珍しくありません。その場の受け答えを根拠に立ち去れば、後で責任を問われます。
相手が遠慮して「大丈夫」と言うこともあります。とくに高齢の方や子どもは、その場で不調を訴えないことがあります。こちらから声をかけ、救急を呼ぶ判断をしてください。
結果として何ともなければ、それでよいのです。呼ばずに去って後悔するほうが、はるかに重い代償になります。
救急車を呼んだことで大げさだと思われる心配より、呼ばなかったことで問われる責任のほうを重く見てください。
想像してみてください。夜道で自転車と接触し、相手はすぐに起き上がって「大丈夫です」と言った。こちらも急いでいたので、頭を下げてその場を離れた。それから数日して、警察から電話がかかってくる。相手は後日病院で骨折と診断され、こちらはひき逃げの被疑者として扱われている。
この例に、悪意はありません。それでも、外形的には現場を離れたという事実が残ります。ひき逃げの相談で多いのは、まさにこうした類型です。
意図して逃げた事案よりも、その場の判断を誤った事案のほうが多いのが実感です。だからこそ、何をすれば義務を果たしたことになるのかを知っておく意味があります。
やるべきことは単純です。停まる、救護する、通報する。この三つを外さなければ、ひき逃げにはなりません。
逆に言えば、どれか一つでも欠ければ責任を問われます。急いでいる、相手が大丈夫だと言っている、警察を呼ぶのが面倒。どの理由も通りません。
とくに、相手が自分で歩いて去っていった場合が危険です。こちらとしては解決したつもりでも、後日ケガが判明すれば話が変わります。連絡先を交換し、警察に届け出ておけば、この行き違いは防げます。
この記事では、どういう場合に成立するのか、科される罰則と行政処分、逃げることでどれだけ重くなるのか、そしてしてしまった場合に取るべき行動までを整理します。
被害を受けた側の方に向けた説明も、記事の後半にまとめています。相手が分からない場合でも、補償を受ける道は残されています。
加害者が判明しないまま泣き寝入りしてしまう方がいますが、使える制度があります。
治療費も慰謝料も、請求できる道が残されています。動かないことで失うもののほうが大きいと考えてください。
まずは警察への届け出と受診から始めてください。ここを踏まないと、その先の手続きが進みません。
交通事故証明書がなければ、保険の請求も政府の制度の利用も難しくなります。
相手が分からない事故でも、届け出さえあれば書類は発行されます。
まず届け出る。ここを外すと、その後の選択肢がすべて狭まります。
「気づかなかった」は通用するのか
最も相談の多い論点です。
認識がなければ成立しない、が
救護義務違反が成立するには、人を死傷させる事故を起こしたという認識が必要とされています。まったく気づかずに走り去った場合、理屈のうえでは成立しません。
実際、狭い道で自転車に軽く接触した、荷物が当たったと思った、といった状況で本当に気づかないことはあり得ます。
問題は、それを後から証明できるかです。本人の記憶しか根拠がない以上、周囲の事実と食い違えば認められません。
そして、気づかなかったと主張して認められなければ、隠そうとしたと受け取られます。率直に事実を述べるほうが、結果として有利に働きます。
本当に気づいていなかったのであれば、その経緯を具体的に説明することです。どの時点で何を認識していたのかを、順を追って述べてください。
作り話をすれば、矛盾はいずれ露見します。分からない部分は分からないまま伝えるのが、結局は最善です。
ただし、認識があったかどうかは、本人の主張だけで決まるものではありません。衝撃の大きさ、車体の損傷、速度、周囲の状況。そうした事実の積み重ねから判断されることになります。
捜査では、車体の傷の位置や深さ、被害者の証言、現場の映像が突き合わされます。主観の問題に見えて、実際には客観的な事実で詰められていく論点です。
供述が途中で変われば、なぜ変わったのかを問われます。最初から正確に述べておくことが大切です。
調書は読み上げられたうえで署名を求められます。記載に違いがあれば、その場で訂正を申し出てください。
署名すれば、内容を認めたものとして扱われます。読み飛ばさないでください。
腑に落ちないまま署名を入れる必要はまったくありません。時間をかけて構いません。
認められにくい場面
車体に明らかな損傷がある、相手が倒れるのを目にしていた、衝撃で車が揺れた。こうした状況があれば、気づかなかったという説明は通りにくくなります。
「人ではなく物にぶつかったと思った」という説明も、同様です。仮に物損だと思っていたとしても、報告義務は生じます。立ち去った以上、その点の責任は残ります。
