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物損事故で慰謝料はもらえるのか
車をぶつけられて、修理に出すことになった。相手の不注意なのに、こちらは車を使えない日が続き、手続きにも時間を取られる。腹立たしい思いをしているのに、保険会社からは修理費の話しか出てこない。この扱いに納得がいかない、という相談をよく受けます。
先に結論をお伝えします。物損だけの事故では、慰謝料は原則として認められません。これは冷たい扱いに見えますが、法的には理由があります。ただし、請求できるものがまったくないわけではありません。むしろ、修理費以外に請求できる費目はいくつもあり、それを知らないまま示談してしまう方が少なくないのです。
相手方の保険会社は、こちらが請求していない費目を自分から足してくれることはありません。提示書に載っているのは、あくまで先方が計算した範囲です。載っていないものがあるかどうかは、こちらで確かめるほかありません。
物損の示談は、人身に比べて驚くほど早く進みます。修理が終われば損害額が固まるからです。早く終わるのはよいことですが、確認する時間も短くなります。提示を受けたその日に返事をする必要はありません。
この記事は、車の物損を中心に書いています。ただ、考え方は自転車やバイク、建物やガードレールの損傷でも変わりません。壊れたものの価値をどう回復するか、という枠組みは共通です。
想像してみてください。信号待ちで停まっていたところに追突され、バンパーとリアフェンダーを損傷した。修理には二週間かかると言われ、その間の移動手段がない。買ったばかりの車で、修復歴が付くことにも納得できない。この状況で、修理費だけを受け取って終わりにしてよいのでしょうか。
この場合、少なくとも代車の費用と、修復歴が付いたことによる価値の下落について、検討する余地があります。どちらも、こちらから持ち出さなければ話題にすら上がりません。
この記事では、慰謝料が認められない理由と、例外的に認められることがある場面を説明したうえで、物損で請求できる費目を一つずつ整理します。示談する前に読んでおいてください。
なぜ物損では慰謝料が認められないのか
慰謝料は、精神的な苦痛に対する賠償です。では、物が壊されたときの苦痛は賠償されないのでしょうか。
財産的な損害は金銭で回復できるという考え方
裁判実務では、物が壊れた場合の精神的苦痛は、その物の価値を金銭で賠償すれば回復されると考えられています。車が壊れたなら、修理費や買替えに必要な費用を支払えば、損害は埋め合わされたことになる。この整理が前提にあります。
言い方を変えると、物損の賠償は「元の状態に戻すのにいくらかかるか」という発想で組み立てられています。壊れた分を金銭で埋めれば足りる、という考え方です。ここに感情の要素を持ち込む余地が、制度として用意されていないのです。
身体を傷つけられた場合は違います。治療費を支払っても、痛みや不自由さそのものは消えません。だからこそ、それとは別に慰謝料が認められます。物と身体では、金銭による回復のしかたが違うのです。
この違いは、賠償の総額にもそのまま表れます。同じ程度の事故でも、ケガをしていれば慰謝料と治療費と休業損害が加わり、金額の桁が変わることがあります。物損だけで終わる事故の賠償が小さく見えるのは、この差によるものです。
不便さや怒りは損害として数えられない
車が使えない期間の不便さ、手続きに費やした時間、相手の態度への怒り。こうしたものは、たしかに実際に生じています。ただ、これらを金額に置き換える基準がありません。基準がないまま認めれば、事案ごとに判断がばらつき、かえって不公平になります。
ただし、これらがまったく評価されないわけでもありません。車が使えなかった不便さは代車費用という形で、価値が下がった無念さは評価損という形で、それぞれ財産の損害として拾われています。慰謝料という名前が付かないだけで、実質的に対応する費目が用意されているのです。
納得しにくい部分だと思います。ただ、この線引きを知っておくと、どこで争うべきかが見えてきます。慰謝料を求めて交渉するより、請求できる費目の漏れを埋めるほうが、実際に受け取れる金額は増えます。
交渉の場でも、この点は変わりません。「精神的に苦痛だった」という主張に対して、相手方の担当者は動きようがありません。一方、「評価損が計上されていない」「代車の期間が実際より短く見積もられている」という指摘には、応じる余地があります。争う場所を選ぶことが大切です。
もう一点、感情の落としどころも考えておいてください。金銭で解消されない部分が残るのは事実です。それでも、受け取れるものを確実に受け取ることが、いま取れる最善の手当てになります。
例外的に慰謝料が認められることがある場面
原則は原則であって、絶対ではありません。過去には、物損でも慰謝料が認められた例があります。
