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相続対策とは
相続対策とは、将来の相続にそなえて、生前からさまざまな準備をしておくことをいいます。相続というと、相続税の負担を抑えることばかりが思い浮かびがちですが、それだけではありません。家族が財産をめぐって争わないようにすることや、いざというときの手続きや支払いにそなえることも、大切な相続対策です。これらをバランスよく備えておくことが、残された家族の安心につながります。
相続というのは、人生で何度も経験するものではありません。そのため、いざ自分が当事者になったとき、何をどう備えればよいのか分からず、戸惑う人が多いものです。相続対策と聞いても、漠然と「相続税を減らすこと」だと考えている人は少なくありません。しかし実際には、相続対策はもっと幅広いものです。税の負担を和らげることも大切ですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、家族が争わずに済むようにすることや、残された家族が手続きで困らないようにすることも重要なのです。
この記事では、相続対策にはどのような柱があるのか、それぞれをどう備えればよいのか、そして進めるうえでの注意点までを、順を追って見ていきます。相続対策の全体像をつかんでおけば、自分の家庭に何が必要なのかが見えてきます。大切なのは、一つの面だけにとらわれず、全体をバランスよく備えることです。まずは、相続対策の基本となる考え方から確認していきましょう。読み進めれば、自分の家庭で何から始めればよいかが見えてくるはずです。
なぜ相続対策が必要なのか
何の準備もしないまま相続を迎えると、残された家族がさまざまな問題に直面することがあります。思いがけず大きな負担に驚いたり、誰が何を引き継ぐかでもめたり、手続きに追われたりと、家族の負担は小さくありません。相続は、誰にでもいつかは訪れるものです。だからこそ、元気なうちから備えておくことに意味があります。先送りにせず、できることから始めましょう。
たとえば、何の準備もないまま相続が起きると、家族はまず、どこに何の財産があるのかを調べることから始めなければなりません。そのうえで、誰がどの財産を引き継ぐかを話し合うことになりますが、ここで意見が食い違えば、争いに発展することもあります。さらに、相続税の負担が生じる場合には、そのための支払いも必要になります。こうした一連の出来事が、悲しみの中にある家族に、いっぺんに押し寄せてくるのです。生前に備えておけば、こうした負担を大きく和らげることができます。残された家族が、悲しみの中で余計な苦労を背負わずに済むよう、できる備えをしておきたいものです。
相続対策は、財産が多い家庭だけのものではありません。財産がそれほど多くなくても、誰が何を引き継ぐかでもめることはありますし、手続きの負担は変わりません。むしろ、財産が分けにくい場合などは、かえって争いになりやすいこともあります。どのような家庭にとっても、相続にそなえておくことは大切なのです。まずは、相続対策にどのような柱があるのかを見ていきましょう。
相続対策の三つの柱
相続対策は、大きく三つの柱に分けて考えると整理しやすくなります。この三つをバランスよく備えることが、相続対策の基本です。一つずつ見ていく前に、まずはこの三つの柱の全体像をつかんでおきましょう。
三つの柱とは
相続対策の三つの柱は、次のとおりです。どれか一つだけでなく、三つをあわせて考えることが大切です。
- 相続税の負担を抑える備え
- 家族が財産をめぐって争わないようにする備え
- 手続きや、相続にともなう支払いにそなえる備え
これらは、どれも欠かせないものです。たとえば、税の負担を抑えることばかりに気をとられて、家族が争わないようにする備えをおろそかにすると、かえって相続でもめてしまうことがあります。三つの柱をバランスよく備えてこそ、本当の意味で安心できる相続対策になります。次から、それぞれの柱について見ていきましょう。
この三つの柱は、互いに関係し合っています。たとえば、相続税を抑えるために財産を不動産に変えると、今度はその財産が分けにくくなって、家族の争いの種になることがあります。一つの柱だけに偏ると、別の柱がおろそかになってしまうのです。だからこそ、三つの柱をいつも意識しながら、全体のバランスを見て備えていくことが大切です。どれか一つが完璧でも、他がおろそかでは、安心できる相続対策とはいえません。これから一つずつくわしく見ていきますが、この「バランス」という視点を、つねに頭の片隅に置いておいてください。一つの柱だけが立派でも、家全体を支えることはできないのと同じです。
一つ目の柱 相続税の負担を抑える備え
