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相続放棄の費用|手続き費用・弁護士依頼の相場を徹底解説

この記事で分かること

  • 相続放棄にかかる4種類の費用(申述費用・書類取得費用・調査費用・専門家報酬)
  • 自分で手続きする場合(3,000円〜2万円)と専門家依頼(5万円〜30万円)の比較
  • 弁護士と司法書士の費用相場と違い、選択基準
  • 5つのケース別の費用シミュレーションと費用を抑えるコツ
  • 法テラスの活用方法と専門家選びの5つのポイント

相続放棄の費用は、自分で手続きする場合は3,000円〜2万円、司法書士依頼で3万円〜7万円、弁護士依頼で5万円〜15万円が相場です。本記事では費用の内訳、自分で行う場合と専門家依頼の比較、5つのケース別シミュレーション、費用を抑える5つのコツ、法テラスの活用、専門家選びのポイントまで詳しく解説します。

相続放棄の費用の基本

「相続放棄をしたいが、費用はどのくらいかかるのか?」「弁護士に依頼するべきか、自分でやるべきか?」「費用を抑える方法はあるのか?」――こうした疑問は、相続放棄を検討する方なら誰もが抱える切実なものです。

相続放棄にかかる費用は、基本的な家庭裁判所への手数料と、専門家に依頼した場合の費用に分かれます。自分で手続きすれば数千円で済みますが、弁護士・司法書士に依頼すれば数万円〜数十万円かかります。読者の方が「相続放棄の費用を正確に把握したい」と考えているなら、まずは費用の内訳と相場を正確に理解することが重要です。本記事では、相続放棄にかかる費用の内訳、自分で行う場合と専門家に依頼する場合の比較、費用を抑えるコツ、ケース別の費用シミュレーションまで、弁護士目線で詳しく解説します。

相続放棄の費用の全体像

相続放棄にかかる費用は、大きく4種類に分けられます。

費用1 家庭裁判所への申述費用
最も基本的な費用が、家庭裁判所への申述に必要な費用です。

収入印紙800円(申述人1人につき)、連絡用郵便切手500円〜1,500円程度、これは必ず発生する費用です。

費用2 戸籍謄本などの書類取得費用
申述に必要な戸籍謄本などの取得費用も発生します。

戸籍謄本1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本1通750円、住民票除票1通300円、戸籍附票1通200〜400円(自治体により異なる)、合計で2,000円〜10,000円程度かかります。

申述人の立場(子・親・兄弟姉妹)によって、必要書類の数が大きく異なります。

費用3 借金調査の費用
被相続人の借金を調査するための費用も考慮する必要があります。

信用情報機関への開示請求として、JICCで1,000円、CICで1,000円、JBAで1,000円、合計約3,000円が目安です。

これは法的に必須ではありませんが、相続放棄するか判断するために実務上必要となる費用です。

費用4 専門家への報酬
弁護士・司法書士に依頼する場合、別途報酬が発生します。

弁護士で5万円〜15万円、司法書士で3万円〜7万円、が相場です。複雑な事案や3ヶ月経過後の特殊事案では、さらに高額になります。

費用の合計目安

合計費用の目安は、自分で行う場合で3,000円〜10,000円、信用情報調査も含めて行う場合で1万円〜2万円、司法書士に依頼で5万円〜10万円、弁護士に依頼で10万円〜20万円程度、です。

事案の難易度や依頼内容に応じて、適切な選択をすることが大切です。

家庭裁判所への申述費用の詳細

家庭裁判所への申述費用について、詳しく見ていきましょう。

収入印紙800円

申述人1人につき、800円の収入印紙が必要です(家事事件手続法別表第一)。

複数人で同時に申述する場合は、人数分の印紙が必要です。たとえば、子3人が同時に申述する場合は800円×3人=2,400円となります。

収入印紙は、申述書に貼付して提出します。

連絡用郵便切手

家庭裁判所からの照会書送付・受理通知書送付などに使うため、連絡用郵便切手も必要です。

切手の額は家庭裁判所により異なりますが、500円〜1,500円程度が一般的です。具体的な額は申述前に各家庭裁判所に確認することをおすすめします。

受理証明書の手数料(必要な場合)