「大した接触ではないと思った」という感覚も、危ういところです。軽い接触でも、相手が転倒すれば大きなケガにつながります。
自転車や歩行者が相手であれば、なおさらです。車体の感覚と、相手が受ける衝撃はまったく違います。
運転席では小さな揺れでも、外にいる人にとっては大きな力が加わっています。この感覚の差が、判断を誤らせます。
接触したかもしれないと感じたら、停まって確認する。この習慣が、最大の予防策になります。
停まって何もなければ、それで済む話です。確認にかかる数分と、その後に負う責任を比べてみてください。
比べるまでもない差だと分かるはずです。
気づいた時点で申し出る
後から気づいたのであれば、その時点で警察へ出頭してください。時間が経つほど、意図的に逃げたと見られやすくなります。
「もう時間が経ってしまったから」と迷っているうちに、状況は悪くなる一方です。
数日空いていても、自ら出向いたという事実は評価されます。一日でも早いほうが有利です。
迷っている時間そのものが、不利に働きます。悩むより先に、警察へ足を運んでください。
行く前に相談したいのであれば、その日のうちに連絡を取ってください。翌日でも遅くはありませんが、早いほど選べる手が多くなります。
家族に打ち明けにくい事情があっても、一人で抱え込まないでください。
身柄を拘束される可能性がある以上、誰かに事情を伝えておく必要があります。
勤務先への連絡や、家庭の段取りも考えておいてください。
拘束されてしまえば、自分では何も手配できなくなります。
当て逃げとの違い
混同されやすい二つですが、重さがまったく違います。
| ひき逃げ | 当て逃げ | |
|---|---|---|
| 被害 | 人の死傷を伴う | 物の損壊のみ |
| 中心となる違反 | 救護義務違反 | 報告義務違反 |
| 刑罰 | 10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金 |
| 違反点数 | 35点(救護義務違反) | 7点(危険防止等措置義務違反5点+安全運転義務違反2点) |
| 免許 | 取消し(欠格3年以上) | 停止にとどまることが多い |
点数にして五倍、刑罰の上限にして二十倍の差があります。物損だと思って立ち去ったが実は人がケガをしていた、という事態が最も恐ろしいのは、この差があるからです。
相手が自転車や歩行者であれば、接触した時点で人身の可能性を疑うべきです。車同士であっても、乗っていた人がむち打ちになることはあります。
相手が降りてこない、動かないといった場合は、なおさら確認が必要です。物損だと決めつけないでください。
相手が車から降りてこられない状態であれば、こちらから近づいて声をかけてください。安否の確認が最優先です。
動かそうとすると症状を悪化させることもありますので、無理に引き出さず救急を待ってください。
後続車が来る場所であれば、まず二次被害を防ぐ措置を取ってください。
発炎筒や三角表示板を使い、後続車に知らせます。
これも運転者に課された義務の一つです。
成立する罪と刑罰
ひき逃げでは、複数の罪が同時に成立します。
救護義務違反
中心となる罪です。負傷者を救護せずに現場を離れた場合、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています。
ここでいう救護とは、救急車を呼ぶ、安全な場所へ移すといった行為です。専門的な処置を求められているわけではありません。その場にとどまって必要な手当を講じることが、義務の中身です。
医療の知識がなくても構いません。119番に通報し、到着まで付き添う。それだけで義務は果たせます。
相手が歩いて帰ろうとしても、引き止めて救急を待つのが本来です。少なくとも、連絡先の交換と警察への通報は済ませてください。
相手が立ち去ろうとしても、通報だけはこちらで行えます。義務を負っているのは運転者です。
相手が去った後でも、こちらから警察に届け出れば報告の義務は果たせます。
相手の連絡先が分からなくても、届け出そのものは可能です。
報告義務違反
警察への報告を怠った場合に成立します。3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金です。ひき逃げでは、救護義務違反とあわせて問われるのが通常です。
救護はしたが警察を呼ばなかった、という場合もこちらに当たります。被害者を病院へ運んだからといって、報告の義務が消えるわけではありません。
病院へ搬送した後でも構いませんので、警察には必ず連絡してください。
病院に付き添ったまま連絡が遅れた場合でも、事情を説明すれば足ります。まったく報告しないのとは違います。
病院から連絡してもらう方法もあります。手元の状況に応じて、確実な手段を選んでください。
