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仲のよい家族でも相続が争族に発展するのはなぜか
「うちは仲がいいから、相続でもめることなんてない」。多くの方がそう思っています。けれども、相続の現場では、それまで仲のよかった家族が、遺産をきっかけに激しく対立してしまうことが少なくありません。こうした相続をめぐる争いを、相続の「相」と争いの「争」をかけて「争族」と呼ぶことがあります。
争族は、どんな家庭にも起こりうるといわれています。仲のよい家族でも、相続財産が決して多くない家族でも、です。遺産をどう分けるかという問題には、それぞれの相続人の感情や、これまでの人間関係、それぞれの生活の事情が複雑に絡み合います。普段は表に出ない思いが、相続をきっかけに噴き出してしまうのです。幼い頃からのきょうだい間の力関係、親との距離感の違い、結婚や独立で生じた経済状況の差。こうした目に見えない事情が、遺産という具体的なものを前にして、一気に表面化するのです。だからこそ、相続は単なる財産の分配ではなく、家族の歴史そのものと向き合う作業になるといえます。その重みを理解しておくことが、争族を避ける第一歩になります。
この記事では、なぜ相続が争族に発展してしまうのか、その典型的な原因を紹介したうえで、揉め事をどう防ぎ、どう解決していけばよいのかを、弁護士の視点から解説していきます。「自分の家は大丈夫」と思っている方こそ、ぜひ知っておいていただきたい内容です。争族は、特別な家庭だけに起こるものではありません。ごく普通の、仲のよい家庭でも起こりうるからこそ、誰もが他人事と思わずに備えておく必要があります。事前に原因と対策を知っておくだけで、いざというときの心構えがまったく変わってきます。備えがあれば、思いがけない事態にも落ち着いて対処できます。知識は、争族から家族を守る盾になるのです。正しく知っておくことが、いざというときの最大の武器になります。
争族はお金よりも感情から生まれる
争族の多くは、実は財産そのものよりも、相続人の感情から生まれます。「親の面倒を見たのは自分なのに、何ももらえないのは納得できない」「兄ばかり優遇されてきた」といった、長年積み重なってきた思いが、相続をきっかけに表面化するのです。
相続は、家族のこれまでの関係を映し出す鏡のようなものです。幼い頃のきょうだい喧嘩から、結婚や就職をめぐる親との関わりまで、家族の歴史すべてが相続の場に持ち込まれます。だからこそ、相続は単純な計算では割り切れないのです。数字の上では公平に分けても、感情の面で納得できなければ、争いは収まりません。普段は飲み込んできた不満や、きょうだい間の微妙な感情が、財産の分け方という具体的な問題を前にして、一気に噴き出します。だからこそ、お金の問題として割り切れず、根の深い対立に発展しやすいのです。争族を防ぐには、こうした感情の存在に目を向けることが欠かせません。単に「法律ではこう分ける」と示すだけでは、感情のしこりは解けません。それぞれの相続人がどんな思いを抱えているのか、その背景にどんな事情があるのか。そこに目を向けてはじめて、本当の解決への糸口が見つかります。争族の問題は、法律の問題であると同時に、人の気持ちの問題でもあるのです。この両面に向き合えるかどうかが、円満な解決の分かれ目になります。
相続が争族に発展する主な原因
では、具体的にどのような状況が争族を引き起こすのでしょうか。相続の現場でよく見られる原因を、いくつか見ていきましょう。自分の家庭に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。
想定していなかった相続人の出現
争族のきっかけとして比較的多いのが、想定していなかった相続人が現れることです。たとえば、被相続人に、家族の知らない子がいたといったケースです。「家族みんなで分ける」と思っていた財産が、見知らぬ相続人の登場によって減ってしまう。そのことが、争いを生むことがあります。とくに、被相続人が生前にそうした事実を家族に伝えていなかった場合、残された家族の動揺は大きくなります。突然知らされた事実を受け入れられず、感情的な反発が先に立ってしまうのです。
もちろん、そうした相続人にも、法律上は正当な相続権が認められています。後ろめたいことは何もありません。被相続人の子であれば、家族が知っていたかどうかにかかわらず、相続人になります。これは法律で定められた権利であり、誰にも否定できません。感情的に受け入れがたくても、法律上の事実として向き合う必要があります。しかし、残された家族からすれば、心の準備がないまま新たな相続人と向き合うことになり、戸惑いや反発が生じやすいのです。こうした事態は、戸籍を調べて初めて分かることも多く、相続人調査の段階で発覚することがあります。相続人調査では、被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどります。その過程で、家族が把握していなかった相続人の存在が明らかになることがあるのです。思いがけない事実が判明したときこそ、感情的にならず、冷静に対応することが求められます。動揺するのは当然ですが、感情のままに動くと、かえって事態を悪化させかねません。一呼吸おいて、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
