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遺留分の計算方法と割合|家族構成別の早見表

遺留分の計算方法と割合|家族構成別の早見表

この記事で分かること

  • 遺留分とは何か、誰に保障されるのか
  • 遺留分の割合が法律でどう決まるのか
  • 遺留分を計算する四つのステップの流れ
  • 家族構成別の遺留分の割合の目安
  • 計算でつまずきやすい生前贈与や評価のポイント

この記事では、遺留分の割合がどう決まり、どんな手順で計算するのかを弁護士の視点で解説します。遺留分は一定の相続人に保障された最低限の取り分で、まず誰に遺留分があるかを確かめ、全体の割合を判定し、個別の割合を出し、侵害額を算定する順で計算します。配偶者や子がいれば全体の半分、直系尊属だけなら三分の一が目安です。家族構成別の割合の目安や、計算でつまずきやすい点も整理します。読み終えれば、自分のケースで遺留分をどう見積もるかが見えてきます。

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遺言で財産の大半が特定の人に渡されてしまった。そんなとき、「自分にはどれだけの取り分が保障されているのか」「いくら請求できるのか」と気になる方は多いはずです。この最低限の取り分が、遺留分です。ところが、いざ計算しようとすると、誰にどれだけ認められるのか、何を基礎に計算するのか、つまずく点が次々と出てきます。

この記事では、遺留分の割合がどう決まるのか、どんな手順で計算するのかを、弁護士の視点でわかりやすく整理します。家族構成ごとの割合の目安や、計算でつまずきやすいポイントも見ていきましょう。読み終えるころには、自分のケースで遺留分をどう見積もればよいかが、はっきりと見えてくるはずです。

遺留分の計算と聞くと、難しい数式を思い浮かべて身構えてしまうかもしれません。けれども、考える順番さえ間違えなければ、一つずつ整理して進められます。大切なのは、いきなり金額を出そうとせず、土台から順に積み上げていくことです。まずは落ち着いて、基本のしくみから理解していきましょう。

この記事を読んでいる方の中には、すでに遺言の内容を知らされ、自分の取り分が少ないことに不安を感じている方もいるかもしれません。あるいは、これから遺言を作るにあたって、ほかの相続人の遺留分を踏まえておきたいという方もいるでしょう。どちらの立場でも、計算のしくみを理解しておくことは、納得のいく解決への第一歩になります。

遺留分の問題は、金額が絡むだけに、相続人どうしの感情的な対立に発展しやすいものです。だからこそ、まずは冷静に数字を整理することが、解決への糸口になります。感情のままにぶつかるのではなく、客観的な計算を共通の土台にすれば、話し合いも前に進みやすくなります。理解は、対立をやわらげる力にもなるのです。

とくに、長く連絡を取っていなかった親族との間で相続が起きると、感情的な行き違いが生じやすくなります。そんなときこそ、遺留分という客観的な基準が役立ちます。法律で決まった割合という共通の物差しがあれば、どちらの言い分が正しいかを冷静に整理できます。数字を土台にした話し合いは、感情論よりもずっと建設的に進みます。

もちろん、それでも話し合いがまとまらないこともあります。その場合は、調停など第三者を交えた手続きに進むことになります。いずれにしても、出発点として正しい計算ができていれば、どの段階でも話を進めやすくなります。まずは自分の遺留分を正確に把握すること。それが、どんな解決方法を選ぶにしても土台になります。

遺留分の計算は、一度きりの相続だからこそ、最初から正確に行いたいものです。あいまいなまま進めて後から誤りに気づくと、やり直しに大きな労力がかかります。時間に余裕があるうちから準備を始め、必要に応じて専門家の確認を受ける。その丁寧さが、納得のいく結果につながります。焦らず、着実に進めていきましょう。

遺留分は、残された家族が最低限の取り分を確保するための、大切な権利です。正しく計算し、適切に行使すれば、不公平な相続から自分を守る助けになります。しくみを理解したうえで、自分のケースにあてはめて考えてみてください。

遺留分とは何か

遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された、最低限の取り分のことです。たとえ遺言があっても、この取り分まで奪うことはできません。残された家族の生活を守るために、法律が用意したしくみです。

