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友人の車に乗せてもらっていたら、事故にあってけがをしてしまった——。あるいは、家族が運転する車に同乗していて被害を受けた——。こんなとき、「同乗していた自分は、誰に治療費や慰謝料を請求できるのだろう?」「運転していた友人に請求するのは気が引ける」と悩む方は少なくありません。
交通事故の同乗者は、運転者とは異なる立場にあり、賠償請求の相手や考え方も少し複雑になります。しかし、同乗者であっても、けがをすれば適正な賠償を受け取る権利があります。この記事では、交通事故の同乗者が、誰に・どのように損害賠償や慰謝料を請求できるのか、保険はどう適用されるのかを、弁護士の視点からわかりやすく解説します。
- 同乗者も、けがをすれば損害賠償・慰謝料を請求できる
- 請求相手は、事故の過失割合に応じて運転者・相手方の双方になりうる
- 運転者が家族や友人でも、その保険から賠償を受けられる
- 「好意同乗」を理由に減額されるケースは限られる
交通事故の同乗者も賠償を請求できる
まず大前提として、交通事故の同乗者であっても、その事故でけがをすれば、運転者と同じように、損害賠償や慰謝料を請求することができます。同乗者は、自分でハンドルを握って運転していたわけではなく、事故そのものについては何の落ち度もないのが通常だからです。だからこそ、被害者としてしっかり賠償を受ける権利があります。
同乗者が請求できる損害の内容は、運転者がけがをした場合と基本的に同じです。具体的には、入院や通院にかかった治療費、通院のための交通費、仕事を休んだことによる休業損害、入通院による精神的苦痛に対する入通院慰謝料などが含まれます。さらに、治療を続けても回復しきらずに後遺障害が残った場合には、後遺障害慰謝料や、後遺障害によって将来の収入が減ってしまう分を補う逸失利益も、あわせて請求できます。ただ同乗していたというだけで、運転者がけがをした場合に比べて、請求できる金額が減らされる、ということはありません。同乗者も、れっきとした被害者なのです。
「自分は運転していないから、何ももらえないのでは」と思う必要はありません。むしろ、同乗者は、運転に関与していないぶん、事故の当事者である運転者よりも過失がないことが多く、立場としては純粋な被害者そのものです。同乗者の賠償で本当に問題になるのは、「いくらもらえるか」よりも、むしろ「誰に対して請求すればよいのか」という点です。これを、次で詳しく見ていきましょう。人身事故の慰謝料がどのように決まるのかを知っておくと、請求の全体像がつかめます。
同乗者がとまどいやすいのは、「自分は運転していないのに、なぜこんな手続きをしなければならないのか」という点かもしれません。けれども、けがをして治療が必要になり、仕事を休まざるをえなくなったといった損害は、同乗者にとっても現実の負担です。その負担を回復するための賠償を求めることは、被害者として当然の権利です。運転していたかどうかは関係なく、けがをした以上、しっかり補償を受けてよいのだと、まずは理解しておきましょう。
同乗者は誰に賠償を請求できるのか
同乗者の賠償請求で最も重要なのが、「誰に請求するのか」という点です。これは、事故の過失割合によって変わってきます。
交通事故には、たいていの場合、2台以上の車、つまり複数の運転者が関係しています。一つは、同乗者自身が乗っていた車の運転者であり、もう一つは、衝突した相手方の車の運転者です。同乗者は、このどちらの運転者に対しても、それぞれの過失割合に応じて、賠償を請求することができます。
| 事故の状況 | 同乗者の請求相手 |
|---|---|
| 相手方が100%悪い事故 | 相手方の運転者(の保険) |
| 双方に過失がある事故 | 両方の運転者(の保険)に過失割合に応じて |
| 乗っていた車の運転者が100%悪い事故 | 乗っていた車の運転者(の保険) |