住居に突っ込まれたような場合
車が住宅に突っ込み、家族が生活していた空間が壊された。こうした場合、単に建物という財産が損なわれただけでなく、生活の平穏そのものが害されたと評価されることがあります。
寝ている部屋に車が飛び込んできた、家族が居合わせて危険にさらされた、といった事情が加われば、なおさらです。財産の損害という枠に収まらない被害が生じている、という判断です。
建物の場合、修理の間の仮住まいの費用や、引っ越しに要した費用も損害として扱われます。慰謝料が認められるかどうかとは別に、こうした実費の請求は忘れないでください。
また、住居への衝突は、修理の範囲や工法をめぐって争いになりやすい類型でもあります。建築の専門家に見てもらったうえで、必要な工事の内容を示すことになります。
代替できないものが失われた場合
長年連れ添ったペットが事故で亡くなった、先祖から受け継いだ墓石が壊された、といった場合です。金銭で同じものを買い直せない性質のものについては、財産的な賠償だけでは回復しきれないと判断されることがあります。
ペットについては、法律上は物として扱われる一方で、家族同然の存在であることを踏まえた判断が示された例もあります。ただし、認められた場合でも、人が亡くなった場合の水準とは大きく異なります。
加害者の態度が著しく悪質な場合
わざとぶつけてきた、その場から逃げた、嫌がらせを繰り返している。こうした事情があると、財産の損害とは別の苦痛が生じたと見られることがあります。
もっとも、単に相手の態度が横柄だった、謝罪がなかったという程度では足りません。故意に近い行為や、その後の執拗な言動といった、外形的に明らかな事情が求められます。
物損事故で請求できる費目
ここからが本題です。慰謝料が出ない代わりに、物損では次のような費目を請求できます。提示された内容と照らし合わせてみてください。
提示書には、この全部が並んでいるとは限りません。むしろ、修理費と代車費用だけが記載されていることのほうが多いくらいです。表を見ながら、自分の事故に当てはまる費目がほかにないかを確かめてみてください。
どの費目も、請求するには根拠が要ります。見積書、領収書、写真、購入時期が分かる資料。集められるものは、事故から日が浅いうちにそろえておいてください。時間が経つほど、集めにくくなります。
| 費目 | 中身 |
|---|---|
| 修理費 | 事故によって生じた損傷を直すために必要な費用 |
| 買替差額 | 修理が不可能または不経済な場合の、車両価格と売却代金の差額 |
| 評価損 | 修理しても残る、車の価値の下落分 |
| 代車費用 | 修理や買替えの期間中、代わりの車を借りた費用 |
| 休車損害 | 営業用の車が使えなかったことによる収入の減少 |
| 積載物・身の回り品 | 車に積んでいた荷物、衣類、眼鏡、時計などの損害 |
| 諸費用 | レッカー代、廃車費用、登録手続きに要した費用など |
修理費が認められる範囲
修理費は、事故による損傷を直すために必要かつ相当な額が認められます。争いになりやすいのは、事故と関係のない古い傷まで含まれていないか、部品を新品に交換する必要が本当にあったか、といった点です。
相手方の保険会社が、修理工場の見積もりより低い金額を提示してくることがあります。この場合、なぜその金額なのかを確認してください。根拠を示せないまま減額されているなら、そのまま受け入れる必要はありません。
とくに、修理工場が「この部品は交換が必要だ」と判断しているのに、板金で足りると主張されるような場面では、工場側の見解を書面にしてもらうことが有効です。専門的な判断が絡む部分は、専門家の言葉で示すほうが通りやすくなります。
修理を始める前に、損傷箇所の写真を自分でも撮っておきましょう。修理が終わってしまうと、どこがどう壊れていたのかを後から示せなくなります。全体が写る一枚と、損傷部分に寄った数枚があれば十分です。
相手方の保険会社が、修理工場に立ち会って損傷を確認することがあります。これは通常の手続きですから、断る必要はありません。ただ、その場で示された見解に納得できなければ、その場で合意せず持ち帰ってください。
全損の場合は買替差額になる
修理費が車の価値を上回る場合や、そもそも修理が不可能な場合は、全損として扱われます。この場合に受け取れるのは、修理費ではなく、事故当時の車の価値です。
ここで問題になるのが、価値をどう評価するかです。市場に出回っている同じ年式・同じ走行距離の車の価格を基礎に判断されますが、相手方の提示が低いと感じたら、実際の中古車情報を集めて示すことで動くことがあります。長く乗っている車ほど、この差が大きく出ます。
