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交通事故を弁護士に依頼する前に、知っておきたい弁護士費用の相場

この記事で分かること

  • 交通事故の賠償問題交渉は、弁護士に代理人を依頼するのが賢明
  • 弁護士費用の相場は、相談料1時間5,000~1万円、着手金10万円~
  • 着手金の用意が難しい場合は、強制(自賠責)保険を利用する方法がある

交通事故の示談交渉・訴訟で不利益を被らないためには、弁護士に依頼するのが有効です。かかる費用は相談料・着手金・成功報酬などで、相場は相談料が1時間あたり5,000~1万円、着手金は10万円~です。成功報酬は勝ち取った損害賠償額に応じて決まります。着手金を用意するのが難しい場合は、強制(自賠責)保険の保険金請求を利用する方法もあります。

交通事故の示談交渉を依頼する弁護士費用の相場とは

交通事故が発生した後、加害者が60日以内に保険会社に事故を届け出て、裁判外で賠償問題の解決を図る「示談」が始まります。最近は保険会社が示談を代行することがほとんどで、被害者側に対抗策がなければ加害者側に負担が少ないように交渉を進められるでしょう。

弁護士に依頼するメリット

示談担当者に対抗するには、被害者側の交渉の代理人を弁護士に依頼するという方法があります。弁護士に依頼すれば、相手方との交渉を任せることができ、さらに損害賠償金の増額も期待できます。

交渉を任せることができる

弁護士に代理人になってもらうと、被害者は加害者や示談担当者に会わずに済みます。交通事故の示談はお互いが感情的になりやすく、ストレスがたまるものです。また、法律の知識や交渉経験がなく話がこじれれば、示談が長引いてしまう恐れもあるでしょう。弁護士に依頼すれば、相手方とのやりとりは一任して、被害者はストレスや時間の拘束から解放されます。

損害賠償金の増額が期待できる

損害賠償額の支払い基準は「強制(自賠責)保険」「任意保険(会社ごとに独自基準)」「弁護士会」のそれぞれが設定した目安が存在し、最も金額が高いのは弁護士会の基準です。しかし加害者の保険会社(任意保険)の示談担当者が提示してくるのは、自社の基準を元に損害賠償金額です。より高額な損害賠償金を勝ち取るには、弁護士に交渉を依頼して弁護士会の基準で請求する必要があります。

弁護士に相談・依頼する際に必要な費用

一般の人が日常生活で弁護士に相談・依頼する機会はなかなかありません。弁護士の力を借りたくても、どんな費用が発生するのかわからないと不安になるでしょう。弁護士に相談・依頼する際にかかる主な費用について説明します。

相談料

相談料は、交通事故について弁護士に最初に相談する時に発生する費用です。基本的には相談者が弁護士事務所に出向いて相談するケースが多いですが、電話で相談に応じてもらえることもあります。また、相談をした弁護士に必ず依頼しなければならない、というルールはありません。相談で弁護士の知識・経験や自分との相性を見極めてから依頼するのが賢明です。

着手金

着手金とは、弁護士に依頼することを決定した時に支払う費用です。事件の難易度に応じて金額が変わります。また、弁護士が示談に臨んだ結果が成功・失敗のどちらでも依頼人に返金されることはありません。しかし、弁護士の仕事ぶりに納得がいかないなど何らかの理由で契約を解除する場合は、事件処理の進み具合に応じて一部が返金される場合もあります。

成功報酬

成功報酬(報酬金)とは、事件終了後に弁護士に支払う費用です。事件の成功の程度(経済的利益)に応じて金額が異なります。つまり相手方からどれくらいの損害賠償金を勝ち取ることができたかによって金額が変動するのです。

ワンポイントアドバイス
示談交渉で出てくる相手はプロ。弁護士費用を節約したいあまり自身で交渉を行い、結果的に損害賠償金を取り損ねることになっては意味がありません。案件ごとに勝ち取れそうな損害賠償額と弁護士費用を相談、確認しておきましょう。リストラをめぐる裁判では「4つの要件を全て満たしていないリストラは無効」とされてきました。交渉や訴訟の代理人を依頼しましょう。

交通事故の弁護士費用の相場の詳細

弁護士の報酬金額をめぐっては、2004年までは弁護士会が作った規定がありましたが、現在は廃止されて、弁護士それぞれが自由に決めていいことになっています。また、依頼内容によって変動する部分もあるのですが、弁護士報酬の相場は以下のようになっています。

弁護士報酬

弁護士費用は「弁護士報酬」と「実費」で構成されます。まずは弁護士報酬に当たる相談料、着手金、成功報酬の相場について説明します。なお、着手金と成功報酬は事件や当事者をとりまく様々な要素で変動します。さらに、着手金が高額な場合は成功報酬の金額を抑える、といった対応がとられることもあります。

相談料

相談料は相談時間に応じて発生します。1時間あたり5,000〜1万円としている弁護士が多いようです。また、相談料を「無料」や「初回無料」としている弁護士もいるので、弁護士を一から探している場合は上手く活用するといいでしょう。