つまり、同乗していた車の運転者にも過失があれば、その運転者にも賠償を請求できるということです。たとえば、友人の運転する車に乗っていて、その友人と相手方の双方に過失があるという事故にあった場合、同乗者は、友人と相手方の両方に対して、それぞれの過失分に応じた賠償を請求できることになります。同乗者にとっては、賠償を請求できる相手が複数いるということが、どちらか一方の支払いが滞っても、もう一方から回収できるという点で、むしろ確実に賠償を受けるうえで有利に働くこともあります。損害賠償がどのように決まるのかを理解しておくと、請求の仕組みが見えてきます。
なぜ同乗者は両方の運転者に請求できるのかというと、複数の加害者が共同で被害者に損害を与えた場合、被害者はそのどちらに対しても損害の全額を請求できる、という考え方があるからです(共同不法行為)。同乗者から見れば、乗っていた車の運転者も、相手方の運転者も、どちらも「自分にけがを負わせた加害者」です。だからこそ、過失割合がどうであれ、同乗者は自分の損害の全額を、どちらかから(あるいは両方から)回収できるのが原則なのです。これは、請求相手が一人しかいない場合に比べ、確実に賠償を受けられるという点で、同乗者にとって安心材料になります。
具体例で見る同乗者の賠償請求
同乗者が誰にどう請求するのか、具体的なケースで見てみましょう。Bさんが、友人Cさんの運転する車に同乗していたところ、交差点でDさんの車と出会い頭に衝突し、Bさんがけがをした、という例を考えます。事故の過失割合は、Cさんが3割、Dさんが7割だったとします。
| 登場人物 | 立場 | Bさんとの関係 |
|---|---|---|
| Bさん | 同乗者(被害者) | けがをして賠償を請求する側 |
| Cさん | 乗っていた車の運転者 | 過失3割。Bさんへの請求相手の一人 |
| Dさん | 相手方の運転者 | 過失7割。Bさんへの請求相手の一人 |
このケースでBさんは、自分のけがの損害について、CさんとDさんの両方に賠償を請求できます。Cさんに過失があっても、Dさんに過失があっても、Bさん自身には過失がないため、損害の全額を回収できるのが原則です。実務上は、Bさんの損害をいったんどちらかの保険会社が支払い、後で運転者どうしが過失割合に応じて精算する、という形で処理されることもあります。いずれにせよ、Bさんは「自分は同乗していただけで悪くない」という立場で、しっかり全額の賠償を求められるのです。
双方に過失がある事故では、同乗者は、乗っていた車の運転者と相手方の運転者の両方に賠償を請求できます。同乗者自身に過失がなければ、損害の全額を回収できるのが原則です。
運転者が家族・友人でも保険から賠償される
同乗者の多くが気にされるのが、「運転していたのが家族や親しい友人の場合、その人に賠償を請求するのは、どうしても気が引ける」という点です。確かに、お世話になっている親しい人に対して賠償を求めるのは、心理的に大きな抵抗があるものでしょう。
しかし、ここでぜひ知っておきたいのは、賠償を実際に支払うのは、運転者である友人や家族「本人」ではなく、その運転者が加入している自動車保険(対人賠償保険)だ、ということです。運転者である家族や友人が自腹で支払うわけではなく、保険会社が賠償金を支払います。つまり、同乗者が運転者に対して賠償を請求したとしても、その運転者が自分の財布から大きな金額を支払うわけではないのです。この点を理解しておくと、親しい人への請求に対する心理的なハードルが、ずいぶん下がるのではないでしょうか。
ただし、注意点もあります。一般的に、運転者本人の配偶者や父母、子といった近しい家族が同乗していた場合、その家族に対しては、対人賠償保険が適用されないことがあります(いわゆる家族間の事故)。このようなケースでは、相手方の保険や、自分が使える保険(人身傷害保険など)で対応することになります。自分のケースでどの保険が使えるかは、確認しておくことが大切です。示談交渉を弁護士に任せることで、こうした複雑な保険関係も整理してもらえます。
家族間の事故で対人賠償が使えないケースについて、もう少し補足します。多くの自動車保険では、対人賠償保険の補償対象から、運転者本人やその配偶者、同居の親族などを外しています。これは、いわば「身内どうしの事故」にまで保険金を支払うと制度が成り立ちにくいためです。そのため、たとえば親が運転する車に子が同乗していて事故にあった場合、その車の対人賠償からは賠償を受けられないことがあります。ただし、その場合でも、相手方の車にも過失があれば相手方の保険から賠償を受けられますし、自分や家族の人身傷害保険でカバーできることもあります。どの保険が使えるかは個別の事情によるため、一度しっかり確認することが大切です。