過失運転致死傷罪
事故そのものについての罪です。運転上必要な注意を怠って人を死傷させた場合に成立し、7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金となります。
酒や薬物の影響下にあった、制御できないほどの速度を出していたといった事情が加われば、より重い危険運転致死傷罪が問われることもあります。
これらの罪は、それぞれ別に成立します。単純に足し合わせるわけではありませんが、量刑の判断では逃げた事実が重く見られます。
被害者が亡くなった事案で逃げていれば、実刑となる可能性が高くなります。
初犯であっても、執行猶予が付かないことがあります。
ご遺族の処罰感情も、逃げた事案では格段に強くなります。
示談の交渉に入ること自体が難しくなり、長い時間を要します。
それでも、弁償に向けた姿勢を示し続けることには意味があります。
受け入れられないからといって途中でやめてしまうと、それまでの働きかけも評価されにくくなります。
連絡を試みた経過は、記録に残しておいてください。何ひとつ動かなかった場合とは、まるで評価が異なります。
いつ、どの手段で連絡し、どう返されたか。短いメモで足ります。
代理人を通じて申し入れている場合は、その記録も残ります。
発覚を免れる行為
アルコールの影響が発覚するのを免れる目的で現場を離れ、時間を置いてから出頭する。あるいは追加で飲酒する。こうした行為には、12年以下の拘禁刑が定められています。
その場を離れれば軽く済むどころか、かえって重くなる仕組みになっています。
この規定が設けられたのは、飲酒の発覚を避けて逃げる例が後を絶たなかったためです。時間が経てば数値は下がりますが、逃げた事実は消えません。
飲酒を隠すために時間を置く行為は、最も重く扱われる部類です。
飲んでいたのであれば、その事実も含めて正直に申し出るほかありません。
行政処分は取消しが原則
刑事罰とは別に、免許についての処分が進みます。
救護義務違反は35点
この点数だけで、免許取消しの水準に達します。前歴がなくても、欠格期間は3年です。その間は、新たに免許を取得できません。
さらに、事故そのものによる付加点数が加算されます。被害が重ければ、欠格期間はさらに延びます。
過去に処分を受けたことがあれば、そこにも上乗せされます。前歴のある方にとっては、相当長い期間になります。
点数の内訳は、処分の通知や意見の聴取の場で確認できます。納得できない点があれば、その場で尋ねてください。
取消しが見込まれるのであれば、意見の聴取の機会を活かしてください。事情を述べられる数少ない場です。
欠格期間が明けても
期間が過ぎれば自動的に免許が戻るわけではありません。取消処分者講習を受け、あらためて試験を受け直すことになります。学科も技能も一からです。
運転を業務としている方にとっては、生活の基盤が数年にわたって失われることを意味します。
欠格とされている間は、どのような事情があろうと運転はできません。仕事に必要だからという理由で例外が認められることもありません。
期間中に運転すれば、無免許運転として別に処罰されます。
家族の送迎や通勤の手段を、早い段階で考えておく必要があります。
逃げると、どれだけ重くなるのか
ここが最も伝えたい部分です。同じ事故でも、その場にとどまったかどうかで結論がまるで違ってきます。
その場にとどまり、救護して通報した場合。被害が軽く、示談も成立していれば、起訴されずに終わることも珍しくありません。免許についても、点数次第では停止にとどまります。
被害者にとっても、その場で救護を受けられるかどうかは大きな差です。適切な手当が早ければ、症状が軽く済むこともあります。
救護義務が重く扱われるのは、この点に理由があります。人の命に直結する義務だからです。
放置されたことで助かる命が失われる。この可能性があるからこそ、罰則も重く設定されています。
一方、逃げた場合。救護義務違反が加わることで、起訴される可能性が格段に上がります。逮捕される可能性も高くなります。行政処分は取消しが避けられません。
示談が成立していても、起訴される事案が多くなります。救護しなかったという事実が、それだけ重く評価されるためです。
それでも、被害弁償を進める意味はあります。量刑の判断では確実に考慮されます。
実刑か執行猶予かの境目にある事案では、この差が結論を分けることもあります。
そして、被害者側の処罰感情がまったく違います。逃げられたという事実は、示談の交渉にも最後まで影を落とします。
金額の問題ではありません。倒れている人を置いて去った、という一点が許されにくいのです。
謝罪の申し入れも、受け入れられるまでに長い時間がかかります。焦らず、相手の意向を尊重して進めるほかありません。