着手金

日弁連のアンケート調査によると、弁護士が想定した損害賠償額が1,000万円、保険会社の提示額が500万円で、訴訟により満額の支払いを勝ち取った事件の場合、着手金は「30万円」と答えた弁護士が最も多くなっています。示談交渉のみで終了する事件なら、低額の場合は10万円程度です。一方、着手金を無料とする弁護士もいます。

成功報酬

日弁連のアンケート調査によると、前述の事件の場合、成功報酬は「50万円前後」と回答した弁護士が最も多くなっていますが、60〜100万円前後という回答も多く弁護士によってばらつきがみられます。

実費と時間制報酬

弁護士に相談・依頼した場合にかかる主な費用は弁護士報酬です。このほか、大きな金額ではありませんが「実費」が必要となります。また、「時間制報酬」により弁護士報酬を算出するケースもあります。

実費

弁護士が事件処理のために必要とした交通・宿泊費や、郵便物の切手代、書類のコピー代などのことです。相手方が遠方訴訟などに発展した場合は訴状に貼る収入印紙代なども含まれます。細々とした金額なので、着手金と一緒に弁護士にいくらか預け、過不足分は後日精算する方法が一般的です。

時間制報酬(タイムチャージ)

弁護士報酬は、相談料・着手金・成功報酬として受け取る弁護士が多いのですが、なかには「時間制報酬(タイムチャージ)」を取り入れている弁護士もいます。時間制報酬とは引き受けた事件の処理にかかった実際の時間に応じて報酬を計算するものです。支払いは、事件終了後ではなく月末ごとに締めて請求するケースが多いようです。

ワンポイントアドバイス
弁護士費用は各弁護士が独自に決めているので、かかる項目、金額、支払い方法が様々です。着手金や成功報酬等が妥当であるか判断がつかない場合は、複数の弁護士に相談して見積もりを出してもらうのも良いかもしれません。

交通事故の弁護士の探し方

交通事故の被害に遭ったら、加害者側の言い分だけで納得せず、必ず一度は法律相談で客観的・専門的アドバイスを受けるべきです。公的な無料相談窓口もありますが、弁護士への依頼を検討しているなら弁護士に直接相談するほうがその後もスムーズでしょう。

弁護士の探し方

交通事故の損害賠償金は、自分の希望額と相手方の提示額が数百万円もかけ離れていることもあります。納得いく決着を望むのなら、少しでも有利な条件を引き出せる弁護士に依頼したいものです。弁護士は知り合いの紹介やインターネットで探すのが主流です。

知り合いから探す

まずは自分の家族・親戚や友人・知人に弁護士を利用したことがある人がいないか探してみましょう。実際の案件を通じて弁護士からどのような対応をしてもらえたかリアルな声を聞くと参考になります。また、報酬の金額や支払い時期なども教えてもらえるでしょう。

インターネットで探す

身近な人の中には弁護士を利用した人がいない場合は、インターネットで探しましょう。一口に弁護士と言っても得意分野は様々なので、交通事故に詳しい弁護士が望ましいです。料金体系を明示していて、相談料は初回無料、さらに無料通話で相談できる弁護士なら、法律相談は初めてという方も安心して相談できるのではないでしょうか。

ワンポイントアドバイス
交通事故に強い弁護士を探す場合、まずは知人などに当たって紹介してもらうのが手っ取り早い手段ですが、思い当らない場合はインターネットで探してみるとよいでしょう。その際、交通事故に強いかどうかを確認することが大切です。

弁護士費用の相場、こんな場合はどうなる?

相手方から支払われる損害賠償金があるとはいえ、弁護士費用の支払いをめぐっては疑問や不安がつきものです。例えば、裁判に勝ったら弁護士費用は相手方に負担させることができるのでしょうか。また、依頼時に懐事情が厳しい場合はどうすればいいのでしょうか。

ケースごとに違う弁護士費用の相場

弁護士費用は裁判の勝ち負けや着手金が用意できるでいないなどで変わってきます。では、どのような決まりがあるんでしょうか?

裁判に勝ったら弁護士費用は相手持ち?

民事訴訟法は、訴訟で敗訴した側が訴訟費用を負担することを定めています。この場合の「訴訟費用」とは訴状に必要な収入印紙代や裁判所に支払う切手代のことを指します。つまり、裁判に勝っても相手に弁護士費用を負担させることはできません。弁護士費用は勝ち取った損害賠償金の中から支払います。

お金がなく着手金が用意できそうにない場合は?

交通事故に遭った直後は、入院・通院の医療費がかさんだり、仕事ができない分収入が減るなど、懐事情が厳しくなるものです。弁護士と契約を結ぶ時に支払う着手金を用意するのが難しい人もいるでしょう。その場合は、まず弁護士に強制(自賠責)保険の保険金請求の手続きを依頼します。このほか、柔軟に応じてくれる弁護士なら、損害賠償金を受け取った時など「後払い」に応じてくれるので、初回に相談してみましょう。

ワンポイントアドバイス
どの弁護士に依頼するべきか、第一次選択としてはインターネット上の情報などを活用すると良いですが、実際には人間同士のことなので印象や相性があります。お金に関わる大切なことを依頼することになるので、最終的には画面の中だけで決めてしまわず、直接会って話してから正式依頼することをおすすめします。
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