一つ目の柱は、相続税の負担を抑える備えです。財産が一定の範囲を超えると、相続税の負担が生じます。この負担を、生前の準備によって和らげることができます。多くの人が相続対策として真っ先に思い浮かべるのが、この柱でしょう。
どのような方法があるか
相続税の負担を抑える方法には、生前のうちに財産を渡しておく方法や、財産の持ち方を工夫する方法、用意された控除や非課税の仕組みを活かす方法などがあります。たとえば、生きているうちに少しずつ財産を渡しておけば、相続のときの財産を抑えられます。また、財産の持ち方によって、相続のときの扱いが変わることもあります。これらは、早めに取り組むほど効果を得やすいという特徴があります。
生前のうちに財産を渡しておく方法は、長い時間をかけることで効果が大きくなります。だからこそ、早めに始めることが大切です。財産の持ち方を工夫する方法としては、たとえば、現金として持っている財産を別の形に変えておくことで、相続のときの扱いが変わる場合があります。また、相続税には、特定の立場の人や財産について負担を軽くする仕組みが用意されており、これを活かすという方法もあります。いずれの方法にも条件や注意点があるため、自分の家庭に合うものを選ぶことが大切です。どの方法が向いているかは、財産の中身によっても変わってきます。
ただし、相続税の負担を抑える方法は種類が多く、それぞれに条件や注意点があります。自分の家庭に合った方法を選ぶには、財産の状況を把握したうえで、慎重に検討することが大切です。相続税を抑える具体的な方法については、別の記事でくわしく解説しています。まずは、こうした備えが相続対策の一つの柱であることを押さえておきましょう。なお、節税にばかり気をとられると、後で述べるように、かえって家族の争いを招くこともあるため、注意が必要です。相続税を抑える備えは大切ですが、あくまで三つの柱の一つだという位置づけを忘れないようにしましょう。
二つ目の柱 家族が争わないようにする備え
二つ目の柱は、家族が財産をめぐって争わないようにする備えです。これは、相続対策の中でも特に大切な柱だといえます。節税にばかり気をとられて、この柱を忘れてしまうと、思わぬ争いを招くことにもなりかねません。
なぜ争いが起きるのか
相続をめぐる争いは、決して特別なものではありません。誰がどの財産を引き継ぐかをめぐって、それまで仲のよかった家族が対立してしまうことは、珍しくないのです。特に、財産が分けにくい場合や、誰がどれだけ受け取るかがはっきり決まっていない場合に、争いが起きやすくなります。亡くなった人の思いが伝わっていないことが、対立の原因になることもあります。
「うちの家族に限って争いなど起きない」と考える人は多いものです。しかし、相続をめぐる争いは、仲のよかった家族の間でも起こりうるものです。財産が関わると、それまで表に出なかった思いや、長年のわだかまりが噴き出すこともあります。たとえば、自宅などの分けにくい財産が中心で、現金が少ない場合には、誰がその家を引き継ぐのか、他の家族はどう折り合いをつけるのかで、もめてしまうことがあります。また、亡くなった人が誰に何を遺したかったのかがはっきりしていないと、それぞれが自分の言い分を主張し、収拾がつかなくなることもあります。争いは、特別な家庭にだけ起きるのではなく、どの家庭にも起こりうるものだと考えて備えておくことが大切です。仲のよい家族だからこそ、財産のことで気まずくならないよう、あらかじめ手を打っておきたいものです。
どのように備えるか
家族が争わないようにするには、誰に何を遺すのかを、生前にはっきりさせておくことが大切です。その代表的な方法が、遺言を残しておくことです。遺言によって、自分の思いを家族に伝え、財産の分け方を示しておけば、争いを防ぎやすくなります。また、生前から家族と話し合い、お互いの考えを共有しておくことも、争いを防ぐうえで役立ちます。財産を分けるときの話し合いがどのように進むのかを知っておくことも、備えの一つです。
遺言は、自分の意思を形にして残せる、有力な備えです。誰にどの財産を遺したいのか、そしてなぜそうしたいのかを示しておけば、残された家族は、その思いを尊重して相続を進めやすくなります。逆に、こうした意思表示がないと、家族は手がかりのないまま分け方を話し合うことになり、対立が生じやすくなります。また、遺言だけでなく、生前から家族と率直に話し合っておくことも大切です。財産の話はしにくいものですが、自分の考えをあらかじめ伝えておくことで、いざというときの誤解や対立を防げます。相続が起きたときに、財産をどう分けるかの話し合いがどのように進むのかを、あらかじめ知っておくことも、心の準備として役立ちます。家族が争わずに済むための備えは、亡くなった人から家族への、最後の思いやりだといえるでしょう。