代理人を通じて申し入れるほうが、受け入れられやすい場面もあります。
数分その場にとどまるかどうかで、その後の数年が変わる。これが実態です。
なぜ発覚するのか
逃げ切れると考える方がいますが、現実には難しくなっています。
捜査は、複数の経路から進みます。
- 被害者や目撃者による車種、色、ナンバーの証言
- 現場周辺の防犯カメラ、店舗やマンションの設備
- 通行していた車のドライブレコーダー
- 路上に落ちた部品や、車体に残った塗料
- 修理工場や部品販売店への照会
- 幹線道路に設置された読み取り装置の記録
車体に損傷が残っていれば、修理に出さざるを得ません。そこから判明する例もあります。時間が経ってから特定されることも珍しくありません。
とくに、負傷者が出た事故では捜査に力が入ります。物損の当て逃げとは、扱いがまるで違います。
被害者が亡くなった事案であれば、なおさら徹底した捜査が行われます。
捜査本部が置かれ、長期にわたって追われることもあります。
逃げ得は成立しない、というのが実際のところです。
してしまった場合にすべきこと
すでに現場を離れてしまった。この状態でできることを整理します。
動く順番
- 警察署へ出頭し、事故を起こしたことを申し出る
- いつ、どこで、どのような状況だったかを正確に説明する
- 被害者の容体を確認する
- 自分の保険会社へ連絡し、賠償の手続きを始める
- 車の損傷を修理せず、そのまま保存しておく
- 取調べに備えて、事実関係を整理しておく
五番目は見落とされがちです。証拠を隠したと受け取られれば、身柄を拘束される理由が増えます。修理に出す前に、警察へ相談してください。
六番目については、記憶があいまいな部分を無理に埋めようとしないでください。分からないことは分からないまま伝えるのが原則です。
一刻も早く出頭する
最優先はこれです。警察が捜査を開始する前に自ら申し出れば、自首として扱われる余地があります。自首が認められれば、刑が軽くなる可能性があります。
すでに捜査が始まっていても、出頭する意味はあります。逃げ続けている状態と、自ら出向いた状態とでは、評価がまるで違います。
逮捕されるかどうかにも影響します。自ら出頭していれば、逃亡のおそれが低いと判断される材料になります。
被害者の容体を確認する
何よりも、相手の状態です。救護しなかったことで症状が悪化していないか。この点は、処分の重さにも直結します。
救護しなかったことで症状が悪化したと判断されれば、結果の重大さがそのまま量刑に反映されます。
直接連絡を取るのは難しいことが多いので、警察や保険会社を通じて確認することになります。
保険会社へ連絡する
賠償については、任意保険から支払われます。ひき逃げをしたからといって、対人賠償が使えなくなるわけではありません。被害を受けた側を保護しなければならないからです。
ただし、飲酒が絡んでいれば、自分のケガや車の損害については支払われないのが原則です。
また、支払われた分について、保険会社が運転者に求償することもあります。
早い段階で相談する
身柄を拘束される可能性がある類型です。逮捕されてからでは、できることが限られます。出頭する前に相談し、どう説明するかを整理しておくほうが確実です。
身柄を拘束されると、勤務先への連絡も自分ではできません。家族に事情を伝えておく必要があります。
被害者の立場でできること
ひき逃げに遭った場合、相手が分からないという困難が加わります。
まず警察へ
救急と警察への通報が最初です。相手の車について、覚えている特徴はすべて伝えてください。車種、色、ナンバーの一部、進んでいった方向。断片でも、捜査の手がかりになります。
時間が経つと記憶は薄れます。動けるようであれば、その場でメモを取っておいてください。
証拠を確保する
現場の状況、周辺の防犯カメラ、目撃者の連絡先。映像は一定期間で上書きされますので、当日中に所在を確認してください。
個人で頼んでも応じてもらえないことが多く、警察から照会してもらうほうが確実です。所在だけでも伝えておいてください。
必ず受診する
その場で痛みがなくても、医療機関を受診してください。人身事故として扱われるかどうかで、捜査の本気度も、その後の請求も変わります。
相手が分からない段階では、治療費を自分で立て替えることになります。健康保険を使う形にすれば、医療機関の窓口で払う額を減らせます。
使うには届け出が必要です。医療機関と、加入している保険者に相談してください。
相手が見つからない場合
加害者を特定できなくても、補償を受ける道があります。自分が加入している人身傷害保険や無保険車傷害保険、そして政府が運営する保障の制度です。
あきらめて何もしないと、受け取れるはずのものを失います。保険会社に相談してください。