申述完了後、債権者への提示用に「相続放棄申述受理証明書」が必要となることがあります。

受理証明書は、家庭裁判所に申請して取得します。1通150円(収入印紙)です。複数の債権者がいる場合、複数枚取得することもあります。

受理通知書と受理証明書の違い

受理通知書は、申述完了時に家庭裁判所から自動的に送付される書類です。これは無料(申述費用に含まれる)です。

一方、受理証明書は、別途申請が必要で1通150円の手数料がかかります。受理証明書のほうが公式な証明として強い効力を持ちますが、多くの場合は受理通知書のコピーで対応できます。

家庭裁判所への手数料の支払い方法

家庭裁判所への手数料は、収入印紙と郵便切手で支払います。

収入印紙は郵便局やコンビニで購入可能、郵便切手は郵便局で購入可能、現金での支払いはできない、という点に注意してください。

戸籍謄本などの書類取得費用

申述に必要な書類の取得費用について、詳しく見ていきましょう。

共通して必要な書類と費用

すべての申述人に共通して必要な書類と費用は次のとおりです。

被相続人の住民票除票または戸籍附票で1通300円〜400円、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本で1通450円、申述人の戸籍謄本で1通450円、合計約1,200円〜1,500円程度です。

申述人の立場による追加費用

申述人の立場によって、追加で必要な書類と費用が異なります。

配偶者・子(第1順位)の場合は追加書類はほぼ不要(共通書類で済む)。孫(代襲相続人)の場合は子の死亡記載戸籍1通450円が追加で必要。親(第2順位)の場合は被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(複数通・3,000円〜10,000円)、子全員の死亡記載戸籍が追加で必要。兄弟姉妹(第3順位)の場合は被相続人の出生から死亡までの戸籍(複数通)、親の死亡記載戸籍、子全員の死亡記載戸籍など、書類数が最も多くなる(5,000円〜15,000円程度)。

特に第3順位の兄弟姉妹は、書類取得に最も費用と時間がかかります。

戸籍取得の方法と費用

戸籍取得の方法は、本籍地の市区町村役場の窓口で取得、本籍地の市区町村役場に郵送で請求、2024年3月からの広域交付制度を活用、コンビニ交付(対応自治体のみ)、です。

それぞれ手数料は同じですが、郵送請求の場合は別途定額小為替の手数料(1枚100円)や返信用切手が必要です。

2024年戸籍広域交付制度の活用

2024年3月から始まった戸籍の広域交付制度は、書類取得の費用と手間を大幅に軽減します。

本籍地以外の市区町村でも、直系尊属(親・祖父母)・直系卑属(子・孫)の戸籍を一括取得できるため、複数の自治体に郵送請求する手間と費用が削減されます。

手数料自体は変わりませんが、定額小為替の手数料・郵送切手代などの実質的な費用は削減できます。

書類取得を弁護士に依頼する場合

弁護士に依頼すれば、書類取得も代行してもらえます。

書類取得代行の費用は、弁護士の報酬に含まれることが多いですが、別途実費として戸籍取得費が発生します。

被相続人と疎遠で住所地もわからないようなケースでは、弁護士による調査が特に有効です。

信用情報機関への開示請求費用

被相続人の借金を調査するための信用情報機関への開示請求費用について、詳しく見ていきましょう。

3つの信用情報機関

日本には主に3つの信用情報機関があります。

JICC(日本信用情報機構)は消費者金融系を中心とした情報を管理、CIC(指定信用情報機関)はクレジットカード会社を中心とした情報を管理、JBA(全国銀行協会)は銀行系を中心とした情報を管理、しています。