争いを防ぐことの大切さ
相続をめぐる争いは、いったん起きると、家族の関係に深い傷を残すことがあります。財産の問題が解決しても、こじれてしまった家族の関係は、簡単には元に戻りません。だからこそ、争いが起きてから対処するのではなく、起きないように備えておくことが何よりも大切です。節税の効果がどれだけ大きくても、家族がばらばらになってしまっては意味がありません。家族の和を守ることを、相続対策の中心に置く視点が欠かせません。
相続をきっかけに、きょうだいの仲が断たれてしまう、というのは悲しいことですが、現実に起こりうることです。お金の問題は解決できても、一度傷ついた家族の絆は、なかなか元には戻りません。亡くなった人が、まさかそんな事態を望んでいたはずはないでしょう。だからこそ、相続対策を考えるときには、節税の効果だけでなく、家族が争わずに済むかどうかを、何よりも大切にしたいものです。残された家族が、悲しみを分かち合いながら、円満に相続を終えられること。それこそが、相続対策の目指すべき姿だといえます。争いを防ぐ備えは、家族への何よりの贈り物になるのです。円満な相続こそが、亡くなった人が本当に望むことではないでしょうか。だからこそ、この柱を大切にしたいものです。
三つ目の柱 手続きと支払いにそなえる備え
三つ目の柱は、相続にともなう手続きや、支払いにそなえる備えです。見落とされがちですが、これも大切な柱です。残された家族が、実際の場面で困らないようにするための備えだといえます。
手続きにそなえる
相続が起きると、残された家族は、さまざまな手続きに追われることになります。財産の名義を変えたり、必要な届け出をしたりと、慣れない手続きが続きます。中には、期限が定められた手続きもあります。あらかじめ、どのような手続きが必要になるのかを知っておくと、いざというときにあわてずに済みます。また、財産がどこに何があるのかを生前に整理しておくと、家族の負担を大きく減らせます。
相続にともなう手続きは、思いのほか数が多く、慣れない家族にとっては大きな負担になります。しかも、悲しみの中にあるなかで、こうした手続きを次々とこなしていかなければなりません。中には、定められた期限内に行わなければならない手続きもあり、知らずにいると、後で困ったことになる場合もあります。生前に、どのような手続きが必要になるのかをおおまかに知っておくだけでも、家族の心の準備につながります。さらに、自分の財産がどこに何があるのかを、生前に書き出して整理しておけば、家族が一から財産を探す手間を省けます。こうしたひと手間が、残された家族の負担を大きく軽くするのです。財産の一覧を作っておくだけでも、家族にとっては大きな助けになります。元気なうちに、少しずつ整理しておくとよいでしょう。
支払いにそなえる
相続では、相続税の支払いなど、まとまったお金が必要になることがあります。財産の多くが分けにくいものである場合、いざ支払いをしようとしても、すぐに用意できないことがあります。そこで、支払いにそなえて、すぐに使えるお金を用意しておくことも、大切な備えです。たとえば、生命保険を活用すれば、家族がすぐに使えるお金を準備しておくことができます。手続きや支払いにそなえておくことは、残された家族を実務の面から支えることにつながります。
たとえば、遺された財産のほとんどが自宅などの不動産で、現金が少ないという場合、相続税の支払いが必要になっても、手元にすぐ使えるお金がない、という事態が起こりえます。そうなると、家族は支払いのために、財産を急いで処分しなければならなくなることもあります。こうした事態を防ぐには、支払いにそなえて、すぐに使えるお金をあらかじめ用意しておくことが有効です。生命保険を活用すれば、相続が起きたときに家族がすぐに受け取れるお金を準備でき、支払いや当面の生活費にあてられます。手続きや支払いへの備えは、目立たないものの、残された家族を現実の場面でしっかり支える、大切な柱なのです。
相続対策の進め方
三つの柱を理解したら、実際にどう進めればよいのでしょうか。相続対策の進め方を見ていきましょう。やみくもに始めるのではなく、順を追って取り組むことが、無理のない対策につながります。一歩ずつ進めていけば、難しく思える相続対策も、着実に形になっていきます。
進め方のおおまかな流れ
相続対策を進めるときの大まかな流れは、次のとおりです。状況によって細かな点は変わりますが、全体像をつかんでおきましょう。
- 自分にどのような財産が、どれくらいあるのかを把握します。
- 家族の状況をふまえ、三つの柱のうち何が必要かを考えます。
- 自分の家庭に合った対策を選び、優先順位をつけます。