法律への無理解からくる対立
法律を正しく理解していないことが、争いの原因になることもあります。たとえば、本来は相続権のない人が遺産を求めてきたり、逆に、正当な相続権を持つ人を「あなたには権利がない」と他の相続人が決めつけたりするケースです。
代襲相続によって相続人になった孫や、認知された子などについて、「相続権はないはずだ」と誤解している相続人がいると、話し合いはこじれます。法律ではこう決まっている、と説明しても、感情的になっている相手はなかなか納得しません。とくに、自分に不利な内容であればあるほど、人は法律の説明を素直に受け入れにくくなるものです。だからこそ、信頼できる第三者からの説明が、納得を得る助けになります。正しい法律の知識を、当事者だけで共有するのは難しいことも多いのです。インターネットなどで断片的な情報を得ても、それが自分のケースに当てはまるとは限りません。むしろ、不正確な知識をもとに主張をぶつけ合うことで、対立がいっそう深まることもあります。生半可な知識は、かえって争いをこじらせる原因にもなりかねません。だからこそ、確かな法律の知識を持つ専門家に相談することが大切なのです。正確な法律の知識に基づいて話を整理するには、専門家の助けが必要になることが多いのです。
家族の固定観念による思い込み
「長男だから多くもらって当然だ」「家を継ぐ者がすべて相続するべきだ」といった固定観念も、争族の火種になります。こうした思い込みを強く持っている相続人がいると、その人を納得させるのは容易ではありません。
昔ながらの家督相続の感覚が抜けず、特定の相続人がすべてを取得すべきだと考えている。一方で、他の相続人は法律どおりの公平な分割を望んでいる。この食い違いが埋まらないと、話し合いは平行線をたどり、最終的に裁判所での手続きにまで発展することもあります。昔の家制度のもとでは、長男が家を継ぎ、財産も受け継ぐのが一般的でした。その感覚が今も残っている方にとっては、財産を均等に分けるという考え方が受け入れがたいこともあります。一方で、現在の法律は、相続人を平等に扱うことを基本としています。この価値観のずれが、世代間や立場の違いとなって現れ、争いの根になるのです。どちらの考え方にも、その人なりの理由があります。育ってきた時代や立場によって、相続観は大きく異なるものです。だからこそ、一方的にどちらが正しいと決めつけるのではなく、お互いの立場を理解しようとする姿勢が求められます。
| 争族の原因 | どんな状況か |
|---|---|
| 想定外の相続人 | 家族の知らない相続人が現れて取り分が減る |
| 法律への無理解 | 相続権の有無を誤解して対立する |
| 固定観念 | 長男優先などの思い込みが折り合わない |
財産の分け方をめぐる不満が争いを生む
相続した財産の額や内容に不満があることも、争族の大きな原因です。誰がどれだけ受け取るかという、最も直接的な部分での対立です。ここでは、財産の分け方をめぐる争いについて見ていきます。
不公平感が対立を深める
相続人の間で「自分の取り分が少ない」「あの人ばかり多くもらっている」という不公平感が生まれると、それが争いに発展します。とくに、生前に特定の相続人だけが多額の援助を受けていた場合、他の相続人は強い不満を抱きがちです。たとえば、ある子だけが住宅資金や事業資金の援助を受けていたとなれば、援助を受けなかった子が「不公平だ」と感じるのは自然なことです。こうした過去の援助は、相続の場面で蒸し返され、対立の火種になります。長い時間が経っていても、相続の場では過去の不公平が問題になりやすいのです。
こうした生前の援助は、特別受益として遺産分割の際に考慮されることがあります。特別受益と認められれば、その援助を受けた相続人の取り分は、その分だけ調整されます。先に利益を受けた人と受けていない人との間の公平を図るための仕組みです。ただし、何が特別受益に当たるかの判断は難しく、専門家の助言が役立つ場面です。しかし、何が特別受益に当たるか、どう評価するかをめぐって、相続人の意見が割れることも多いのです。過去のことだけに記録も残っておらず、「もらった」「もらっていない」の水掛け論になることもあります。何年も前、ときには何十年も前の援助について、正確な金額や経緯を覚えている人は多くありません。証拠となる書類が残っていないことも珍しくなく、当事者の記憶だけが頼りになります。そうなると、立場によって都合のよい記憶が残り、お互いの主張がかみ合わなくなってしまうのです。こうした争いを避けるには、生前から記録を残しておくことが大切になります。いつ、誰に、どのような援助をしたのかを書面で残しておけば、後の水掛け論を防げます。