たとえば、亡くなった人が「全財産を一人の子に渡す」という遺言を残したとします。このとき、ほかの子は何も受け取れないように思えますが、遺留分があるおかげで、最低限の取り分を求めることができます。遺言の自由を認めつつ、残された家族が極端に不利にならないよう調整する。それが遺留分という制度の役割なのです。

逆にいえば、遺留分は万能ではありません。最低限の取り分を保障するものであって、財産を平等に分けることを保証するものではないのです。遺言の内容に不満があっても、遺留分として認められるのはあくまで一定の割合にとどまります。この点を誤解していると、「もっともらえるはずだ」と期待しすぎて、かえって落胆することにもなりかねません。

反対に、自分が遺言で多くを受け取る側になることもあります。その場合は、ほかの相続人から遺留分を請求される可能性を見込んでおく必要があります。受け取った財産をすべて自由に使えると思っていると、後から請求を受けて慌てることになりかねません。どちらの立場でも、遺留分の存在を前提に備えておくことが賢明です。

遺言を作る側にとっても、遺留分を意識しておくことは大切です。遺留分を無視した内容にすると、相続が起きてから請求をめぐって争いになり、かえって家族に負担をかけてしまいます。あらかじめ遺留分に配慮した分け方にしておけば、争いを未然に防ぎやすくなります。残された家族の平穏を願うなら、遺留分への目配りは欠かせません。

ここで大切なのは、遺留分はすべての相続人に認められるわけではない、という点です。配偶者や子、そして親などの直系尊属には遺留分がありますが、亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分が認められていません。まずは、自分が遺留分を主張できる立場にあるのかを確認することが出発点になります。誰が相続人になるのかと合わせて整理しておきましょう。

自分に遺留分があるかどうかは、亡くなった人との関係によって決まります。配偶者であれば遺留分があります。子であれば、実の子でも養子でも遺留分があります。親などの直系尊属も、相続人になる場合には遺留分があります。一方で、兄弟姉妹やその子である甥姪には遺留分がありません。この線引きをまず押さえることが、計算の前提になります。

自分が遺留分を持つ立場かどうかわからない場合は、まず相続人の範囲を確認することが先決です。亡くなった人に配偶者や子がいるか、親が存命か、といった事情によって、誰が相続人になり、誰に遺留分があるかが変わります。相続人の確定は、戸籍をたどって行うのが基本です。ここがあいまいなままだと、その後の計算もすべてあいまいになってしまいます。

戸籍をたどる作業は、慣れないと手間に感じるかもしれません。亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を一人ずつ確認していきます。ここで相続人を見落とすと、後になって計算をやり直すことにもなりかねません。面倒に思えても、最初に相続人をきちんと確定させておくことが、結果として近道になります。

遺留分を侵害された相続人は、財産を多く受け取った人に対して、その不足分を金銭で支払うよう求めることができます。これを遺留分侵害額請求といいます。つまり、遺留分の計算とは、最終的に「いくら請求できるのか」を導き出すための作業なのです。遺留分制度の全体像をつかんでおくと、計算の意味も理解しやすくなります。

つまり、遺留分の計算には二つの側面があります。一つは「割合」を求めること、もう一つは最終的に「金額」を求めることです。割合は法律で定められた目安にそって決まりますが、金額はその割合を実際の財産にあてはめて初めて出てきます。この二段階を意識しておくと、計算の全体像が見えやすくなります。

割合を求める段階は、法律のルールにそって進むため、比較的わかりやすいといえます。難しいのは、金額を求める段階です。実際の財産が何で、いくらと評価され、生前贈与や債務をどう反映させるか。こうした事実の確定が、金額計算の山場になります。割合よりも金額の計算でつまずく人が多いのは、このためです。

金額の計算でとくに重要なのが、事実をきちんと確認することです。どんな財産があったのか、生前にどんな贈与が行われたのか、債務はどれだけあったのか。これらは、思い込みではなく、資料にもとづいて確かめる必要があります。事実があいまいなまま計算を進めると、出てくる金額もあてにならなくなってしまいます。