3機関すべてに開示請求することで、被相続人の借金状況を網羅的に把握できます。

各機関の開示請求費用

各機関の開示請求費用は、JICC約1,000円、CIC約1,000円、JBA約1,000円、3機関合計で約3,000円が目安です(料金は変動の可能性あり)。

開示請求の方法によって料金が若干異なる場合があります。オンライン申請が最も安価で迅速、郵送申請、窓口申請の順に時間がかかります。

被相続人の情報開示請求

被相続人の死亡後の開示請求には、本人(被相続人)の本人確認書類が必要となります。

通常、戸籍謄本、申請人(相続人)の本人確認書類、被相続人の死亡記載戸籍、申請書、手数料、などが必要です。

必要書類の準備に時間がかかるため、相続発生後早めに着手することが重要です。

信用情報の開示までの期間

オンライン申請なら最短即日、郵送申請で2週間〜1ヶ月、窓口申請なら当日、で開示報告書を受け取れます。

3ヶ月の熟慮期間内に判断するためには、早めの開示請求が必須です。

開示請求の意義と限界

信用情報機関への開示請求で把握できるのは、消費者金融、クレジットカード、銀行借入などの「制度的な債務」です。

個人間の借金、連帯保証、未払い税金、未払い医療費などは、信用情報機関では把握できません。これらは別途調査が必要です。

弁護士・司法書士に依頼する場合の費用

専門家に相続放棄を依頼する場合の費用について、詳しく見ていきましょう。

弁護士の費用相場

弁護士に相続放棄を依頼する場合の費用相場は次のとおりです。

標準的な相続放棄(1名)で5万円〜10万円、複数人(2人目以降)で1人につき2万円〜5万円、3ヶ月経過後の特殊事案で15万円〜30万円、債権者対応を含む包括対応で20万円〜50万円、です。

事務所や事案の難易度によって費用は変動します。

司法書士の費用相場

司法書士に相続放棄を依頼する場合の費用相場は、標準的な相続放棄(1名)で3万円〜7万円、複数人(2人目以降)で1人につき1.5万円〜3万円、です。

司法書士は弁護士より費用が安く、書類作成業務が中心となります。ただし、複雑な交渉や訴訟は弁護士のサポートが必要です。

弁護士と司法書士の違い

弁護士と司法書士の主な違いは、代理権の範囲です。

弁護士はすべての法的手続きを代理可能、司法書士は書類作成・登記が中心(認定司法書士なら140万円以下の事案は代理可能)、です。

シンプルな相続放棄なら司法書士、複雑な事案・債権者対応も必要なら弁護士、と使い分けるのが実務的です。

依頼内容による費用の違い

依頼内容によって費用は大きく変わります。

書類作成のみ(司法書士)で3万円〜7万円、書類作成+申述代理(弁護士)で5万円〜10万円、書類作成+申述代理+債権者対応で10万円〜20万円、3ヶ月経過後の特殊事案で15万円〜30万円、複数人の包括対応で1人あたり3万円〜5万円、です。

自分のニーズに合った依頼内容を選びましょう。

タイムチャージ制と固定報酬制

弁護士費用には、タイムチャージ制(時間単価)と固定報酬制があります。

タイムチャージ制は1時間あたり2万円〜5万円程度、固定報酬制は事案ごとに固定金額、です。

相続放棄の手続き自体は標準的なため、固定報酬制が一般的です。事前に費用の見積もりを取ることが重要です。

複数人の相続放棄を一括依頼する場合

家族・親族で複数人の相続放棄を一括依頼する場合、ボリュームディスカウントが適用されることがあります。

1人目は基本料金、2人目以降は割引価格、というケースが多いです。家族・親族で相談して、一括依頼することで費用を抑えられる可能性があります。

無料相談の活用

多くの弁護士事務所・司法書士事務所は、初回無料相談を提供しています。

無料相談を活用すれば、依頼前に費用の目安と事案の見通しを確認できます。複数の事務所で相談して、信頼できる専門家を選ぶことが大切です。

自分で手続きする場合と専門家依頼の比較

自分で手続きする場合と専門家依頼の選択は、相続放棄を検討する誰もが悩むテーマです。

自分で手続きする場合のメリット

自分で手続きする場合のメリットは、費用を最大限抑えられる(数千円〜2万円程度)、手続きの流れを自分で理解できる、シンプルな事案なら比較的容易に対応可能、です。

費用を最優先する場合は、自分での手続きが有力な選択肢です。

自分で手続きする場合のデメリット

自分で手続きする場合のデメリットは、書類収集が大変(特に第3順位の兄弟姉妹)、申述書の作成に専門知識が必要、3ヶ月の期限管理が必要、家庭裁判所からの照会書への対応が必要、債権者対応も自分でする必要がある、判断ミスのリスクがある、です。

これらの負担を考えると、必ずしも安く済むとは限りません。

弁護士・司法書士に依頼する場合のメリット

弁護士・司法書士に依頼するメリットは、書類収集・申述書作成・申述などすべてを任せられる、3ヶ月期限の管理が確実、専門知識による判断ミスのリスク回避、債権者対応も代行可能、複雑な事案にも対応可能、3ヶ月経過後の特殊ケースにも対応、です。