また、全損として扱われても、修理して乗り続けたいという希望があるかもしれません。その場合でも、受け取れるのは車両価格までで、それを超える修理費は自己負担になります。愛着のある車ほど、この線引きに納得しにくいところです。
なお、修理費が車両価格を少し上回る程度であれば、経済的全損とするか修理するかで争いになることがあります。同じ年式の車が市場でいくらで取引されているかによって結論が変わりますので、相手方の評価額をそのまま受け入れる前に、実際の中古車情報を見比べてみてください。
評価損は請求しなければ出てこない
修理して見た目が元どおりになっても、修復歴が付いた車は市場での価格が下がります。この下落分が評価損です。骨格部分にまで損傷が及んだ場合や、年式が新しく走行距離も短い車では、認められる余地があります。
ただし、相手方から自発的に提示されることは、まずありません。こちらが根拠を示して請求して、初めて検討の対象になります。
認められやすいのは、初度登録から年数が浅く、走行距離も短い車です。逆に、年式が古く走行距離も多い車では、修復歴による価格差そのものを示しにくくなります。まずは自分の車がどちらに当たるかを見てください。
判断に迷うときは、修理工場に「これは修復歴として扱われますか」と尋ねてみてください。骨格部分に手を入れたかどうかが、そのまま答えになります。
代車費用は必要性と期間が争点になる
修理の間、代わりの車を借りた費用も請求できます。ただし、代車が本当に必要だったか、借りていた期間が妥当か、車種のグレードが釣り合っているか、といった点が問われます。
通勤や送迎で日常的に車を使っているなら、必要性は認められやすいでしょう。一方、週末しか乗らない、公共交通機関で代替できる、という状況では争いになります。借りる前に、相手方の保険会社へ一報を入れておくと、後の交渉が楽になります。
車種のグレードについても、事故車と同等の範囲までとされるのが通常です。普段乗っている車より大幅に上のクラスを借りると、差額が認められないことがあります。迷ったら、借りる段階で確認しておいてください。
営業車なら休車損害を検討する
タクシー、運送用のトラック、営業に使っている社用車など、その車で収入を得ていた場合には、使えなかった期間の減収を請求できます。これを休車損害といいます。
認められるには、代わりに使える車が手元になかったことを示す必要があります。同じ用途の遊休車があれば、そちらを使えばよかったと判断されるためです。日々の売上や稼働の記録が資料になりますので、事故の前後の状況を整理しておいてください。
個人で営業している方の場合、その一台が使えないと収入が直接止まります。にもかかわらず、休車損害という費目があること自体を知らずに、修理費だけで示談してしまう例があります。心当たりがあれば、必ず持ち出してください。
代車を借りて営業を続けた場合には、休車損害ではなく代車費用として扱われます。両方を重ねて請求できるわけではありませんので、どちらで組み立てるかを整理してから請求してください。
営業に使う車では、修理の期間そのものを短くする工夫も損害を抑えます。部品の手配に時間がかかりそうなら、その旨を早く相手方に伝えておくと、期間が長引いた理由を説明しやすくなります。
積んでいた荷物や身につけていた物
忘れられやすいのがこの費目です。車内に積んでいた仕事の道具、破損した眼鏡や時計、チャイルドシート、ドライブレコーダー。事故によって壊れたものは、車体とは別に請求できます。
購入時期と価格が分かる資料があると話が早く進みます。ただし、新品の価格がそのまま認められるとは限らず、使用による価値の減少を考慮した額になるのが通常です。
壊れたものは、すぐに処分しないでください。示談が終わるまでは、写真を撮ったうえで保管しておくのが安全です。実物が残っていないと、損傷の程度を示せなくなります。
チャイルドシートは、見た目に損傷がなくても、一定の衝撃を受けた後は交換が推奨されることがあります。安全に関わる部分ですから、製造元の案内を確認し、交換が必要なら費用を請求してください。
ケガをしているなら人身事故に切り替える
ここが最も大切な分かれ目です。事故の直後に痛みがなく、物損事故として処理された。その後になって首や腰の痛みが出てきた。この場合、物損のままにしておくと、慰謝料も治療費も請求しにくくなります。
人身事故として扱われれば、慰謝料の対象になります。通院した期間や日数に応じて算定され、物損では認められなかった精神的苦痛への賠償が生じます。治療費、通院交通費、休業損害も加わります。
この差は小さくありません。物損のままなら修理費だけで終わっていた事故が、人身に切り替えることで、通院期間に応じた賠償が加わります。ケガをしているのに切り替えないことには、被害者側に何の利点もありません。
切り替えには手続きが要る