- 家族の理解も得ながら、計画的に対策を進めていきます。
この流れの出発点は、自分の財産を把握することです。どこに何の財産が、どれくらいあるのかが分からなければ、どの備えが必要かを考えることもできません。財産の全体像をつかんだうえで、家族の状況をふまえて、三つの柱のうち何を優先すべきかを考えていきます。そして、自分の家庭に合った対策を選び、家族の理解も得ながら、計画的に進めていきます。相続対策は、一度やって終わりというものではなく、家族の状況や財産の状況が変われば、見直していくことも大切です。あせらず、しかし先延ばしにせず、できることから少しずつ進めていくのがよいでしょう。
優先順位をどう考えるか
三つの柱のうち、何を優先すべきかは、家庭の状況によって変わります。財産が多い家庭では、相続税を抑える備えが重要になりますし、相続人が多く、財産が分けにくい家庭では、争いを防ぐ備えが大切になります。まずは自分の家庭の状況を見極め、何から取り組むべきかを考えることが大切です。判断に迷うときは、専門家に相談すると、優先順位を整理しやすくなります。
たとえば、財産の多くが分けやすい現金で、相続人どうしの関係も良好であれば、争いの心配は比較的少なく、相続税を抑える備えに重点を置けるかもしれません。一方、財産の中心が自宅などの不動産で、相続人も複数いるという場合には、まず争いを防ぐ備えを優先したほうがよいこともあります。このように、何を優先すべきかは、財産の中身や家族の構成によって変わってきます。自分の家庭がどのような状況にあるのかを冷静に見極めることが、優先順位を考える出発点になります。一人で判断するのが難しいと感じたら、専門家に相談することで、自分の家庭にとっての優先順位を整理してもらえます。何から手をつけるべきかがはっきりすれば、対策にも着手しやすくなります。
相続対策のよくある誤解
相続対策については、いくつかの誤解が見られます。誤った思い込みのまま進めると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。ここで、よくある誤解を取り上げて、正しい理解につなげておきましょう。
節税だけが相続対策ではない
もっとも多い誤解が、相続対策とは相続税を抑えることだ、という思い込みです。確かに節税は大切な柱ですが、それだけが相続対策ではありません。節税ばかりを優先して、家族が争わないようにする備えをおろそかにすると、かえって相続でもめてしまうことがあります。三つの柱をバランスよく備えることが、本当の相続対策だということを忘れないようにしましょう。
たとえば、相続税の負担を少しでも減らそうと、特定の子に多く財産を渡したり、財産を分けにくい形に変えたりすると、それが原因で家族がもめてしまうことがあります。節税の効果は得られても、家族の関係が壊れてしまっては、何のための対策か分かりません。相続対策は、税の負担を抑えることだけが目的ではなく、残された家族が円満に、そして無理なく相続を終えられるようにすることが、本来の目的です。節税という一つの面だけにとらわれず、家族の和や、手続きへの備えも含めて、全体をバランスよく考えること。これこそが、相続対策を成功させる鍵だといえます。一面だけを見て進めると、思わぬところでつまずくことになりかねません。
財産が少なくても対策は必要
もう一つの誤解が、相続対策は財産が多い人だけのものだ、という思い込みです。しかし、財産がそれほど多くなくても、誰が何を引き継ぐかでもめることはありますし、手続きの負担も変わりません。むしろ、分けにくい財産があると、かえって争いになりやすいこともあります。財産の多い少ないにかかわらず、相続にそなえておくことは大切です。
実際、相続をめぐる争いは、財産が特別に多い家庭だけで起きるわけではありません。むしろ、財産が自宅一つだけ、というような場合のほうが、その家をどう分けるかでもめやすい、ということもあります。また、相続税の心配がない家庭でも、財産の名義変更などの手続きは必要ですし、誰が何を引き継ぐかを決める話し合いも避けられません。つまり、相続対策の三つの柱のうち、争いを防ぐ備えや、手続きへの備えは、どのような家庭にも関係するのです。「うちは財産が少ないから関係ない」と考えず、自分の家庭にできる備えは何かを、一度考えてみることをおすすめします。どのような家庭にも、できる備えは必ずあるものです。
専門家への相談
相続対策は、三つの柱をバランスよく備える必要があり、自分の家庭の状況に合わせて進めることが求められます。これを自分だけで判断するのは、簡単ではありません。専門家に相談することには、いくつもの利点があります。三つの柱を一つひとつ自分で備えていくのは、知識も手間もいる作業だからです。
全体を見渡した助言が得られる
