2018/12/28 174view

交通事故(死亡事故)被害者遺族が取るべき対応まとめ

この記事で分かること
  1. 死亡事故に巻き込まれたら、まずは必ず警察と連絡をとり、事故の状況を記録する
  2. 示談交渉を始める時期は、裁判の判決が出る時期を考慮する必要がある
  3. 弁護士に依頼すると、交渉を代理で行ってくれ、心的負担を減らすことができる

交通事故で死亡してしまった。身内がこのような状況に陥った場合、ショックのあまり何も手につかないでしょう。賠償や補償について冷静に考える前に、怒りや悲しみが先に来るかもしれません。ここでは、感情的になっている場合でも、なんとか必要な手続を行えるように、とるべき対応を簡単にまとめてみたいと思います。気が動転していて最初の対処をあやまると、「もっとちゃんとやっておけばよかった」ということにもなりかねません。

交通事故で死亡事故が起こったら遺族がするべきこと

一般的に交通事故にあってしまった場合、ある程度とる手続は決まっています。最初に必ずしなければならないのは、警察への連絡です。死亡事故などの大きな事故の場合は、加害者被害者ともに大けがで連絡ができないこともありますが、その場合でも、周りの人に必ず警察に連絡したのか確認しておく必要があります。

もし加害者に何もケガがなければ、加害者はその場で警察に拘束されますが、ケガを負っている場合は治療後の逮捕になります。この時被害者遺族にとって重要なのは、事故の状況を把握しておくことです。

事故の状況の把握

交通事故の場合、加害者被害者の関係ははっきりしているものの、その過失割合が明確でない場合があります。

例えば、死亡事故の場合、加害者が飲酒運転をしていたという場合もあれば、被害者が信号を無視していたということもあります。実際にそのような事実がなくても、最初は過失があることを認めていた加害者が、時間がたつにつれて否定するということも起こり得ます。

そのような食い違いが起きないよう、事故が起きた状況を明確に記録しておく必要があります。だいたいは警察から聞く場合が多いと思いますが、被害者から話してもらうこともあるでしょう。そのような時は、録音しておくなど、証拠として残せる形にしておくことが重要です。いずれにせよ、警察と連携していくことが必要になります。警察に聞いておくべきことをまとめると、次のようになります。

  • 事故状況の把握
  • 加害者の情報の把握
  • 目撃者の情報の把握

警察から聞いておくべきこと

死亡事故では被害者がすでにこの世にいないため、警察から事故状況の情報を得て、把握しておく必要があります。事故状況の詳細のほか、加害者の連絡先、目撃者の情報などを聞き出しておきましょう。

目撃者がいれば、連絡をとり、協力を仰ぐようにお願いすることが必要になってきますが、目撃者がいなければ立て看板を立てることを警察にお願いしたり、自分で探す努力をしたりするといったことが必要になる場合もあります。いずれにせよ、加害者側の一方的な見解を確かめるためにも、目撃者の有無は重要となってきます。さらに、今後の手続のために、加害者に連絡をし、保険加入状況について把握することを忘れずに行いましょう。

保険会社への連絡

通常の事故でも、警察に連絡した後に、保険会社に連絡するのが一般的でしょう。事故後の対応の多くは、加害者側の保険会社が行うことになります。加害者側の保険会社や保険番号を調べておきましょう。場合によっては、加害者の勤め先の保険が適応されることもあるので、それも押さえておきましょう。

また、被害者側の保険会社にも、人身傷害補償特約や、弁護士費用特約などが適応できる可能性があるため、連絡を忘れないようにしましょう。しかし、慰謝料や賠償の請求は、場合によって裁判の判決が出てから行う方が有利になりやすいということを把握しておいた方がいいでしょう。

加害者の判決内容の把握

加害者が逮捕されると、そこから警察の取り調べが行われ、48時間以内に検察庁へ送られます。そこで勾留するかどうかが決められるのですが、勾留されると、次に刑事裁判にかけるかどうか判断されます。罪があるとされなければ不起訴処分で釈放されますが、罪があると判断された場合は、刑事裁判にかけられます。悪質な違反などが見られない場合、多くは略式起訴になりますが、判決には反省の態度なども判断の材料になります。

もし判決が出る前に示談を済ませると、加害者は反省しており、被害者の感情にも配慮していることが認められ、判決が軽くなる傾向があります。このことを考慮し、どうした方がよいのかを判断する必要があるでしょう。「謝罪はないのか!」と、お怒りになる遺族の方もいますが、逮捕されると被害者との面談は弁護士にしか許されませんので、注意が必要です。次に、保険会社との交渉についてみていきましょう。

ワンポイントアドバイス
もし精神的なダメージが大きく、何も手につかないという方は、手間暇を最小限にするために、専門の弁護士に依頼することをおすすめします。ただでさえ葬式の準備などに手間をとられているのに、弁護士に依頼するなんてできないと思われるかもしれませんが、依頼をすると代理としてさまざまな手続きを行ってくれるので、精神的にも楽になることが考えられます。