特に複雑な事案では、専門家のサポートが大きな安心材料となります。

弁護士・司法書士に依頼する場合のデメリット

弁護士・司法書士に依頼するデメリットは、費用がかかる(5万円〜20万円程度)、信頼できる専門家を選ぶ必要がある、専門家との連絡・調整の手間がある、です。

費用と引き換えに得られる安心感とサービスのバランスを考慮することが重要です。

ケース別の選択基準

ケース別の選択基準は次のとおりです。

シンプルな第1順位(子・配偶者)で借金も明確、期限内に余裕がある場合は自分で手続き。第2順位以降、戸籍収集が複雑、判断に迷うケースは司法書士に依頼。3ヶ月経過後、債権者対応も必要、複雑な家族関係の場合は弁護士に依頼。

自分の状況に応じて、最適な選択をしましょう。

費用を抑える5つのコツ

相続放棄の費用を抑えるための実務的なコツを紹介します。

コツ1 戸籍広域交付制度の活用

2024年3月から始まった戸籍広域交付制度を活用することで、書類取得の手間と費用が削減できます。

直系尊属(被相続人の親・祖父母)・直系卑属(被相続人の子・孫)の戸籍を一括取得できるため、複数の自治体に郵送請求する必要がなくなります。

郵送料金、定額小為替の手数料などを節約できます。

コツ2 家族・親族での一括依頼

家族・親族で複数人の相続放棄を一括依頼すれば、ボリュームディスカウントが適用されます。

たとえば、子3人と親2人(配偶者の親)が同時に相続放棄を依頼する場合、個別に依頼するより合計費用を10万円〜20万円程度抑えられることもあります。

家族・親族で連携することが、費用節約の鍵です。

コツ3 シンプルな事案は自分で対応

シンプルな第1順位の相続放棄(配偶者・子)で、借金状況も明確な場合は、自分で手続きを行うことで費用を最大限抑えられます。

家庭裁判所の窓口で相談を受けることもできますし、書類の書き方の手引きも提供されています。

ただし、判断に迷う部分は早めに専門家に相談することが重要です。

コツ4 無料相談の活用

多くの弁護士事務所・司法書士事務所は初回無料相談を提供しています。

複数の事務所で無料相談を受けることで、依頼すべきかの判断材料が得られます。事務所によって費用や対応範囲が異なるため、比較することが大切です。

コツ5 専門家の選び方

費用を抑えるためには、適切な専門家を選ぶことも重要です。

相続放棄に特化した事務所、料金体系が明確、地元の弁護士・司法書士、複数の口コミ・評判を確認、を選ぶ基準にしましょう。

高額な事務所が必ずしも良いわけではなく、自分のニーズに合った事務所を選ぶことが大切です。

費用シミュレーション

具体的なケースで費用シミュレーションを行ってみましょう。

シミュレーション1 シンプルな配偶者の相続放棄

【ケース】
被相続人:夫(70歳)
相続人:妻(68歳)
財産:預貯金200万円
借金:消費者金融からの借入500万円
状況:妻が一人で相続放棄を申述

自分で行う場合の費用は、収入印紙800円、郵便切手1,000円、戸籍謄本等2,000円、合計約4,000円。

弁護士に依頼する場合の費用は、弁護士報酬5万円〜8万円+実費4,000円、合計約5.5万円〜8.5万円。

シミュレーション2 子3人の相続放棄

【ケース】
被相続人:父(75歳)
相続人:子A・B・Cの3人
財産:預貯金500万円
借金:1,500万円
状況:子3人全員が相続放棄を申述

自分で行う場合の費用は、収入印紙2,400円(3人分)、郵便切手3,000円、戸籍謄本等3,000円、合計約8,400円。

弁護士に依頼する場合の費用は、1人目8万円・2人目以降3万円×2人で合計14万円+実費8,400円、合計約15万円。

シミュレーション3 第3順位の兄弟姉妹2人の相続放棄

【ケース】
被相続人:独身の兄(60歳)
家族構成:両親死亡
相続人:弟・妹の2人
財産:ほぼなし
借金:1,000万円
状況:弟・妹2人が相続放棄を申述

自分で行う場合の費用は、収入印紙1,600円(2人分)、郵便切手2,000円、戸籍謄本等10,000円(出生から死亡までの戸籍多数)、合計約13,600円。

弁護士に依頼する場合の費用は、1人目10万円・2人目4万円で合計14万円+実費13,600円、合計約15万円。

シミュレーション4 3ヶ月経過後の特殊ケース

【ケース】
被相続人:父(75歳)
相続人:長男(50歳)
状況:父の死亡から1年経って、隠れた連帯保証債務3,000万円が発覚。長男が3ヶ月経過後の相続放棄を申述