「好意同乗」による減額はあるのか
同乗者の賠償について、よく話題になるのが「好意同乗(無償同乗)」による減額です。好意同乗(無償同乗)とは、その名のとおり、運転者の好意によって、料金を払わず無償で車に乗せてもらうことをいいます。「タダで乗せてもらっていたのだから、その分、賠償も減らされてしまうのではないか」と心配される方もいます。
結論からいえば、単に無償で乗せてもらっていたというだけで、賠償が減額されることは、基本的にありません。好意で乗せてもらっていたかどうかと、事故でけがをした損害を賠償してもらう権利とは、別の問題だからです。同乗者は、無償で乗せてもらっていた場合でも、料金を払って乗っていた場合でも、けがをした被害者として、変わらず賠償を受けられます。
ただし、例外的に減額が問題になるケースもあります。たとえば、同乗者が、運転者の危険な運転(飲酒運転や無謀運転など)を知りながら、あえて同乗していたような場合です。たとえば、運転者がお酒を飲んでいるのを知っていながら、あえてその車に同乗し、その結果として事故にあったようなケースでは、危険を承知で乗った同乗者の側にも一定の落ち度があるとして、賠償が減額されることがあります。とはいえ、このような減額が認められるのは、あくまで同乗者自身にも明らかな非があるといえる限られた場合であり、ごく普通に車に乗せてもらっていただけの通常の同乗では、まず問題になりません。過失割合がどのように考えられるのかを知っておくと、自分のケースの見通しが立てやすくなります。
かつては、「無償で乗せてもらっていた」というだけで賠償を減額する、という考え方がとられた時代もありました。しかし現在では、単なる好意同乗を理由とした減額は、原則として認められていません。タダで乗せてもらっていたことと、事故でけがをした損害を賠償してもらうこととは、まったく別の問題だと整理されているのです。ですから、「お世話になっていた相手だから」「無料で乗せてもらっていたから」と、賠償を遠慮する必要はありません。減額が問題になるのは、危険な運転と分かっていて同乗したような、同乗者自身にも非があるといえる例外的な場合に限られます。
同乗者が使える自分の保険もある
同乗者の賠償は、加害者側(運転者や相手方)の保険から受けるのが基本ですが、状況によっては、同乗者自身や、その家族が加入している保険を使える場合もあります。知っておくと、いざというときの選択肢が広がります。
たとえば、自分や同居の家族が加入している自動車保険に「人身傷害保険」が付いていれば、同乗中の事故のけがについて、自分の保険から治療費などの補償を受けられることがあります。この人身傷害保険は、相手方や運転者との示談がまとまるのを待たずに使える場合があり、治療費など当面の出費をカバーする手段として、たいへん役立ちます。また、運転者が家族で、その家族への対人賠償が使えないようなケースでも、人身傷害保険が補償の受け皿になることがあります。自分がどんな保険に入っているか、同乗者として使える補償がないかを、一度確認しておくとよいでしょう。
同乗者は、加害者側の保険だけでなく、自分や家族の人身傷害保険を使える場合があります。示談を待たずに補償を受けられることもあるので、加入している保険の内容を確認しておきましょう。
あなたの適正な慰謝料を確認しよう
同乗者として適正な賠償を受けるために、自分が受け取れる慰謝料の額を把握しておくことが大切です。請求相手が複数いる場合でも、まずは自分の損害の総額を知っておくことが、交渉の出発点になります。
下の計算機を使えば、入院・通院の期間などから、弁護士基準でのおおよその慰謝料額を確認できます。けがの程度や通院期間に応じて、どのくらいの慰謝料が見込めるのか、目安をつかんでおきましょう。
交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