分けにくい財産が問題になる
相続財産の中に、分けにくいものが含まれていると、争いが起こりやすくなります。その代表が不動産です。現金であれば、きっちり等分できますが、自宅などの不動産は、簡単に分けることができません。土地や建物を物理的に分割するのは現実的でないことが多く、かといって一人が独占すれば他の相続人が不満を持ちます。不動産は、相続財産の中でも特に扱いの難しい財産なのです。不動産の分け方をめぐる対立は、争族の典型的なパターンの一つといえます。
一つしかない実家を、複数の相続人でどう分けるか。一人が住み続けたいと言えば、他の相続人は現金で取り分を受け取りたいと考える。しかし、その現金を用意できなければ、話はまとまりません。分けにくい財産の存在は、相続人の希望がぶつかり合う原因になり、争族へとつながっていきます。とくに、相続財産の大部分が自宅などの不動産で、現金がほとんどないという場合、問題は深刻です。代々受け継いできた土地や、思い出の詰まった実家ほど、相続人それぞれに特別な思い入れがあり、話し合いが感情的になりがちです。金銭には換えがたい思い出が絡むだけに、冷静な話し合いが難しくなるのです。不動産を分けようとすれば売却するしかなく、しかし住み続けたい相続人がいれば、それもできません。誰の希望を優先するかをめぐって、相続人同士の利害が真っ向から対立してしまうのです。全員の希望を同時にかなえることが難しいからこそ、不動産が絡む相続は慎重な調整が必要になります。それぞれの事情を踏まえた、柔軟な分け方の検討が求められます。
争族を未然に防ぐためにできること
争族は、一度起きてしまうと、解決までに大きな時間と労力、そして精神的な負担を伴います。だからこそ、起きてしまう前に防ぐことが何より大切です。ここでは、争族を未然に防ぐための工夫を見ていきましょう。
遺言書を残しておく
争族を防ぐうえで、最も有効な手段の一つが遺言書です。被相続人が、自分の意思で財産の分け方を決めておけば、相続人同士が分け方をめぐって争う余地を減らせます。遺言書がない場合、相続人は全員で話し合って分け方を決めなければなりません。この話し合いこそが、争いの起こりやすい場面です。あらかじめ遺言で分け方が決まっていれば、その話し合い自体が不要になり、争いの芽を摘むことができるのです。誰に何を残すのかが明確になっていれば、話し合いの混乱を避けられるのです。
ただし、遺言書を作る際には、相続人の遺留分にも配慮する必要があります。特定の相続人にすべてを残すような内容だと、かえって遺留分をめぐる別の争いを招くこともあります。遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分です。遺言でこれを侵害すると、侵害された相続人が金銭の支払いを求めることができます。そうなると、遺言があっても新たな争いが生じてしまいます。遺言を作る際は、こうした点にも配慮が必要なのです。せっかくの遺言が逆効果にならないよう、遺留分を踏まえた内容にすることが重要です。なぜその分け方にしたのか、被相続人の思いを書き添えておくと、相続人の納得を得やすくなります。確実に効力のある遺言を残すには、専門家に相談しながら作成するのが安心です。遺言書には、財産の分け方だけでなく、その理由や家族への思いを記すこともできます。「長年介護をしてくれた長女に多く残したい」「家業を継ぐ次男に事業用の財産を託したい」といった被相続人の気持ちが伝われば、他の相続人も納得しやすくなります。法的な分け方の指定に、心のこもったメッセージを添えることが、争いを防ぐ力になるのです。遺言は、財産を分ける道具であると同時に、家族へ思いを伝える手紙でもあるのです。
生前に家族で話し合っておく
被相続人が元気なうちに、家族で相続について話し合っておくことも、争族の予防に役立ちます。財産の状況や、誰に何を残したいかという考えを、生前に共有しておけば、相続が始まってから「聞いていない」「知らなかった」という対立を防げます。