後から加害者が判明した場合は、その相手に請求し直す形になります。先に自分の保険を使ったことが不利になるわけではありません。
家族がひき逃げをしてしまったら
本人が動揺していて、判断できない状態になっていることがあります。
まずは、出頭を促してください。隠そうとしても、いずれ判明します。時間が経つほど、本人の立場は悪くなります。
かばおうとして事実と違う説明をすると、家族自身が責任を問われることもあります。感情としては苦しいところですが、正直に進めるほかありません。
身柄を拘束される可能性がありますので、勤務先への連絡や家庭の段取りも考えておく必要があります。逮捕されれば、本人は外部と自由に連絡を取れません。
また、車の所有者が家族である場合、賠償の責任が及ぶこともあります。誰の車だったのかは、早い段階で整理しておいてください。
保険の契約者が誰か、運転者の範囲がどう設定されているかも確認が要ります。条件から外れていれば、保険が使えないこともあります。
未成年が運転していた場合は、手続きそのものが変わります。家庭裁判所での少年審判になるのが原則です。
よくある質問
気づかずに走り去った場合もひき逃げになりますか
事故を起こした認識がなければ、救護義務違反は成立しないとされています。ただし、認識の有無は衝撃の大きさや車体の損傷といった事実から判断されます。本人が気づかなかったと述べるだけでは足りません。
物に当たったと思って逃げた場合はどうなりますか
実際に人がケガをしていれば、ひき逃げとして扱われる可能性があります。仮に物損だと思っていたとしても、報告義務は生じますので、立ち去った責任は残ります。
ひき逃げをすると必ず免許取消しになりますか
救護義務違反だけで35点が付きますので、取消しは避けられません。前歴がなくても欠格期間は3年で、事故の付加点数が加わればさらに延びます。
逃げてもいずれ判明しますか
判明する可能性が高いと考えてください。防犯カメラ、ドライブレコーダー、落ちた部品、修理工場への照会など、複数の経路から捜査が進みます。時間が経ってから特定される例もあります。
自首すると処分は軽くなりますか
捜査が始まる前に自ら申し出れば、自首として刑が軽くなる余地があります。すでに捜査が進んでいても、出頭すること自体は評価されます。逃げ続けるより、はるかに良い選択です。
示談すれば起訴されませんか
ひき逃げが絡む事案では、示談が成立していても起訴されることが多くあります。ただし、量刑の判断では考慮されますので、被害弁償を進める意味はあります。
加害者が見つからない場合、被害者は補償を受けられますか
受けられます。自分の人身傷害保険や無保険車傷害保険が使える場合があり、それらがなくても政府が運営する保障の制度があります。窓口は損害保険会社です。
相手が立ち去った後に痛みが出ました
すぐに医療機関を受診し、警察へ届け出てください。事故の直後に届け出ていない場合でも、後から申し出ることは可能です。相手の車について覚えている特徴を伝えれば、捜査を進める材料になります。時間が経つほど、事故とケガのつながりを疑われやすくなりますので、違和感を覚えた時点で動いてください。
受診の際は、交通事故によるものだと医師に伝えてください。カルテに残ることが、後の裏づけになります。
症状が軽いと感じても、自己判断で通院をやめないでください。
間隔が空くと、治療の必要がなかったと見られかねません。
医師の指示に沿って、必要な期間は通い続けてください。
相手が見つからない段階でも、記録を積み上げておくことに意味があります。後から判明したときに、請求の土台になります。
ひき逃げは、加害者にとっても被害者にとっても重い事故です。だからこそ、その場にとどまることが何よりの分かれ目になります。
ひき逃げをしてしまい、被害者の容体が分かりません
出頭した際に警察へ確認してください。直接連絡を取るのは難しいことが多いため、保険会社を通じて状況を把握することになります。容体は処分の重さにも関わりますので、放置せず確かめてください。症状が重ければ、賠償の額も量刑も変わります。
治療が長引く場合は、処分の判断も後ろにずれます。
その間に弁償を進めておけば、判断に反映される余地が生まれます。
保険会社に、刑事の手続きが進んでいる旨を伝えておいてください。
伝えなければ、通常の速さで手続きが進みます。
ひき逃げの被害者ですが、何から始めればよいですか
警察への届け出と、医療機関の受診です。そのうえで、周辺の防犯カメラの所在を確認し、自分の保険で使えるものがないかを保険会社に相談してください。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