計算結果と、保険会社の提示額を比べてみてください。大きな差があるなら、それは交渉の余地があるサインです。保険会社が最初に提示してくる金額は、低い基準で計算されていることが多く、被害者がそれをそのまま受け入れると、本来受け取れたはずの金額を取りこぼしてしまいます。同乗者であっても、慰謝料には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3つの水準があり、どれで計算するかによって金額が大きく変わります。慰謝料以外にも、休業損害など見落としがちな項目がないかを含め、自分のケースで何が請求できるのかを整理しておきましょう。
同乗者が賠償を受け取るまでの流れ
同乗者が実際に賠償を受け取るまでの流れを見ておきましょう。請求相手が複数になりうるぶん、運転者がけがをした場合より少し複雑です。もう一度、計算機で慰謝料の目安を確認しておきましょう。
交通事故 慰謝料の3基準比較シミュレーター
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
まず、事故にあったら、医療機関でけがの治療を受け、診断書を作成してもらいます。次に、事故の過失割合がどうなるのかを確認し、自分の請求相手が誰になるのか(乗っていた車の運転者なのか、相手方なのか、あるいはその両方なのか)を把握します。そのうえで、それぞれの保険会社と賠償の交渉を進めます。そして、過失割合が確定すると、それぞれの保険会社が、自社の契約者の過失分に応じて賠償を支払う、という流れになります。請求相手が複数になる場合には、どちらの保険会社にどれだけ請求するか、その調整が必要になることもあります。
この調整は複雑なため、同乗者が一人で進めるのは負担が大きいことがあります。特に、乗っていた車の運転者と相手方の双方に請求する場合、両方の保険会社とやり取りすることになり、手続きが煩雑です。こうしたケースでは、弁護士に依頼すると、複雑な請求関係を整理し、交渉をまとめて任せられます。
特に、乗っていた車の運転者が親しい人である場合、その人の保険会社と、相手方の保険会社の両方とやり取りすることになり、間に立つ同乗者が気まずい思いをしたり、板挟みになったりすることもあります。弁護士に依頼すれば、こうした複数の保険会社との交渉をすべて代理してもらえるため、同乗者自身が直接やり取りする必要がなくなります。親しい人との関係に配慮しながら、適正な賠償をしっかり受け取るためにも、専門家を間に入れることには大きな意味があります。自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、自己負担なく依頼できることも多いので、まずは特約の有無を確認してみるとよいでしょう。
交通事故の同乗者に関するよくある質問
最後に、交通事故の同乗者について、よく寄せられる疑問にお答えします。
運転していた友人に賠償を請求すると、友人に負担がかかりますか?
賠償を実際に支払うのは、友人本人ではなく、友人が加入している自動車保険(対人賠償保険)です。そのため、友人が自腹で支払うわけではなく、金銭的に大きな負担を負うことは基本的にありません。保険料が多少上がる可能性はありますが、けがをした同乗者が泣き寝入りする必要はないのです。たしかに、親しい友人に賠償を求めるのは気が引けるものですが、それはあなたの正当な権利です。けがの治療費や、休んだ仕事の補償を受けることは、決して友人を責めることにはなりません。むしろ、保険はこうしたときのためにあるのですから、遠慮しすぎず、適切に賠償を求めてよいと考えましょう。
同乗者にも過失割合がつくことはありますか?
通常、ただ車に同乗していただけの人に、事故の過失がつくことはありません。なぜなら、同乗者は、ハンドル操作やブレーキといった運転そのものには、いっさい関与していないからです。ただし、運転者の飲酒運転を知りながら同乗した、あるいは同乗中にシートベルトを着用していなかったなど、同乗者自身にも落ち度があるといえる特別な事情がある場合には、その分、賠償が減額されることがあります。こうしたケースは限られますが、心配な場合は弁護士に確認するとよいでしょう。
タクシーやバスに乗っていて事故にあった場合はどうなりますか?