資料としては、預貯金の残高がわかるものや、不動産の内容がわかるもの、贈与の事実がわかるものなどが手がかりになります。こうした資料を集めるのは手間ですが、正確な計算のためには欠かせない作業です。資料がそろえばそろうほど、計算の精度は高まります。面倒でも、まずは関係する資料を一つずつ集めることから始めましょう。

資料集めや事実の確認に不安があるなら、早い段階で専門家に相談するのも一つの方法です。専門家であれば、どんな資料が必要か、何を確認すべきかを的確に示してくれます。自分だけで抱え込んで時間を浪費するより、要点を押さえて進めたほうが、結果として早く正確な計算にたどり着けます。困ったときは、遠慮なく専門家を頼ってください。

ワンポイントアドバイス
遺留分の計算は、いきなり金額を出そうとすると混乱します。まず「誰に遺留分があるか」、次に「全体でどれだけの割合か」、そして「自分の個別の割合は」、最後に「いくら侵害されたか」という順で考えると、迷わず進められます。

遺留分の割合の決まり方

遺留分の割合は、法律で定められています。まず相続人全体に対して保障される割合があり、それを各相続人の取り分に応じて分けていく、という二段構えで考えます。

この順番を守ることには理由があります。誰に遺留分があるかが決まらなければ割合は出せませんし、割合が決まらなければ金額も出せません。土台から順に積み上げるからこそ、正確な数字にたどり着けるのです。途中を飛ばして結論だけ急ぐと、かえって混乱して間違えやすくなります。急がば回れの姿勢が、確実な計算につながります。

もし途中で行き詰まったら、どのステップでつまずいているのかを確かめてみてください。相続人の確定でつまずいているのか、基礎財産の確定なのか、それとも割合の配分なのか。問題の所在がわかれば、対処もしやすくなります。すべてを一度に解決しようとせず、段階ごとに切り分けて考えることが、複雑な計算を乗り越えるコツです。

段階ごとに切り分けて考えると、専門家に相談する際にも役立ちます。どの部分で困っているのかを具体的に伝えられれば、的確な助言を受けやすくなるからです。「全部わからない」と丸ごと相談するより、「この贈与の扱いがわからない」と絞って相談したほうが、話が早く進みます。問題を整理しておくことは、相談の質を高めることにもつながります。

相続人全体に保障される割合は、原則として相続財産の半分です。ただし、相続人が親などの直系尊属だけである場合には、その割合は三分の一になります。そして、この全体の割合を、各相続人が本来受け取るはずの相続分に応じて分け合うことで、一人ひとりの遺留分が決まります。

少しわかりにくいかもしれませんので、言い換えてみましょう。まず「全員でどれだけの遺留分が保障されているか」という大きな枠を決めます。次に、その枠を「それぞれの相続人がどんな割合で分け合うか」に従って配分します。大きな枠を出してから、それを各人に割り振る。この二段階のイメージを持つと、ぐっと理解しやすくなります。

たとえば、相続人が配偶者と子の二人だとしましょう。まず全体の遺留分として財産の半分という枠が決まります。その半分を、配偶者と子それぞれの相続分の割合に応じて分け合うことになります。結果として、一人ひとりの遺留分は、財産全体から見ればさらに小さな割合になります。全体の枠と個別の取り分は別物だと理解しておきましょう。

ここを混同すると、計算が大きくずれてしまいます。全体の遺留分が財産の半分だからといって、自分一人で半分を請求できるわけではありません。その半分を、ほかの遺留分権利者と分け合うことになるからです。自分の取り分は、全体の枠をさらに分けた一部にすぎない。この感覚をしっかり持っておくことが、現実的な見積もりにつながります。

現実的な見積もりは、その後の話し合いや請求の出発点になります。過大な期待を抱いたまま交渉に臨むと、相手との隔たりが大きくなり、話がまとまりにくくなります。逆に、正確な見積もりをもとにすれば、無理のない範囲で着地点を探れます。地に足のついた数字を持つことが、円滑な解決への近道になるのです。