物損から人身への切り替えは、警察に診断書を提出して行います。時間が経つほど、事故とケガのつながりを疑われやすくなりますので、症状が出たらすぐに受診し、早い段階で手続きを進めてください。
人身事故として扱われると、実況見分が行われ、事故の状況を記録した資料が作られます。この資料は、後に過失割合を争うときの材料になります。物損のままでは、この記録が残りません。
記録がないと、事故の状況について双方の言い分が食い違ったときに、判断の材料が乏しくなります。過失割合を争う可能性がある事故では、この点も切り替えを検討する理由になります。
同乗していた人がケガをした場合
自分は無傷でも、同乗していた家族や友人がケガをすることがあります。この場合、その人は人身の被害者として賠償を請求できます。
誰に請求するのかは、事故の態様によります。相手方に過失があれば相手方へ、運転していた側にも過失があればその双方へ、という形になります。同乗者にとっては、運転していたのが家族や友人であるだけに、請求しづらいと感じる場面かもしれません。
ただ、実際に支払うのは保険会社です。運転していた人の懐が直接痛むわけではありません。遠慮して請求を控えると、ケガをした本人が損をするだけになります。
過失割合は物損にも効いてくる
物損の賠償にも、過失割合はそのまま影響します。こちらに二割の過失があるとされれば、認められた損害額から二割が差し引かれます。
ここで注意したいのが、物損の交渉は保険会社どうしで進むことが多いという点です。双方の保険会社が話し合って割合を決め、結果だけが伝えられる。この流れに任せきりにすると、こちらの言い分が反映されないまま数字が固まってしまいます。
自分の保険を使わずに進めている場合は、なおさら注意が必要です。自分の側に交渉する担当者がいない状態で、相手方の主張だけが積み上がっていきます。提示された割合には、必ず一度目を通してください。
割合が動けば、受け取れる金額もそのまま動きます。損害額が大きい事故ほど、一割の違いが響きます。数字だけを見て「そんなものか」と流さず、根拠まで確かめる習慣を持ってください。
ドライブレコーダーの映像があれば、それが最も強い材料になります。事故の直後にデータを取り出しておいてください。放置すると上書きされて消えてしまいます。
提示された割合の根拠を確かめる
納得がいかないなら、どの類型を前提にした割合なのか、どんな修正が加えられているのかを尋ねてください。説明を求めること自体は、何ら失礼なことではありません。
また、こちらが過失ゼロの事故では、自分の保険会社は相手方との交渉を代行できません。示談代行が使えるのは、自分にも賠償責任が生じうる場合に限られるためです。追突されたようなケースでは、自分で交渉するか、代理人を立てるかを選ぶことになります。
過失がゼロであることは、本来こちらに有利な事情です。ところが、交渉を代行してもらえないという点では負担が増えます。この構造を知らずに、なぜ自分の保険会社が動いてくれないのかと戸惑う方が多くいます。
相手が保険を使いたがらない場合
相手が任意保険に入っていない、あるいは入っていても等級が下がるのを嫌って使いたがらない。物損では、こうした事態が起こりえます。
自分の保険で対応できる部分を確認する
車両保険に加入していれば、相手からの回収を待たずに修理を進められます。ただし、使えば等級に影響しますので、修理費の額と、翌年以降の保険料の増加分を比べて判断することになります。
相手から回収できる見込みがあるなら、車両保険を使わずに待つという選択もあります。ただし、修理を先延ばしにすると生活に支障が出ますから、先に自分の保険で直し、後から相手に請求するという進め方も現実的です。
弁護士費用特約が付いていれば、物損でも使える商品が多くあります。金額の割に手間がかかりやすい物損こそ、特約が生きる場面です。
相手に直接請求する場合
相手が保険を使わないなら、本人に請求することになります。支払能力の有無、分割にするかどうか、合意した内容を書面に残せるか。こうした点を確かめながら進める必要があります。
口約束で終わらせると、後で支払われなくなったときに手立てがありません。金額、支払時期、支払方法を書面にしておいてください。
分割払いにする場合は、支払いが滞ったときにどうするかも決めておきましょう。残額を一括で請求できるという取り決めを入れておくと、途中で止まったときに動きやすくなります。
示談する前に確かめること
物損の示談は、人身より早く進みます。修理が終われば損害額が固まるため、数週間で話がまとまることもあります。だからこそ、署名の前に一度立ち止まってください。
- ケガの症状が出ていないかを確認する。少しでもあれば受診する
- 提示書に、修理費以外の費目が含まれているかを確かめる
- 評価損を請求できる事故かどうかを、修理工場に確認する
- 代車費用、積載物の損害、諸費用に漏れがないかを見る