タクシーやバスの乗客も、自家用車の同乗者と同じように、事故でけがをすれば賠償を請求できます。請求相手は、その事故の過失割合に応じて、乗っていたタクシーやバスの側か、衝突した相手方の車か、あるいはその両方になります。タクシー会社やバス会社は、万が一の事故に備えて、乗客への賠償をカバーする保険に加入しているのが通常ですので、補償の面で心配しすぎる必要はありません。公共交通機関の乗客として一方的に被害を受けた場合も、当然、被害者として適正な賠償を求めることができますので、泣き寝入りする必要はまったくありません。
同乗者が複数いる場合、賠償はどうなりますか?
同乗者が複数いる場合であっても、それぞれの人が個別に、自分自身のけがについて賠償を請求できます。誰か一人分の賠償金を、乗っていた全員で分け合う、というようなことではありません。乗っていた同乗者の一人ひとりが、それぞれ独立した被害者であり、各自のけがの程度や治療期間に応じて、治療費や慰謝料を請求できるのです。ただし、複数の被害者が関わると、それぞれの請求や交渉が並行して進むため、手続きが複雑になることもあります。同乗者どうしで情報を共有しながら、必要に応じて弁護士に依頼すると、スムーズに進められるでしょう。
同乗者がシートベルトをしていなかった場合はどうなりますか?
同乗者がシートベルトを着用していなかったことが、けがの拡大につながったと判断される場合には、その分、賠償が減額されることがあります。これは、シートベルトという、自分の身を守るための基本的な対策を怠っていたことが、けがの拡大に影響した、という点が考慮されるためです。ただし、減額の有無や程度は、事故の状況やけがとの関係によって変わります。いずれにしても、運転席に座るときだけでなく、同乗するときにも必ずシートベルトを着用しておくことが、自分の命を守り、そして万一の際の権利を守ることにもつながります。減額を主張された場合に納得できないときは、弁護士に相談するとよいでしょう。
まとめ|同乗者も被害者として適正な賠償を
交通事故の同乗者も、けがをすれば、運転者と同じように損害賠償や慰謝料を請求できます。同乗者は、その事故について何の落ち度もないことが多く、立場としてはまぎれもない被害者そのものです。「自分は運転していなかったのだから」と、賠償を受けることを諦めてしまう必要は、まったくありません。
同乗者として事故にあうと、けがの痛みや不安に加えて、「運転していた人に悪い」「誰に言えばいいのか分からない」といった、独特の気がかりを抱えがちです。しかし、同乗者は何も悪くない被害者であり、適正な賠償を受け取る権利があります。請求相手や保険の仕組みを正しく理解し、必要なら専門家を頼ることで、こうした気がかりを乗り越え、納得のいく解決にたどり着くことができます。
請求相手は、事故の過失割合に応じて、乗っていた車の運転者、相手方の運転者、またはその両方になります。運転者が家族や友人であっても、賠償を実際に支払うのはその人が加入している保険なので、請求にあたって過度に遠慮する必要はありません。また、「好意同乗」を理由に賠償が減額されるケースは、限られています。
ただし、これまで見てきたように、請求相手が複数になりうることなどから、同乗者の賠償請求は、運転者のケースに比べて手続きが複雑になりがちです。自分のケースの適正な賠償額を把握したうえで、複雑な請求関係や、親しい人への請求のしかたに悩んだら、一人で抱え込まず、弁護士に相談して、納得のいく解決を目指しましょう。
事故の同乗者は、運転者と違って自分に過失がないことがほとんどであり、加害者だけでなく、乗っていた車の運転者に対しても賠償を請求できる場合があります。とくに、同乗していた車の運転者にも過失があるケースでは、双方に対して請求できることを知らずに、本来受け取れる賠償を取りこぼしてしまうことがあります。誰に、どのような割合で請求できるのかの判断は複雑になりやすいため、同乗者として被害に遭った場合も、遠慮せず弁護士に相談し、適正な賠償を受け取れるよう備えておくことが大切です。
同乗者として被害に遭ったときは、運転していた知人や家族への請求をためらってしまう方もいますが、それは正当な権利の行使です。気兼ねなく適正な賠償を受け取るためにも、第三者である弁護士に間に入ってもらうことを検討してみてください。
あなたの慰謝料はいくら?3基準で比較診断
自賠責基準
¥120,000
任意保険基準
¥150,000
弁護士基準
¥530,000
※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。