相続人の構成 全体に保障される割合の考え方
配偶者や子がいる場合 相続財産の半分が全体の遺留分の目安
親などの直系尊属だけの場合 相続財産の三分の一が全体の遺留分の目安
兄弟姉妹の場合 遺留分は認められない

つまり、配偶者と子がいるケースなら、全体として財産の半分が遺留分として保障され、それを配偶者と子で分け合うイメージです。兄弟姉妹には遺留分がないため、この計算自体が関係しません。自分の家族構成がどれにあたるかを、まず確かめてみましょう。

注意したいのは、相続人の構成によって全体の割合そのものが変わる点です。配偶者や子が一人でもいれば全体は半分ですが、相続人が親などの直系尊属だけになると三分の一に下がります。誰が相続人になるかで、出発点となる割合が違ってくるのです。だからこそ、計算の前に相続人を正確に把握しておくことが欠かせません。

相続人の構成は、思っているより複雑なことがあります。前の配偶者との間に子がいたり、認知された子がいたり、相続人の一人がすでに亡くなっていてその子が代わりに相続したりするケースもあります。こうした事情を見落とすと、割合の計算が根本から狂ってしまいます。家族関係に少しでも複雑な事情があるなら、相続人の確定は慎重に行いましょう。

相続人が誰かによって、遺留分の総額も各人の取り分も変わります。たとえば、相続人が増えれば、一人あたりの遺留分は小さくなります。逆に、相続放棄などで相続人が減れば、残った人の取り分が変わることもあります。相続人の確定は、単なる前段階ではなく、計算結果そのものを左右する重要な作業なのです。

遺留分を計算する四つのステップ

遺留分の金額は、大きく分けて四つのステップで計算します。一つずつ順を追えば、複雑に見える計算も整理して進められます。

  1. 計算の基礎となる財産を確定します。亡くなった時点の財産に、一定の生前贈与を加え、債務を差し引いて求めます。
  2. 相続人全体に保障される遺留分の割合を判定します。配偶者や子がいれば半分、直系尊属だけなら三分の一が目安です。
  3. 自分の個別の遺留分を計算します。全体の割合に、自分の本来の相続分に応じた割合を掛けて求めます。
  4. 実際に侵害された額を算定します。自分の遺留分から、すでに受け取った財産などを差し引いた残りが、請求できる金額の目安になります。

この四つのステップのうち、とくに最初の基礎財産の確定が、計算のかなめになります。ここに何を含めるかによって、最終的な金額が大きく変わるからです。生前贈与をどこまで含めるかは判断が分かれやすい点であり、慎重な検討が必要です。生前贈与と遺留分の関係を押さえておくと、計算の精度が上がります。

基礎財産を確定する作業は、いわば計算の土台づくりです。ここでは、亡くなった時点で残っていた財産だけでなく、生前に贈与された財産の一部や、差し引くべき債務まで考えます。土台がぐらつくと、その上に積み上げる計算もすべて狂ってしまいます。だからこそ、最初の一歩である基礎財産の確定に、もっとも丁寧に取り組む必要があるのです。

個別の遺留分を出すステップでは、全体の割合に、自分が本来受け取るはずだった相続分の割合を掛けます。たとえば、相続人が複数いれば、全体の遺留分をその人数や立場に応じて分け合うことになります。自分一人の遺留分は、全体の一部にすぎないという点を意識しておきましょう。ここを取り違えると、自分の取り分を多く見積もりすぎてしまいます。

侵害額を算定する最後のステップでは、自分の遺留分から、すでに受け取った財産や、自分が引き継ぐ債務などを差し引きます。遺言で何も受け取っていなくても、生前に贈与を受けていれば、その分が考慮されることもあります。最終的に手元に残る不足分こそが、請求できる金額の目安です。受け取ったものを差し引く、というこの最後の調整を忘れないようにしましょう。

家族構成別の遺留分の割合

遺留分の割合は、家族構成によって変わります。代表的なパターンごとに、おおまかな目安を整理しておきましょう。これを知っておくと、自分のケースのイメージがつかみやすくなります。