このケースでは、立証のハードルが高いため、自分で行うのは困難。

弁護士に依頼する場合の費用は、特殊事案として20万円〜30万円+実費5,000円、合計約20万円〜30万円。

シミュレーション5 借金調査も含めた包括対応

【ケース】
被相続人:父(80歳)
相続人:長男(55歳)
状況:父の財産・借金が複雑で、信用情報機関への開示請求・連帯保証の調査・債権者対応など包括的なサポートが必要

自分で対応する場合は、信用情報開示請求3,000円+申述費用4,000円=約7,000円。ただし、調査と判断には専門知識が必要。

弁護士に依頼する場合の費用は、調査・申述・債権者対応すべて含めて20万円〜30万円+実費1万円、合計約21万円〜31万円。

シミュレーションから学ぶポイント

シミュレーションから学ぶポイントは、シンプルな事案ほど自分でやる経済メリットが大きい、複数人の同時申述は弁護士依頼でもボリュームディスカウントで割安、複雑な事案や3ヶ月経過後は弁護士の関与が不可欠、信用情報調査も含めた包括対応では弁護士依頼が安心、です。

状況に応じて、最適な選択をしましょう。

相続放棄の費用に関するよくある質問

相続放棄の費用について、よくある質問にお答えします。

Q1 弁護士費用は被相続人の財産から支払える?

弁護士費用は申述人の自己負担です。被相続人の財産から支払うと、法定単純承認とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があるため注意が必要です。

Q2 費用は相続人で分担できる?

複数人で相続放棄する場合、弁護士費用の按分も可能です。ただし、申述書の収入印紙は申述人ごとに必要なので、按分はできません。

Q3 法テラスは利用できる?

経済的に困難な場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。一定の収入要件があるため、事前に確認が必要です。

Q4 相続放棄の費用は確定申告で控除できる?

相続放棄の費用は、原則として相続税の計算でも所得税の計算でも控除できません。自己負担となります。

Q5 弁護士費用の相場は変動する?

弁護士費用は事務所ごとに異なり、年々競争が激化していることもあり変動します。複数の事務所で見積もりを取ることをおすすめします。

Q6 司法書士と行政書士の違いは?

司法書士は家庭裁判所への申述に関する書類作成が可能ですが、行政書士は相続放棄の書類作成は業務範囲外です。相続放棄は司法書士か弁護士に依頼します。

Q7 オンライン相談・電話相談の費用は?

多くの事務所が初回オンライン相談・電話相談を無料で提供しています。実際の依頼時には費用が発生します。

Q8 費用の支払いはいつ?