- 過失割合の根拠を尋ね、納得できるかを判断する
一度示談が成立すると、後から追加で請求するのは困難です。とくに、ケガの症状が後から出てきた場合、示談書に「今後一切の請求をしない」という趣旨の条項があると、人身の賠償まで請求できなくなるおそれがあります。
物損と人身を分けて示談することはできます。実務上も、物損だけ先に合意し、治療が終わってから人身の話をする、という進め方は珍しくありません。物損の示談書を交わすときは、その合意が物的損害に限られたものであることを明記してもらってください。
物損事故で弁護士に依頼する意味はあるか
正直に申し上げると、物損だけの事故では、費用をかけて依頼しても手元に残る金額が増えないことがあります。損害額そのものが小さいためです。
ただし、次のような事情があれば、依頼する意味は十分にあります。
- 過失割合に争いがあり、動かせば金額に大きく響く
- 全損として扱われ、車両価格の評価で開きがある
- 評価損や休車損害など、争点のある費目を請求したい
- 相手が任意保険に入っておらず、回収の道筋を組み立てる必要がある
- 相手方の対応が不誠実で、話し合いが進まない
- 営業に使っている車で、休車損害を請求したい
そして何より、弁護士費用特約が使えるなら、この判断自体が不要になります。費用は保険から支払われますので、金額の大小にかかわらず任せられます。自分の契約だけでなく、家族の契約も確認してみてください。
特約は、配偶者や同居の親族、別居している未婚の子まで対象にしている商品が一般的です。物損は対象外だと思い込んでいる方がいますが、多くの商品で使えます。確認は電話一本で済みます。
当て逃げのように相手が分からない事故では、そもそも請求先の特定から始めることになります。この段階でも、取れる手立てを知っているかどうかで結果が変わります。
よくある質問
物損事故でも慰謝料をもらえたという話を聞きました
例外的に認められた事例はあります。住居に車が突っ込んだ、代替できないものが失われた、加害者の行為が著しく悪質だった、といった特別な事情がある場合です。通常の追突や接触では、認められないと考えてください。
事故から数日後に首が痛くなりました。今からでも人身にできますか
できます。医療機関を受診して診断書を取り、警察に提出して切り替えの手続きを行ってください。時間が経つほど事故との関係を疑われやすくなりますので、早く動くほど有利です。
切り替えに応じてもらえない場合でも、方法がないわけではありません。人身事故として扱われなくても、相手方の保険会社に対して人身の損害を請求すること自体は可能です。ただし、事故とケガのつながりを示す資料は、こちらでそろえる必要が出てきます。
相手の保険会社が修理費を全額出してくれません
減額の根拠を確認してください。事故と無関係な損傷が含まれている、部品交換の必要性が乏しい、といった理由が示されるはずです。根拠が示されない、または納得できない場合は、修理工場に見解を書面で出してもらう方法があります。
代車はいつまで借りられますか
修理に必要な相当な期間まで、というのが原則です。部品の入荷待ちなど、やむを得ない事情があれば延びることもあります。長期化しそうなときは、事前に相手方の保険会社へ伝えておくと、後の争いを避けられます。
愛車が全損になりました。買替えの諸費用も請求できますか
登録手続きに要する費用や、廃車にかかる費用など、買替えに必要な範囲のものは請求できます。一方、自動車取得税や自賠責保険料のように、新しい車を持つこと自体に伴う負担は、認められないことがあります。
物損で示談した後に、ケガが分かりました
物損の示談書が物的損害についてのみの合意であれば、人身の賠償を別に請求できる余地があります。ただし、条項の書き方によっては争いになりますので、示談書を持って早めに相談してください。
過失がゼロなのに、自分の保険会社が交渉してくれません
自分に賠償責任が生じない事故では、保険会社が代わりに交渉することが法律上できません。示談代行が使えるのは、自分の側にも支払う可能性がある場合に限られるためです。この場合は、自分で交渉するか、弁護士費用特約を使って代理人を立てることになります。
相手が無保険で、修理費を払ってくれません
本人に請求することになりますが、支払能力がなければ回収は難しくなります。自分の車両保険が使えないか、弁護士費用特約が付いていないかを先に確認してください。使える補償から検討するのが現実的な順序です。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
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¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