家族構成 遺留分の割合の目安
配偶者のみ 財産全体の半分が配偶者の遺留分
配偶者と子 全体の半分を配偶者と子で分け合う
子のみ 財産全体の半分を子の人数で分ける
親などの直系尊属のみ 財産全体の三分の一を分け合う
兄弟姉妹 遺留分は認められない

たとえば、配偶者と子が一人いる場合、全体として財産の半分が遺留分となり、それを配偶者と子で分け合うことになります。子が複数いれば、子の分をさらに人数で分けます。このように、まず全体の割合を出し、それを相続人の構成に応じて分けていくのが基本の流れです。遺産分割協議の進め方も知っておくと、全体像がつかみやすくなります。

早見表はあくまで目安であり、実際のケースでは細かな事情によって結論が変わることもあります。たとえば、相続人の一部がすでに亡くなっていてその子が代わりに相続する場合や、相続放棄をした人がいる場合などは、割合の計算が変わってきます。表のとおりに単純にあてはめられないこともある、という点は心に留めておきましょう。迷ったときは、専門家に確認するのが確実です。

早見表を使うときは、自分の家族構成が表のどの行にあたるかを正確に見極めることが大切です。似たような構成でも、相続人の人数が違えば一人あたりの割合は変わります。表の数字をそのまま自分の取り分だと思い込まず、自分のケースに落とし込んで考える必要があります。あくまで全体像をつかむための目安として活用しましょう。

計算でつまずきやすいポイント

遺留分の計算では、いくつかの点でつまずきやすくなります。あらかじめ注意点を知っておけば、誤りを避けられます。代表的なものを見ていきましょう。

とくに間違えやすいのは、次のような点です。

  • 生前贈与をどこまで基礎財産に含めるかの判断
  • 相続人が受けた贈与を、特別受益として持ち戻すかどうか
  • 全体の遺留分と、自分一人の個別の遺留分を混同してしまうこと
  • すでに受け取った財産や引き継ぐ債務を差し引き忘れること

もっとも判断が難しいのが、生前贈与をどこまで基礎財産に含めるかです。亡くなる前に贈与された財産でも、一定の範囲のものは計算に加えることになります。とくに、相続人が受けた贈与は、特別受益として持ち戻して計算する場合があります。何を含めるかで金額が変わるため、ここは慎重な検討が欠かせません。

たとえば、亡くなった人が生前に特定の子へまとまった財産を贈与していた場合、その贈与を計算にどう反映させるかで、各相続人の遺留分は大きく変わります。贈与を受けた本人にとっては不利に、ほかの相続人にとっては有利に働くこともあります。立場によって見方が分かれるからこそ、感情的にならず、客観的な基準にそって判断することが大切です。

注意
遺留分の計算では、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も考慮します。債務を見落とすと、基礎となる財産を多く見積もってしまい、請求できる金額を誤って計算するおそれがあります。財産も債務ももれなく洗い出すことが大切です。

また、不動産や非上場の株式など、評価が難しい財産が含まれる場合も注意が必要です。評価額のとらえ方によって、遺留分の金額は変わってきます。さらに、誰がどの財産を受け取ったかによって、各相続人の侵害額も変わります。こうした事情が重なると、計算は一気に複雑になります。相続人が受けた贈与の扱いを理解しておくと、つまずきを減らせます。

計算が複雑になりやすいのは、相続財産の中身が多様なときです。預貯金のように金額がはっきりしている財産ばかりなら計算は単純ですが、不動産や事業用の資産、非上場の株式などが混ざると、まず評価額をどう見るかという問題が加わります。評価が定まらなければ、遺留分の金額も定まりません。財産の種類が多いほど、専門家の力が必要になる場面も増えてきます。

遺留分が侵害されたときの進め方

計算の結果、自分の遺留分が侵害されているとわかったら、どう動けばよいのでしょうか。請求の基本的な流れを押さえておきましょう。

遺留分を侵害された相続人は、財産を多く受け取った人に対して、不足分を金銭で支払うよう求めることができます。これが遺留分侵害額請求です。まずは相手に請求の意思を伝え、話し合いで解決を図るのが一般的です。話し合いがまとまらなければ、調停や訴訟といった手続きに進むこともあります。