多くの事務所では、着手金(契約時)と成功報酬(完了時)に分けて支払います。事務所により支払い時期は異なるため、契約前に確認しましょう。

費用を抑えるための法テラスの活用

経済的に困窮している場合、法テラス(日本司法支援センター)を活用することで費用を抑えられる可能性があります。

法テラスの民事法律扶助制度

法テラスの民事法律扶助制度は、経済的に困難な方が法律サービスを利用できるよう支援する制度です。

弁護士・司法書士費用の立替、無料法律相談などのサービスがあります。

利用条件

利用条件は、収入が一定基準以下、勝訴の見込みがないとはいえない、民事法律扶助の趣旨に適する、です。

具体的な収入基準は、世帯人数によって異なります。単身世帯では月収約20万円以下、複数世帯では世帯人数に応じて基準が上がります。

費用立替制度の利用方法

費用立替制度を利用する流れは、最寄りの法テラスに電話相談または来所相談、面談で要件確認、契約手続き、弁護士・司法書士の紹介、費用立替、です。

立替された費用は、月々分割で返済します。

法テラスの限界

法テラスでも、費用がかかる場合もあります。

立替費用は将来的に返済する必要があり、一定の負担はあります。また、すべての相続放棄事案で法テラスが利用できるわけではないため、事前に確認することが重要です。

法律相談との違い

法テラスの無料法律相談は、誰でも利用可能なケースもあります。

収入条件を満たせば、3回まで無料で法律相談を受けられます。相続放棄に関する基本的なアドバイスを得る場として有用です。

専門家を選ぶ際の5つのポイント

相続放棄を専門家に依頼する場合、適切な専門家を選ぶことが重要です。

ポイント1 相続放棄の経験が豊富

相続放棄の経験が豊富な専門家を選ぶことが、最重要のポイントです。

事務所のウェブサイトで実績数、相続放棄の専門ページの充実度、相続関連の書籍出版経験などを確認しましょう。

ポイント2 料金体系の明確さ

料金体系が明確で、見積もりが詳細な事務所を選びましょう。

「費用は安いが、後から追加請求された」といったトラブルを避けるため、契約前に費用の総額を確認することが重要です。

ポイント3 コミュニケーションの取りやすさ

専門家とのコミュニケーションが取りやすいかも重要なポイントです。

電話・メール・LINEなど、自分が使いやすい連絡手段に対応しているか、レスポンスが早いか、を確認しましょう。

ポイント4 アクセスのしやすさ

事務所の所在地と自分の住所地の距離も考慮すべきです。

ただし、相続放棄は書類のやり取りが中心となるため、遠方の事務所でもオンライン相談を活用できれば問題ありません。

ポイント5 評判・口コミの確認

インターネット上の評判・口コミも参考になります。

Googleレビュー、弁護士ドットコム、依頼者の体験談などを確認し、信頼できる専門家かを判断しましょう。

複数の事務所を比較する

最終的には、複数の事務所を比較して選ぶことが重要です。

2〜3カ所の事務所で無料相談を受け、費用・対応・専門性を比較した上で、最も信頼できる専門家を選びましょう。

費用面でのトラブル予防

相続放棄の費用面でのトラブルを予防するためのポイントを整理しておきましょう。

トラブル予防1 契約前の見積もり確認

契約前に、費用の見積もりを必ず確認しましょう。

着手金、成功報酬、実費、追加費用の可能性など、すべてを書面で確認することが大切です。

トラブル予防2 契約書の確認

契約書の内容を慎重に確認しましょう。

特に、追加費用の発生条件、報酬の対象範囲、解約時の費用などを確認することが重要です。

トラブル予防3 領収書の保管

支払った費用の領収書は、必ず保管しましょう。

将来的に税務上の問題が発生した場合や、専門家との紛争が発生した場合の証拠となります。

トラブル予防4 不明点は事前確認

契約前に、不明点はすべて確認しましょう。

「これも別料金ですか?」「この場合は追加料金は発生しますか?」など、遠慮なく質問することが大切です。

トラブル予防5 複数の見積もり比較

複数の事務所から見積もりを取り、比較することで、相場を把握できます。

1つの事務所だけで判断せず、必ず比較検討することをおすすめします。

2024年現在の費用相場の動向

2024年現在の相続放棄の費用相場の動向を整理しておきましょう。

費用の二極化

近年、相続放棄の費用は二極化しています。

低価格化を打ち出す事務所(3万円〜5万円台)と、高品質サービスを謳う事務所(15万円〜20万円台)に分かれる傾向があります。

オンライン対応の事務所の増加

コロナ禍以降、オンライン対応の事務所が増えています。

全国どこからでもオンラインで相談・契約・書類のやり取りが可能となり、地方在住者でも都市部の事務所に依頼しやすくなりました。

パッケージプランの増加

「相続放棄パッケージプラン」など、定額制のプランを提供する事務所も増えています。

費用の見通しが立てやすく、安心して依頼できる仕組みです。

信用情報調査のセットプラン

信用情報機関への開示請求と相続放棄をセットにしたプランも増えています。

借金の調査と申述を一括して依頼できるため、効率的です。

無料相談の充実

多くの事務所で初回無料相談が充実しています。

電話・メール・オンライン・対面など、複数の相談方法に対応する事務所が増えています。

費用以外の重要な考慮事項

相続放棄を検討する際は、費用以外にも重要な考慮事項があります。