専門家に相談すれば、節税、争いの防止、手続きや支払いへの備えという三つの柱を、相続全体を見渡したうえでバランスよく整理してもらえます。自分の家庭にとって何が必要で、何から取り組むべきかを、専門的な視点から助言してもらえるのは、大きな助けになります。また、早めに相談しておくことで、選べる手立ても増え、落ち着いて準備を進められます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることを検討してみてください。
相続対策は、ここまで見てきたように、三つの柱があり、それぞれに考えるべきことや注意点があります。これらを自分だけで、もれなくバランスよく備えるのは、容易なことではありません。専門家に相談すれば、自分の家庭の財産や家族の状況をふまえて、三つの柱を全体として見渡し、最も合った進め方を一緒に考えてもらえます。何を優先すべきか、どの方法が向いているか、何に気をつけるべきかといった点を整理してもらえるのは、心強いものです。さらに、相続対策には、早く始めるほど効果を得やすいものが少なくありません。気になったときが、相談の始めどきです。まずは自分の家庭の状況を伝えて、何ができるのかを確認してみることをおすすめします。専門家とともに進めることで、もれや偏りのない、バランスのとれた相続対策に近づけます。
よくある質問
最後に、相続対策についてよく寄せられる質問にお答えします。自分の疑問に近いものがないか確認してみてください。相続対策を考え始めたときに、多くの人が抱く疑問を取り上げます。
相続対策はいつから始めればよいですか
早く始めるほどよいといえます。生前贈与のように、長い時間をかけることで効果が大きくなる方法もありますし、早く始めるほど選べる手立ても増えます。相続が間近になってからでは、できることが限られてしまいます。まだ先のことだと思わず、元気なうちから少しずつ取り組んでおくことが、相続対策の基本です。早めに動き出すことが、結果として家族みんなの安心につながります。
相続対策と相続税対策は違うのですか
相続税対策は、相続税の負担を抑えることに重点を置いた準備です。これに対し、相続対策は、相続税の負担を抑えることに加えて、家族が争わないようにすることや、手続きや支払いにそなえることなど、より広い準備を含みます。相続税対策は、相続対策の中の一つの柱だと考えると分かりやすいでしょう。相続税のことだけでなく、家族の和や手続きへの備えもあわせて考えるのが、相続対策だといえます。
何から始めればよいですか
まずは、自分にどのような財産が、どれくらいあるのかを把握することから始めるとよいでしょう。財産の全体像が分からなければ、何が必要かを考えることもできません。財産を整理したうえで、家族の状況をふまえ、三つの柱のうち何を優先すべきかを考えていきます。判断に迷うときは、専門家に相談すると、進め方を整理しやすくなります。財産の把握は、すべての相続対策の出発点になる大切な作業です。
家族と話し合っておくべきですか
できれば、生前から家族と話し合っておくことをおすすめします。誰に何を遺したいのか、なぜそうしたいのかを、自分の言葉で家族に伝えておくと、相続のときの争いを防ぎやすくなります。財産のことを家族で話すのは気が引けるかもしれませんが、思いを共有しておくことが、結果として家族の和を守ることにつながります。話し合いの場を持つことで、家族それぞれの考えや事情も見えてきて、より納得のいく備えにつながることもあります。
遺言は書いておいたほうがよいですか
家族が財産をめぐって争わないようにするうえで、遺言は有力な備えになります。誰に何を遺したいのか、なぜそうしたいのかを示しておけば、残された家族は、その思いを尊重して相続を進めやすくなります。とくに、財産が分けにくい場合や、特定の人に多く遺したい事情がある場合などには、遺言の意味が大きくなります。遺言には決められた書き方などのきまりもあるため、確実なものにしたい場合は、専門家に相談しながら準備すると安心です。せっかく書いた遺言が、形式の不備で効力を持たなければ意味がないため、確かな形で残すことが大切です。
どこに相談すればよいですか
相続対策や、相続全体を見据えた準備に迷ったときは、相続に詳しい専門家に相談するのが確実です。自分の家庭の財産や家族の状況に応じて、三つの柱をどう備えればよいかを整理してもらえます。早めに相談しておくことで、選べる手立ても増え、その後の準備を落ち着いて進められます。何から手をつければよいか分からないときこそ、まず専門家に状況を伝えてみることが、解決への近道になります。
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