相続の話は切り出しにくいものですが、被相続人本人が場を設けることで、家族も向き合いやすくなります。子の側から相続の話を持ち出すと、「早く財産が欲しいのか」と受け取られかねず、なかなか言い出せないものです。その点、被相続人本人が「みんなで一度相続のことを話しておきたい」と切り出せば、家族も自然に話し合いに参加できます。親が主導することで、相続の話を前向きに進めやすくなるのです。それぞれの希望や事情を出し合い、お互いの考えを知っておくだけでも、いざというときの対立を和らげられます。たとえば、ある相続人は実家を残したいと考え、別の相続人は売却して分けたいと考えているかもしれません。そうした希望の違いを、被相続人が元気なうちに知っておけば、調整の余地も生まれます。相続が始まってから初めてお互いの考えを知るのでは、対立を避けるのが難しくなってしまうのです。早めに気持ちを共有することが、争族を防ぐ何よりの予防策になります。話し合いの内容を記録に残したり、遺言書という形にまとめたりしておくと、より確実です。口頭での約束だけでは、後から「言った」「言わない」の争いになりかねません。生前の話し合いで決めたことは、書面に残しておくことで、相続人全員が同じ認識を持てます。とりわけ、遺言書という法的に効力のある形にまとめておけば、より確実に被相続人の意思を実現できます。話し合いのメモと遺言書では、法的な重みがまったく違うのです。
専門家を交えて準備する
争族の予防には、早い段階から専門家の力を借りることも有効です。弁護士などの専門家に相談すれば、その家庭の状況に応じて、争いを防ぐための具体的な対策を提案してもらえます。遺言書の作成や、生前贈与の活用など、家族に合った方法を一緒に考えてもらえるのです。争族を防ぐ方法は、一つではありません。遺言書のほか、生前贈与や、財産の組み替えなど、さまざまな手立てがあります。どの方法がその家庭に適しているかは、財産の内容や家族構成によって変わります。専門家は、複数の選択肢の中から、その家庭に最も合った方法を提案してくれます。一律の正解はなく、それぞれの家庭に合わせた対策が必要だからこそ、専門家の存在が頼りになります。オーダーメイドの対策を立てるために、専門家の知見を借りるのが近道です。
専門家は、これまで数多くの相続に関わってきた経験から、どんな点で争いが起こりやすいかを熟知しています。第三者の専門家が関わることで、家族だけでは気づきにくい問題点を早めに洗い出し、対策を講じることができます。自分たちでは「うちは大丈夫」と思っていても、専門家の目から見れば争いの種が潜んでいることもあります。経験豊富な専門家は、家族構成や財産の状況を見ただけで、どこに注意すべきかを見抜けます。問題が表面化する前に対策を打てるのが、専門家に相談する大きな利点です。転ばぬ先の杖として、専門家の知見を活用したいところです。
争族が起きてしまったときの解決方法
予防に努めても、争族が起きてしまうことはあります。すでに相続人同士が対立してしまっている場合、どう解決していけばよいのでしょうか。段階を追って、解決の道筋を見ていきましょう。
まずは話し合いでの解決を目指す
争族が起きても、最初に目指すべきは、相続人同士の話し合いによる解決です。遺産分割は、相続人全員の合意があれば、話し合いで自由に決めることができます。裁判所の手続きに進む前に、まずは冷静に話し合う場を持つことが大切です。話し合いで解決できれば、時間も費用も抑えられ、相続人同士の関係も保ちやすくなります。裁判所の手続きに進むと、どうしても対立の構図が固まりやすくなります。一度こじれた関係を元に戻すのは、容易ではありません。いきなり裁判所に持ち込むのではなく、まずは対話の機会を作ることが、円満な解決への第一歩です。
ただし、当事者だけで話し合うと、感情的になってかえって対立が深まることもあります。そんなときは、弁護士に間に入ってもらうことで、冷静で建設的な話し合いがしやすくなります。第三者である専門家が客観的な視点から調整することで、当事者だけでは見つからなかった解決の糸口が見えてくることもあります。当事者同士だと、お互いの主張に固執してしまい、譲り合うことが難しくなります。専門家が間に入れば、感情から一歩離れた冷静な議論ができ、双方が納得できる落としどころを探りやすくなります。第三者の存在そのものが、話し合いを前に進める力になるのです。専門家が間に立つだけで、対立していた相続人同士の歩み寄りが生まれることもあります。
話し合いがまとまらなければ調停へ
当事者同士の話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停という手続きを利用できます。調停では、調停委員が間に入り、双方の言い分を聞きながら、合意に向けた話し合いを進めてくれます。裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、あくまで話し合いによる解決を目指す手続きです。