3ヶ月の期限管理

最も重要なのは、3ヶ月の熟慮期間内に手続きを完了することです。

費用を抑えるために自分で対応しようとして期限を過ぎてしまっては、本末転倒です。期限管理の確実性も、専門家依頼の重要な価値です。

法定単純承認のリスク回避

相続放棄を検討中に、法定単純承認に該当する行為をしてしまうと、相続放棄ができなくなります。

専門家のアドバイスを得ることで、こうしたリスクを回避できます。

家族・親族との調整

複数の相続人がいる場合、家族・親族との調整も重要です。

専門家は、家族間の調整役としても機能してくれます。

債権者からの請求への対応

相続放棄後も、債権者から請求が続くことがあります。

専門家に依頼することで、債権者対応も任せられます。

精神的な負担の軽減

相続放棄は、被相続人を失った悲しみの中で行わなければならない手続きです。

専門家に任せることで、精神的な負担を大幅に軽減できます。これも費用に見合う価値の一つです。

相続放棄の費用の内訳をさらに詳しく

相続放棄の費用の内訳をさらに詳しく分解して見ていきましょう。

書類取得時の郵送費・定額小為替手数料

本籍地が遠方にある場合、戸籍謄本などを郵送で取り寄せる必要があります。

郵送請求の場合、定額小為替の手数料(1枚100円)、返信用切手(数百円)、申請書の発送料(数百円)など、戸籍謄本の手数料以外の費用も発生します。

複数の自治体に郵送請求する場合、これらの実費が合計で数千円になることもあります。

コンビニ交付の活用

マイナンバーカードがあれば、コンビニで戸籍謄本などを取得できる場合があります(対応自治体のみ)。

窓口取得より手数料が若干安く(自治体により50円〜100円安い)、夜間・休日でも取得できるため便利です。

弁護士事務所と司法書士事務所の費用比較

依頼先別の費用比較を整理しておきましょう。

弁護士事務所は5万円〜15万円、司法書士事務所は3万円〜7万円、と司法書士のほうが安価な傾向があります。

ただし、司法書士は書類作成業務が中心で、複雑な交渉・訴訟対応は限定的です。事案の難易度に応じて選びましょう。

事務所選びでの費用比較ポイント

事務所を選ぶ際の費用比較のポイントは、着手金の金額、成功報酬の金額、実費の取り扱い、追加費用の発生条件、複数人依頼時の割引、です。

これらをすべて確認した上で、トータルの費用を比較することが重要です。

相続放棄の費用に関する近年のトレンド

相続放棄の費用に関する近年のトレンドを整理しておきましょう。

低価格帯の事務所の増加

近年、相続放棄を低価格で提供する事務所が増えています。

3万円台のシンプルプランを提供する事務所も多く、相続放棄のハードルが下がっています。

ただし、低価格事務所は対応範囲が限定的な場合もあるため、契約内容をよく確認することが重要です。

オンライン完結型サービスの登場

オンラインで完結する相続放棄サービスも登場しています。

事務所への来所不要で、すべてオンラインで対応するサービスが増えており、地方在住者や忙しい方にも利用しやすくなっています。

セットプランの普及

相続放棄+信用情報調査+債権者対応のセットプランも普及しています。

個別に依頼するより割安で、包括的なサポートが受けられるため、特に複雑な事案で有用です。

ワンポイントアドバイス
相続放棄の費用は、自分で行う場合と専門家依頼で大きく異なります。シンプルな事案で時間に余裕がある場合は自分で対応することで数千円〜2万円で済みますが、複雑な事案や3ヶ月経過後の特殊事案では専門家のサポートが不可欠です。費用を抑えるためには、戸籍広域交付制度の活用、複数人での一括依頼、無料相談の活用などがポイントです。費用と引き換えに得られる安心感とリスク回避を考えて、自分にとって最適な選択をしましょう。

まとめ

相続放棄の費用は、家庭裁判所への申述費用(収入印紙800円+郵便切手1,000円程度)、戸籍謄本などの書類取得費用(2,000円〜10,000円)、信用情報機関への開示請求費用(約3,000円)、専門家への報酬(5万円〜30万円)、の4種類に分けられます。

自分で手続きする場合は3,000円〜2万円程度、司法書士に依頼する場合は5万円〜10万円程度、弁護士に依頼する場合は10万円〜20万円程度、が目安となります。3ヶ月経過後の特殊事案では、20万円〜30万円程度かかることもあります。

費用を抑えるためには、戸籍広域交付制度の活用、家族・親族での一括依頼、シンプルな事案の自分での対応、無料相談の活用、適切な専門家の選択、などがポイントです。経済的に困窮している場合は、法テラスの活用も検討できます。

読者の方が「相続放棄の費用を抑えたい」「適切な選択をしたい」と考えているなら、まずは相続放棄に詳しい弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。複数の事務所での無料相談を活用すれば、初期費用なしで適切な見通しと選択肢を得られます。早めの相談と適切な判断が、確実な相続放棄と費用最適化の両立につながる最善策となります。

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※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。

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