交通事故の被害者遺族による保険会社との交渉

交通事故では、基本的に加害者の保険会社と連絡を取り合うことになります。保険会社に任せておくと、いろいろな手続きを行ってくれるのですが、死亡事故だから同情してくれ、できる限りの対応をしてくれるかというとそうではありません。やはり利害関係がかかわってくるものですので、保険会社が損するような対応はしません。

もし、さまざまな交渉をどうすればいいかわからないときは、弁護士に依頼するといいでしょう。だいたい交渉をはじめるのは、四十九日以降となることが多いです。書類としては、次のようなものが必要になってきます。

  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 死亡診断書
  • 事故前の収入の証明書(源泉徴収票や確定申告書など)
  • 保険金の支払請求書
  • 印鑑証明書
  • 身分証明書
  • 戸籍抄本
  • 委任状

請求することができる賠償金の種類

以上の交渉によって加害者に請求することができる賠償金には、葬儀費用と逸失利益、死亡慰謝料があります。しかし、事故後に治療をし、死亡した場合には、入院費や治療費、休業損害なども請求の対象になります。ここではまず、葬儀費用と逸失利益、死亡慰謝料についてみていきましょう。

葬儀費用

死亡事故の場合、被害者の葬式を行う必要が出てくるでしょう。損害賠償請求では、この葬儀費用も請求することができます。相場としては150万円程度になるのが多いですが、場合によってはそれ以上やそれ以下になります。香典を受け取っても、その分差し引かれるということはありません。法要については、だいたい四十九日までの分が認められます。

逸失利益

逸失利益とは、死亡した人が将来得られただろう収入のことを意味しています。この逸失利益の計算上で問題となるのが生活費控除率ですが、これは生きていたならばかかっていただろう生活費をそこから控除する比率を意味しています。

例えば、被害者はもう死んでしまったので、将来の食費分の金額を支払う必要はありません。そのため、この生活費分を控除するというのが生活費控除率です。生活費控除率は、だいたい30~50%になりますが、低ければ低いほど逸失利益が高額になります。逸失利益は、だいたい67歳までに稼ぐことができただろう収入を算出して支払われることになります。そのため、金額は生前もらっていた給料によって変動してきます。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことで受けた精神的苦痛に対する賠償金のことです。死亡事故でない場合は、被害者自身が慰謝料を受け取る対象になりますが、死亡事故の場合は被害者がおらず、そのため遺族が死亡慰謝料を請求できると考えられています。慰謝料の計算基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判基準という3つの計算基準があります。

ワンポイントアドバイス
死亡事故の場合、事件のことを考えたくないとして交渉を先延ばしする方がいます。しかし、損害賠償請求権の時効は3年であり、これ以上になると請求することができなくなります。もし心理的に負担になる場合は、保険の弁護士特約などを確認して、弁護士に交渉の代理となってもらうことを依頼することをおすすめします。

交通事故の被害者遺族への慰謝料の計算基準の種類

上で触れたように、慰謝料の計算基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判基準という3つの計算基準があります。この点についてもう少しみてみましょう。

  • 自賠責保険基準
  • 任意保険基準 
  • 裁判基準

自賠責保険基準

自賠責基準は、もっとも安い慰謝料の計算方法です。本人の慰謝料が350万円、加えて遺族が1人なら550万円、2人なら650万円、3人なら750万円となります。被害者に扶養されていた人がいた場合には、遺族が1人なら750万円、2人なら850万円、3人なら950万円に増額されます。慰謝料が認められる遺族の範囲は、配偶者と子ども、両親です。これには、養子や養親も含まれます。

任意保険基準

任意保険基準とは、任意保険会社が主として用いる計算基準になります。金額は被害者の過程における役割によって大きく変化し、家計を主として支えていた場合には、1700万円程度、扶養されている配偶者であった場合には1450万円程度、18歳で未就労の場合は1400万円程度、高齢者の場合は1250万円程度になります。

裁判基準

裁判基準とは、弁護士に依頼して裁判を行った際に適応される基準であり、最も高額かつ最も適切な金額だと考えられています。任意保険基準よりもかなり高額であり、例えば家計を主として支えていた場合には、2800万円以上、扶養されている配偶者や独身の男女の場合には2000万円以上、18歳で未就労の場合は1800万円以上、高齢者の場合でも1800万円以上になります。

ワンポイントアドバイス
慰謝料の計算基準のうち、裁判基準が最も高額になります。場合によっては任意保険基準の数倍になることもあります。もし保険会社のやり方に納得がいかず、法的に適切だと考えられている金額を請求したい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故の被害者の遺族は解決へ向けて弁護士を頼りましょう

死亡事故が起きて、心理的な解決にいたるまでには長い時間がかかることが多いです。仕事が手につかなくなり、何もしたくないといったことにもなりかねないでしょう。しかし、そのような状況のなかでも生活をしていかなくてはなりません。何もしたくない場合でも、弁護士に依頼するなどの対応をとっておく必要があります。

専門の弁護士であれば、遺族の悲しみを十分に理解し、対応してもらえることが多いです。死亡事故にあわれた際は、弁護士に相談してみてください。

交通事故に巻き込まれたら弁護士に相談を
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上記に当てはまるなら弁護士に相談