調停でも合意に至らない場合は、審判という手続きに移り、裁判所が遺産の分け方を決定することになります。審判では、裁判所が法律に基づいて分け方を決めるため、必ずしも自分の望む結果になるとは限りません。また、解決までに長い時間がかかることもあります。だからこそ、可能なかぎり、その前の段階で折り合いをつけることが望ましいのです。時間と労力、そして家族の絆を守るためにも、早期の解決を目指したいところです。ここまで来ると、相続人の希望どおりにならないこともあります。だからこそ、できるだけ早い段階で、話し合いや調停での解決を目指すことが望ましいのです。審判による解決は、いわば最後の手段です。できることなら避けたい、最終局面の手続きといえます。そこに至るまでには、多くの時間と労力がかかり、相続人同士の関係も深く傷ついてしまうことが少なくありません。できることなら、その手前の話し合いや調停の段階で解決をはかるのが、すべての相続人にとって望ましい形だといえます。
争族の解決で弁護士が果たす役割
争族は、当事者だけで解決しようとすると、なかなか前に進まないことが多いものです。感情的な対立が絡むだけに、お互いに譲り合うのが難しく、話し合いが堂々巡りになりがちです。そんなとき、弁護士などの専門家に相談することには、大きな意義があります。
弁護士は、法律の専門家として、その相続で誰がどれだけの権利を持つのかを正確に整理できます。感情論で平行線をたどっていた話し合いも、法律という客観的な基準に立ち返ることで、解決の方向が見えてくることがあります。また、当事者の代わりに他の相続人と交渉してもらえるため、直接顔を合わせる精神的な負担も軽くなります。対立している相手と直接やり取りするのは、大きなストレスになります。弁護士が代理人として交渉にあたることで、相続人本人は感情的なぶつかり合いから解放され、冷静に対応できるようになります。心の負担が軽くなることで、結果的に納得のいく解決にもつながりやすくなります。
争族は、放っておいても解決しません。むしろ、時間が経つほど対立が深まり、解決が難しくなることもあります。少しでも「これは争いになりそうだ」と感じたら、早めに専門家に相談することをおすすめします。早い段階で関わってもらうほど、円満な解決に近づけます。対立が深まってからでは、修復が難しくなることもあります。まだ感情のこじれが浅いうちに専門家が入ることで、関係を壊さずに解決できる可能性が高まります。家族の絆を守るためにも、早めの相談を心がけたいものです。
相続の争族についてよくある質問
最後に、相続の争族について、よく寄せられる質問にお答えします。
財産が少なくても争族は起こりますか
財産が少なくても、争族は起こります。むしろ、財産が少ないほど分けにくく、わずかな取り分をめぐって対立が生じることもあります。争族の多くは財産の額そのものよりも、相続人の感情や不公平感から生まれます。「うちは財産がないから関係ない」と油断せず、どんな家庭でも備えておくことが大切です。
争族を防ぐにはどうすればよいですか
争族を防ぐには、遺言書を残しておくこと、生前に家族で話し合っておくこと、早めに専門家に相談することが有効です。とくに遺言書は、財産の分け方をめぐる争いを減らす効果があります。ただし遺留分への配慮が必要なため、確実に効力のある遺言を残すには専門家に相談しながら作成するのが安心です。
すでに争いが起きている場合はどうすればよいですか
すでに争いが起きている場合も、まずは話し合いによる解決を目指します。当事者だけで難しいときは、弁護士に間に入ってもらうと冷静に話を進めやすくなります。話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所の調停や審判という手続きを利用することになります。対立が深まる前に、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
遺産分割調停とはどんな手続きですか
遺産分割調停とは、家庭裁判所で、調停委員が間に入って遺産の分け方を話し合う手続きです。裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、双方の言い分を聞きながら合意を目指します。当事者同士の話し合いでまとまらない場合に利用され、それでも合意できなければ審判に移り、裁判所が分け方を決めることになります。
弁護士に相談するとどんなメリットがありますか
弁護士に相談すると、誰がどれだけの権利を持つかを法律に基づいて整理してもらえます。感情的になっていた話し合いも、客観的な基準に立ち返ることで解決の方向が見えてきます。また、他の相続人との交渉を任せられるため、直接やり取りする精神的な負担が軽くなります。早めに相談するほど、円満な解決に近づけます。
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基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