ここで気をつけたいのが、請求には期限があるという点です。遺留分の侵害を知ってから一定の期間が過ぎると、請求できなくなってしまいます。「いつか請求すればよい」と先延ばしにすると、権利そのものを失いかねません。侵害に気づいたら、早めに動くことが大切です。誰が遺留分を持つのかをめぐって争いになりそうなときは、早い段階で専門家に相談すると安心です。

請求の意思は、後で証拠に残る形で伝えておくことが大切です。口頭で伝えただけでは、いつ請求したのかがあいまいになり、期限を守ったかどうかで争いになることがあります。書面など記録の残る方法で意思を示しておけば、こうした不安を避けられます。期限が関わる手続きだからこそ、伝え方にも気を配っておきたいところです。

遺留分の計算を確実に進めるために

ここまで見てきたように、遺留分の計算は、誰に遺留分があるかを確かめ、全体の割合を判定し、個別の割合を出し、侵害額を算定する、という順で進めます。一見複雑ですが、ステップに分ければ着実に計算できます。とくに、何を基礎財産に含めるかが金額を大きく左右する点を、つねに意識しておきましょう。

生前贈与の扱いや財産の評価など、判断が難しい場面では、自己流の計算が思わぬ誤りを生むこともあります。正確に見積もりたいときや、相手との交渉が必要なときは、無理をせず専門家の力を借りてください。遺留分の計算や請求で迷うことがあれば、相続にくわしい弁護士に相談することで、安心して進められます。

遺留分の計算についてよくある質問

最後に、遺留分の計算について、よく寄せられる質問にお答えします。

遺留分の計算に生前贈与はすべて含まれますか

すべての生前贈与が含まれるわけではありません。贈与を受けた相手が相続人かどうかや、贈与された時期などによって、計算に含めるかどうかが変わります。とくに、相続人が受けた贈与は、特別受益として持ち戻す場合があります。どの贈与を含めるかは判断が分かれやすい点ですので、迷うときは専門家に確認するのが確実です。

借金がある場合は遺留分の計算にどう影響しますか

遺留分の計算では、亡くなった人の借金などの債務も考慮します。基礎となる財産から債務を差し引いて計算するため、債務が大きいほど遺留分の金額は小さくなります。プラスの財産だけを見て計算すると、実際より多く見積もってしまうおそれがあります。財産と債務の両方をもれなく把握することが、正確な計算につながります。

不動産が遺産に含まれる場合、評価額はどう決めますか

不動産の評価額は、とらえ方によって幅が出ることがあり、遺留分の金額に影響します。当事者の間で評価額の認識が食い違うと、争いの原因になりがちです。客観的な評価が必要な場合は、専門家の意見を取り入れることもあります。評価をめぐって意見が分かれそうなときは、早めに専門家へ相談しておくと、話し合いを進めやすくなります。

遺留分を計算したらマイナスになりました。どうなりますか

計算の結果、すでに受け取った財産が自分の遺留分を上回っている場合には、侵害額が生じず、請求できないことになります。遺留分は最低限の取り分を保障するものですから、それを満たしているなら請求の対象にはなりません。自分が本当に侵害を受けているのかを正しく見極めることが、無用な争いを避けるうえでも大切です。

遺留分は遺言で減らしたりなくしたりできますか

遺言によって、特定の相続人の遺留分を一方的になくすことは原則としてできません。遺留分は、遺言があっても奪えない最低限の取り分として保障されているからです。ただし、相続人の側が家庭裁判所での手続きを経て、あらかじめ遺留分を放棄することは認められる場合があります。遺留分をめぐる扱いは複雑なので、心配な点があれば専門家に確認しておくとよいでしょう。

遺留分の計算は自分でもできますか

財産の内容がシンプルで、生前贈与もない場合には、大まかな見当を自分でつけることもできます。しかし、生前贈与や債務、評価の難しい財産が関わると、計算は一気に複雑になります。誤った計算をもとに請求すると、かえって不利になることもあります。正確な金額を知りたいときや、相手との交渉が必要なときは、専門家に確認するのが確実です。

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